マネーボイス メニュー

オーバル Research Memo(1):2026年3月期は増収・大幅増益。2027年3月期も増収増益見込み

■要約

オーバルは、1949年に創業された流量計のパイオニアで、流体計測機器メーカーの専業最大手であり、東京証券取引所(以下、東証)スタンダード市場に上場している。多岐にわたるラインナップを誇る流量計を提供するセンサ部門、流体計測に関わるシステムパッケージを提供するシステム部門、顧客の要望にきめの細かいメンテナンス対応で応えるサービス部門の3事業により、常に時代に最適な商品・サービスを提供し、顧客の最大級の満足を追求している。2032年3月期を目標に「アジアNo.1のセンシング・ソリューション・カンパニー」へと成長を遂げることを目指して、中期経営計画「Imagination 2028」(2026年3月期~2028年3月期)を鋭意推進中である。

1. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期の連結業績は、売上高15,589百万円(前期比3.6%増)、営業利益1,703百万円(同19.7%増)、経常利益1,771百万円(同22.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,400百万円(同36.0%増)と、増収・大幅増益となった。売上高は、オーストリアのAnton Paar GmbH(以下、Anton Paar)からのライセンス契約に伴う一時金の収入や、一部製品の値上げなどにより増加した。利益面は、増収や原価率の改善などにより、各段階利益が期初予想を大きく上回る大幅増益となった。事業部門別売上高は、主力のセンサ部門では、国内で化学関連業界向けが好調に推移し、海外では中国の船舶関連業界向けが好調で、さらにAnton Paarからの契約一時金の収受が加わり、前期比9.9%増と堅調に推移した。システム部門は、海外では大口案件の進捗により一定の計上があったが、国内で前期に大口受注が集中した反動が大きく、同23.0%減となった。サービス部門は、地道できめの細かいメンテナンス活動の継続や、他社製品の校正サービスの強化などにより、同6.6%増となった。自己資本比率は63.7%で、最新データである2025年3月期の、プライム・スタンダード・グロース市場に上場する精密機器業界平均を上回る高い財務健全性を確保している。2026年3月期の1株当たり配当金は前期比4.0円増の20.0円に増配するとともに、大規模な自己株式取得を実施するなど、株主還元を重視する経営姿勢を弊社では評価している。

2. 2027年3月期の業績見通し
2027年3月期の連結業績については、売上高16,000百万円(前期比2.6%増)、営業利益1,800百万円(同5.7%増)、経常利益1,900百万円(同7.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,420百万円(同1.4%増)を見込んでいる。売上高については、おおむね前期と同水準を見込む。また、各段階利益は、原材料費・人件費の増加を見込む一方、販売単価の改善及び継続的なシステム部門の収益性の改善などにより、小幅の増益を予想する。ただ、同社が発表する業績予想は、慎重で保守的な傾向が強いことから、予想を上回って着地する可能性が高いと弊社では見ている。株主還元強化の方針に基づき、1株当たり配当金は前期比8.0円増の年間28.0円と、5期連続で過去最高を予定し、中期経営計画の配当目標を1年前倒しで達成する。

3. 中長期の成長戦略
推進中の中期経営計画「Imagination 2028」(2026年3月期〜2028年3月期)では、売上高170億円(2025年3月期比13.0%増)、経常利益17.5億円(同21.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益11.6億円(同12.6%増)、ROE7.2%(同0.5ポイント上昇)を目指す。その実現に向けて、成長戦略ではセンサ事業、サービス事業、システム事業の強化・拡大を図るとともに、新規事業の創出にも取り組む。また、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けて、総還元性向70%以上(計画期間3ヶ年の平均)、DOE2.7%以上を目標として掲げるなど、株主還元の強化にも積極的に取り組んでいる。なお、この方針に基づき、2026年3月期には自己株式取得を実施しており、資本効率の向上と株主還元の充実を両立させている。中期経営計画は多岐にわたる意欲的な計画であるが、初年度の2026年3月期には、早くも経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益、ROEが目標を上回り、順調なスタートを切った。成長戦略も着実に実績を積み上げており、今後の進捗に注目したい。

■Key Points
・流体計測機器メーカーの専業最大手。センサ部門、システム部門、サービス部門の3事業を展開
・2026年3月期は増収・大幅増益。増配と大規模な自己株式取得を実施
・2027年3月期も増収増益を見込むが、期初予想は保守的。大幅増配により5期連続で過去最高を予定
・中期経営計画では増収増益やROE上昇を計画。総還元性向70%以上(計画期間3ヶ年の平均)、DOE2.7%以上を目標とし、自己株式取得の実施など、積極的な株主還元策も計画

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)

シェアランキング

編集部のオススメ記事

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MONEY VOICEの最新情報をお届けします。