■要約
STGは、実用金属で最も軽いマグネシウムを中心とした様々な工業製品の部品製造・加工を得意とする会社である。金型の設計・製造、金属部品の鋳造、機械加工、ショットブラスト※、仕上げ、化成処理、塗装、組立までを行う事業を展開している。アルミニウムダイカストについては、品質を維持しつつ、軽量化とコストダウンを目的としたグローバル企業に製品を供給している。マグネシウム合金部品を中心とした電動車・自動運転関連軽量化ソリューションを戦略ドメインと定め、電動車などの普及に伴う市場拡大を成長機会と捉えている。
※ 投射材と呼ばれる粒体(金属の小球や砂など)を加工物(ワーク)に高速で吹き付け、表面を研磨したり汚れなどを除去したりする処理技術のこと。
1. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期の連結業績は、売上高が6,815百万円(前期比6.1%増)、営業利益が337百万円(同30.5%減)、経常利益が380百万円(同25.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益が280百万円(同27.9%減)となった。売上高は5期連続の過去最高を更新した。増収の要因は、マレーシアでアルミニウムダイカスト事業を行うE-CAST INDUSTRIES SDN. BHD.(E-Cast)の買収効果に加え、監視カメラの需要増により、従来のマレーシア事業も好調に推移したことによる。営業利益が減少した主な要因は、M&Aに伴う費用として、E-Castの子会社化に伴う一過性のM&A関連費用(122百万円)とのれん償却額(34百万円)を計上したためである。仮にこれらの費用が発生していなければ、計算上の営業利益は493百万円程度となり、増益を確保したと推測される。
2. 2027年3月期の業績見通し
2027年3月期の連結業績は、売上高が前期比11.5%増の7,600百万円、営業利益が同48.3%増の500百万円、経常利益が同10.4%増の420百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同3.3%増の290百万円を見込んでいる。成長基盤の構築を優先しつつ、マレーシア事業の拡大や拠点間の連携強化によって売上高、営業利益ともに過去最高(売上高は6期連続)の更新を目指す。また、利益面では、前期に発生した一過性のM&A関連費用(122百万円)の解消や、マレーシアのSTX PRECISION (JB) SDN. BHD.(STX)とE-Castの2社連携を活用した金型製作の内製化による外注費削減も寄与する見通しだ。
3. 中期経営計画
同社は、2024年12月に中期経営計画「Challenge 100」を公表した。2025年3月期から2028年3月期の3年間を対象に、「同業他社にはない独自の技術力をもとに成長し、事業の拡大を実現させる」というコンセプトを掲げる。2028年3月期目標として、連結売上高12,000百万円、連結営業利益1,200百万円を目指す。中期経営計画のビジョンを達成するために、(1) 生産能力の向上、人員の確保、(2) 収益力を維持拡大させるための技術の継承、(3) 課題を解決させるための資金調達の3つの主要課題に取り組む。
■Key Points
・2026年3月期は過去最高の売上高を更新も、M&Aに伴う費用計上により減益
・2027年3月期は売上高、営業利益ともに過去最高の見通し
・中期経営計画では、最終年度(2028年3月期)に売上高120億円、営業利益12億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 星 匠)