小松マテーレは5月13日、2026年3月期連結決算を発表した。売上高が前期比5.2%増の415.63億円、営業利益が同14.7%増の25.02億円、経常利益が同13.0%増の32.08億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同48.9%減の15.00億円となった。純利益の減少は、中期経営計画に基づく政策保有株式の縮減を計画通り進めるなかで、保有する非上場株式の一部について投資有価証券評価損12.32億円を特別損失として計上したためであり、本業の収益力を示す営業利益ベースでは二桁の増益を達成した。
主力の繊維事業の売上高は410.63億円、営業利益は前期比16.3%増の24.44億円と好調を維持した。衣料ファブリック部門では、欧州のラグジュアリーブランド向けが堅調に推移したほか、海外向けの民族衣装や北米向けファッションが年間計画通りに安定して受注できたことで業績を牽引した。国内のスポーツ・機能分野は人口減少やプロ向け商材の減少を背景に軟調であったものの、市場がファッション用途へシフトするなかで海外向けの増加がこれを補った。資材ファブリック部門は、生活関連資材分野において大手小売企業向けの生地素材を用いた小物の成約が継続したことが寄与し、売上高が同2.9%増の88.06億円、営業利益が同12.5%増の22.50億円となった。
製品部門についても、連結子会社化したNSKエコーマークが手掛ける最終商品のプリント加工において、国際的なスポーツイベント関連などのユニフォーム受注が好調だったことから、売上高が同84.0%増の26.30億円、営業利益が同90.2%増の1.94億円と大幅に伸長した。また、独自の環境技術として高い評価を受ける汚泥減容化バイオ製剤「ベリフォーマー」は、自社工場での汚泥ゼロ化の実績をもとに専門部署を新設し、官公庁や民間工場向けに採用件数を伸ばしており、排水処理事業としての成長を加速させている。さらに、操業を止めずに改築可能な炭素繊維複合材料「カボコーマ」による耐震補強工法も含め、同社が強みとする環境分野での多角的な事業展開が実を結びつつある。
収益面では、原油やボイラー用重油、天然ガス、染料などのエネルギー・資材価格の高騰が続いたものの、販売先へ理解を求める丁寧な交渉を通じて適切な価格改定を徹底し、コスト増の影響を跳ね返した。当期に発生した構造改革費用8億2,800万円については、工場再編計画の第一歩となる「第2物流センター」の運用開始のほか、ベースアップの実施、福利厚生施設のリノベーション、工場内設備の更新など、人的資本の強化や生産性向上に向けた先行投資を主眼としている。
2027年3月期通期の連結業績予想については、売上高が前期比1.1%増の420.00億円、営業利益が同40.1%減の15.00億円、経常利益が同28.3%減の23.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同33.3%増の20.00億円を見込んでいる。次期の営業減益見通しは、足元の中東情勢緊迫化による民族衣装の物流停滞への懸念や、原油高騰に伴うコスト上昇リスクを厳しめに織り込んだものである。株主還元スタンスとしては、中期経営計画の目標に準拠しつつ、業績連動による成果を配当へ反映させる方針であり、安定的な還元を継続していく意向である。