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ラサ商事 Research Memo(3):1939年設立の独立系専門技術商社、ニッチトップ製品に強みを持つ(2)

■ラサ商事の会社概要

3. 事業内容
同社グループの報告セグメントは、資源・金属素材関連、産機・建機関連、環境設備関連、化成品関連、プラント・設備工事関連、不動産賃貸関連の6事業であり、産機・建機関連が収益の中心になっている。2026年3月期の事業別売上構成比は、資源・金属素材関連19.7%、産機・建機関連35.4%、環境設備関連10.9%、化成品関連23.8%、プラント・設備工事関連9.2%、不動産賃貸関連0.9%となっている。

(1) 資源・金属素材関連
資源・金属素材関連事業は、ジルコンサンドを中心とする鉱産物、その他物資等の輸出入及び販売を行っている。ジルコンサンドは世界有数のミネラルサンド(砂状の鉱産物)の生産会社であるオーストラリアのアイルカ社と日本における総販売代理店契約を締結している。ジルコンサンドの用途は、高炉の耐火レンガ等の耐火材、自動車部品の精密鋳造用部材、釉薬等のセラミックス製品原材料、半導体のシリコンウェハー用研磨材、電子材料等の広い用途に供給されている。近年は、チタン関連素材、アルミナ等の輸入拡大も図っており、主に溶接材料、耐火物原料、セラミックス向け原料として、国内で販売している。

(2) 産機・建機関連
産機・建機関連事業のうち、産機関連では、国内外の機械メーカーと総販売代理店契約を締結して、社会インフラを支える特殊な産業用ポンプや機械の販売・メンテナンスを主に手掛けており、特に高粘度・腐食性液などを運ぶスラリーポンプ分野に強みを持つ。スラリーポンプは、スラリー液(固形物を含む液体)が非常に高い粘性があり、ポンプ内部の部品を摩耗させたり詰まらせたりするリスクがあるため、一般的なポンプと異なり、耐久性に優れる特別な設計が施されている。主力のワーマンポンプは遠心式のスラリーポンプで、国内でライセンス生産を担う大平洋機工と総販売代理店契約を締結して、同社が独占的に製品販売を行っている。同ポンプは必要部品の交換により長期にわたり使用できるうえ、ポンプの分解・組立が容易で、工場に持ち込まずにその場で簡単にメンテナンスを行えることや、取扱溶液の性状に適応した様々な材質を選定して組み立てられるなどのメリットがあり、日本導入以来60年以上にわたり、国内トップクラスのシェアを維持している。電力・製鉄・化学・半導体・食品など様々な産業における製造現場や排水処理設備のほか、下水処理施設などインフラ設備でも利用されている。

建機関連では、各種小型建設機械、耐震管敷設用機器の販売、シールド掘進機及び関連機器等の販売・レンタル・メンテナンス等を行っている。このうち、シールド掘進機はラサ工業製を中心として、主に下水道やケーブル管路用の小〜中口径向けに販売・レンタルしている。

(3) 環境設備関連
環境設備関連事業は、海外メーカーから各種ポンプや周辺機器を輸入販売しているほか、水砕スラグ製造設備を取り扱っている。海外製ポンプについては、主にドイツから高性能の高圧ポンプを輸入し、バイオガス発電・下水汚泥処理・産業廃棄物処理などの用途として国内で販売を行っている。プツマイスター高圧ピストンポンプは、主に下水・電力の分野に多くの納入実績があり、フェルバポンプは特殊液の圧送が最大の特徴で、化学業界を中心に様々な用途に採用されている。水砕スラグ製造設備は、鉄鋼メーカーで鉄を製造する際に副産物として発生する溶融スラグを再利用するための処理を行う設備であり、この設備を設計から製作・据付まで一貫して請け負えるのは国内外で同社を含めて限られた企業しかなく、独自の水砕スラグ製造設備「ラサ・システム」が主力商品となっている。

(4) 化成品関連
化成品関連事業は、合成樹脂・化学製品専門商社として長年事業を展開していたイズミを2012年に子会社化した後、2024年4月に吸収合併して取り込んだ事業であり、自動車関連、建材、電気、電子など幅広い分野に合成樹脂、各種プラスチックフィルム、樹脂添加剤、油脂、ケミカル製品などを販売している。

(5) プラント・設備工事関連
プラント・設備工事関連事業は、子会社の旭テックが担う事業であり、主に石油精製、石油化学、ガス関連、クリーンルーム関連、各種工場関連、都市部大型空調設備関連等の多種多様な分野のプラント及び関連工事に関わる設計・施工及びメンテナンス工事を行っている。また、プラント及び関連工事の中でも配管工事及びポンプやコンプレッサー等の組立やメンテナンスを得意としており、自社工場での加工率を高めて現場作業を削減することで、コスト低減を図っている。広大な敷地を生かした工場は、屋内では水分を嫌う配管工事や特殊材質の配管工事を行い、屋外では大径管の工場加工などを手掛けることができ、工場規模を最大限に生かした受注により、同業他社との差別化を図っている。

(6) 不動産賃貸関連
不動産賃貸関連事業は、子会社のラサ・リアルエステートが担う事業であり、グループ内に保有する不動産物件を有効活用して賃貸収益を得ている。保有物件は付加価値の高い都市部にある好条件の賃貸ビルが中心で、2026年3月期に満室を維持しており、事業リスクは限定的と考える。ただし、築年数経過に伴う修繕費用発生にはやや注意を払う必要があろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 古川 聖治)

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