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山忠 Research Memo(1):愛知県を中心に、不動産の開発・販売、マネジメント事業、ホテル事業等を行う成長企業

■要約

山忠は、名古屋証券取引所(以下、名証)メイン市場に上場し、愛知県を中心に、その周辺地域において不動産に関わる事業を展開している。都市型分譲マンション・宅地分譲の企画・開発、販売などを行う「開発セグメント」、マネジメント事業・レンタル事業を行う「ストックセグメント」、ビジネスホテル事業を行う「ホテルセグメント」の3つのセグメント間の連携により、さらなる成長を目指している。

1. 2026年4月期の業績概要
2026年4月期の連結業績は、売上高で前期比1.1%増の5,499百万円、営業利益で同24.3%増の857百万円、経常利益で同17.9%増の720百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同33.0%減の547百万円となった。営業利益・経常利益の大幅増益に対して、親会社株主に帰属する当期純利益のみが減益となったのは、前期に固定資産を売却して特別利益を計上したことが要因である。また、期初予想比では、売上高はおおむね予想どおりだったが、各段階利益は20%前後上回って着地した。セグメント別では、売上高は、開発セグメントで一部の物件が2027年4月期の引渡しとなり減少したが、ストックセグメントはおおむね予想どおりの増加、ホテルセグメントでは訪日中国人観光客減少の影響は軽微であり大幅増となった。また、セグメント利益は、売上総利益率が比較的高い物件の引渡しや売上原価・販管費の抑制を図ったことなどにより、いずれのセグメントも増益であった。自己資本比率は38.7%、ROAは5.6%、ROEは11.6%であり、東京証券取引所(以下、東証)スタンダード市場の不動産業平均との比較では、高い収益性を備えている。好決算を反映して、2026年4月期は1株当たり配当金を同38.0円増の88.0円(普通配当金78.0円、上場記念配当金10.0円)を実施し、株主還元にも十分に配慮していると弊社では評価する。

2. 2027年4月期の業績見通し
2027年4月期の連結業績は、売上高で前期比10.8%増の6,090百万円、営業利益で同0.8%増の864百万円、経常利益で同1.5%増の731百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同6.7%減の511百万円と、設立以来最高の売上高・営業利益を見込んでいる。ただ、親会社株主に帰属する当期純利益については、前期に計上した特別利益を見込んでいないため減益を予想する。セグメント別では、開発セグメントでは都市型分譲マンション「パルティール」シリーズ及び宅地分譲「リベルタ」シリーズの積極的な販売、ストックセグメントではレンタル事業(「マンスリープラス」)のプレゼンス向上、ホテルセグメントではインバウンドをはじめとする国内外の宿泊需要増加を背景とした「ジャストイン」の継続的な伸長を予想している。利益率の高いストックセグメント・ホテルセグメントを拡大し、さらなる収益力の向上を目指すが、同社の業績の推移を鑑みると、予想を超過する可能性が大きいと弊社では見ている。2027年4月期の1株当たり配当金は、同10.0円減の78.0円を予定しているが、普通配当ベースでは前期と同額である。今後も継続的かつ安定的な株主還元を目指す方針である。

3. 2027年4月期の取り組み
ホテルセグメントでは、名古屋駅や中部国際空港へのアクセスが良い場所に、4店舗目となるビジネスホテル(全153室)を2026年4月に着工し、2027年4月に竣工の予定だ。開発セグメントでは、インベストメント事業部で「パルティール」シリーズ及び都市型商業ビル「アストラーレ」シリーズの販売を計画するとともに、ソリューション事業部で「リベルタ」シリーズ及びその他不動産の販売を計画している。人件費や建築資材価格の高騰による建築費増加に対しては、スケールメリットを求めて小中規模マンションから中大規模マンションにシフトする。土地代金の高騰によるプロジェクト開発の停滞に対しては、「買う→借りる」にシフトしてイニシャルコストを軽減する計画だ。また、金利上昇による資金調達コストの増加に対しては、自己資金を増やして借入の総量の減少を図る。人材採用において応募者が想定以上に増えない課題に対しては、本社を名古屋市内へ移転する。さらに、グループの将来像と成長のロードマップを明示するため、中期経営計画公表に向けた準備を進めている。弊社ではこれらの取り組みの進捗・成果を期待している。

■Key Points
・2026年4月期は営業利益が期初予想を大きく上回る大幅増益。上場記念配当を含み大幅増配を実施し、株主還元にも十分に配慮
・2027年4月期は、営業利益は小幅増益の予想だが、業績の推移から上振れの可能性ありと推察。配当は記念配当を除けば前期と同額を予定
・2027年4月期は、建築費増加・土地代金の高騰・金利上昇・人材採用などへの対策を進め、中期経営計画の発表を計画

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)

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