2026年5月期 決算トピックス
司会者:本日はご多用のところ、株式会社インターアクション2026年5月期第4四半期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。はじめに決算トピックスをご説明します。2026年5月期は、IoT関連事業における国内顧客向け販売が低調に推移し、通期では減収減益となりました。
一方で、2027年5月期の業績予想では、売上高72億1,200万円、営業利益15億9,900万円と見込んでいます。販管費の増加を予想していますが、海外主要顧客向け売上高が業績を牽引し、大幅な増収増益を見込んでいます。
続いて事業動向についてです。IoT関連事業では、4月に海外主要顧客を中心に過去最大規模となる大口受注を獲得しました。国内主要顧客については、足元の設備投資需要は落ち着いていますが、車載やロボティクスなどのフィジカルAI向けイメージセンサの生産ライン構築が検討されていることから、中長期的には設備投資需要の回復を想定しています。
2026年5月期は減収減益となりましたが、2027年5月期は受注済み案件の売上計上を中心に、大幅な業績改善を見込んでいます。
続いて、本日発表した決算の概要についてご説明します。
第4四半期 実績(3ヵ月間)
喜屋武直哉氏:みなさま、こんにちは。経営管理チームチーフの喜屋武です。本日はよろしくお願いします。はじめに業績サマリーです。第4四半期3ヶ月間の連結業績を示しています。売上高は11億2,000万円で、前年同期比17.9パーセントの減収となりました。
営業利益は4,300万円で、前年同期比69.9パーセントの減益となりました。経常利益は3,800万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は3,500万円、1株当たり四半期純利益は3円45銭です。
セグメント別では、IoT関連事業において、検査用光源装置および「瞳モジュール」の販売が低調に推移しました。一方で、インダストリー4.0推進事業では、精密除振装置および歯車試験機の販売が好調に推移しています。
第4四半期単体では低調な結果となりましたが、4月の大口受注獲得により、来期に向けた受注基盤は大きく改善しています。
2026年5月期 通期実績
通期の実績です。売上高は48億2,200万円、前年同期比27.7パーセントの減収となりました。営業利益は7億200万円で、前年同期比50.5パーセントの減益です。減収減益の主な要因は、IoT関連事業における国内顧客向け製品の販売が低調に推移したことです。
2026年5月期は低調に終わりましたが、4月には海外主要顧客を中心に過去最大規模の大口受注があり、来期の成長に向けた受注が着実に積み上がっています。
IoT関連事業
IoT関連事業の詳細です。売上高は29億5,200万円、前年同期比22.9パーセントの減収となりました。セグメント利益は13億4,500万円で、前年同期比30.9パーセントの減益です。
当期は、国内顧客向け製品の販売が低調に推移し、売上・利益ともに前期を下回る結果となりました。一方で、海外顧客向けは好調に推移しています。4月には22億円を超える大口受注をいただき、受注高と受注残高が大幅に増加しました。この受注は進行期の2027年5月期に寄与する予定で、IoT関連事業が2027年5月期の業績回復を牽引する見込みです。
インダストリー4.0推進事業
インダストリー4.0推進事業についてです。売上高は18億6,000万円、前年同期比9.7パーセントの減収でした。セグメント利益は1億200万円となり、前年同期比61.3パーセントの減益です。
当期は、精密除振装置および歯車試験機の販売が全体的に低調に推移しましたが、一方で歯車試験機の海外顧客向け販売は好調でした。また、受注残高が増加しており、進行期の売上につながる案件が積み上がりつつあります。さらに、粗さ試験機については、来期に大手自動車メーカーからの受注を予定しています。
2027年5月期 通期業績予想
2027年5月期通期業績予想をご説明します。売上高は72億1,200万円、前年同期比49.6パーセントの増収を見込んでいます。営業利益は15億9,900万円、前年同期比127.7パーセントの増益、営業利益率は22.2パーセントを予想しています。
この大幅な増収増益を見込む主な要因として、先ほどからお伝えしているIoT関連事業における大口受注が大きく寄与する見通しです。
一方で、将来に向けた投資も継続しています。IoT関連事業では、新規顧客向けに幅広いラインナップの装置開発を進めており、インダストリー4.0推進事業では新製品である半導体関連の計測製品の開発を進めています。そのため、研究開発費などが膨らみ、販管費は前年同期比で増加する見込みです。
2026年5月期は調整局面となりましたが、2027年5月期は受注済み案件の売上を中心に業績が大きく回復する見通しです。
2027年5月期 通期業績予想(補足①)
こちらのスライドは補足資料です。昨年まで環境エネルギー事業のセグメントがありましたが、今回発表したとおり、2026年5月期に連結除外となりました。それを除いた売上高の推移を示しています。グラフをご覧いただくと、既存のインダストリーセグメント、IoTセグメントともに、進行期の2027年5月期は過去最高の収益を更新する見込みです。
2027年5月期 通期業績予想(補足②)
補足資料の2番目として、2027年5月期の売上高推移をグラフで示しました。大口受注に関しては、進行期の第2四半期から出荷が始まる予定であり、第1四半期はやや落ち着いたスタートとなる見込みです。
(ご参考)東京テクニカルのAI検査技術が日刊工業新聞に掲載
補足資料の3つ目です。当社のインダストリー4.0推進事業に含まれる歯車試験機を手掛ける東京テクニカルのAI検査技術が、2026年6月30日付の『日刊工業新聞』に掲載されました。ご興味があればこちらをご参照ください。
2026年5月期の振り返り
木地伸雄氏(以下、木地):みなさま、本日はご参加いただき誠にありがとうございます。代表取締役社長の木地です。ここからは中期経営計画の進捗をご説明します。
ご報告したとおり、2026年5月期は減収減益という厳しい着地となりました。この結果を、経営を担う者として重く受け止めています。一方で、この1年は、現場の次の成長に向けた布石を着実に打ってきました。4月の過去最大規模の大口受注は、その成果の1つです。
本日は、進捗の数字のご報告に加え、私自身が現場で感じている手応えも含めて、率直にお話しします。
まず、2026年5月期を振り返ります。厳しい業績ではありましたが、将来につながる変化が3つありました。1つ目は、韓国顧客向けビジネスの拡大です。韓国の主要顧客向けで需要が拡大し、当期の業績成長を牽引しました。
2つ目は、欧州顧客向け売上高が過去最高を更新したことです。今後も主要顧客以外への深耕と新規顧客の開拓に注力していきます。
3つ目は、フィジカルAI分野における事業機会の拡大です。ロボットや自動化などのフィジカルAI領域で事業機会が広がっており、当社はこれを中長期の成長ドライバーと位置づけています。収益源が海外へ、そして新しい市場へと広がり始めた1年であったと認識しています。
IoT関連事業:主要顧客動向
IoT関連事業の主要顧客動向です。国内主要顧客に関しては、2026年5月期は設備投資需要が落ち着いた状態が継続しました。
一方、顧客の設備投資計画では、イメージセンサの大判化や高密度化に伴う先端プロセスの導入に加え、顧客の新工場で車載やロボティクスなどフィジカルAI向けイメージセンサの生産ライン構築が検討されています。このことから、中長期的には設備投資需要の回復を想定しています。
海外主要顧客については、2026年4月に過去最大規模となる22億7,800万円の大口受注を獲得しました。2027年5月期以降も旺盛な設備投資需要が続くと見ています。需要増加の背景には、最終アプリケーションの競争環境変化を受けた顧客による新規顧客開拓の進展があると推測しています。
また、ベース売上高案件である「瞳モジュール」および光源装置改造案件の需要が高まっており、ベース売上高の拡大が見込まれています。投資家のみなさまからは、「現在の受注や引き合いが需要全体のどの程度に想定するか?」という質問をいただいています。
現時点で当社に見えている需要の規模に基づく概算ではありますが、前期の大口受注を含め、現在確保できているのは全体の約4分の1と推測しています。裏を返せば、今後さらに獲得できる余地があるということです。現在はスマートフォンの市場が中心ですが、それだけでも大きな需要が見込まれています。
フィジカルAIの普及に伴うイメージセンサ検査需要の拡大
当社が中長期の成長機会と捉えているフィジカルAIについてご説明します。フィジカルAIとは、ロボットやモビリティなどの分野において、カメラやセンサを通じて周囲の状況を把握し、自律的に判断・動作するための技術領域です。
AIが現実世界で動くためには、現実を認識する「目」、すなわちイメージセンサが不可欠です。フィジカルAIが普及すれば、ロボット・スマートファクトリー・モビリティの分野でカメラやセンサの活用が拡大し、イメージセンサの用途拡大や性能要求の高度化が進みます。その先にあるのが、イメージセンサの検査需要の拡大です。当社は、ここに中長期的な成長機会と事業機会があると考えています。
市場規模の見通しとして、スマートファクトリー関連は2024年の1,549億米ドルから2030年には2,726億米ドルへと約1.8倍に、自動運転などのモビリティは2026年の1,046億米ドルから2033年には3,784億米ドルへと約3.6倍に、ウェアラブルAIは2026年の615億米ドルから2034年には3,593億米ドルへ約5.8倍に成長するとするレポートもあります。
当社は、イメージセンサ検査関連製品を通じて、AIが現実世界を認識するための「目」を支える領域で、中長期的な事業機会の拡大を目指します。
現在、AIはクラウド上で稼働しており、そのAIのアイデアを実行するのは人間です。しかし、AIが実態をつかみにいくフェーズを、必ずここ数年で迎えると思います。その際に実態を捉えるためのAIの「目」として重要なのがイメージセンサです。この成長は確実に、中長期的に世の中に具現化されていくものだと確信しています。
財務目標:進捗状況
中期経営計画の財務目標に対する進捗です。率直にお伝えすると、2026年5月期は、IoT関連事業の低調な推移により、売上総利益率以外の各指標が目標数値を下回りました。売上総利益率は60.5パーセントと、2030年の目標50パーセント以上を上回った一方で、ベース売上高は7億5,500万円、1人当たり営業利益は800万円、連結ROEは4.7パーセントにとどまっています。
この状況を打開する鍵は、設備投資に依存しないベース売上高の積み上げです。打ち手は3つあります。1つ目は「瞳モジュール」です。国内シェアの奪還と韓国市場の開拓により、10億円以上の市場規模拡大が見込まれます。
2つ目は、光源装置の改造案件です。これまで国内外市場に納入してきた累積の光源装置の台数が相当数にのぼるため、これらを対象に改造案件を獲得していきます。この分野では、30億円以上の市場規模拡大が期待されます。
3つ目は、新製品開発です。半導体関連計測製品など、特定業界や特定顧客に依存しない、裾野の広い製品の企画・開発を進めています。
これらを通じて、ベース売上高を2027年5月期には14億円から18億円へ、2030年5月期には30億円へと引き上げていく計画です。
戦略的パートナーシップ構築:今後のスケジュールと進捗
新規事業である半導体関連計測製品の進捗です。製品①②③の開発スケジュールおよびパートナーシップの進捗に関しては、前回の開示以降変更はありません。各製品の開発は当初の計画に沿って進捗しています。
戦略的パートナーシップについては、技術パートナーとして光学製品メーカーA社との実務協議を進めており、半導体製造装置メーカーC社とも引き続きコンタクトを取っています。マーケティングパートナーについても、研究機器商社、生産財商社、光学機器商社などへのアプローチの拡大を継続しています。
併せて、AI関連企業複数社と新製品2件を企画中です。各製品でそれぞれ4億円から5億円のベース売上高増加を見込んでおり、2030年5月期の目標達成に向け、同様のパートナーシップ5件の構築を目指しています。
その先の構想についてもお伝えします。このパートナーシップ戦略は、個別製品を共同開発・販売する枠組みにとどまるものではありません。当社の経営理念に掲げる「Interaction Value(共創価値)」、すなわち人・技術・組織の相互作用から革新を目指す力を発揮し、パートナーとの共創で培った技術・ノウハウ・ネットワークを結集することで、将来的には製品の売切型ビジネスからプラットフォームサービスへの進化を模索しています。
新キャッシュアロケーション(2027年5月期~2029年5月期)
キャッシュアロケーションの見直しについてご説明します。2025年5月期第4四半期時点でのプランを見直し、2027年5月期から2029年5月期の3ヶ年ベースで更新しました。総額は96億円から110億円へと拡大しています。
最大のポイントは、成長投資(攻めの投資)の強化です。フィジカルAIの進展を背景に、既存事業が属するイメージセンサ市場では良好なトレンド変化が顕在化しています。この市場機会を捉えるため、既存事業への投資を20億円積み増して35億円とし、製品ラインナップの拡充、新規顧客開拓、フィジカルAI向けソリューションへの取り組みを一層推進します。
戦略投資も2億円増の30億円とし、アライアンス、M&A、パートナーシップの強化を図ります。新規事業投資は20億円と同水準を維持します。アライアンスやM&A投資などについては、必要に応じて有利子負債の活用も検討しています。
株主還元は25億円で、旧プラン比では8億円の減少に見えますが、2026年5月期には自己株取得約10億円と配当約4億7,000万円、合計14億7,000万円の株主還元をすでに実施済みです。今後もDOE4パーセントの配当水準の維持に加えて、特別配当の実施や機動的な自己株取得を進めていきます。
引き続き、財務の安定性、事業の成長性、株主還元のバランスを考慮し、持続的な企業価値の向上を目指します。
株主還元:来期の配当金について特別配当の実施
株主還元、配当についてです。2026年5月期の1株当たりの期末配当金は34円を予定しており、すでに実施した中間配当金10円と合わせて、年間配当金は1株当たり44円となります。
2027年5月期については、足元の受注状況、来期の業績見通し、財務状況および株主還元の状況などを総合的に勘案した結果、成長の成果の一部を株主のみなさまへ還元する観点から、特別配当10円を実施する予定です。
これにより、2027年5月期は、中間配当金10円と期末配当金45円(うち特別配当金10円)を合わせ、年間配当金は1株当たり55円となる見込みです。
コーポレートガバナンスの強化:取締役会運営・役員報酬制度の見直し
最後に、コーポレートガバナンスの強化についてご説明します。2点あります。1つ目は、取締役会の運営の見直しです。従来、取締役会の議長は代表取締役会長または代表取締役社長が務めてきましたが、2026年8月以降は社外取締役が務める予定です。
2つ目は、役員報酬制度の見直しです。現行の株式給付信託(BBT)から株式給付信託(BBT-RS)へ変更する予定です。給付対象を社内取締役に加えて社外取締役にも拡大し、給付の全額を株式給付とした上で、退任時までの譲渡制限を付与します。
取締役の報酬と当社の業績および株式価値の連動性をより明確にし、取締役が株価上昇によるメリットだけでなく、株価下落のリスクも株主のみなさまと共有することで、中長期的な業績向上と企業価値の増大に貢献する意識を高めていきます。
2026年5月期は、数字上では厳しい1年でした。しかし、過去最大規模の大口受注、欧州・韓国での顧客基盤の広がり、フィジカルAIという大きな潮流など、次の成長に向けた材料は確実に整いつつあります。社員一人ひとりが手応えを持って前を向いており、私はこの会社の来期、そしてその先の成長に強い自信を持っています。
2027年5月期は、大幅な増収増益と過去最高の売上高の更新を目指し、実現し、その成果を株主のみなさまへの還元へとつなげていきます。引き続き変わらぬご支援をお願いします。
本日はご清聴いただきありがとうございました。
質疑応答:2027年5月期の計画の組み方について
質問者:新年度の計画の組み方についておうかがいします。振り返ると、御社は期初の計画はやや保守的に、利益率などを堅めに見積もられ、期中で上方修正する傾向があるように思いますが、新年度の2027年5月期の計画では、売上も利益もかなり強気な数字を示された印象があります。
利益に関しては、これだけ売上が伸びればもう少し出るのではないかという気もします。そこで、通常の予算の組み方と異なるところがあるのか、もし異なるのであれば、売上および利益についてそれぞれどのような前提に基づいて組まれたのか、もう少し詳しい解説をお願いします。
木地:従来から計画の組み方は変わっていません。主に現場からの積み上げで今回の数字を計上しています。ただし、私も質問者さまと同様に、「この売上でこの利益か」と感じました。一方で内容を見ると、研究開発費がこれまで以上に多く計上されていることが要因として挙げられます。
これらの研究開発費は、将来の売上を拡大するために必要な投資です。そのため、利益が想定より下回ったことについては、むしろポジティブな要素であると考えています。この種の計画は、来期以降の売上をしっかり作るためにも適切だと思っています。
計画の作り方自体に変更はなく、販管費が増加した主な理由は研究開発費の増加です。これは成長に向けた必要な投資であり、経営側としても有益なものだと判断しています。現在は成長を目指すフェーズですので、このような投資が重要な要素だと考えています。また、研究開発費以外の要因として、海外売上の拡大に伴うエージェントフィーの増加も見込んでいます。
私としては、利益で20億円ほど達成したかったという思いがあり、反省すべき点は反省し、投資すべきところにはしっかりと投資し、規律と成長への投資を両立させていきたいと考えています。
質疑応答:新年度の研究開発費用の増加見込みについて
質問者:研究開発費用が増えるとのご説明をいただきましたが、前期の実績と比較して新年度はどれくらい増加を見込んでいるのか、具体的な数字を教えてください。
木地:研究開発費は約2億円から3億円の増加を見込んでいますが、事業動向や研究開発の進捗状況等によって変動する可能性もあります。
質疑応答:IoT関連事業の売上計画の積み上げについて
質問者:売上について、特にIoT関連事業が気になっています。今期は51億円の売上を計画されていますが、前期末の受注残が26億円強あるかと思いますので、この売上の半分強はすでに見通しが立っていると思われます。
リカーリングの売上について「瞳モジュール」が今期は14億円から18億円と、かなり大きな金額が開示されました。その残り分のうち、半分強が「瞳モジュール」だとすると、ほとんどの売上はすでに見通しが立っていて、一部、期中受注・期中売上が必要になる計算になりますが、この51億円という売上は、ほぼ見えている分の積み上げだけで達成可能という理解でよろしいでしょうか?
木地:2027年5月期の売上計画は、現時点で見えている案件に加え、引き合いベースの案件も含めて積み上げたものであり、一部には今後の進捗に応じて変動する案件も含まれています。なお、ベース売上高の2027年5月期の予想数値を14億円から18億円としていますが、これには「瞳モジュール」に加え、光源装置の改造案件等も織り込んでいます。
「瞳モジュール」については、海外での販売拡大および国内シェアの回復が進展した場合、売上面で大きなインパクトが期待されます。一方で、検査用光源装置は設備投資動向の影響を受ける事業であり、特に短期的にはスマートフォン向けイメージセンサ投資の動向に左右される面があることから、一定の変動リスクを伴います。このため、ベース売上高として積み上がる「瞳モジュール」および光源装置の改造案件の重要性は、今後さらに高まるものと考えています。
質疑応答:海外大口案件のシェアと今後の需要見通しについて
質問者:プレゼンの中で、海外の大口案件が全体の約4分の1というコメントがあったかと思います。その続きが非常に気になっており、おそらく海外のお客さまが御社から見て直接的にシェアを上げている部分にひもづいた投資ではないかと推測しています。
そうすると、海外のお客さまがどの程度センサでシェアを拡大していくかという目標設定次第で、今後の展望がさらに続いていくように見えると思います。4分の1という数字の根拠や考え方について、もう少し詳しくご説明をお願いします。
木地:少し踏み込んだ発言をしていますが、明確な市場予測に基づくものというよりは、まずは顧客の現在の海外と国内の生産キャパシティを比較した際に、これからシェアの変動があった場合にどれほど設備投資が必要となるのかという背景がまずあります。
もう1つは、日々弊社が顧客と接する中で得たさまざまな商談に対する予測や情報を基に検討した結果、私としてはだいたい4分の1くらいではないかという認識でいる程度のものです。進行中の今期だけでなく、来期も引き続きこのような需要が続くと考えています。
質問者:残りの4分の3なのかどうかはいったん置いておきますが、追加の引き合いについては、お客さまとの会話の中ですでに聞こえてきている状況でしょうか? それとも、かなり大きな受注を獲得されたので、まずは新年度の第2四半期からの出荷をしっかり行い、その後の話はまだしばらく先になる見込みでしょうか?
木地:その点は質問者さまのほうがプロでいらっしゃると思いますが、今回の受注だけでシェアが十分かというと、それはまったくないと思います。顧客の中でのシェアが変化するとともに、イメージセンサ自体も大判化や高密度化が進んでくるため、それに応じて設備投資額も増加していきます。
そのような点を踏まえると、今回の受注で終わりということはまったく考えていません。今後も引き続き、旺盛な設備投資需要の継続を見込んでいます。
質問者:次の受注も楽しみにしています。
木地:私自身もそこが勝負どころだと思っています。
質疑応答:IoT関連事業の受注見通しについて
質問者:足元のポイントについてうかがいます。先ほどの質問にも関わりますが、IoT関連事業について、今期は比較的コンスタントに昨期よりも受注が見込まれるという想定でよろしいでしょうか? 昨期の受注額は26億円でしたが、今期は一定のコンスタントな受注を見込み、その額を超過するイメージになりますか?
木地:受注ペースについては、毎月コンスタントに受注が発生するというよりも、設備投資に際しては、例えばお客さまと当社だけでなく、テスタメーカーやプローバーメーカーが協力し、次の投資に向けて討議を進めます。
その上で、当社のイメージセンサのお客さまも最終的なスマートフォンメーカーと協議し、設備投資時期や製品性能の方向性を定めていきます。最終的には光源装置を確定させ、大口受注が発生します。これが毎月定期的に発生するわけではなく、大口受注としては半年に1回程度発生するケースが十分に考えられると思います。
それ以外にも、「瞳モジュール」や改造案件など、異なる内容での光源装置の受注は毎月発生しています。そのため、これらは徐々に積み上がっていくと考えていますが、1つの顧客による大規模な投資は毎月継続的にあるものではありません。
質問者:受注額は昨期よりも上回るイメージでよろしいですか?
木地:進行期ではもちろんそこを目指したいと思いますし、その可能性は十分あると考えています。
質疑応答:欧州向け売上が過去最大となった要因と来期の見通しについて
質問者:欧州向けの売上について、過去最大になった要因と、売上規模、そして来期も同様に続くのか教えてください。
木地:今期の欧州の売上が過去最高になった要因は、スマートフォンのあるデバイスが寄与したためです。売上高は約6億円から7億円で、前期に計上した結果、過去最高となりました。国内では今期の売上は低調に推移しましたが、新しい顧客の開拓によって補えたため、それと韓国の助走で売上を確保しました。
今期も前期と同規模ではなく一時的なものですが、前期にタイミング等も影響して強い引き合いがあり、これが前期だけで終わるものではありません。ただし、デバイスの受注状況に影響されるため、次のタイミングがいつになるかはまだ不明です。それでも、今期もそれなりの売上があるとは考えています。
質疑応答:受注増加の背景と顧客との関係について
質問者:受注を獲得できた背景は、このお客さまが新たに光源装置を御社に発注されたからなのか、それとも継続的に取引はされていたものの、顧客側のボリュームが増えたことに比例して伸びたことなのか、いかがでしょうか?
木地:当社は世界トップシェアのメーカーであり、イメージセンサを製造しているメーカーとは長期にわたりお付き合いを続けてきました。そのため、どの顧客も初めてのお客さまというわけではありません。
受注を獲得するためには、数年にわたる継続的な提案活動を行っており、その提案が顧客に評価された結果として受注につながっています。また、当社の光源装置が顧客にとって必要不可欠なものであることも、受注獲得に寄与した要因です。このため、ご質問の理由は「どちらも当てはまる」と言えると思います。
当社が選ばれる理由には、このような継続的な提案活動や光源装置の重要性があるのです。したがって、その部分において、どちらがどうこうということは断言できません。顧客が需要を取ったから当社に発注が来たというよりも、当社の光源装置がなければ、顧客もその需要を取れなかったというのも事実だと思います。これは双方の努力による成果だと考えます。
質問者:御社が新たな顧客基盤や新しい領域の需要を捉えることに期待しています。
木地:補足ですが、今回、海外だけでなく国内でも少額ながら新たな顧客を獲得しています。そのため、国内の既存顧客が減少した分をリカバリーするエネルギーはありました。その活動自体は微々たるものでしたが、結果として成果を出せたのはよかったと思います。
ただし、まだ課題が残っていることは認識していますので、そこはしっかり取り組んでいきたいと思います。
質疑応答:キャッシュアロケーションにおける既存事業投資の具体的内容について
質問者:キャッシュアロケーションについて、結果として既存事業投資がプラス20億円となっています。この20億円は具体的にどのような内容に投資されるのか、また、この投資が固定資産として計上されるのか、それとも費用も含めた投資とお考えなのかお聞かせください。
木地:非常に難しいご質問だと思いますが、私たちは現在、事業の変革期を迎えていると考えています。例えば「瞳モジュール」という事例を挙げると、これまでは手作業で行っていたものを、熊本で自動化を進めています。
この取り組みは既存顧客への提案として非常に評価されており、海外の顧客からも大きな期待を寄せられています。この自動化により品質が向上し、その結果、納期短縮やコスト削減が可能となります。このような成果を実現するために設備投資を行ってきましたが、現時点で対応できるのはまだ1、2デバイスにとどまっています。
フィジカルAIが登場すると、「瞳モジュール」のラインは拡大する可能性が十分にあるため、そのための設備投資を確保したいと考えています。したがって、まずは固定資産投資を検討しています。
一方で、チャンスは我々だけの判断によるものではなく、市場のタイミングに左右されます。そのため、一定の設備投資金額を確保しておきたいと考えています。これが研究開発費に充てられた場合、費用計上されるケースもあると思われます。
フィジカルAIを獲得するためには、さらなるペースの拡大が必要となる局面が来る可能性があり、その場合には追加の投資を行いたいという考えです。質問者が指摘されたとおり、当社の状況は非常に難しい部分もありつつ、各種努力の成果でキャッシュの回転が非常に早くなっています。
そのような点において、キャッシュが貯まりやすいのも事実ですが、それが逆に難しい部分でもあります。
当社はあまり設備投資を実施してこなかったメーカーという背景があり、そのためにキャッシュをあまり使わないのではないかというご意見も理解できます。また、当社としても「そうだよな」と感じる部分がある一方、「瞳モジュール」にも備えたいという考えがあります。
それに加え、新たな領域を獲得するためには、既存の事業領域とは異なる分野とのコラボレーションが必要になる場合も考えられます。例えば、当社のソリューションをさらに高めるため、光源装置や「瞳モジュール」をより活用するような事業アライアンスへの投資が重要になるケースも存在するでしょう。
これらの取り組みは他社とのコミュニケーションを通じて決まる部分も多いため、それらを含めてこの程度の資金は確保しておきたいというのが私の意思表示です。
質問者:そうすると、フィジカルAIの需要もかなり見えてきているとお考えでしょうか?
木地:かなりとは言えないまでも、現在みなさまが使われているAIは、まだクラウド上で行われています。AIは非常に速いスピードで進化していますが、必ずフィジカル、つまり実態として捉えられるものになっていくと思います。ただし、そのペースがいつになるのかは、私自身もまだ具体的な時期は把握できていません。
とはいえ、確実にその方向へスピードは加速しています。今後の3年間を見据えた時、そのような動きが見られる中で、我々としても取り組んでいきたいと思います。
また、ニュースにあるとおり、我々の顧客サイドでもそのような動きが進んでいるため、しっかりと準備を進めていかなければなりません。準備を怠れば未来はないと考えていますので、そこは準備を進めていきたいと思います。ただし、現時点では明確に「こういった製品をお客さまが欲しい」といった具体的な状態には至っていません。
木地氏からのご挨拶
木地:本日は活発なご質問をいただき、誠にありがとうございます。説明会を開催する立場として、みなさまとの対話から得られる気づきは、私たちの経営にとってなによりの財産です。あらためて、2026年5月期は確かに数字の上では厳しい1年でした。しかし、現在は当社の30年余りの歴史の中でも、最も大きな追い風が吹き始めていると感じています。
過去にはデジタルカメラからスマートフォンといった市場の変化の中で、当社は大きな成長を遂げましたが、今後はスマートフォンからフィジカルAIという大きな潮流が訪れると考えています。AIが現実世界を認識するための「目」を支えるという当社の役割は、今後さらに重要性を増していくはずです。
また、前期には過去最大の大口受注を獲得しました。これを次の成長へのスタートラインと位置づけ、社員一同すでに来期の目標達成に向けて取り組みを開始しています。引き続きインターアクションにご期待とご支援をよろしくお願いします。本日はご多忙の中ご参加いただき、誠にありがとうございました。