■ジェネレーションパスの今後の見通し
1. 2026年10月期の業績見通し
2026年10月期の連結業績は、売上高18,600百万円(前期比12.4%増)、営業利益250百万円(同118.6%増)、経常利益240百万円(同34.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益180百万円(同11.5%増)の期初予想を据え置いた。上期は売上・利益面とも順調に推移しており、下期に向けて大きな懸念材料がないことからも、業績予想達成の確度は高いと弊社では見ている。
ECマーケティング事業のマーケティング事業では、引き続き「リコメン堂」の扱う利益率の高いD2C商品のラインナップを拡充し販売強化によりさらなる利益率の向上を目指す。D2C商品のうち、家電分野のオリジナルブランドである「s!mplus」は2026年4月に累計販売数が73万台を突破する人気ブランドに成長している。2026年10月期は新生活向けの家電のほか、巻いて収納できるフードウォーマーや1ドア冷蔵庫対応キッチンラック「VOID STACK series Kitchen Rack」といったヒット商品を販売した。また、実用新案採用のオリジナルインテリアブランドである「HIA」では1台でデスクにも食卓にも対応可能なアイデア天然木テーブル等を発売しており、その他にもペット用商品等、シンプルな機能ながら実生活に役立つ商品を続々と販売し顧客層を広げている。繊維分野では、青島新綻紡貿易が開発した次世代ハイブリッド繊維「コアヤーン糸」を使用した「with core」ブランドや、革新的な機能性繊維を使用した「カクシング」ブランドを展開している。また最近好調なリカバリーウェアについては、2026年3月に第三種医療機器製造販売業許可を取得した。これにより、これまでは同社グループで製造したリカバリーウェアを外部の事業者を通じて販売していたが、今後は同社が医療機器製造販売業者として直接販売することが可能となった。これを足掛かりに自社ブランド製品の開発を強化し、ヘルスケア領域でのプレゼンス向上を図る。ECサポート事業ではカンナートにおいて、AI活用による受託開発の効率化策を進める。事業全体においてもAI活用による業務効率化を進めている。
商品企画関連事業では、好調な中国及びベトナムの子会社のさらなる業績拡大が期待される。青島新綻紡貿易では下期もリカバリーウェアやD2C商品の販売拡大を予想する。また同社の機能性繊維を活用した新たな商品の開発が進むほか、アパレル向け機能性繊維の共同開発・販売で基本合意書を締結した伊藤忠商事とは具体的な受注事例が出始めており、これらの業績寄与が期待される。またGenepa Vietnamでは、家具企画開発製造による製品の海外での販売を進めており、現在は欧州・米国・豪州に販路が拡大している。2026年3月にベトナム・ホーチミン市で開催された国際家具展示会「HAWA EXPO 2026」に出展し、同社の環境・社会・品質・労働安全の各分野を横断する国際コンプライアンス体制や、日系企業として中長期的な供給の安定性を重視する取引モデル等のメリットを訴求した。欧州や北米市場向けバイヤーが多く来場し引き合いが増え、受注につながる事例も出始めている。また、Genepa Vietnamを拠点として機能性繊維の販売に向けた営業活動をベトナム国内で推進しており、将来的には東南アジア諸国や欧米向けの販売も目指す。またOEM製造に限らず自社のオリジナルの製品開発も進めていく。
2. 中期経営計画の進捗状況
中期経営計画は、2025年10月期から2027年10月期までの3年間を対象とし、2027年10月期業績目標を売上高21,755百万円、営業利益459百万円、親会社株主に帰属する当期純利益320百万円としている。目標達成と同時に時価総額を10,000百万円以上に押し上げることで、成長を軌道に乗せる計画だ。2026年10月期における成果の1つとして、2026年5月に東証スタンダード市場への市場区分変更を達成した。
2027年10月期営業利益の目標として、ECマーケティング事業はD2C商品をはじめとする成長分野での開発に注力し2024年10月期比244百万円増を、商品企画関連事業は中国子会社及びGenepa Vietnamの事業拡大により同150百万円増を目指す。そのほか、営業利益を押し上げる要因となる減価償却費の削減を、2026年10月期、2027年10月期それぞれで同20百万円を見込んでいる。新規領域として、ECマーケティング事業はUSP事業の本格展開と中国でのECマーケティング事業への挑戦、商品企画関連事業は機能性繊維のアパレル向けの展開を掲げている。計画初年度となる2025年10月期は、売上高と営業利益は目標を若干下回ったものの、最終利益は目標を上回った。2026年10月期について、中期経営計画では売上高19,250百万円、営業利益250百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は150百万円を計画していたが、2025年10月期の業績を受け、売上高18,600百万円、営業利益250百万円、親会社株主に帰属する当期純利益180百万円に設定し直した。売上高は目標を低く見積もったが、最終利益は中期経営計画予想より拡大する見通しである。
ECマーケティング事業ではD2C商品の独自コンセプト等を生かしたラインナップ拡充と、製販連結によるコスト優位性により利益率の向上が進み、マーケティング事業における営業利益率が2025年10月期において2.1%(前期比0.4ポイント増)に向上している。今後もその方針を強化し、営業利益を計画以上に伸ばす考えだ。また新規領域のUSP事業では、2025年10月期は運営する10店舗で一定の売上高と利益率を確保した。2026年10月期においても売上高は増加傾向にあり、取扱商品の拡充等これまでの運営状況の検証を進めつつ、今後の店舗体制や運営方針などを公表する予定だ。もう1つの新規領域である中国でのECマーケティング事業では、中国国内の消費拡大政策に対応した投資及び運営方針を定めた。青島新綻紡貿易の子会社として青島康繊紡績科技(有)を設立し、TikTok等のライブコマースプラットフォームを活用した商品ブランディング・マーケティングを強化する。ほかにも、青島新綻紡貿易グループを中心に、これまで培った越境EC事業の経験やECサイトの構築ノウハウ、国内ECモールを運営してきたマーケティング及びシステム技術を生かした事業を展開して体制強化を図り、2027年10月期以降に向けた収益基盤整備を進めている。
商品企画関連事業では、機能性繊維の優位性を生かした付加価値商品での差別化により、新規領域としてアパレル向けへの展開を進めており、その第1弾ともいうべきリカバリーウェアの売上が急拡大している。アパレルは寝具と比べ大きな市場であり、同社グループの開発力と伊藤忠商事の取引基盤活用により中期経営計画期間中に事業の大幅拡大を目指す。基本合意書を締結した伊藤忠商事との連携は現在順調で、両社にとってメリットがあれば継続する。さらに、伊藤忠商事がメインターゲットとする大手小売企業以外の需要家からの引き合いがあった場合は、機能性繊維を直接提案する方針だ。またGenepa Vietnamにおいては、前述のベトナム・ホーチミン市での展示会出展で得られた顧客からの引き合いを受注につなげるべく商談を進めている。同社としては一般消費者向けの家具に加えて、ホテル向けや飲食店向け等のB2B取引を強化し売上拡大につなげることを当面の目標として取り組んでいる。その他Genepa Vietnamによる機能性繊維の東南アジアでの販売強化やオリジナル製品の開発強化への対応を進める。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)