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イチネンHD Research Memo(1):2026年3月期の営業利益は前期比6.3%増と23期連続の増益

■要約

イチネンホールディングスは自動車リース関連事業(オートリース、自動車メンテナンス受託、燃料販売等)、ケミカル事業、パーキング事業、機械工具販売事業、合成樹脂事業、農業関連事業、その他事業と幅広い分野で事業を手掛けている。自動車関連ビジネスを中核に据えながらも、それ以外の分野へも事業が分散されているため、業績は比較的安定しており、利益の急激な変動が少ない企業であると言える。特に直近の3年間において農業関連事業が急成長している点は、注目に値する。

1. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期の業績は、売上高が162,254百万円(前期比4.7%増)、営業利益が10,926百万円(同6.3%増)、経常利益が10,998百万円(同6.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が7,652百万円(同14.9%増)となった。セグメント売上高はすべてのセグメントにおいて増収となった。セグメント利益においては、前期の反動や遊技機関連の遅れが生じた合成樹脂事業に加え、ガラス製品の販売が減少したその他事業(ガラス加工事業)で利益が減少(合成樹脂は損失を計上)したものの、それ以外のセグメントはすべて増益となった。機械工具販売事業は空調向けが堅調であったことなどにより、前期の損失から黒字転換を果たした。この結果、営業利益は23期連続の増益となったが、これは様々な分野に事業が分散されている同社のビジネスモデルの強みが発揮された結果と言えるだろう。

2. 2027年3月期の業績見通し
2027年3月期の業績は、売上高が173,000百万円(前期比6.6%増)、営業利益が11,500百万円(同5.2%増)、経常利益が10,780百万円(同2.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益が6,910百万円(同9.7%減)の予想となっている。主力の自動車リース関連事業は、前期に燃料給油カードの販売単価が好調だったことによる反動減、車両販売の販売単価の減少により、減収減益となる見込みである。しかし、合成樹脂事業の回復、並びにケミカル事業・パーキング事業の続伸などにより、全体としては営業増益を予想している。もっとも、全体的に各事業の前提がかなり保守的に見積もられていると考えられ、今後の動向次第では計画を上振れする可能性もあると弊社では見ている。

3. 中長期の成長戦略及び株主還元
ロシア・ウクライナ情勢及び中東情勢など先行きは依然として不透明であるが、中長期的には今後も各事業分野を拡大していく方針であり、M&Aも積極的に行う考えである。同社は、長期経営数値目標(時期は明示していない)として、売上高2,300億円超、営業利益220億円超を掲げている。今後の外部環境(ロシア・ウクライナ情勢及び原油価格の動向等)によっては計画の見直しもあり得るが、現時点ではこの目標を維持している。株主還元においては、2025年3月期は年間配当70円、2026年3月期は同80円(配当性向24.7%)を実施したが、進行中の2027年3月期の年間配当については10円増額の90円(同30.8%)を予定している。27年3月期予想はすでに目標の配当性向30%を上回る水準にある一方で、同方針(30%)を基準としている同社においては、利益が上振れるようであれば、さらなる増配の余地も考えられる。

■Key Points
・自動車リース関連事業を主力に様々な事業を展開することで安定した収益力が特色
・2026年3月期は23期連続の営業増益。2027年3月期は5.2%の営業増益予想だがさらに上振れの可能性も
・長期経営数値目標として、売上高2,300億円超、営業利益220億円超を掲げる

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

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