中部鋼鈑
続く7ページをご覧ください。
左側の円グラフは、国内で生産されている鉄鋼製品の品種ごとの内訳です。弊社が製造している厚板は、自動車などに使われるコイルに次いで、約11パーセントのシェアを占めています。
中央のグラフは、厚板を製造しているメーカーの内訳です。先ほど申し上げた高炉3社と電炉3社で構成されており、高炉メーカーが約8割強のシェアを持っているマーケットです。
右側には、厚板の用途に関する2つのグラフを示しています。上側は一般的な用途で、ご覧の通り船舶が最大のユーザーです。しかし弊社の場合は、下側のグラフにある通り、産業機械がメインの用途となっています。
続いて、8ページをご覧ください。
二酸化炭素の排出削減は、国内でも重要なテーマになっています。その中で、鉄鋼業は左上のグラフにある通り、国内の製造業のうち約4割の排出量を占める最大の排出産業です。そのため、二酸化炭素削減においては、先ほど申し上げた高炉から電炉へシフトしていくことが非常に重要な課題となっています。
では、電炉業がこれからどうなるかについて、左下に記載しています。電炉業を稼働させるためには、一定のスクラップの蓄積が必要です。したがって、工業化が進んでから間もない国、例えば中国などもその例に漏れず、いきなり電炉業を稼働させることには難しい面があります。実際に、北米やヨーロッパでは電炉比率がかなり高くなっていることは、グラフでお示ししている通りです。日本においても十分なスクラップの予備群があるため、遅かれ早かれ電炉化が進んでいくと見ています。
右側は、国内の現状です。現在、高炉のシェアが4分の3を占めていますが、その中での品種ごとの内訳を示しています。これから電炉化が進んでいく中で、下の2つである薄板(コイル)と厚板については、現状は高炉のシェアが高いため、電炉がシェアを伸ばしていく余地がまだまだあると見ています。
続いて、9ページをご覧ください。弊社の強みについて記載しています。
上段は立地についてです。弊社は先ほど申し上げた通り、名古屋市の都市部に立地しています。実は、これは鉄鋼業の中では極めて珍しい存在です。多くのメーカーの工場は都市部から離れた海沿いの場所にあり、都市部にあるのは極めて稀です。この立地は、製品の販売、および原料であるスクラップの購入・調達の両面において、極めて恵まれた位置にあると言えます。
まず、製品の販売についてですが、名古屋地区は日本のものづくりの中心地と言われています。近隣には多くの製造業、工場、都市の建設現場があります。また、日本の三大都市圏と呼ばれる関東、中部、関西のちょうど真ん中に位置しているため、半径300キロメートル圏内で三大都市圏をカバーすることができます。トラックであれば日帰りで往復できる距離にあり、輸送面でも極めて効率的です。
一方で、周辺にはビルの解体現場や、工場での加工にともなうスクラップの供給が多数あるため、スクラップの集荷にも恵まれています。
下段は、厚板の電炉専業としての強みです。産業機械向けなど、短納期、小ロット、多品種を要求される事業において、弊社は強みを発揮しています。
以上、事業の概要について簡単にご説明しました。
■質疑応答
▲フィスコ 高井
中尾様、ありがとうございました。
続きまして、著名投資家のDAIBOUCHOUさんに気になる質問をしていただきたいと思います。
それでは、DAIBOUCHOUさん、お願いいたします。
●DAIBOUCHOU
よろしくお願いします。まず1つ目ですが、前期はメタルスプレッドの縮小で減益とのことですが、まずこのメタルスプレッドの仕組みについて教えていただけますでしょうか。
■中部鋼鈑 中尾様
はい。こちらの資料に絵を記載していますが、メタルスプレッドとはいわゆる販売価格から鉄スクラップの価格を引いたもののことです。電炉法の場合、原価に占めるスクラップ価格の割合が非常に高いために、収益との相関が強く注目されています。メーカーとしては、このスプレッドを極力拡大させるとともに、できるだけ安定化させて収益の変動を少なくしようと努力しています。
●DAIBOUCHOU
わかりました。前回の決算では、販売価格の下落が鉄スクラップ価格の下落を上回ったのですね。輸入品への対抗による価格下落圧力に加えて、高炉から電炉へ転換する流れで鉄スクラップの需要が増えて価格が上昇し、それによって利幅が圧迫されている印象ですが、この状況は改善される見込みはありますでしょうか。
■中部鋼鈑 中尾様
はい。2026年3月期の状況についてお示ししていますが、こちらについては、販売価格が前期に比べて下落し、鉄スクラップ価格も前期に比べて下落したものの、販売価格の下落の影響の方が大きかったためにスプレッドが縮小したという状況でした。
販売価格につきましては、厚板に関しては海外からの輸入品はさほど多く入ってきていません。しかし、おそらく薄板など他の鋼種については、海外から製品がかなり入ってきています。そういったものから来る価格下落圧力が、厚板にも波及したということです。
それから、弊社においては昨年度に電気炉の事故の影響があり、これによって他社に比べて機動的に販売価格をコントロールできなかったという面もあったと考えています。
●DAIBOUCHOU
わかりました。足元、直近では、イランの戦争などの影響で鉄スクラップ価格が上昇傾向ですが、この価格の上昇分は値上げできているでしょうか。もしくは、値上げできる仕組みがあるのでしょうか。
中部鋼鈑株式会社×著名投資家DAIBOUCHOU氏対談動画文字起こし(3)に続く