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iーplug Research Memo(8):事業戦略は足もとが急速に進捗

■i-plugの中長期戦略

2. 事業戦略の進捗
(1) 規律を持った投資による既存領域の着実な成長
主力事業である既存領域の「OfferBox」が着実に成長を続けているため、2020年3月期から2026年3月期の既存領域の年平均成長率は23.3%と高い成長性を実現した。さらに、マーケット占有率から伸びしろが依然大きいうえ、適性検査「eF-1G」や紹介型の「OfferBoxPLUS」といったグループ資産をかけ合わせることで、価値提供範囲を拡大してさらなる成長が可能と考えられる。このため、売上高の70%超を占める早期定額型を成長ドライバーに、顧客増加とアップセルに向け、法人向けマーケティングや企業向けカスタマーサクセス、プロダクト開発、学生向けマーケティングに対して適正な投資を実施することで、決定人数を最大化していく考えである。なお、2025年卒の決定人数が前期を下回った影響で、2026年3月期はアップセルに苦戦した。しかし、プロモーションの見直しや機動的なコストコントロールなど規律を持って投資管理を進めたことで、2026年卒の決定人数が増加に転じ、正常な進捗へ向けて是正が進んだ。

(2) 新卒領域以外での事業開発と利益成長の両立
新卒領域以外では、長期持続的な成長に向けて「第2の柱」の事業開発を引き続き進める計画であり、挑戦期は若手キャリア領域などで事業を確立して、飛躍期には収益拡大につなげる方針である。中途領域で期待の大きかった「PaceBox」では反省すべき点は多かった(その分経験値も多くなる)が、それ以外の事業は「OfferBox」との相性もよく、「Tsunagaru就活」のようにシナジーを創出し収益への貢献を開始した事業も出てきた。このため、長期持続的な成長に向けて、既存事業の成長に加え、引き続き「第2の柱」となる事業開発を進めている。2027年3月期は挑戦期の最終年度となるが、大学1年生〜2年生向け「OfferBox mirai」を2026年6月にリリースした。さらに、「第2の柱」と期待する若手キャリア向けサービスについても、現在事業化に向けた準備を本格的に進めている。挑戦期ギリギリとはなったが、新領域におけるサービスのリリースに加え、新たな事業開発検討が進んでいることは、飛躍期に向けた大きな進捗といえる。

(3) M&A・アライアンス
M&A・アライアンスでは、2025年4月以降、資本提携(マイノリティ出資)2件と業務提携3件を実現しており、急速な進捗となった。2025年9月に業務提携した(株)ROXXは、採用支援サービス「ZキャリアAI面接官」を提供しており、AI面接の練習など「OfferBox」の機能強化を進めることができる。2025年6月に資本業務提携したHRクラウド(株)は、採用管理システム「採用一括かんりくん」など採用領域に特化したクラウドサービスを提供しており、学生の登録から就職までを一括管理できるため「OfferBox」の機能強化につながる。2026年4月に資本提携した(株)CourseVALUは、大学生のための職場体験型ワークショップ「POP UP CAMPUS」など各種イベントを企画・運営しており、「OfferBox mirai」とのシナジーが大きそうだ。なお、こうした大学生向けのキャリア教育は、就職実績を引き上げたい大学側にとってもメリットが大きいため歓迎モードで、同社は大学営業チームを編成して「OfferBox」とともに積極的に営業展開していく方針である。

(4) キャピタルアロケーション
キャピタルアロケーションでは、事業価値拡大に向け、成長投資と財務基盤強化は順調に進捗している。成長投資については、既存領域において事業拡大余地があるため、プロダクト開発、マーケティング、カスタマーサクセスへの投資を中心に一定額の投資を継続している。「OfferBox」では決定人数2万人に向けた投資を実施しているほか、新卒以外の領域で事業開発と利益成長を両立する適切な投資を行い、M&Aやアライアンスでは利益貢献や持続的なキャッシュ・フローの創出力を重視している。一方財務基盤は、現預金残高(2026年3月期末3,266百万円)と、「OfferBox(早期定額型)」受注時のキャッシュインを中心とする営業キャッシュ・フロー(2026年3月期1,485百万円)をベースに、営業キャッシュ・フロー以内の投資を考えているため健全かつ安定的である。また、これまでの課題だった「安定的・持続的な利益の創出」と「経営基盤の安定化(内部留保の充実)」については、既存事業が着実に成長を続けていることからクリアできたと判断している。このため今後、成長投資に資金を優先的に配分しながら、DOE(株主資本配当率)10%以上の持続的かつ安定的な利益還元を実施する方針となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)

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