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青木淳一氏(以下、青木):本日はお忙しい中ご参加いただき、誠にありがとうございます。室町ケミカル株式会社代表取締役社長の青木です。ただいまより、2026年5月期の決算概要についてご説明します。本日はどうぞよろしくお願いします。
本日のご説明の流れについては、スライドをご参照ください。
会社概要
まず、当社の概要についてご説明します。当社は1917年に売薬の製造・販売を目的として創立しました。戦時中に一時廃業しましたが、1947年に再設立し、創立から100年以上、再設立から70年以上の歴史を持つ会社です。現在は、東京証券取引所スタンダード市場に上場しています。
本社は福岡県大牟田市にあり、従業員数は205名です。拠点は大牟田市の本社に加え、東京、大阪、千葉、茨城に展開しています。
事業セグメント
当社の事業セグメントについてです。当社は「医薬品」「健康食品」「化学品」の3つの事業を展開してきましたが、このうち健康食品事業については2026年5月期末をもって撤退を完了しました。
2026年5月期の売上構成比は、医薬品事業が約51パーセント、健康食品事業が約15パーセント、化学品事業が約34パーセントです。
医薬品事業では、医薬品の有効成分となる原薬を中心に取り扱っています。本事業の大きな特徴は、メーカー機能と商社機能の2つを併せ持ち、さまざまなお客さまの要望に応えられる点です。
化学品事業では、液体から不純物を取り除く液体処理関連製品を中心に取り扱っています。具体的には、イオン交換樹脂、分離膜、水処理装置などを取り扱っています。長年培ってきた技術とノウハウを活かし、お客さまの用途に応じた製品選定から、必要に応じて装置化まで対応しています。
パーパスと経営理念
当社のパーパスと経営理念についてご説明します。当社は「健康」と「環境」の2つをテーマに掲げ、社会への貢献を目指しています。
医薬品事業で「健康」に、化学品事業で「環境」に貢献し、健康・環境分野で社会が抱える問題に向き合い、これを解決することで当社の経済的価値と社会的価値の双方を高めながら、持続的な成長を目指していきます。
損益計算書
ここからは、2026年5月期の決算についてご説明します。まずは全体の損益についてです。2026年5月期は、売上高、営業利益、経常利益のいずれも過去最高を更新しました。
売上高は前期比約18パーセント増の78億4,100万円で、期初想定を上回る結果となりました。原価率はやや改善し、売上総利益は大幅に増加しています。営業利益は7億4,300万円となり、前期比で約72パーセント増加しています。
一方、医薬品事業における一部受託案件の売上計画の見直しを踏まえ、将来収益性を再評価した結果、固定資産の減損損失を計上しています。この結果、当期純利益は前期比で約32パーセント減少しました。
今後については、収益性を重視した案件の獲得とコスト構造の改善に取り組み、さらなる収益力向上を図っていきます。
売上四半期推移
スライドのグラフは、四半期ごとの売上高と営業利益率を示したものです。各事業部の売上が好調に推移した結果、全体の売上も堅調に推移しています。営業利益率は四半期ごとに多少の変動はありますが、中期経営計画で掲げている「営業利益率10パーセント以上の達成」に向けて、収益基盤が着実に整いつつあると認識しています。
セグメント別損益
セグメント別の損益についてご説明します。医薬品事業では、輸入原薬および自社製造原薬の売上が好調に推移した結果、営業利益が前期比約34パーセント増加しました。
健康食品事業は撤退発表の影響が懸念されましたが、取引先の需要に支えられ、最終的に黒字を確保しました。化学品事業は、イオン交換樹脂の売上が好調に推移したことで2期連続の黒字となり、増収増益を達成しています。
全体として、各事業とも堅調に推移した1年であったと考えています。
営業利益 増減要因(前期比)
営業利益の増減要因についてご説明します。営業利益は前期比で3億1,100万円増加しました。主な要因として、医薬品事業を中心に全事業で売上が増加したことが挙げられます。また、健康食品事業を中心に原価率が改善したことで、全体の原価率もやや良化し、売上総利益が増加しました。
販管費は人件費などの増加によりやや増加していますが、増収による利益増加の効果がこれを大きく上回り、結果として大幅な増益となりました。
営業利益 増減要因(事業別・前年同期比)
スライドでは、事業部別の営業利益の増減を示しています。医薬品事業は、売上増加に伴い売上総利益が増加しました。
健康食品事業は、売上増加に加え、工場稼働率が高水準で推移したことで原価率が改善し、売上総利益の増加につながりました。化学品事業では、売上増加に加えて主力製品であるイオン交換樹脂の原価率が改善し、売上総利益の増加に寄与しています。
以上の要因により、営業利益全体としては前期比で3億1,100万円増加しました。
セグメント別実績 医薬品事業
ここからは、各セグメントの状況について詳しくご説明します。まずは医薬品事業です。医薬品事業の売上高は39億8,600万円、営業利益は6億3,400万円となりました。売上増加の主な要因は、既存商品の需要拡大により輸入原薬の売上が増加したことです。自社製造原薬についても、当社の独自技術を活用した新製品の上市に加え、既存製品の売上好調により増加しました。
原価率は売上構成品目の変化によりやや悪化しましたが、売上の増加に伴い売上総利益は増加しました。
今後も、商社機能とメーカー機能を併せ持つ当社の特徴を活かした営業活動を推進していきます。特に、輸入原薬の取り扱いに向けた活動や、合成・精製などの自社製造案件の獲得と速やかな立ち上げに注力します。
セグメント別実績 健康食品事業
健康食品事業についてです。売上高は11億8,600万円、営業利益は1,800万円となりました。当初は事業撤退に伴う売上減少を想定していましたが、予想以上に受注が堅調に推移したことから、売上高は前期を上回る結果となりました。また、工場稼働率が高水準で推移したことにより原価率が改善し、売上総利益も増加しています。
なお、当事業においては、2026年5月期末をもって予定どおり事業撤退を完了しました。昨年の撤退発表以降、取引先をはじめ、関係各位のご理解とご協力をいただきながら対応を進めてきましたが、大きな混乱なく撤退を完了することができたと考えています。
今後は、これまで健康食品事業で活用していた経営資源を、医薬品事業および化学品事業へ振り分けることで、さらなる成長につなげていきます。
セグメント別実績 化学品事業
化学品事業についてです。化学品事業の売上高は26億6,900万円、営業利益は9,100万円となりました。
売上増加の主な要因は、半導体向け市場の活性化や電力業界向け市場への進出が順調に進んだことです。これにより、通期を通じてイオン交換樹脂の商品と自社加工品の売上が好調に推移しました。この商機を逃さず、今後もさらなる販売拡大に努めていきます。
加えて、PFAS除去用装置を含む自社製造装置の納品も売上の伸長に寄与しています。また、AIデータセンター関連需要を背景に、機能性接着剤の売上も堅調に推移しました。
今後の取り組みとしては、健康食品事業の撤退により空いた旧ゼリー製造工場を改修し、化学品開発センターを開設することを決定しています。
詳しくは後ほどトピックスでご説明しますが、この化学品開発センターの開設により開発体制の強化を行うことで、案件の受注スピード向上と新市場開拓に向けた新たな製品開発を加速し、収益機会の拡大と創出を図っていきます。
貸借対照表
貸借対照表の動きについてご説明します。流動資産は、輸入原薬の売上増加に伴い、電子記録債権を主とした売上債権および現預金が増加しました。固定資産は、先ほど触れた医薬品合成事業の減損により、機械および装置、建物が減少しています。
流動負債は、受注量の増加に伴い買掛金が増加しました。
キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況についてご説明します。営業利益の増加が主な要因となり、営業活動によるキャッシュ・フローが増加しました。その結果、フリーキャッシュ・フローは5億7,000万円のプラスとなりました。今後も成長投資と財務健全性のバランスを意識しつつ、キャッシュ創出能力の向上に取り組んでいきます。
トピックス① 連続プロセス技術(フロー合成)の確立に向けて
トピックスをご紹介します。1つ目は、医薬品事業における連続プロセス技術の確立に向けた取り組みについてです。今期においては、医薬品開発センターに小型の連続晶析装置を設置しました。この装置は、溶液から目的物を取り出す「晶析」に加え、フロー合成反応にも活用できる小型装置です。
フロー合成とは、原料を管や微細な流路の中に連続的に流し、その過程で反応させる化学合成技術です。従来のバッチ合成では、反応釜に原料を1回ずつ投入して釜の中で反応させ、反応が終わるたびに生成物を取り出す工程を繰り返します。しかしフロー合成では、原料を連続的に流しながら反応を進めることが可能です。
フロー合成と連続晶析は、医薬品製造における効率性および再現性を飛躍的に高める技術であり、当社の目指す方向性と一致しています。そのため、これらは将来のCMOビジネスにおいて重要な役割を果たすと考えています。
今回の小型連続晶析装置の導入により、これらの技術に対する小規模での実証および技術習得を進める環境が整いました。現時点で、すでに関心を寄せていただいている複数のお客さまを対象に、装置の見学会をいくつか実施しています。実施後のお客さまの反応は概ね非常に良好であり、確かな手応えを得ています。
将来的には、本社工場に大型設備を導入し、フロー合成反応や連続晶析といった各工程の技術を組み合わせることで、医薬品原薬CMO市場における先駆的なポジションを確立することを目指します。まずはこの装置を活用し、連続プロセス技術を当社の重要な技術として着実に育成していきます。
トピックス② PFAS アップデート
2つ目のトピックスは、化学品事業におけるPFAS対応の進捗アップデートについてです。前回の決算説明会では、参画中である環境水中のPFAS浄化実証実験についてご説明しました。
その後、実証実験の結果がまとまり、環境水中におけるPFAS除去に対する当社のイオン交換樹脂の有効性が確認されました。また、環境省からも「幅広い水質条件に対して適用可能性が高く、国内におけるPFAS対策において実用性と将来性を備えた処理技術である」と高く評価いただいています。
さらに今回の実証実験では、PFASを吸着したイオン交換樹脂を再生できる可能性があることも確認できました。当社の技術は、除去性能だけでなく、資源循環という観点においても有効な技術になり得ると考えています。
これらの結果を踏まえ、当社ではPFASの処理に関する特許を出願済みです。本年6月には、長崎で開催された「第5回 環境化学物質合同大会」および「第31回 地下水・土壌汚染とその防止対策に関する研究集会」においても発表を行いました。
次に、現在進めている取り組みについてご説明します。以前ご説明した東京学芸大学との共同研究については、引き続き進行中です。吸着・濃縮技術はすでに確立しており、現在は分解工程における課題解決を進めています。簡便なモニタリングは依然として市場ニーズが高い状況にあるため、今後も着実に取り組みを進めていきます。
最後に、今後の市場動向と当社の取り組みについてです。ご承知のとおり、PFASのうちPFOSとPFOAは2026年4月から水道水の水質基準項目となり、水質検査の実施と基準の遵守が求められています。当社としては、今後は工場などからの排出水も基準化や管理強化が進むと予想しています。
こうした環境変化を踏まえ、当社はこれまでの実証実験で得られた知見を基に対応技術の確立を進めるとともに、学会や展示会などを活用しながら技術の普及を図ります。また、複数企業とのアライアンスを活用し、今後必要になるだろう工場排水中のPFAS処理に関する研究も進めていきます。
PFASについては環境課題と認識しており、今後ますます社会的な対応が求められると考えています。長年蓄積してきたイオン交換樹脂をはじめとする技術を活用し、この課題の解決に少しでも貢献できるよう取り組んでいきたいと考えています。
中長期的には、2031年5月期にPFAS関連売上として4億円を目指し、PFAS対策を化学品事業における成長分野の1つとして育てていきます。
トピックス③ 化学品開発センター開設(2027年7月稼働)
3つ目のトピックスは、化学品開発センターの開設についてです。今回が初めてのご説明となりますが、化学品事業の今後の飛躍的な成長に向けて、非常に重要な取り組みであると認識しています。
建屋はもともと健康食品事業のゼリー工場として使用していたものです。現在は内部の撤去作業がほぼ完了しており、2027年7月の稼働を目指すべく、改装等の準備が進んでいます。全体の投資額は3億5,000万円を予定しています。
化学品開発センターの開設理由についてご説明します。現在の化学品事業では、電力関連やPFAS関連をはじめとする開発テーマが非常に増加しています。そのため、一部業務で分析・評価・試作の処理待ちが発生しており、今後はさらに案件が増えると予想されることから、開発体制の強化が必要な状況です。
今回の化学品開発センターの開設により、研究開発、試作、分析、評価機能を総合的に強化し、案件の処理能力向上と開発品の上市スピード向上を図っていきます。
具体的には、作業スペースの拡張に加え、検査機器の導入が非常に重要なポイントとなります。これにより、これまで外部に委託していた検査の一部を内製化することが可能となり、評価期間の大幅な短縮や開発サイクルのスピードアップが期待されます。
また、従来は実施が難しかった中規模試験も可能となり、量産化前の検証精度が向上することで、製品化の確度を高めることができます。これによりお客さまとの共同開発をさらに拡充し、開発段階からお客さまのニーズを取り込むことで、高付加価値製品の売上拡大と顧客基盤の強化を目指しています。
今回の化学品開発センターの開設は、単なる設備投資ではなく、化学品事業を研究開発型および高付加価値型の事業へ進化させるための重要な一歩と考えています。今後は、化学品開発センターを化学品事業の開発基盤としてしっかりと立ち上げ、開発スピードの向上、製品化精度の向上、高付加価値製品の創出を着実に進めていきます。
中期経営計画改定について
「中期経営計画2028」の進捗状況と、今回の計画更新についてご説明します。当社は昨年公表した「中期経営計画2028」において、2031年5月期に売上高100億円・営業利益率10パーセントを目指す「VISION 100」を掲げ、その後「100億宣言」も開示しました。
今回の計画更新では、この方向性を維持しつつ、直近の業績動向や事業環境の変化を踏まえて計画値をアップデートしています。更新のポイントは大きく5つあります。
1点目は、2026年5月期業績の上振れを反映したことです。売上高と利益が当初計画を大きく上回り、先々の見通しがやや明確になってきたことから、最新の業績水準を踏まえた計画値に見直しました。
2点目は、計画期間の拡張です。これまでの3ヶ年計画から5ヶ年計画へと拡張し、中期的な成長ステップをより明確にしました。
3点目は、「100億宣言」の実現に向けた具体化です。売上高100億円の達成に向け、重点施策や経営資源の配分をあらためて整理しました。
4点目は、利益を伴う持続的成長の重視です。売上規模の拡大だけでなく、利益率・生産性・付加価値の向上を重視し、経営基盤の強化を進めていきます。
5点目は、株主還元の充実です。累進配当方針を継続しつつ、機動的な株主還元についても検討していきます。
長期ビジョン(VISION 100)
長期ビジョン「VISION 100」についてです。数値の上振れはあったものの、「2031年度に100億円達成」という最終目標に変更はありません。豊富なノウハウと確かな技術を活かし、お客さまの課題を解決することで、売上高100億円・営業利益率10パーセントを目指していきます。
スライドに記載のとおり、2026年5月期の売上高は78億円となりました。また、前回の計画で掲げていた事業の再構築とさらなる成長に向けた基礎固めとして、製造設備の拡充・拡張、人的資本経営の基盤整備、資本コストを意識した経営など、それぞれの目標を継続して進めていきます。
更新 売上・利益率目標
こちらのスライドは、売上高および利益率目標について、更新前と更新後を比較したものです。今回の更新では足元の業績を反映し、スライドに記載のとおり、売上高、営業利益率、EBITDAの各計画値を引き上げています。
計画期間を2031年5月期まで拡張したことで、「VISION 100」に向けた成長ステップがより明確におわかりいただけるようになったかと思います。長期計画ではさまざまな困難が予想されますが、その時々の最適解をもって迅速に対応することで、この目標を達成する所存です。
以上が、今回の中期経営計画更新の概要です。
業績予想
2027年5月期の業績予想についてご説明します。2027年5月期の業績は、売上高71億円、営業利益5億5,000万円、経常利益5億円を見込んでいます。
当期純利益については、2026年5月期に計上した医薬品事業における減損損失の反動もあり、増加の見込みです。売上高と営業利益においては、前期比で減収減益の見通しですが、これは約12億円の売上があった健康食品事業からの撤退に伴う影響が主な要因です。
短期的には健康食品事業撤退の影響がありますが、残りの医薬品事業と化学品事業に経営資源を集中し、成長に向けて加速するための移行期間と位置付け、中長期的な収益性向上と成長基盤の強化につなげていきます。
セグメント別の予想
セグメント別の予想についてご説明します。医薬品事業では、売上高40億円を見込んでいます。この達成に向けて、引き続き商社機能とメーカー機能を活かした営業活動を推進します。また、自社製造原薬の販売拡大と開発案件の獲得に取り組むとともに、輸入原薬の調達ネットワーク拡充や海外企業との連携強化も進めていきます。
化学品事業では、売上高31億円を見込んでいます。売上が好調な市場へのアプローチを強化し、イオン交換樹脂の販売拡大を推進します。また、先ほどご説明した化学品開発センターの開設により開発体制を強化し、案件受注スピードの向上や新市場開拓に向けた製品開発を加速していきます。
2事業体制での初年度となりますが、各事業において事業基盤の強化を図り、中長期的な成長へつなげていきます。
以上をもちまして、室町ケミカルの2026年5月期決算説明を終了します。ご清聴ありがとうございました。
質疑応答:中計更新および計画期間延長の理由と今後の上振れ要因について
司会者:「今回は、中期経営計画の更新に加えて計画期間も延長されました。その理由と、今後の計画値が上振れする主な要因について教えてください」というご質問です。
青木:今回の更新は、足元の業績が計画作成時の想定を上回って推移していることに加え、今後の成長見通しを踏まえて、より実態に即した計画に見直したものです。2031年5月期に売上高100億円達成を目指し、成長ステップをより具体化するため、計画期間を5ヶ年に延長しました。
上振れ要因としては、化学品開発センターの整備が大きく寄与すると考えています。評価・開発対応能力が高まることで案件の受注スピードが向上し、収益化までの期間が短縮される点が期待できます。これにより、売上高の積み上げスピードをさらに高めていきたいと考えています。
質疑応答:医薬品事業の減損損失と今後の取り組みについて
司会者:「医薬品事業の減損の結果、今期の償却負担はどうなりますか? また、医薬品事業で減損が必要になった理由について、可能な範囲で詳細を教えてください」というご質問です。
青木:医薬品事業で減損が発生した点については、お客さま側の需要動向に大きな変化が生じたことが主な要因です。これにより事業計画の見直しが必要となり、収益見通しを再度慎重に検討しました。
その結果、当初予定していた収益性の確保には一定の時間を要する見通しとなったため、固定資産の回収可能性を見直し、3億9,800万円の減損損失を特別損失として計上しました。
今後は、収益性を重視した案件獲得とコスト構造の改善に取り組んでいきます。なお、前述の減損損失に伴う年間の減価償却費の効果は、数千万円となります。
質疑応答:AIデータセンター関連需要と機能性接着剤について
司会者:「AIデータセンター向けの機能性接着剤の詳細を教えてください」というご質問です。
青木:AIデータセンター関連需要については、当社の機能性接着剤の販売が堅調に推移しており、当期の売上成長に一定の効果がありました。今後も堅調な推移が予想されるとともに、関連需要の広がりも期待していますが、案件化の時期や規模は市場動向に左右されると考えています。今後も需要動向を注視しながら、化学品事業の成長に結びつけていきます。
用途については、AIデータセンター関連における光ファイバー関連の接着剤に使われていると聞いています。それ以上の詳細は相手先からの情報が出ていないため、現段階では光ファイバー関連ということのみお伝えします。
質疑応答:化学品開発センター開設の主目的と期待される効果について
司会者:「化学品開発センターの開設によって、どのような効果を見込んでいますか? また、効果はいつ頃から出始める見込みで、金額面ではどの程度を想定していますか?」というご質問です。
青木:化学品開発センター開設の主な目的は、研究開発・試作・分析・評価機能を強化し、開発品の上市スピードを向上させることです。
現在、学会発表や展示会などを通じて多くのご相談や具体的な案件をいただいており、一部ではすでに分析・評価・試作の処理待ちが発生し始めています。このままでは、今後さらにテーマ数が増加し、お待ちいただくケースが増えると予測されます。
これは商機を逃すことにつながるため、化学品開発センターの開設により、こうしたボトルネックを解消し、開発キャパシティを向上させて処理能力を高めることを目指しています。
先ほども触れましたが、一部を外部委託していた検査は意外と時間がかかるケースが多く、これらを内製化することで評価期間を大幅に短縮できます。また、中規模試験設備の導入により、ラボ試験から量産化へ移行する前の検証精度を高めることで、次期以降の手間を削減しながら、精度の向上も期待できます。
化学品開発センターは来年7月からの稼働開始を予定しており、完成後はその期から徐々に効果が出始めると予想しています。翌年以降は案件処理能力の向上によって、売上高で数億円のプラス効果を見込んでおり、その後も段階的に売上高を伸ばしていく計画です。
特に化学品事業では、PFAS、電力、半導体、鉱物関連といった成長分野を多数抱えているため、これらの開発を加速していきます。