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Aiロボティクス Research Memo(7):2027年3月期予想は保守的。店頭販売拡大と新ブランド投入で上振れへ

■Aiロボティクスの今後の見通し

1. 2027年3月期の業績見通し
2027年3月期の業績予想は、前期に営業利益が計画未達となったことに加え、BJCの子会社化や既存ブランドの卸販売による売上上振れの可能性を考慮し、レンジ形式で開示した。同社は、保守的な前提に立ちながらも「下振れしない下限値」を示す意図であると説明している。

連結業績は、売上高56,000~60,000百万円(前期比※90.7~104.4%増)、営業利益7,500~10,000百万円(同97.2~163.0%増)、調整後EBITDA9,500~12,000百万円(同146.7~211.7%増)、調整後当期純利益5,900~7,400百万円(同122.2~178.7%増)を見込んでいる。売上高については倍増ペースを堅持しつつ、営業利益も着実な増益を目指す。

※ 前期単体実績との増減率。

大幅増収の背景には、既存ブランドの販売拡大に加え、店頭卸販路への構造転換、BJC(BJCの2027年3月期会社予想は売上高15,000百万円を前提)の連結寄与がある。上限値の60,000百万円は、下限値の56,000百万円をベースに、先行投資の効果による店頭卸での約4,000百万円の上振れ余地を織り込んだ水準である。卸販売比率は2027年3月期第2四半期以降に一段と上昇する見込みである。加えて、予想には織り込んでいない新規2ブランドの市場投入も、追加のアップサイド要因になる可能性がある。

営業利益についても、売上高の拡大に伴い大幅増益を見込んでいる。下限の7,500百万円は、BJCののれん償却後利益3,000百万円と同社の4,500百万円を合算したものであり、同社単体の増益幅は700百万円にとどまる前提である。一方、上限の10,000百万円は、主として店頭卸売上4,000百万円の上振れを織り込んだ水準である。このため、同社は営業利益7,500百万円を「極めて保守的な数値」と位置付けている。なお、四半期ベースで見ると、店頭卸への構造転換に向けた戦略的投資を継続するため、第1四半期は損失計上を見込んでいる。

同社は新たなKPIとしてブランド別売上高・売上総利益を開示する方針へ転換した。前期までは「Yunth」の定期会員数を主要KPIとしていたが、ブランドポートフォリオの多角化によって「Yunth」単体が全体業績に与える影響度が低下したほか、卸販路の本格拡大に伴って同指標の重要性が相対的に低下したことによる。

会社予想の下限である売上高56,000百万円、売上総利益36,000百万円(売上総利益率64.3%)を前提にすると、主要ブランド別では、「Yunth」は売上高20,000百万円、売上総利益14,000百万円(同70.0%)、「Brighte」は売上高15,000百万円、売上総利益9,700百万円(同64.7%)、「Straine」は売上高6,000百万円、売上総利益3,700百万円(同61.7%)、BJCは売上高15,000百万円、売上総利益8,600百万円(同57.3%)を見込んでいる。さらに、前述のとおり、2027年3月期中に上市予定の新ブランドが、売上高4,000百万円、売上総利益2,800百万円、売上総利益率70.0%の規模で上振れ余地となる。

2. 成長戦略
同社は、2029年3月期までに売上高2,200億円、営業利益400億円、時価総額1兆円の達成を目標とする中長期の成長戦略を掲げている。成長の柱は、既存ブランドの拡大、新規ブランドの創出、M&A戦略の3つであり、BJC子会社化後もこの方針に変更はない。同社が主戦場とするスキンケア、美容家電、ヘアケアを含むビューティー領域のTAM(総潜在市場規模)は、国内だけでも数兆円の規模であり、現時点の売上規模(M&AしたBJCを含む)との比較では未開拓のマーケットは非常に大きいと考えられる。

(1) 既存ブランドの拡大(海外展開)
同社は、KOLの起用や海外向けSNS広告の配信を通じて海外での認知度を高め、売上拡大を図る方針である。これにより、海外売上比率を2026年3月期の7.4%から2029年3月期には20.0%へ引き上げる計画である。既に進出している米国・中国・台湾・香港・韓国に加え、タイなどにも展開を広げ、今後は欧州・東南アジア・豪州・カナダ・南米へも拡大する方針である。

ブランド別では、「Yunth」が先行しており、東南アジア中心に約10ヶ国で展開している。タイではドラッグストア「Watsons」129店舗(今後600店舗へ拡大予定)で販売を開始しており、1ヶ月で1万個のリピートを獲得するなど好調な立ち上がりを見せている。「Brighte」はKOLによるオーガニック配信とインバウンドの連携強化中であり、「Straine」は中華圏(中国・香港・台湾)に加え、東南アジア・北米への配荷を進める計画である。

(2) 高速開発による新商品投入と新規ブランドの創出
自社AIシステム「SELL」により、市場データの取得から開発・製造・販売までの各工程がリアルタイムで連動している。これにより、従来は12~24ヶ月を要していた市場調査から商品の市場投入までのプロダクトサイクルを、3~6ヶ月に短縮している。SNS発のトレンドに即応する共創型開発も取り入れ、新商品の投入速度を従来の約4倍に高めることで既存ブランドの競争力を強化すると同時に、新規ブランドの立ち上げも迅速に進める。

(3) M&A戦略
事業成長と販路拡大を加速させるため、「ブランド力の強化」と「マーケティング機能の強化」の2軸でM&A戦略を継続する方針である。

ブランド強化を目的とするM&Aでは、ブランドポートフォリオの拡充による売上規模の拡大及び収益基盤の多角化を目的とする。ターゲットとしては、売上高50億円以上の規模を持つ企業や、特定分野で一定のシェアを占める企業を想定している。また、マーケティング強化を目的とするM&Aでは、AIシステムの高度化につながる技術、マーケティングチャネルの拡大、優秀なエンジニア人材の確保に資する企業を対象とし、事業基盤そのものの強化を図る。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)

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