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IXナレッジ Research Memo(6):2026年3月期はDX案件の拡大により、5期連続の増収増益を達成

■アイエックス・ナレッジの業績動向

1. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期の業績は、売上高が前期比6.7%増の24,351百万円、営業利益が同18.2%増の2,207百万円、経常利益が同18.9%増の2,318百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同29.3%増の1,714百万円と5期連続の増収増益となった。

売上高の動向を見ると、コンサルティング及びシステム開発においては、金融機関や通信事業会社向けの開発案件が拡大した。システムマネージメントサービスにおいては、医療機関やセキュリティ事業会社向けの基盤・環境構築案件が好調に推移した。エンドユーザーの業種別では、展開する4業種すべてが増収となった。そのなかでも特に、情報・通信分野(前期比731百万円増)と産業・サービス分野(前期比596百万円増)の増収額が大きく全体をけん引した。顧客別では、NTTデータグループからの受注拡大が顕著であったほか、NECグループや三菱UFJグループなどからの増収も顕著であった。こうした好調を支える事業環境として、企業のビジネス変革や働き方改革に向けたDXの取り組みが継続しており、それらを背景としたIT需要は依然として堅調に推移している。また内部組織においては、これまで推進してきた人的資本経営施策などが実を結び、人材の確保やパートナー企業との連携体制が充実した。これにより、旺盛な事業機会をタイムリーに捉えることが可能となっている。全社売上高の増収幅1,523百万円に対し、DX売上高の増収幅が1,253百万円(42.9%※)を占めていることからも、DX案件の受注が同社の成長をけん引する強力なドライバーとなっている。

※ 全社売上高に対するDX売上高の構成比。

営業利益については、前期比18.2%増、営業利益率で0.9ポイント上昇の9.1%となった。増収による売上総利益の増加(前期比で478百万円増)に対して、戦略的な投資による販管費の増加(同138百万円増)が抑制されたことで営業増益となった。技術者の育成に伴う受注単価の向上や、プロジェクトモニタリングの強化による適正な原価管理などが売上総利益の増加に寄与している。なお、親会社株主に帰属する当期純利益が同29.3%増と大きい要因としては固定資産売却益(58百万円)を計上したことや、賃上げ促進税制の適用による税額控除などが好影響をもたらしたためである。

自己資本比率70.9%と盤石な財務体質。M&Aの資金余力は十分

2. 財務状況
2026年3月期末の資産合計は前期末比1,273百万円増の16,343百万円となった。このうち流動資産は同1,063百万円増加したが、現金及び預金の同990百万円増加が主な要因である。固定資産は同209百万円増加したが、投資有価証券の同395百万円増加が主な要因である。現預金の残高は同7,451百万円と潤沢である。

負債合計は前期末比246百万円減の4,763百万円となった。このうち流動負債は同46百万円減と、大きな変化はなかった。固定負債は同199百万円減少したが、退職給付に係る負債が減少したことが主な要因である。有利子負債の残高は同240百万円と低い水準であり、実質無借金経営に近い。

純資産合計は前期末比1,520百万円増の11,580百万円となった。主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が同1,332百万円増加したこと等による。

流動比率は328.5%と短期の安全性の目安となる200%を大きく上回る。また、自己資本比率は70.9%と中長期の安全性も高い。2023年2月のM&A(シーアンドエーコンピューター)後も健全な財務体質を維持しており、さらなるM&Aに向けた財務的な余力がある。なお、2026年5月のM&A(スタイル)の取得価額は約1.7億円であり、同社の財務基盤への影響は軽微である。

2027年3月期は売上高25,102百万円、営業利益2,326百万円と持続的成長を予想

3. 2027年3月期の業績見通し
2027年3月期の業績は、売上高が前期比3.1%増の25,102百万円、営業利益が同5.4%増の2,326百万円、経常利益が同3.4%増の2,397百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同5.8%減の1,614百万円と、堅調な増収及び営業増益を予想する。親会社株主に帰属する当期純利益は、2026年3月期に適用を受けた賃上げ促進税制の適用を見込んでいないため、反動減を予想する。

受注環境については、国内のIT需要において、クラウドやAIなどの先進技術を活用したデジタル化(DX)による企業のビジネス変革への取り組みが今後も継続すると見込まれる。一方で、欧米の政策動向や地政学リスクの長期化などがもたらす影響により、世界経済の先行き不透明な状況は続くことが予想される。そのため、これらの外部要因が国内企業のIT投資に及ぼす影響については、今後も注視していく必要がある。

営業利益率は9.3%(前期は9.1%)を見込む。売上総利益率が21.7%(前期比1.1ポイント上昇)と収益性が高まる要因は、DX案件の拡大に伴い、単価の高い有資格者が増えてきたことが挙げられる。将来成長に向けた投資を織り込み販管費の増加を見込むものの、利益成長を確保する計画となっており、売上総利益の増加が上回る予想である。

人的資本の充実やDX対応力強化の取り組みは、プロジェクトの獲得や契約単価の向上につながり、同社の業績に直結する。同社では、専門部隊による社内横断的な人材育成や業務支援を通じたクラウドネイティブな開発への対応力の強化に加え、攻めの営業体制へシフトのほか、顧客やパートナー企業との共創などを通じて、高度化・多様化する顧客ニーズに対応していく。戦略遂行のKPIであるDX案件の売上高比率(2026年3月期は42.9%)及びクラウド関連取得資格数(2026年3月期は756資格)のさらなる拡大にも注目したい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)

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