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アステナHD、AI関連需要で表面処理薬品・設備部門が好調 化学品事業は前年比4.16億円の大幅増益

目次

瀬戸口智氏(以下、瀬戸口):代表取締役社長の瀬戸口です。本日はアステナホールディングスの決算説明会にお集まりいただき、ありがとうございます。

今回は2026年11月期第2四半期の業績概況に加え、トピックスとして化粧品領域のビジネスモデルについてご説明します。次回以降の説明会においても、ある程度トピックスを絞ってお話しします。

2026年11月期第2四半期 決算概況

決算概況です。2026年11月期上期における売上高は345億6,600万円、営業利益は22億9,400万円、経常利益は21億4,800万円、親会社株主に帰属する中間純利益は14億1,700万円となり、経常利益以外の段階利益で増益となりました。

売上高は、前期第4四半期から連結対象となった池田物産グループの寄与により前年同期比で44億6,400万円増加し、増収となっています。

業績予想に対しては、上期は特に利益面において化学品事業を主因として予想を大きく上回る結果となりました。通期予想に対しては、後ほどご説明しますが、特に利益面において順調に進捗していると評価しています。

2026年11月期第2四半期 セグメント別業績

セグメント別の業績についてご説明します。ファインケミカル事業では、医薬品開発エコシステム部門の減益を他部門でカバーしきれず、事業として前年同期比1億4,100万円の減益となりました。

HBC・食品事業では、化粧品原料部門において、新規連結の寄与により前年同期比33億4,200万円の増収となりました。一方で、利益面ではM&Aに伴う一時的な費用が発生したため、前年同期比1億8,400万円の減益となっています。

化学品事業では、表面処理薬品部門と設備部門がともに好調に推移し、前年同期比4億1,600万円の大幅な増益を達成しました。

営業利益前年同期比増減

ご説明したとおり、化学品事業では増益を達成したものの、ファインケミカル事業、HBC・食品事業、医薬事業の主要3事業で減益となり、営業利益の増加は前年同期比で7,200万円と小幅にとどまっています。

ファインケミカル事業

ここからはセグメント別の業績概要についてご説明します。まずファインケミカル事業は、輸入原薬の新規納入や既存品の拡大により、医薬品原料プラットフォーム部門で増益を実現しましたが、その他の2部門では減益となり、事業としても減益となりました。

また、投資を行った岩城製薬佐倉工場については、前回の決算説明会でも一部お伝えしましたが、注射剤において治験薬の受注を獲得しています。こちらは、下期から製造を開始する予定です。治験薬のため、利益への貢献は限定的ではありますが、従前の課題であった注射剤製造の第1号案件であり、今後の受注拡大に大きく期待しているところです。

HBC ・食品事業

HBC・食品事業についてです。化粧品原料部門において池田物産グループの取り込みがあり、前年同期比33億4,200万円の増収となっています。

利益面では、のれん償却後においても利益を確保していますが、PMI関連費用などが発生し、前年同期比でマイナスとなっています。PMI費用は第3四半期頃から減少する予定であり、第4四半期では発生しなくなる見込みです。したがって、第4四半期以降、特に来期にかけては十分な利益貢献が見込めると考えています。

医薬事業

医薬事業についてです。こちらには2つの部門があります。医薬品部門では、長期収載品が選定療養品目の対象となり患者さまの負担が増えるケースにおいて、当社の後発医薬品を選択いただく機会が増加しています。そのため、販売は好調に推移しています。

一方で、各種原材料費や経費の物価上昇などの影響により、医薬品部門は前年同期比で減益となりました。

美容医療部門では、美容医療市場の拡大を背景に、医療機関専売化粧品「NAVISION DR」の主力シリーズの販売が順調に推移し、営業利益は前年同期比で増益を達成しました。

化学品事業

化学品事業についてです。こちらには2つの部門があります。表面処理薬品部門では、生成AI市場の急拡大に伴うパッケージ基板関連投資の活発化を背景に、中国での新規顧客の獲得などが進み、MLCCなど受動部品向け薬品が好調に推移しています。

前期まで低調だったプリント基板向け薬品を含め、電子部品向けや半導体向け薬品のいずれも、大きく伸長しています。

表面処理設備部門においては、大口顧客向けの設備販売が好調であることに加え、修理・メンテナンス分野の売上増加も寄与し、売上・利益ともに好調に推移しました。一方で、マーケットは好調な状況ではありますが、中東情勢の影響による原材料仕入れ価格の高騰を受け、原価率は第1四半期に比べて第2四半期は悪化の傾向となっています。

ソーシャルインパクト事業

ソーシャルインパクト事業についてです。販路拡大により増収となっています。利益面では先行投資の影響で営業損失を計上していますが、損失幅は前期同期に比べて7,400万円ほど改善しています。

ヘルスケアブランド「NAIA(ナイア)」では、広告投資の効率化が進み、営業損失が大幅に改善しました。また、地方創生部門の「ふるさとNOW」は、採用いただいた施設が増加し、単体では黒字化を達成しています。

2026年11月期通期業績予想

業績予想です。期初予想からの変更はありません。上期までの進捗率が高い状況ですが、下期については、中東情勢に起因する原材料調達の不安定さや価格動向などの影響を懸念しており、具体的な影響を精査しているところです。

先ほどお話ししたとおり、各事業において包装資材の値上げや供給制限などが顕在化しており、今後さらなる影響が出てくる可能性があると想定しています。例えば、医薬品のチューブやポリ容器などはすでに影響が出始めています。また、工場で使用する燃料や輸送コストなども上昇してきている状況です。

「好調である」とご説明しましたが、このような状況を踏まえ、通期予想については現時点では据え置きとしています。今後、業績への影響が明確になった場合には、その都度ご案内する予定です。

還元方針

還元方針についても、変更はありません。安定的かつ業績連動性を持たせることを基本としています。配当性向30パーセントを目処としていますが、直近5年間は純損失の計上の際も含め、配当性向30パーセント以上、年間18円で安定配当を実施しています。

2026年度は配当性向30.9パーセントで年間18円を予定しており、配当額は据え置きとなります。2027年度以降は着実な利益成長を実現し、しっかりと配当性向を維持し、着実な増配ができるよう取り組んでいきます。

化粧品マーケットへの価値提供

トピックスに移ります。冒頭でお話ししたとおり、今回は化粧品ビジネスにフォーカスしてご説明します。

化粧品領域はHBC・食品事業で展開しており、原料から製品販売までバリューチェーンをしっかり確保しています。池田物産グループは国内とグローバルの商社であるため、特に今回はそこに注力しているところです。

化粧品の輸入支援や韓国コスメのプロダクト輸入、さらにシニア向け通販化粧品など、多岐にわたって事業を展開中です。スライド右側にマーケットサイズとそのトレンドを示していますが、堅調なマーケットで事業を展開していると考えています。

化粧品原料商社

個別にご説明します。化粧品原料商社のビジネスについては、池田物産グループが加わったことで事業基盤がさらに強化されました。

国内外の多数の原料メーカーとの長期間にわたる取引実績があり、国内では大半の主要化粧品メーカーに対して販売を行っています。今回の池田物産グループの参加により、その海外拠点を活用することで、アメリカやヨーロッパのグローバルメーカーへのアプローチが可能となりました。

今後は食品原料部門とのシナジーを創出することで、売上拡大と利益成長を牽引することを期待しています。

化粧品輸入

化粧品の輸入についてです。支援、サポートと言ったほうがビジネスモデルとしては適切かもしれません。化粧品の輸入は法規制もあり簡単には行えないため、薬機法への対応や通関業務を専門スタッフがワンストップでサポートしています。

輸入に伴う煩雑な手続きを当社が一括して支援することで、お客さまには商品開発や販売促進に専念していただける環境を提供しています。

近年、化粧品の輸入需要は着実に拡大しています。当社は専門性の高いサービスを強みに、全国に展開する大手ビューティーセレクトショップなど、多くのお客さまと取引を行っており、実績も着実に積み上がっています。

この事業は非常にニッチな領域ではありますが、プレイヤーの数が限られているという特性もあります。当社では専門人材の拡充や業務体制の強化を進めており、現時点でも拡大の余地があると考えています。

韓国コスメ

韓国コスメについてです。このような場でたびたびお伝えしているように、韓国コスメの輸入額が非常に増加しています。

当社グループのマルマンH&Bは、かなり初期の段階から韓国コスメを取り扱ってきた実績を有しており、高いソーシング力があります。「Torriden(トリデン)」が目立っていますが、複数のブランドを展開することで、確固たる市場のポジションを築いていると自負しています。

また、チャネルについては、大手ドラッグストアやコンビニエンスストアをほぼすべて網羅し、バラエティストアなどを含む幅広い販売ネットワークを構築しています。安定した供給体制を有していることも強みになっていると考えています。

「Torriden」については、人気男性アイドルグループをブランドアンバサダーに起用するほか、テレビCMやポップアップストアの開催など、積極的なマーケティング活動を展開しています。これに加えて、韓国コスメである「ISOI(アイソイ)」や「It’s skin(イッツスキン)」といった新たな韓国コスメブランドの取り扱いもすでに開始しています。

今後も市場が継続的に拡大すると見込み、営業を積極的に展開しています。韓国コスメ市場の成長を取り込みながら、ブランドラインアップの拡充を進め、持続的な成長につなげていきたいと考えています。

シニア向け通販化粧品

シニア向け通販化粧品についてです。こちらもよくご存じかと思いますが、主力製品はスライドに記載の「シルキーカバー」です。通信販売化粧品市場は堅調に推移しており、特にシニア層は高齢化の進展も背景に、市場全体を上回る成長が期待されています。

「シルキーカバー」は通販化粧品の化粧下地カテゴリで10年連続売上No.1を獲得しており、累計販売数は550万個を突破しています。

このように長年にわたりお客さまから支持をいただいているほか、豊富な顧客基盤を活用したダイレクトマーケティングが強みとなっています。こちらを活用し、新規顧客の獲得と既存顧客への提案を強化し、販売の拡大を目指していきます。

当社グループの化粧品領域は、原料、輸入支援、ブランド流通、通信販売といった一連の事業領域で構成されています。それぞれの事業領域の強みを十分に活かし、今後は競争力をさらに高めるとともに、各事業領域間でのシナジー創出を推進していく方針です。

化粧品領域全体の成長を加速させ、事業利益や連結利益への貢献を一層高めていきたいと考えています。

ESGへの取り組み①

ESGへの取り組みについてです。1つ目として、7月13日に「統合報告書2026」を発行しました。ぜひご覧いただきたいのですが、3つの点を重視して作成しています。

1つ目は「企業理念体系の刷新」です。期初の12月にグループ全体の行動指針を発表しており、これをもとに各自がさまざまなアクションを取ることを目指しています。

M&Aなどによりグループ従業員数が増加しています。共通の指針を定めることでグループ全体が一丸となり、パーパスである「明日の『あたりまえ』を創り続ける」の実現を目指していきます。

2つ目は「価値創造モデルの体系化」です。グループ全体の価値創出を可視化する取り組みとして、6つの経営資本をインプットに、当社グループの価値創出の流れを整理した「価値創造モデル」を体系化しました。

当社グループが目指すインパクトは、人々の「体の健康」と「心の健康」が支えられ、「地域や産業の持続的な活力」が育まれる社会の実現です。このモデルを共通言語として、価値の定義から収益との接続までを可視化し、グループ全体で価値創造の方向性を共有していきます。

3つ目は「付加価値適正分配の実践」です。付加価値の適正分配については、株主還元、人的資本投資、事業投資、社会への還元のそれぞれにおいて付加価値を適正に分配することで、持続可能な成長の好循環を構築することを目指しています。

今回は10年間の付加価値額の推移も掲載しており、当社が着実に付加価値を拡大させていることを示すことができたのではないかと思います。

統合報告書の制作にあたっては、社内の制作チームに加え、経営層も含めた活発な議論を重ねながら進めてきました。依然としてアップデートが必要な部分や、課題が残っている部分も多々ありますので、今後も着実に取り組んでいきたいと思います。繰り返しとなりますが、ぜひご覧いただければ幸いです。

ESGへの取り組み②

その他のESG関連の取り組みとして、健康経営優良法人認定制度において5年連続で認定されました。また、東京都が取り組む「東京女性リーダーズ応援ネットワーク」への賛同企業として参画しています。

当社グループは多様性を尊重しており、すべての従業員が能力を最大限に発揮できる職場環境の実現を目指し、女性活躍の推進に取り組んでいます。今後も女性をはじめとする多様な人材が意欲と能力に応じて活躍できる環境作りを進めていきたいと考えています。

また、個人投資家向け会社説明会をかなり久しぶりに実施しました。こちらも、引き続き地道に進めていきたいと考えています。

スライド22ページ目以降は、会社の事業概要のご紹介となります。事業領域が多岐にわたっていますので、詳細や構成比などをご参考にしていただければと思います。お手すきの際にご覧ください。

今後とも当社の歩みにご期待いただくとともに、変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。以上で私からの説明は終了となります。

質疑応答:セグメント別の下期の需要動向とコストアップの見通しについて

質問者:業績の方向性についておうかがいします。上期の業績は、当初発表された数字よりも非常に良い方向に向かいました。前年同期比では前年同期並みか、若干のプラスです。上期は概ね順調で、通期業績予想については特に修正しないとのことでした。

需要とコストアップを分けて考えた場合、セグメント別の需要動向についてはどのような方向性で捉えればよいでしょうか?

ファインケミカル事業は医薬品開発エコシステム部門がやや調子を崩しているようですが、下期に向けての見通しはどうでしょうか? HBC・食品事業は、引き続き順調に推移するのでしょうか?

医薬事業は後発医薬品の需要が好調ですが、どのような動向になるのでしょうか? 化学品事業の上期は好調でしたが、表面処理設備部門は多少凸凹があるかもしれません。

セグメント別でのご説明がありましたが、下期のコストアップについてはさまざまな要因が想定されるため、慎重に注視していく必要があると思います。まだ未確定な部分も多いかと思いますが、需要面での下期に向けた動きと、それに伴うコストの変動について、どのように見通せばよいのかを教えてください。

全体的な印象としては、上期が良い結果となりましたので、通期については、現状のままだとコストアップの見方次第ではあるものの、なんとなく良い方向にいくのではないかと考えています。セグメント別の需要面とコスト面に関して、社長の感触を教えてください。

瀬戸口:事業担当者がいますので、後ほど答えてもらおうと思います。全般的には、需要はそこまでひどくなく、堅調なのではないかと見ています。ただし、不足といいますか、少し雲行きが怪しい部分もあり、中東情勢のような地政学的リスクや、ビジネス上、案件が思うように積み重なっていない点が挙げられます。

HBC事業においては、どちらかというとコストサイドのM&A費用がかかっています。前向きな費用ですが、需要自体はそこまで低下しないのではないかという見方をしています。化学品事業は、先ほどのご説明のとおりです。せっかくですので、ファインケミカル事業担当の岩城取締役からコメントがありましたらお願いします。

岩城慶太郎氏(以下、岩城):岩城です。ファインケミカル事業を担当しています。ファインケミカル事業は、医薬品製販業がお客さまです。具体的には、医薬品製販業のお客さまに対し、委託を受ける部門と供給する部門の大きく2つの部門があります。

委託を受ける業務は、期中にお客さま側で大きな環境変化が起きると、どちらかというと予算は絞られる方向に向かいます。そのため、需要はマイナスに向かう傾向があります。

例えば、薬価が想定外に大きく下がったり、今回のように包材が想定外に手に入りづらくなったりすると、もともと組んでいる予算に帳尻を合わせるため、研究開発や業務委託に関連する予算を削ることがあります。そのため、このような変動がある場合、マーケットニーズは縮小していく傾向があると考えています。

一方で、原料の供給に関するサプライ側については、情勢不安が起きると、原料は売れる方向に向かいます。例えば、現在の中国の地政学的リスクや原料の供給不安が全体的に広がっている状況においては、お客さまは在庫をできるだけ手元に確保しようとするため、より多く購入しようとする傾向があります。

ただし、今期は原料の不足に伴う在庫需要の増加よりも、急激な環境変化に伴う全社の受託料における予算の引き締めのほうが優勢となりました。当社の売上が若干低調に推移したのは、そのような市場心理が原因であると考えています。

この状況がどのタイミングで解消するかについては、原油の供給不足感による目詰まりは、サプライチェーンのかなり川下のほうに至るまで影響が及んでいますが、徐々に解消していきます。

一方で、全体的なコストの上昇は依然として継続しており、その状況に変化は見られません。そのため、上期と下期の事業環境は大きく変化しないのではないかというのが私の見解です。

成瀬寛俊氏(以下、成瀬):医薬事業を担当している成瀬です。まず、医薬の需要については、後発医薬品全体の需要が増加しています。その背景には、長期収載品の選定療養という制度が取り込まれたことがあり、当社もその影響を受けています。

この需要は一時的な増加ではなく、先発医薬品の市場が徐々に縮小する中で、後発医薬品の需要が徐々に拡大していくかたちです。最終的にすべてが移行するわけではありませんが、この傾向は今後もしばらく継続すると考えています。

また、需要が上がるもう1つの背景として、先発医薬品の企業が製造を撤退することが挙げられます。国内で製造しても採算が取れない、あるいは技術を維持し続けられないなど、さまざまな理由で先発医薬品の市場から撤退していく状況です。

先発医薬品から撤退することで、徐々に後発医薬品への置き換えが進み、後発医薬品が成長していきます。この影響は2024年から続いており、比較的長く継続すると見込んでいます。

利益については、コストの増加は避けられない状況です。中東情勢の影響により、当社が一番影響を受けているのはプラスチックの容器です。例えば、ローションを入れるボトルや中栓といった非常に細かい部品にも影響が出ています。また、低分子の化学薬品にも影響が及んでいます。

原価でおおむね数パーセント、最終的に利益としては結果として数パーセント弱程度の影響を受けるのではないかと見ています。需要が増え売上が伸びることで、その分利益に影響が出ると考えています。

門倉稔氏(以下、門倉):HBC・食品事業を担当している門倉です。簡単にご説明します。スライド15ページをご覧ください。

先ほど社長の瀬戸口よりご説明がありましたが、HBC・食品事業のマーケットに関しては、スライド右側に記載しているとおり、それぞれおおむね微増以上と認識しています。

売上拡大を図る一方で、コストに関しては物流費や包装資材の値上がりなど、コスト増が避けられない状況が下期に向けても続くと考えています。そうした中で、コストを吸収しながら収益率を上げていくことに、引き続き注力していきたいと思います。

また、今回グループインした池田物産グループにおいても、そうした取り組みを進めるとともに、特に海外戦略を強化し、利益を確保していきたいと考えています。いずれにしても、コストアップは今期だけでなく、中長期的にも続くものと認識しています。

藤原誠氏(以下、藤原):化学品事業担当の藤原です。上期における化学品事業の利益は、AI関連需要の拡大と大口設備案件の寄与により、計画を上回りました。中東情勢の影響でナフサに起因する原材料価格の高騰が見られますが、製品価格への転嫁により影響は軽微であると考えています。

ただし、原材料の供給不安によってエレクトロニクス産業全体で生産調整が起こる可能性があり、依然として先行きは不透明です。そのため、慎重に見ています。

質疑応答:下期の営業利益の見通しについて

質問者:下期の見通しについて、コストの部分は「不透明だ」という一言に尽きるかと思います。確実に上がることはおおよそ理解できるのですが、上期の営業利益の実績が約22億円でしたので、下期が計画どおりの場合、約半分の11億円になります。

コストがかかったとしても、需要面ではそれほど下がる要因はないのではないかと思います。現在の足元の状況や下期の見通しを踏まえて考えた場合、11億円も下がる可能性があるのでしょうか? あるいは、相当慎重に判断して通期の予想を据え置いていると考えてよいのでしょうか?

瀬戸口:いつもどおり数字を慎重に組んでいるのだろうというお話かと思います。実際のところ、昨年も下期は上期に比べて少なく、スライドを見ると、下期の営業利益は約8億円と大幅にブレーキがかかっているように見えます。そのため、コストの部分も影響し、今期も22億円の倍となる44億円はなかなか考えにくいと見ています。

ただし、各事業で対応を進めており、通期はしっかりと達成するという前向きなメッセージからこの数字を出しています。

第3四半期や第4四半期の中盤戦において、例年どおりの流れで「だいたい良かったね」という結果になるのではないかと思います。

先ほど各事業担当者からお話ししましたが、しっかり取り組めばその数字は十分に達成できると信じています。今後も議論を継続しつつ、取り組んでいきます。

質疑応答:ファインケミカル事業が前期比で増益となる可能性について

質問者:期初の段階では、通期利益が多少なりとも上がる要因としてファインケミカル事業を挙げていたと思いますが、現時点では横ばいの状況です。ファインケミカル事業が前期よりも増益となる可能性はあるのでしょうか? それとも、横ばい程度で見るのがよいのでしょうか?

瀬戸口:開示上はそのように示していますが、手応えは感じています。岩城から詳しくご説明します。

岩城:先ほどの各セグメントの概況についてのご質問の中でお話ししましたが、年度中に大きな環境変化があると予算を絞られる環境になりやすい場合と、在庫を積み上げようとする環境の双方が存在します。

ただし、現状では予算を絞られる環境にあると考えています。関係する部門においては、現在、受注をなんとか取り戻そうとがんばっていますが、上期は苦戦していました。この環境に大きく対応し、改善するために取り組んでいますが、下期に劇的に改善して大幅に成長するという見通しは、現段階では難しいと考えています。

質疑応答:化学品事業におけるAI関連需要の見通しについて

質問者:化学品事業は非常に好調です。今回の説明ではAI関連といった新しいワードも出てきました。AI業界全体を考えると、強い基調が今期だけでなく来期も継続し、設備投資なども活発に進むと思います。

化学品事業においてAI関連はどの程度の比率があり、具体的にどのようなAI需要に関わっているのかがわかりにくいため、その点も含めて、今期だけでなく来期やさらにその先を見据えた需要の見通しについて教えてください。変化が激しい業界のため難しいかもしれませんが、お願いします。

瀬戸口:表面処理薬品部門ではプリント基板、半導体、電子部品向け薬品の分野で事業を展開しており、市場のCAGRと比較すると、今回の化学品事業の成長率のほうが高い状況です。この点は営業が努力している結果だと認識しています。また、市場としてAI関連は引き続き強いトレンドを維持するのではないかと考えています。

藤原:化学品事業担当の藤原からお答えします。IT企業によるデータセンター投資の加速が見込まれており、AIや半導体需要の増加は数年にわたって続くとされています。この需要に対応していくことが持続性につながると考えています。

具体的な期間については現時点で申し上げることはできませんが、一般的には数年にわたって続くと見られています。

質疑応答:AI需要増加に伴う供給体制の課題について

質問者:AI需要が相当伸びていく際に、供給面での課題や設備投資などネックとなる要因はありますか?

瀬戸口:2025年末に工場用地をすでに取得しています。設備はまだ整っていませんが、いつでも対応できるよう準備を進めていると理解しています。

藤原:瀬戸口からの説明のとおり、今期に入り、まず熊谷第二工場用地を取得しました。現在、需要に対応するため生産能力の増強策を進めています。今後の需要にも対応できる計画を立てているところです。

質疑応答:医薬品のチューブ等の供給状況について

質問者:「医薬品のチューブやプラスチック容器に中東情勢の影響が出ている」とお話がありましたが、これは供給が手に入らず出荷制限がかかっているという意味でしょうか? それともコストがかかった影響が出ているのでしょうか?

瀬戸口:チューブに関しては、十分に手に入らず、小出しにされている状況です。先ほど岩城が「原油の供給に関する目詰まり」についてお話ししましたが、本当に僅かながらも目詰まりがあると理解しています。具体的には、チューブの中のコーティング剤が不足している状況です。また、各資材が値上がりしていると認識しています。

成瀬:補足します。チューブに関しては、当初4月の時点で供給が停止するというお話がありましたが、厚生労働省や経済産業省が業界と協議し、理解を得た上で、必要なアルミやトルエン、キシレンなどのシンナーの供給が進められ、逐次、生産が継続できる状況となりました。その結果、毎月危機的な状況に直面しながらもなんとか供給が確保されています。

また、先日チューブメーカーのお話をうかがったところ、現時点ではなんとか生産を継続できており、チューブに関しては生産力に大きな影響は今のところ出ていないという状況です。

プラスチックの原材料や低分子の化合物などに関しては、今後ナフサの供給状況がどう変わるかによって影響を受ける可能性があります。政府は「なんとか確保している」と言っていますが、そこから製品を作るには相当な時間がかかるため、今後どのように影響するのかは現時点で明確には見通せていません。

質問者:プラスチック容器は、いわゆる軟膏を入れるような容器のイメージでよいですか?

成瀬:軟膏を入れる容器も含まれますが、チューブのふたや中栓といった細かなものや、袋のようなものもあります。

質疑応答:医薬事業の利益見通しについて

質問者:成瀬さんにおうかがいします。先ほど、医薬事業の利益について「数パーセント弱程度のマイナス影響が出る」というお話がありました。ただし、出荷量が増えるため、いってこいで今期は見通しどおり着地できるという理解でよいでしょうか?

成瀬:今期の着地見込みは変更していなく、このまま活かせることを前提としています。

また、他にも原材料や生産の要因、委託先の生産状況など、さまざまな要素が影響を及ぼします。そのため、現時点では予測どおりの見通しで着地できると考えていますが、不確定要因があることも承知しています。大きな声で言う必要はないかと思いますが、そうした事項を把握した上での通期予想となっています。

質問者:いろいろな課題があり、それを解決したいが、どうなるかはまだ不透明ということですね。

質疑応答:注射剤製造の進捗状況について

質問者:注射剤について、今回1件目を取得されたということで、現在、2件目、3件目を目指していると思います。その取り組み状況や進捗について教えてください。

岩城:まず、岩城製薬佐倉工場での注射剤の1件目となる案件ですが、先日製造を完了し、現在、委託元の検収を予定しています。1回目ということもあり、いくつかの苦労がありましたが、無事に製造を終えることができました。

また現在、数件の引き合いをいただいており、その中には治験薬ではなく商用製造に関する引き合いも含まれています。注射剤の市場においては、空いているラインを探すのが難しくなりつつある中で、複数の引き合いをいただいています。

条件が合うかどうかがポイントとなりますが、そこに向けて秘密保持契約を結んだ上で先方との合意を固めている段階です。

質疑応答:化粧品領域の収益性向上策について

司会者:「化粧品マーケットへの価値提供について、川上から川下にわたって整理されており、事業の中身への理解が深まっているのではないかと思います。この分野での市場成長に期待が高いことはわかりましたが、収益性が低いことはやや難点です。

成長に伴って営業利益額を増やすとともに、収益性を高めるためにどのようなことを考えているのかを教えてください」というご質問です。

瀬戸口:HBC・食品事業全体で最も大きな割合を占めているのが、いわゆる商社業です。収益性については、他の事業と比べて難しい部分もありますが、メインで行っている施策としては、例えばインサイドセールス機能の拡充や企画機能の強化といったかたちで、同じ商社業でも付加価値の高いビジネスに取り組んでいます。

また、自社品については、先ほど「Torriden」についてお話ししましたが、マルマンH&Bでは自社ブランドの健康食品やシートマスクなどを取り扱っています。また、アプロスの「シルキーカバー」など、製品ミックス次第でポイントは変わってくると考えています。

アプロスは数年間苦労した時期がありましたが、だいぶ回復してきています。収益性という意味においては、今後ある程度確保できるのではないかと期待しています。

門倉:HBC・食品事業を担当している門倉です。簡単に補足させていただくと、利益率が低いことは、商社業である以上、致し方ない部分があると思います。

一方で、当社ではいわゆる高付加価値品を取り扱うことに注力しています。他社がなかなか取り扱えないような原料などを重点的に扱い、お客さまに販売することに特化していきたいと考えています。

また、物流面においては、池田物産グループとの連携によりコストシナジーをしっかりと発揮し、利益率および利益額を高めていきたいと考えています。さらに、重点顧客や重点カテゴリへの集中も重視し、これらをしっかりと推進しながら利益を確保していきたいと考えています。

最後に、池田物産グループについてです。特に海外での利益率が非常に高いため、こうした市場に対し、池田物産グループだけでなく、イワキとして積極的に取り組み、シナジーを最大限に活かしながら、今後も利益を確保していきたいと考えています。

質疑応答:表面処理設備部門における大口顧客向け販売の伸びの背景について

司会者:「表面処理設備部門は、大口顧客向けの販売と修理・メンテナンス分野の売上が好調だったとのことですが、大口顧客向けの伸びの持続性や、その伸びの背景について教えてください。また、表面処理設備部門の売上の伸びが大きかったのは、第2四半期でしょうか?」というご質問です。

藤原:化学品事業担当の藤原が回答します。大口顧客向けでは、AI関連需要が各部品を搭載するプリント基板事業で大幅に増加しており、基板製造装置も同様に販売が増加しました。第1四半期と第2四半期の比較としては、ほぼ同様の水準ながら、第1四半期のほうが若干販売額は大きくなっています。

質疑応答:表面処理薬品部門における戦略について

司会者:「表面処理薬品部門では、中国での新規顧客獲得が進み、MLCCなど受動部品向けが伸びているとのことですが、この分野での今後の戦略について教えてください。また、パワー半導体向けも、生成AI市場の拡大とともに伸びが期待されていますが、現在どういう状況にあるのか、今後の戦略について教えてください」というご質問です。

藤原:中国でのビジネス成長は大きな貢献をもたらしていますが、中国依存による地政学的リスクを考慮し、韓国や南アジア、もちろん日本を中心に、現状ではバランスよく販売することを経営施策としています。リスクを軽減しながら中国での販売を進めているところです。

また、パワー半導体はデータセンターを含むエネルギー効率向上に貢献しています。今後もAI対応のデータセンターへの投資が進むことが予想されますので、それに合わせて成長していけるよう計画を進めているところです。

質疑応答:HBC・食品事業の営業利益減少の要因について

質問者:HBC・食品事業について、瀬戸口社長のご説明では「償却費やPMIの一時的な費用が第2四半期の利益減少の主因である」というようなお話だったと思います。

第1四半期時点の決算資料と第2四半期時点の決算資料を比較すると、大きく動いているのは化粧品製販部門で、第1四半期は前年同期比で大幅な増益でした。第2四半期はほとんど増益がないため、第2四半期は大幅に利益が下がったことが、第1四半期と第2四半期の滝チャートの分析から読み取れます。

池田物産グループのPMIの件は、おそらく化粧品原料部門やその他・調整額に関連していると思いますので、これが利益減少の主な理由ではないと考えます。私の分析では、化粧品製販部門が第1四半期と第2四半期で大きく逆方向に動いたことが影響していると見ていますが、この点についてご説明をお願いします。

門倉:ご指摘のとおり、化粧品製販部門において、特に利益の面でスライドに示しているグラフの青い部分が非常に低くなっているかと思います。

増益ではありますが、スライド左下の四半期推移の棒グラフを見ると、第1四半期の2億6,500万円から第2四半期の9,400万円まで下がっている点についてのご指摘かと思います。これに関しては、大部分が化粧品製販部門に含まれるマルマンH&B単体の営業利益が下がったことに起因します。

ただし、これは一過性とまでは言いませんが、テレビCM制作を含む販促強化を第2四半期に行った結果であり、販促費をかけたために一時的に利益が低下したものです。第3四半期および第4四半期に向けた前向きな投資であることをご理解いただければ幸いです。

質問者:補足としておうかがいします。第2四半期は見た目上、P/Lでは下がっていますが、費用を除いた実質的な利益ベースではそれほど悪くないということでしょうか? 第2四半期の販促費用が第3四半期や第4四半期に売上増などのポジティブな効果をもたらす可能性はありますか?

門倉:おっしゃるとおりです。先ほど瀬戸口がご説明した償却費やPMI関連費用を除いた場合、HBC・食品事業は前年同期比で増益となっています。

また、第2四半期の販促費用は第3四半期、第4四半期の売上につながると見込み、今回の販促を行っています。一方で、第3四半期、第4四半期においても、広告を継続する部分があります。そのため、売上と利益をどこまで伸ばせるかについては、第3四半期、第4四半期の広告費の使い方も含めて、バランスを取りながら進めていきたいと思います。

質疑応答:熊谷第二工場の生産品目と投資計画について

司会者:「化学品事業におけるメルテックスの熊谷第二工場用地についてです。こちらで予定している生産品目は何ですか? 表面処理薬品ですか? いつまでに意思決定し、いつまでに完成したいかというスケジュール感をご教示ください」というご質問です。

瀬戸口:品目については詳細な回答は難しいと思いますが、藤原からご回答します。

藤原:まず、生産品目は大きく言いますと表面処理薬品です。投資計画については今期中にある程度まとめ、来期より2年から3年かけて投資を実施する予定です。

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