■要約
ナックは、「暮らしのお役立ち企業」を基本戦略として、ダスキンのフランチャイズ加盟店を主力とした「レンタル事業」のほか、自社ブランドの宅配水「クリクラ」や浄水型ウォーターサーバー「feel free(フィールフリー)」等の製造販売をする「クリクラ事業」を柱に、「建築コンサルティング事業」「住宅事業」「美容・健康事業」など、住まいと暮らしに関わる分野における多角化経営により発展してきた企業である。
1. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期連結業績は、売上高58,919百万円(前期比1.5%減)、営業利益2,483百万円(同17.4%減)、経常利益2,485百万円(同17.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,631百万円(同19.5%増)と売上高は微減、各段階利益は最終利益を除き減益となった。期初予想に対しては、売上高・各段階利益とも未達となった。売上面では主力のクリクラ事業やレンタル事業が堅調で、それぞれ同2.9%増、同0.5%増となったほか、美容・健康事業が同2.9%増、新たな取り組みであるその他部門が同51.0%増となった。その他部門では、2025年3月期より開始した「Yesmart」事業や、(株)ナックライフパートナーズが運営する「買取大吉」が好調だった。一方、建築コンサルティング事業及び住宅事業は、住宅着工件数が減少する市場動向に加え、建築基準法改正に伴う建築確認申請手続の長期化によって伸び悩み、それぞれ同8.5%減、同12.6%減となった。利益面では、クリクラ事業において、クリクラボトルの価格改定による売上高の増加と、解約防止策として講じた複数年契約制の導入によって解約率が想定を下回る水準で推移したことにより同11.9%増となった。一方、レンタル事業は同4.5%減となったほか、建築コンサルティング事業は同76.9%減、住宅事業は同30.5%減となった。美容・健康事業は販促強化の影響で同26.0%減、その他部門は事業立ち上げに向け費用が先行し、営業損失を計上した。最終利益が前期比で増益となった理由は、前期の投資有価証券評価損(194百万円)及び売却損(289百万円)の剥落である。
2. 2027年3月期の業績見通し
2027年3月期の連結業績は、売上高63,500百万円(前期比7.8%増)、営業利益2,800百万円(同12.7%増)、経常利益2,800百万円(同12.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,700百万円(同4.2%増)と増収増益を見込んでいる。事業セグメント別では、売上面は各事業とも堅調な伸びを見込むなか、特に建築コンサルティング事業や美容・健康事業が2ケタと大幅な伸長を予想している。利益面では住宅事業が減益を見込むものの、その他の事業では堅調な増加を予想し、建築コンサルティング事業と美容・健康事業は増収効果に伴い大きな増益を見込む。その他部門については引き続き損失を予想する。施策面では中期経営計画に掲げる目標の達成に向けて引き続き成長投資に注力する。売上拡大のための新規出店や新サービスの開発、販促活動に対する投資を推進し、各事業で顧客数の拡大を図るほか、既存事業の枠にとらわれない新規事業開発やM&Aを進める。
■Key Points
・2026年3月期は、住宅関連事業は苦戦も主力事業は堅調
・2027年3月期は増収増益予想。堅調な主力事業に加え建築コンサルティング事業が挽回をねらう
・中期経営計画に掲げる目標の達成に向けて、2027年3月期は重点施策を強力に推進
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)