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DAIKOX Research Memo(9):コアビジネスの高付加価値化と重点ソリューションの強化が進展

■DAIKO XTECHの中長期の成長戦略

3. CANVAS TWOの概要
(1) CANVAS TWOの目標
中期経営計画CANVAS TWO(2026年3月期~2028年3月期)は、CANVAS ONEで得られた価値の深化と事業構造の変革を進めるフェーズであり、2028年3月期に売上高450億円、営業利益率6.7%、当期純利益20.5億円、ROE13.0%以上を業績目標として掲げている。具体的な施策としては、「コアビジネスの高付加価値化」と「重点ソリューションの育成」を中心に据えた事業戦略と、「財務戦略」と「人財戦略」の実行による経営基盤強化を進める。

(2) CANVAS TWOの事業戦略
a) 重点ソリューション
中期経営計画CANVAS TWOにおいて、重点ソリューションは2028年3月期に売上高110億円、売上総利益45億円、売上総利益率41.2%という数値目標を掲げている。戦略の中核は、自社ソリューションを中心にプロダクトライフサイクルを構築し、売上高及び収益性の向上を図ることにある。既存ソリューション領域では、生産管理システム「rBOM」や調達支援システム「PROCURESUITE」などの自社ソリューションを基盤に、顧客価値提供と市場ニーズを踏まえた継続的な事業展開を進めていく。一方、シン・ビジネス領域では、「D-Ever flex」及び「i-CompassTB」を中心とした事業拡大を専門組織の設置によって強化する。さらに、経営層や部門における課題やニーズをデータ分析などで整理したうえで、システム導入(設計・開発・運用)を支援するITコンサルティング機能を拡充することで、成長を加速させる。

b) コアビジネス
中期経営計画CANVAS TWOにおいて、コアビジネスは2028年3月期に売上高340億円、売上総利益80億円、売上総利益率23.7%という数値目標を掲げている。この目標達成に向け、ソフトウェアサービスに経営資源を投入し、売上総利益率を引き上げる方針だ。具体的には、同社の強みと顧客ニーズが一致するモダナイゼーション、製造・流通、保険・共済、サポートビジネスの4領域に注力し、開発・保守を含むリカーリングビジネスを拡大することで、粗利率を向上させる。一方、ハードウェアサービスは売り切り型で利益率の低い分野であることから長期的価値が期待できる案件に選択的に集中し、ネットワークサービスは顧客ニーズが継続的に発生する分野として安定価値を提供していく。

(3) CANVAS TWOにおける経営基盤強化
a) 財務戦略
財務戦略においては、成長投資と財務健全性の両立を図りつつ、中長期的に安定したキャッシュ創出力の強化を目指している。特にM&Aを中心とした積極的な成長投資の推進を戦略の核に据え、計画期間中のキャピタルアロケーションとして、3年間累計で約90億円の成長投資枠を設定した。このうち約60億円から70億円をM&A予算に充当し、重点ソリューション領域における新たなソリューションや新技術、新分野の獲得につながる企業をはじめ、コアビジネス領域においてシステムエンジニアの生産力増強に寄与する企業を具体的なターゲットとして定めている。また、残る約20億円から30億円の投資枠については、重点ソリューション領域のさらなる拡充やシン・ビジネス領域の研究開発、そしてこれらを支える人財の確保と育成へと戦略的に配分していく方針である。

同社は成長投資を積極的に実施する一方で、自己資本比率50%を目安とした財務健全性の維持を明示しており、財務安全性を損なうことなく事業拡大と投資を同時並行で進める方針である。手元流動性については、月商1.5ヶ月分に相当する約60億円の現預金水準を維持基準として設定し、短期的な資金需要や景気変動に対する耐性を確保している。さらに、政策保有株式に関しては、年度ごとに経済合理性を精査したうえで継続的に縮減していく方針を掲げている。

b) 人財戦略
CANVAS TWOにおける人財戦略は、長期的な成長の実現に不可欠な経営基盤を強化するため、人的資本投資と教育投資を起点に社員と会社の好循環を創出し、生産性及び付加価値の向上を目指すものである。同社はこれらの投資を体系的に推進し、社員の成長とエンゲージメントを高めることで、高付加価値型ビジネスを支える組織力の強化を図っていく。CANVAS2030ビジョンの実現に向けては、インクルーシブな企業文化の醸成や従業員エンゲージメント指標の向上に取り組み、働きがいと生産性が両立する組織運営を進めていく考えである。なお、重点施策の一つである「SEを中心とした現場人財の採用・確保」については、近年の生成AIの進化を鑑み、単なる量的な拡大を追うのではなく、高いスキルを持ち上流工程を担えるエンジニア人財の採用と育成に、よりフォーカスをあてていく方針である。

4. CANVAS TWOの進捗
2026年3月期は、事業戦略及び経営基盤強化の双方において複数の具体的な施策が進められた。

(1) 事業戦略の進捗
a) コアビジネス
コアビジネスにおいては、付加価値の高いソフトウェアソリューションを中心に伸長させる方針の下、モダナイゼーションビジネスの強化が進展した。製造・流通業向けビジネスでは、量産生産管理やPLM(プロダクト・ライフサイクル・マネジメント)といった業務効率化に関わる領域での強化が図られ、同時に保守サポート領域の拡大も進んだ。モダナイゼーションビジネスに関しては専門組織を設置し、業務効率化と高付加価値化を両立させる体制が整備されている。これにより、コア領域のなかでも特に収益性の高い領域へのリソースシフトが進み、事業構造の質的転換が図られている。また、PMO機能の拡充を通じたプロジェクトマネジメント及びモニタリング体制の強化についても、2026年3月より運用を開始した。

b) 重点ソリューション
既存ソリューション領域では、製品力の強化とシェア拡大への取り組みが着実に進展した。ペーパーレス分野では、協力企業のOEM提供を得て「PROCURESUITE」のラインナップを拡充した。また、2025年9月にM&Aで取得したブリットアプリケーションのトヨタ生産方式(かんばん生産)に対応した生産管理システム「D-PaSS」は旺盛な引き合いを得ており、拡販が進展中だ。さらに、セキュリティ製品「AppGuard」も、導入需要が非常に高く「半年待ち」の状態が継続している状況である。

シン・ビジネス領域では、ERP、HR、ITコンサルティング、データ活用といった各領域の拡大を目的に専門組織を新設し、伴走型の企画推進体制を構築した。業務分析から構想立案、さらには現場定着までを継続的に支援するITコンサルティング体制が整備され、案件獲得面でも着実に前進している。

(2) 経営基盤強化の進捗
a) 財務戦略
財務戦略では、3年間累計約90億円(M&A投資・その他戦略投資は約60~70億円)の成長投資を実施する方針のもと、初年度にブリットアプリケーションのM&Aを実施した。同社は、これ以外にも数多くのM&A案件を継続的に検討している。案件のフローは十分にあり、自社ビジネスと大きなシナジーを生み出し、かつ「高値づかみ」や買収後の「のれん負け」を回避できるM&A案件の成約に向けて、経営会議や取締役会での報告・議論を重ねている。また、2026年3月末時点で自己資本比率49.1%、現金及び預金5,987百万円と、成長投資及び株主還元を行いながらも健全性を確保している。

b) 人財戦略
人材獲得競争が激化する「売り手市場」の中にあっても、同社の採用活動は好調に推移しており、2026年3月期は新卒採用で53名、キャリア採用72名が入社している。また、エンジニア人財については、将来的なAI技術による開発工程の代替を見据え、より上流工程を担える高度なスキルを持った人材の採用や育成に取り組んでいる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 西村 健)

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