■要約
ワイヤレスゲートは、大手通信キャリアの通信網を借り受けて、顧客ニーズに応じた(無線)通信サービスと、通信サービスの価値を高める周辺サービスを提供している。2025年12月期第3四半期までは単体決算であったが、2025年11月に(株)FREEDiVEを子会社化したことで、同第4四半期から連結決算を発表している。主力事業はWi-Fi通信サービスであり、ヨドバシカメラを中心とした全国リアル店舗網を擁する同社と、Web販売に強みを持ちD2Cブランド群を保有するFREEDiVEによりリアルとデジタルで販売を展開している。事業セグメントは、「Wi-Fi・グローバルeSIMコネクティビティ事業」の単一セグメントだが、売上高についてはワイヤレスゲートとFREEDiVEに区分して記載している。
1. 2026年12月期第1四半期の業績概要
2026年12月期第1四半期の業績※は、売上高2,764百万円(前年同期比35.6%増)、営業利益116百万円(同100.3%増)、経常利益116百万円(同104.0%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益75百万円(同10.9%増)となった。子会社FREEDiVEの売上貢献(489百万円)によって大幅増収となり、同社単体においても約11.6%増の2ケタ増収となった。営業利益率については、増収効果やFREEDiVEの利益貢献に加え、適切な投資コントロールにより同1.3ポイント上昇の4.2%となり大幅増益となった。
※ 2025年12月期第1四半期から第3四半期の業績は単体ベースとなっており、上記の前年同期比は単体ベースとの比較となっている。2025年12月期第4四半期から連結決算となっているがM&A関連費用のみの計上となり、FREEDiVEの業績貢献は2026年1月からとなっている。
2. 2026年12月期の業績見通し
2026年12月期の業績は、売上高11,000百万円(前期比31.8%増)、営業利益430百万円(同151.3%増)、経常利益420百万円(同143.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益250百万円(同11.1%減)を見込んでいる。売上高はM&Aによる効果もあり、前期比大幅増を計画している。KPIであるWiMAXサービスの累計は、第1四半期で純増となっており、ストック収益として後続期間に寄与する見込みである。第2四半期以降も引き続き契約獲得と解約率の低減に努めることで増収を目指す。増収に伴い営業利益、経常利益段階では大幅増益を見込む。ただし、親会社株主に帰属する当期純利益は前期における繰延税金資産の追加計上により減益を見込んでいる。
3. 中期経営計画「10年ビジョン」の基本方針
同社は2035年への「10年ビジョン」(目指す姿)として、2033年12月期に時価総額300億円並びに2035年12月期に東京証券取引所プライム市場への再指定替えを掲げている。その過程を3段階に分け、フェーズ1(2026-2028年)では、「オフライン×オンラインの販売プラットフォームによりWiMAX・モバイルWi-Fiサービスを安定成長化」「海外向け・国内向けのeSIMサービスを新たな主力事業へ」と展開することを目指す。次のフェーズ2(2029-2033年)では、「収益拡大・成長率拡大」「海外eSIMと世界Wi-Fiスポットにより事業をグローバル化」「効果的なM&A」「国内外で100万人規模の顧客数へ」の拡大を推進する。最終段階のフェーズ3(2034-2035年)では、「グローバル市場をさらに拡大」「顧客ライフサイクルマネジメントを開始」する。定量的な目標としては、フェーズ1で売上高125~130億円、営業利益7~8億円を掲げている。
■Key Points
・主力事業は、リアルとデジタルを融合した販売基盤を強みに、国内外へ通信サービスを提供するWi-Fi・グローバルeSIMコネクティビティ事業
・2026年12月期第1四半期は100.3%の営業増益、通期でも151.3%の営業増益を見込む
・2033年12月期に時価総額300億円並びに2035年12月期に東京証券取引所プライム市場への再指定替えを掲げる
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)