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E・JHD、売上高465.8億円・営業利益46.6億円で過去最高を更新 次期も増収増益を計画

目次

尾崎和喜氏:財務部長の尾崎です。私から、会社の概要および2026年5月期決算の概要についてご説明します。

E・Jホールディングスの概要

当社の名称はE・Jホールディングス株式会社で、純粋持株会社としてグループ会社の経営管理を行っています。設立は2007年6月1日で、現在20期目に入っています。取引市場はプライム市場に上場しており、決算期は5月です。

昨年の6月16日と7月8日にエクイティファイナンスを実施し、現在の資本金は43億7,200万円で、発行済株式総数は1,837万8,920株となっています。総資産および純資産は、2026年5月31日現在の金額です。第19回定時株主総会は、2026年8月27日に開催予定です。

E・Jグループ会社の概要

E・Jグループ会社の概要です。当社の下に連結子会社として、スライドの一番上に記載しているエイト日本技術開発から一番下の東京ソイルリサーチまで、14社を擁しています。

2026年5月期には連結会社の異動はありませんでした。また、タイのDynamic社を持分法適用関連会社としています。

エイト日本技術開発は、地域振興を目的とした子会社であるエンジョイファーム社、ストロベリーファーム社、那賀ウッド社、およびその他2社を保有しています。

グループ各社の役割と連携

グループ会社の役割と連携についてです。縦軸に専門領域、横軸に事業展開エリアを示しています。エイト日本技術開発は、総合建設コンサルタントとしてローカルからグローバルに展開しています。近代設計は発注者支援業務を主に行い、東京ソイルリサーチは地盤調査・地質調査を主に行い、それぞれ全国に展開しています。

また、専門分野に特化し、地域に根ざしたコンサルタントとして日本インフラマネジメント、アイ・デベロップ・コンサルタンツ、二神建築事務所、共立エンジニヤほか6社があります。さらに、グローバル展開を図るため、タイに現地法人としてEJECタイランドを設立し、関連会社のDynamic社と連携して事業を行っています。

2026年5月期連結決算概要

2026年5月期の決算概要です。スライドは縦に3つに分かれており、左側に2025年5月期の実績、中央に2026年5月期の計画の前提が記載されています。

受注高については、公共事業関係費が前年とほぼ同額の総額約8兆2,000億円と、好調な受注環境が継続する見込みであることや、期首繰越受注残高を考慮し、高付加価値業務の受注を優先して470億円に設定しました。

売上高は、期首繰越受注残高の完成を優先するとともに、完成サイクルの早期化を図ることで、受注額と同額の470億円に設定しました。営業利益については、生産性向上や作業効率の改善などにより、50億円と設定しました。

2026年5月期の実績はスライド右上に記載しています。受注高は458億100万円で、計画比97.4パーセント、前期比103.7パーセントとなりました。売上高は465億8,600万円で、計画比99.1パーセント、前期比109.1パーセントです。営業利益は46億6,900万円で、計画比93.4パーセント、前期比104.2パーセントです。

経常利益は48億2,500万円で、計画比94.6パーセント、前期比104.1パーセントとなりました。当期純利益は33億7,100万円で、計画比100.6パーセント、前期比105.3パーセントとなりました。これらの要因については、最後の総括部分でご説明します。

連結受注高の内訳

連結受注高の内訳です。受注高は458億100万円で、前期比で16億3,000万円上回りましたが、計画比では11億9,900万円減少しました。前期を上回った主な要因は、6つの重点分野における積極的な提案営業の取り組みが増加に寄与したことです。計画を下回った主な要因は、複数年度契約業務の減少や補正予算および本予算の成立の遅れによる影響です。

受注件数は4,369件で、前期比255件増加しました。一方、1件当たり受注高は1,048万3,000円で、前期比約25万円減少と、ほぼ同程度となっています。

連結受注状況の概要

スライドの左側には業務別受注高内訳が示されています。建設コンサルタント業務と調査業務に分けられており、建設コンサルタント業務の受注高は355億5,900万円で、前期比で約15億円減少し、計画比で約41億4,000万円下回りました。調査業務の受注高は102億4,200万円となり、前期比で約31億4,000万円、計画比で約29億4,000万円上回っています。

スライド中央には、受注高に占める技術提案型業務の状況を示しています。技術提案型業務の受注高は139億9,200万円で、前期比で約5億円の増加となりました。

スライド右側には、受注高に占める6つの重点分野が記載されています。受注高は289億2,200万円で、前期比で約32億5,000万円の増加となりました。

連結受注高

発注機関別の状況です。市町村が1.7ポイント増加し、海外は0.9ポイント減少しました。地域別では、関東エリアと九州エリアがそれぞれ2.1ポイント増加し、中部エリアは1.3ポイント減少しました。

2026年5月期 通期業績結果

2026年5月期の通期業績結果です。受注高から当期純利益については、先ほどご説明したとおりです。その下に表示しているBPSは2,240円11銭、PBRは0.73倍、EPSは189円35銭、自己資本比率は71パーセント、ROEは9.1パーセントです。

2026年5月期 連結決算 総括

連結決算の総括です。数字は先ほどご説明したとおりですが、主要計数は過去最高となっています。各係数の増減についてご説明します。受注高は複数年度契約業務の減少に加え、補正予算および本予算の成立遅延の影響などにより計画を下回ったものの、前期を上回る458億100万円となりました。

売上高は、大型案件を含む一部業務の工期延伸により計画を下回ったものの、前期を上回る465億8,600万円となりました。

営業利益は、売上原価率が66.3パーセントで、前期比0.3ポイント減少、計画比0.8ポイント増加となりました。技術部門の事前営業活動強化や研究開発費の増加、のれん償却費などによる販管費の増加に伴い、前期を上回ったものの、計画を下回る46億6,900万円となりました。

経常利益は、営業外損益の発生が前期および計画並みで推移し、前期を上回ったものの、計画を下回る48億2,500万円となりました。当期純利益は、政策保有株式の売却により、前期および計画を上回り、33億7,100万円となりました。

連結貸借対照表の前期比較

連結貸借対照表の前期比較です。総資産は、前期末から47億4,100万円増加し、567億5,200万円となりました。内訳として、流動資産は前期末から32億5,400万円増加し、370億8,300万円です。そのうち、現金預金は前期末から31億9,900万円増加し、246億5,800万円となりました。

固定資産は前期末から14億8,700万円増加し、196億6,800万円となりました。そのうち、有形固定資産は1億7,000万円増の76億5,500万円、無形固定資産は4億300万円減の42億3,400万円、投資その他の資産は17億2,000万円増の77億7,900万円となりました。

負債については、前期末から14億8,100万円減の164億7,600万円です。そのうち、流動負債は13億100万円減の87億5,600万円、固定負債は1億8,000万円減の77億1,900万円となりました。

純資産は、前期末より62億2,300万円増の402億7,600万円です。そのうち、株主資本が52億8,300万円増の386億500万円となっています。その結果、自己資本比率は71パーセントとなり、前期末から5.5ポイント上昇しました。

連結業績四半期の推移 比較

連結業績の四半期推移です。受注高、生産高、売上高、営業利益の連結業績をグラフ化しています。受注高と生産高は安定して増加傾向にあります。

売上高については、発注者支援を含む技術役務提供に関しては進行基準を適用し、測量、設計、調査といったコンサル業務については完成基準を採用しています。また、官公庁を主な顧客としているため、第4四半期会計期間に売上が集中する傾向があり、業績に季節的な変動があります。

第3四半期累計期間までの売上が全体の約40パーセントとなり、第4四半期会計期間で約60パーセントが売上として計上されます。したがって、損益は第3四半期累計期間までは赤字となり、第4四半期会計期間で黒字に転じるという業績変動があります。

連結貸借対照表の推移

連結貸借対照表の推移です。各四半期の数字を示しています。先ほどご説明した損益とも関連しますが、期末日時点では非常にキャッシュリッチな状態です。しかし、第1四半期から第3四半期にかけては売上があまり上がらないため、キャッシュが減少する傾向にあります。一方で、棚卸資産である未成業務支出金が増加することになります。

9月から3月までは資金需要が増加するため、金融機関から短期借入を行っています。現在、約60億円を調達しています。第4四半期会計期間に入ると売上債権の回収が行われ、その段階で短期借入金を返済していきます。損失の発生によって純資産は減少傾向になりますが、第4四半期会計期間末には増加する特性があります。

なお、2026年5月期は、昨年6月から7月にエクイティファイナンスを実施したため、第3四半期までの純資産額に大きな変動はありませんでした。

連結キャッシュ・フロー計算書

連結キャッシュ・フロー計算書です。営業活動によるキャッシュ・フローは30億5,400万円の資金増、投資活動によるキャッシュ・フローは7億500万円の資金減、財務活動によるキャッシュ・フローは13億2,400万円の資金増、現金および現金同等物の増減額は36億7,400万円の資金増となっています。その結果、現金および現金同等物の期末残高は239億1,100万円となりました。

第6次中期経営計画 『E・J-Plan2027』 1年目の振り返り

永田裕司氏:取締役事業統括本部長の永田です。第6次中期経営計画「E・J-Plan2027」の進捗状況と、2027年5月期の通期業績見通しについてご説明します。

まず、第6次中期経営計画の1年目を振り返り、数値目標の達成状況と1年目で取り組んだ主な成果についてお話しします。スライドは、第6次中期経営計画で掲げている4つの基本方針です。1つ目は「基幹事業の拡充と新領域の開拓」、2つ目は「海外ビジネス本格化への挑戦」、3つ目は「バリューチェーンの強化」、4つ目は「サステナビリティ経営の推進」です。それぞれの基本方針に対して基本戦略を設定しており、それを一覧にしたものです。

数値目標の達成状況

1年目の数値目標の達成状況です。先ほど尾崎からも説明がありましたが、2026年5月期は売上高、営業利益ともに前連結会計年度実績を上回る結果となりました。しかし、期初計画からはやや下振れする結果となりました。

損益面では、各種効率化施策により生産性向上に努めたものの、処遇改善に伴う人件費の上昇や、パートナー会社への発注単価の見直しによる原価率上昇要因を十分に吸収しきれませんでした。また、プロダクトイノベーションの推進に伴う研究開発費の増加や、のれん償却費用の発生による販売費および一般管理費の増加も重なり、利益を圧迫しました。

当期純利益は、資本効率向上を目的とした政策保有株式の縮減などの取り組みが寄与し、33.7億円と、期初計画と同水準を確保しました。

1 基幹事業の拡充と新領域の開拓

基本方針に沿って、この1年目の評価と取り組み成果についてご説明します。まず、基本方針1「基幹事業の拡充と新領域の開拓」についてです。「①基幹事業における重点6分野の拡充」では、受注高に占める重点分野の割合が昨年の58パーセントから今期は63.1パーセントとなり、前年から約5ポイント増加し、順調に拡大しています。

スライド左上に、デジタルインフラソリューション・インフラメンテナンス分野の事例を掲載しています。データプラットフォームによって維持管理データを集約することで、データマネジメントの効率化と高度化を実現した事例です。

スライド右上には、デジタルインフラソリューション・環境エネルギー分野の事例を掲載しています。名古屋城・名城公園において三次元点群データを活用し、観光資源視点場の抽出と阻害要因の可視化を行った事例となります。

また、スライドの左下に都市再生分野の事例を掲載しています。当社の本社所在地である岡山市の岡山駅東口駅前広場のリニューアル事業です。駅前広場の再整備、交通結節機能強化、路面電車乗り入れによる回遊性の向上を図り、エリア全体の活性化を目指しました。路面電車は、2027年3月に乗り入れ予定です。

最後に、スライド右下に公共マネジメント分野の事例を掲載しています。岡山県赤磐市の周匝保育園整備事業では、地域の子育てニーズに応えるため、安心で快適かつ居心地の良い環境を備えた新園舎を整備しました。

1 基幹事業の拡充と新領域の開拓

「②新事業への参入」については、民間事業や官民連携事業への参入、異業種間アライアンスによる地域課題の解決など、さまざまな取り組みを推進し、成果も現れています。一方で、「③新市場の開拓」についてはまだ道半ばといった状況です。

スライドでは3つの取り組み事例を紹介します。右上に示しているのは、PFIアドバイザリー業務です。長崎県長大橋維持管理事業において、民間事業者が有する資金やノウハウを活用し、高度な予防保全実行とライフサイクルコストの縮減による長期供用の実現を目的としたものです。これは、橋梁の維持管理に関する国内初の官民連携の取り組みとなります。

スライド右下は、干渉SAR衛星解析技術の実用化を目指し、活用度マップを作成した事例です。この取り組みは、解析技術だけでなく、自治体への提案や営業展開を見据えて、衛星活用ネットワークの拡大や市場活性化につなげることを目的としています。

また、スライド左下には、DX通信社や三井住友海上といった新たなパートナーとの業務連携を通じて、自治体が抱える地域課題の解決に積極的に取り組んでいることが示されています。

2 海外ビジネス本格化への挑戦

基本方針2「海外ビジネスの本格化への挑戦」についてです。基本戦略①から③の取り組みを推進していますが、なかなか受注拡大には至っておらず、いずれも「△」の評価としています。

「①地域×分野の強みを活用 得意分野の拡大」では、スライド下部にある図のとおり、アジアやアフリカ地域において、廃棄物分野、施工管理分野、技術協力分野での案件受注を行っています。さらに拡大を目指し、PR活動として国際学会での論文発表やブース出展も積極的に実施しています。

「②得意地域での拠点の現地化を推進」についてです。第6次中期経営計画では、東アフリカと中央アジアにおいて営業拠点を設置することを掲げていましたが、人材の育成や組織体制の構築が課題となっており、現在のところは検討段階にとどまっています。

「③グループ企業との連携体制の強化」については、タイのDynamic社との資本業務提携を締結し、EJEC国際支社およびEJECタイランドとの協業を深化させています。環境エネルギー分野やインフラメンテナンス分野における受注拡大を推進していきます。

3 バリューチェーンの強化

基本方針3「バリューチェーンの強化」についてご説明します。「①プロダクトイノベーション」について、スライド右上に記載がありますが、これはEJEC内にある「Fラボ」(ファノベイトラボ)の技術開発専門チームが開発した差別化できる商品や技術です。

具体的には、ボート型ドローンに搭載した360度カメラによる下水道内の点検、クローラ型ロボットによる狭隘な水路の点検、また、人やクマを検知するAI画像解析技術などを通じて、競争力の拡大を目指しています。

「③共創イノベーション」では、グループ内において各社の独自性を発揮した連携強化による案件創出を図り、またグループ外においては自治体と包括的連携協定を締結し、製造資本の基盤作りを推進しています。愛媛県大洲市、高知県宿毛市や高知県高岡郡越知町、そして香川県小豆郡土庄町などとこの連携に取り組んでいます。

「②プロセスイノベーション」については、生産性向上のためにAI活用やDX推進に向けた取り組みを実施していますが、評価は「△」としています。これからの課題であり、業務プロセスの変革や競争力の強化を目指して、さらに取り組みを推進していきたいと考えています。

4 サステナビリティ経営の推進

基本方針4「サステナビリティ経営の推進」についてご説明します。「①E:環境負荷軽減への取り組み」では、藻類によるCO2吸収量の推計のための短時間計測・解析技術の開発など、コンサルタント業務でのカーボンニュートラルへの取り組みを行っています。

また、これ以外にも、CDPの「気候変動プログラム」での「B」スコアの取得や、EJEC子会社である那賀ウッド社が徳島環境サステナブル賞を受賞するなど、着実に取り組みを推進しています。

「②S:社会的責任・人的資本への取り組み」では、多様性のある人材の活用やグループ内での「えるぼし」「くるみん」認定の取得拡大、BCPの改訂やレジリエンス認証の取得を行いました。

「③G:ガバナンスへの取り組み」では、リスク管理や内部統制機能の強化、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)認証の取得など、サステナブルな経営を実現するための取り組みを推進しています。

「④資本コストや株価を意識した経営の実践」についてです。PBRが1倍を下回る状況が続いており、また、ROEは9パーセント程度ありますが、低下傾向にあることから、株式市場での適切な評価を実現するには大きな課題があると認識しています。この点については、後ほど小谷が今後の取り組みを詳しく説明します。

足元の経営環境

2027年5月期の業績見通しについてご説明します。スライドのグラフは、国交省のホームページから抜粋した公共事業関係費の推移を示したものです。黄色の部分が当初予算、水色の部分が補正予算を表しています。

防災・減災や国土強靭化のための予算として、平成30年からの3ヶ年緊急対策、令和2年からの5ヶ年加速化対策の予算が組まれています。補正予算と一体となった予算執行が着実に行われており、事業量は比較的潤沢な状況です。

さらに、2026年度の当初予算は6.1兆円と前年並みの規模が確保されています。また、第1次国土強靭化実施中期計画により、2026年度から2030年度までの5年間でおおむね20兆円強の事業が計画されており、国内事業においては底堅い経営環境が継続すると見込まれています。

2027年5月期 業績見通しの考え方

2027年5月期の業績見通しの考え方についてです。前提条件となる事業環境は、足元の経営環境でも説明したとおり、中期的にインフラ需要は引き続き堅調であると考えています。

下段に示した受注計画や、生産・売上計画、事業拡大投資といった事業計画を確実に実行し、企業価値の向上を目指す計画とする一方で、株主や投資家のみなさまを意識した経営を推進していきます。

2027年5月期 通期連結業績見通し

2027年5月期の通期連結業績の見通しです。国内では引き続き、比較的好調な受注環境が継続することが見込まれるため、受注高は490億円、売上高も、繰越業務の早期完成や受注から完成までのリードタイムを適切に管理し、業務を着実に消化することで、同じく490億円を見込んでいます。

損益面については、賃上げなどの処遇改善を実施することで原価率上昇要因が継続する一方、DX活用などのプロセスイノベーションを推進し、生産効率の改善を進めるとともに、販管費および一般管理費の支出抑制に努めることで、営業利益53億円、経常利益53億円、当期純利益37億円を見込んでいます。1株当たり純資産などは、スライドに示すとおりです。

株主還元

株主関連についてです。引き続きDOE3パーセント以上を目安に、累進配当の継続を目指していきます。上段のグラフでは、第4次中期経営計画以降のEPSおよびROEの推移を、下段のグラフでは配当金・配当性向・DOE推移を示しています。

2026年5月期の配当は、2円増配の年間配当69円を予定しており、中間配当は25円、期末配当は44円です。また、2027年5月期の配当については、E・Jホールディングス設立20周年を記念した記念配当を実施する予定で、年間配当82円を見込んでいます。その内訳は、中間配当30円、期末配当52円です。

現状認識

小谷裕司氏:代表取締役社長の小谷です。私から、資本コストと株価を意識した経営の状況および長期ビジョンの位置づけの変更についてご説明します。まずは、資本コストと株価を意識した経営の状況についてです。

当社のPBRは過去5年間、1倍割れが続いており、これを最重要課題として認識しています。ROEについてですが、当社の株主資本コストはおおよそ6パーセントであるのに対し、9パーセント以上は確保されています。しかし、目標である10パーセントに対しては近年達成できておらず、低下傾向にある状況です。

また、PERについては8.6倍と低位にとどまっており、成長期待や資本効率の質に対する市場評価がやや限定的であると分析しています。

PBR向上に向けた対応方針

この現状を踏まえ、ROEとPBRの双方について改善項目と対応策を整理し、経営を推進しています。ROE向上に関しては、スライドに示されているように、収益性の向上と投下資本回転率の向上という2つの大きな柱があります。

収益性向上については、先ほど触れた重点6分野における高付加価値商品の拡大を進めるとともに、技術提案型の業務比率を引き上げていきます。また、生産性向上の施策として、間接部門の効率化を図るためにDX推進による効率化や、生産性改善を通じた原価低減を目指していく方針です。

投下資本回転率の向上については、資産構成の最適化を目指し、固定資産の棚卸しや政策保有株式の整理を進めています。また、生産サイクルの改善策として、生産リードタイムの短縮に取り組んでいます。

また、PERの改善に向けては、資本効率向上の観点から投資規律の導入に取り組み、会社別のROIC経営を明確に進めていきたいと考えています。資本配分についても、キャッシュアロケーションや配当施策を明確化し、これを推進していきます。

成長性については、成長領域を明確化し、重点6分野への積極的な取り組みや新規事業・M&Aに注力していく方針です。また、成長期待の醸成においては、引き続きIR・SR活動の強化が必要であると認識しています。

PBR向上に向けた具体施策(1/5)

ROE向上のための具体施策として、高付加価値商品の拡大や生産性の向上、さらには原価低減の推進を積極的に行い、KPIとして、利益率を現状から1ポイントから2ポイント改善することを掲げ、取り組みを進める考えです。

PBR向上に向けた具体施策(2/5)

投下資本回転率向上に関しては、1.3回転であったものが1.0回転となりました。これを生産サイクルの改善を進めることで1.2回転以上に戻すことを目指し、推進しています。そのため、固定資産の棚卸しや金融資産・持株の整理も進めており、保有株式については2026年5月期に13銘柄、約4億円の売却を行いました。また、余剰資金を成長投資へ再配分し、約4億円を投資しています。さらに、約5億円の有利子負債を圧縮している状況です。

PBR向上に向けた具体施策(3/5)

PERの向上策として資本効率の向上を掲げ、KPIとしてROICを10パーセント以上と設定しています。各社においてROICが非常に高い場合もあれば低い場合もありますが、平均10パーセント以上を目標とし、特に会社別ROICを明確化して、これを積極的に推進していく考えです。

また、資本配分の最適化においては、中期経営計画で65億円を成長投資に充てる考えです。具体的には、DX投資に9億円、研究開発に6億円、人的資本に20億円、M&Aに30億円を投資する方針で、この枠を意識しながら積極的な投資を進めます。

株主還元については、中期経営計画で38億円以上を予定しており、今期は2円増配の69円、来期は3円増配に加えて記念配当10円を加えた82円とする予定です。

PBR向上に向けた具体施策(4/5)

成長性については、売上成長率を5パーセント以上にするために、成長領域の明確化を積極的に行います。また、新規事業・M&Aも積極的に進めます。

PBR向上に向けた具体施策(5/5)

IR・SR活動を強化することで成長期待の醸成を進めていきます。2026年5月期の活動状況は、機関投資家との1on1ミーティングを27回実施し、前年の倍以上に増加しました。決算説明会は1回、個人投資家説明会も1回実施していますが、今後はこれらも増加させる方向で進める予定です。

全体フレーム

長期ビジョンの位置づけの更新についてご説明します。2021年に「E・J-Vision2030」を設定しました。設定当初は、「環境負荷軽減対応の強化」「持続可能でレジリエントな社会づくりへの貢献」「ダイバーシティ経営の実践」「最適な体制構築のためのガバナンスの強化」という4つの基本方針のもと、ESG経営を推進することで、「未来型社会インフラ創造グループ」を目指すという考え方を掲げました。この考え方自体は、維持しながら進めていきます。

事業展開

未来型社会インフラを目指すべく、E・Jグループでは、防災・保全、環境、行政支援の3つのコアコンピタンスと6つの重点分野を核に、新たなソリューション領域の開拓を進め、事業展開を図る方針です。

ロードマップ

近年、発注者側を含む生産労働者が急激に減少しており、またIoTやAIの急速な進歩を背景に、未来型社会インフラの創造領域も今後2年から3年で大きく変わると想定されています。

当初のロードマップにおける長期ビジョンの最終目標値は、売上高500億円、営業利益60億円、当期純利益40億円でした。第5次中期経営計画の基盤整備・強化が順調に推移し、第6次中期経営計画中にこの長期ビジョンの最終目標値を達成できそうな状況になっています。

周辺環境において、生産人口の急激な減少や、AIを活用したIoTの急速な進化による予想以上の変化が起こっており、従来の規模拡大とは異なる新たな価値を創造するモデルの構築が必要であると考えています。したがって、従来の長期ビジョンを通過点と位置づけ、次の成長フェーズに向けた展開へと切り替える方針としました。数値目標については、第7次中期経営計画策定時に設定する方針です。

次の成長フェーズ 6つの資本を基盤とした価値創造モデル

次の成長フェーズでは、事業の拡大にとどまらず、6つの資本を基盤とした価値創造モデルへと進化します。具体的には、人的資本の充実によって、社会課題に対応できる高度なプロジェクトマネジメント人材を育成します。

また、その知見やノウハウを知的資本として蓄積し、標準化することで、サービスの再現性を高めます。これにより、社会インフラの計画、設計・施工管理、運用および点検管理における継続的な関与を可能にする製造資本の強化を図ります。

製造資本の強化を図ることで、複数地域への展開が可能な事業モデル、例えば地域インフラ群再生戦略マネジメント(群マネ)の構築が実現します。そして、これらが一連の価値創造プロセスを形成します。このような取り組みを行政・地域・企業との長期的な信頼関係につなげることで、社会・関係資本を深化させるとともに、環境負荷の軽減や社会のレジリエンス強化といった自然資本への価値創出につなげていきます。

その結果として、安定したキャッシュ創出や資本効率の向上といった財務資本が実現し、持続的な企業価値向上を達成するという価値創造モデルを次の成長フェーズとして展開していこうと考えています。スライドにある6つの資本については、個別に最適化するのではなく、相互に循環・強化させる管理手法によって価値を生む企業へと進化させます。

6つの資本とKPI

6つの資本にスライドに記載のKPIをそれぞれ設定し、これを毎年評価しながら達成度を測る方針です。

次の成長フェーズによる企業価値向上

第6次中期経営計画では、6つの資本を効果的に循環させるとともに、資本効率の向上と価値創造の高度化によって、企業価値のさらなる向上を目指します。現在の長期ビジョンは通過点と位置付け、より一層の成長を目指していく所存です。

以上で説明を終了します。ご清聴いただき、誠にありがとうございました。

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