■株式相場見通し
予想レンジ:上限67000円-下限63000円
今週末の米国株式市場は上昇。ダウ平均は前日比276.97ドル高の52485.03ドル、ナスダックは同251.68ポイント高の25373.85で取引を終了した。225ナイト・セッションは日中終値比円770安の62950円。長期金利の一段の上昇や原油高などが売り材料視されたほか、アップルの株安も重しとなった。ただ、決算を受けてアマゾンが急伸、他のハイパースケーラーも連れ高となり、指数を押し上げる格好となった。
今後は、AI・半導体関連株リバウンドの持続性が当面の焦点となってこよう。今週末ストップ高のキオクシアHDは決算発表後に時間外取引で軟化しているが、全体の方向性を左右するのは、引き続き、米SOX指数や韓国半導体株の動向となるだろう。米国半導体株に関しては、ハイパースケーラーの決算発表が一巡しリスク要因が後退していること、SOX指数が一時3月末からの上昇分の半値押しとなり、25日線までの乖離も引き続き大きいことなどから、目先はリバウンド継続の余地がありそうだ。ただ、引き続きボラティリティの大きさには注意も必要であり、国内ではAI・半導体関連の決算発表も多く残されているため、個別では早々に戻り売り圧力が強まるものも散見されよう。とりわけ、6日には、ソフトバンクグループ、レーザーテック、JX金属、古河電気工業、レゾナック・ホールディングス、味の素など関連銘柄の発表が集中する。
AI・半導体株が買われる場面は、引き続き一極集中的な物色となりやすく、他銘柄の決算発表に関心は薄れやすいが、来週は、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三菱商事、トヨタ自動車、三井物産、三菱重工業、日本製鉄、花王、日本郵船、NTT、任天堂、住友不動産、リクルートホールディングス、INPEXなど、主要銘柄の発表が目白押しではある。米国で注目される決算としては、AMD、スペースX、キャタピラー、イーライリリーなどが挙げられる。
今週開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策金利が据え置かれ、3名が利上げを支持して金利据え置きに反対票を投じている。ほぼ市場想定通りであったとみられる。一方、ウォーシュ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は会見で、追加利上げの可能性を排除しなかったものの、これまでの発言から一段と踏み込む形にはなっておらず、市場ではややハト派的に受け止めた向きもあるもよう。9月利上げの可能性、並びに、雇用統計に対する警戒感などは若干後退とも考えられる。ただ、ウォーシュ議長はジャクソンホール会合において、「可能であれば、大きな問いも提起したい」と発言、市場とのコミュニケーションに対する懸念が高まっていく公算があり、こうした不確実性は長期金利上昇の余地を広げる可能性も。
日銀金融政策決定会合でも想定通りに政策金利の据え置きが決定した。ただ、展望レポートでは、景気のリスクバランスが「下振れ」から「中立」に引き上げられ、物価は引き続き「上振れリスクが大きい」とされた。物価上振れリスクの強調も目立ち、想定以上にタカ派的な内容とも受け止められる。9月の追加利上げ実施の可能性は幾分高まったと考える。株式市場にはややマイナス材料となると同時に、介入観測で押し下げられたドル・円水準の戻りを抑制させるものともなろう。
■為替市場見通し
来週のドル・円は底堅い展開か。日本の追加的な為替介入への警戒感が強まれば、円買い先行の見通し。ただ、中東情勢で和平は遠のいており、ドル選好地合いが続けば下げづらい。ドル・円は7月30日夜、162円80銭台で政府・日銀の円買い介入とみられる動きが強まり、5円弱安い157円90銭まで下落した。米金融当局のレートチェックの可能性も指摘されたが、その後は160円台に持ち直した。ただ、日銀は同30-31日開催の金融政策決定会合で、政策金利の据え置きを決定。それを受け、今後の利上げ期待後退から円売りに振れやすいため、追加的な為替介入への警戒が強まれば下落基調を強める見通し。一方、親米ヨルダンに対するイランの攻撃やそれに対する米国の報復が見込まれ、中東情勢は再び混迷状態に陥った。イスラエルも含む対立に終止符を打てず、「有事のドル買い」が入りやすい展開となりそうだ。NY原油先物(WTI)は1バレル=80ドル台後半に水準を切り上げ、インフレ圧力として意識されやすい。米連邦準備制度理事会(FRB)の引き締め的な政策への思惑はいったん後退したが、原油高が続けば早期利上げ観測につながりやすい。
■来週の注目スケジュール
8月3日(月):財務省が為替介入実績・日次ベース公表(4-6月、7日までに)、製造業PMI(7月)、米・製造業PMI確報値(7月)、米・建設支出(6月)、米・ISM製造業景況指数(7月)、中・RatingDog製造業PMI(7月)、欧・ユーロ圏製造業PMI確報値(7月)、独・製造業PMI確報値(7月)、スイス・消費者物価指数(7月)など
8月4日(火):マネタリーベース(7月)、米・貿易収支(6月)、米・製造業受注(6月)、米・JOLT求人件数(6月)、米・耐久財受注(6月)、加・貿易収支(6月)など
8月5日(水):日銀政策委員会・金融政策決定会合議事要旨(6月15・16日分)、実質賃金総額(6月)、毎月勤労統計-現金給与総額(6月)、サービス業PMI(7月)、米・ADP雇用統計(7月)、米・サービス業PMI確報値(7月)、米・ISM非製造業景況指数(7月)、中・RatingDogサービス業PMI(7月)、欧・ユーロ圏サービス業PMI確報値(7月)、欧・ユーロ圏PPI(6月)、独・サービス業PMI確報値(7月)、NZ・失業率(4-6月)、印・インド準備銀行(中央銀行)が政策金利発表、ブ・ブラジル中央銀行が政策金利(SELICレート)発表など
8月6日(木):対外・対内証券投資(先週)、東京オフィス空室率(7月)、米・新規失業保険申請件数(先週)、米・卸売在庫(6月)、欧・ユーロ圏小売売上高(6月)、欧・欧州中央銀行(ECB)経済報告、独・製造業受注(6月)、豪・貿易収支(6月)、スイス・失業率(7月)など
8月7日(金):年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が4-6月期運用実績公表、家計支出(6月)、景気先行CI指数(6月)、景気一致指数(6月)、米・失業率(7月)、米・非農業部門雇用者数変化(7月)、米・消費者信用残高(6月)、中・外貨準備高(7月)、中・貿易収支(7月)、独・鉱工業生産(6月)、独・貿易収支(6月)、加・失業率(7月)など
8月9日(日):中・生産者物価指数(7月)、中・消費者物価指数(7月)、中・資金調達総額(7月、15日までに)、中・マネーサプライ(7月、15日までに)、中・元建て新規貸出残高(7月、15日までに)など