マネーボイス メニュー

タカラスタンダード、中東情勢の影響を受けるも下期以降は回復に転じ、通期で増収増益を目指す 増配予想は維持し、配当性向は約55%

会社概要

出口俊樹氏:タカラスタンダード株式会社IR室長の出口です。それでは、2027年3月期第1四半期の決算についてご説明します。

こちらのスライドは会社概要です。記載のとおりです。

事業展開

こちらのスライドは事業展開です。こちらも記載のとおりです。

業界シェア

こちらのスライドは業界シェアです。記載のとおりですので、後ほどご参照ください。

決算ハイライト

決算ハイライトです。

スライド上段は、2027年3月期第1四半期の実績です。売上高はリフォーム向けの売上が牽引し、過去最高を更新しました。しかしながら、中東情勢の影響もあり、営業利益以下は減益となっています。

スライド中段は2027年3月期の業績予想です。期初の段階では、中東情勢の影響が非常に流動的で不透明な状況であったため、当影響は折り込んでいませんでした。現時点でも依然として流動的ではありますが、影響に関する整理が進んできたことから、今回の業績予想に反映しています。

期初予想からは売上および各利益について下方修正を行い、ROEの見込みも8パーセントから7.4パーセントに変更しています。

ただし、中東情勢の影響に対しては、当社の対策を順次進めることで期末に向けて業績の改善を図り、下期については期初予想から増収増益を予想しています。また、前期実績と比較しても、通期で経常利益段階までは増収増益への改善を想定しています。

スライド下段は株主還元についてです。こちらは期初予想から修正はありません。純利益の予想は下方修正したものの、前期からの増配予想は維持しています。

経営成績

ここからは、2027年3月期第1四半期決算の詳細についてご説明します。

まず、経営成績です。ハイライトでもご説明したとおり、売上高は過去最高を記録し、粗利率の高いリフォーム向けが売上を牽引したことで、売上総利益も増加しています。

一方、売上高および売上総利益は、期初計画に対し中東情勢の影響を受け、想定を下回る結果となりました。また、販管費については、増加自体は期初の想定どおりであるものの、前期比では伸びているため、中東情勢の影響も含めた結果として、営業利益以下は減益となっています。

営業利益の増減要因

営業利益の増減要因について、ウォーターフォールチャートでご説明します。

全体としては、中東情勢の影響による原材料価格の高騰や一部工期の遅れなどにより、営業利益は5億円の減益となりました。

なお、中東情勢の影響を除く状況については、期初の想定どおりに推移しています。

市場別の売上高

市場別の動向についてご説明します。

新築戸建向けは増収となりました。前期は駆け込み需要により売上水準が高い状況でしたが、今期は浴室および洗面化粧台のシェア拡大によりそれを上回った結果です。

新築集合向けは減収となりました。前期はマンションの竣工が重なり売上が高かったことに加え、今期は中東情勢の影響でマンションの現場で一部工期遅れが発生したことが影響しました。

リフォーム向けは増収となり、売上全体を牽引しました。商品の仕様強化やお客さまへの提案方法の改善効果が浸透したことで、前期下期以降の好調を維持する結果となっています。

製品部門別の売上高

製品部門別の売上高です。

すべての製品部門で増収となっています。特に、中東情勢の影響が懸念されていた浴室においても、一部資材が逼迫する中で、当社は供給責任を果たすことができ、マンション向けの拡販など、各市場向けで増収を達成しています。

出荷台数前期比 及び 当社シェアの推移

出荷台数およびシェアの状況です。折れ線グラフは当社と業界の出荷台数の比較を示しており、その下の網かけ部分には金額ベースでの各製品における当社のシェアを記載しています。

グラフの一番右側が今期第1四半期の実績を表しています。システムキッチンや洗面化粧台については、新築集合市場自体が低位だったため、該当市場でシェアの高い当社も低調に推移しました。なお、同市場での受注は堅調であるため、通期では回復を見込んでいます。

システムバスについては、中東情勢の影響で業界全体が落ち込んだものの、当社は安定供給と拡販を図ったことで、出荷台数を伸ばしました。

製品別の各市場売上構成

製品別の各市場の売上構成です。先ほどまでの説明が当グラフに反映されていますので、後ほどご参照ください。

貸借対照表

貸借対照表は記載のとおりですので、ご説明は省略します。

キャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローについても記載のとおりですので、ご説明は省略します。

事業環境の認識

ここからは、2027年3月期通期の業績予想についてご説明します。まず、事業環境の認識です。

国内経済および住宅市場は全体として緩やかに回復基調で推移していると考えています。しかしながら、中東情勢の影響やインフレ、金利の上昇など、先行きについては懸念材料もあります。なお、為替や関税については、当社への直接的な影響は軽微です。

2027年3月期 業績予想(2026/7/30 下方修正)

業績予想の全体総括です。

資材が逼迫する中、供給責任を果たすことを最優先に対応を進めました。調達の多様化や使用する資材の検討、社内外の連携体制の構築など、今後にも活かせるよう供給体制の強化を図り、供給責任を果たしてきました。

しかしながら、資材価格の高騰や一部工期遅れの影響が発現したことを加味し、期初予想から下方修正しています。

一方、これらの影響に対する対応策として、9月受注分より資材価格の調整費を導入するなど、各種対策を推進していきます。当対策により、下期以降は業績の回復を見込んでいます。

売上高は2,590億円を予想しています。新築市場でのシェア拡大や単価上昇を引き続き推進するとともに、前期下期以降成長しているリフォームについても、商品力のさらなる強化や各種販売施策により、前期比で売上拡大を目指していきます。

営業利益は191億円を予想しています。リフォーム売上の増加や販売単価の上昇に加え、資材価格調整費の導入やコスト削減により、中東情勢の影響による減益をカバーする考えです。期初予想からは下方修正となるものの、前期比での増益確保を目指していきます。

純利益は143億円を予想しています。当期も非事業用資産の縮減を進める予定です。ただし、前期は不動産や政策保有株式などの売却益が多かったため、前期比では減益を見込んでいます。

以上の結果を受け、ROEの予想値を8パーセントから7.4パーセントに変更しています。

2027年3月期 業績予想(2026/7/30 下方修正)

各業績予想の数値は記載のとおりですので、後ほどご参照ください。

2027年3月期 上期・下期業績予想(2026/7/30 下方修正)

上期・下期の業績予想です。

上期は中東情勢の影響により下方修正していますが、下期は前述のとおり各対策を進めることに伴い、期初の予想から上方修正しています。

なお、2027年4月より、安定的な供給体制の維持や収益力の確保を目的として、商品価格の改定を予定しています。

2027年3月期予想 営業利益の増減要因(下方修正に伴い変更 ※赤字部分)

業績予想修正後の営業利益の増減要因です。期初予想からの主な変更点は、赤文字で記載しています。

「単価上昇/価格改定」「合理化/コストダウン」「コストアップ」は、先ほどまでのご説明内容を反映した結果を示しています。

設備投資の状況(期初から修正無し)

設備投資については、期初予想から変更はありません。

株主還元

株主還元の方針についても、修正はありません。

株主還元:配当性向(配当額の修正無し)

配当性向についてです。純利益の予想を引き下げた中でも、1株当たりの配当額は変更していません。そのため、配当性向は期初の水準から上昇しています。

株主還元:総還元性向(自己株取得額の修正無し)

総還元性向についても、先ほどのご説明と同様です。

キャッシュアロケーション(26/3期~27/3期)※2026/4/30公表

キャッシュアロケーションについては、大きな変更がないため、修正は行っていません。

バランスシートマネジメント ※2026/4/30公表

バランスシートマネジメントについても、大きな変更がないため、修正は行っていません。

トピックス①

以降はAppendixです。トピックスのみご紹介します。

こちらのスライドは、IR体制の充実やガバナンスの拡充、市場からの評価について記載しています。

トピックス②

こちらのスライドには、マンション向け高級キッチンブランドのローンチ、研究開発など、事業に関するトピックスを掲載しています。

次ページ以降の参考情報も含め、あらためてご確認いただけますと幸いです。

以上で私からの説明を終わります。

総括および通期の業績予想

小森大氏(以下、小森):代表取締役社長の小森です。本日は大変お忙しい中、当決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。

まず、今回の熊本地震に関して、被災された方々や被害を受けられた方々にお見舞い申し上げます。

当社への影響として、人的被害や建物に対する被害はございません。熊本エリアには当社のショールームと事業所が3ヶ所あります。

最も被害が深刻だった八代市にもショールームと営業所があり、一部の機材やショールームの展示品に被害が発生しています。現在は休館していますが、近隣の熊本ショールームにて対応が可能です。そのため、ご不便をおかけしますが、対応は問題なく行っています。

また、当エリアに生産拠点を一部お持ちのサプライヤーが被害を受けていますが、生産を振り分け、供給に支障が出ないよう調整を進めています。

以上のことから、当社としては大きな影響がないことをご報告いたします。

決算発表についてです。先ほどの説明にもありましたとおり、年間の業績予想は下方修正となりました。これは、今年4月の決算発表の時点では中東問題の全容を把握できていなかったためです。むしろ4月以降に、サプライヤーから値上げ要請などが相次いで出てきたことが影響しています。

今回、そのような材料をすべて考慮し、現時点でのマイナス材料を反映した結果となっています。

ただし、先ほどの説明にもありましたとおり、下期だけを見ると、当社は上方修正を行っています。さまざまな施策をこれから打っていきますが、当社は数年前からリフォーム強化を推進してきました。

この第1四半期の混乱の中でも、リフォームでは106パーセントほどの伸びを示すことができています。

下期に関しては、リフォーム分野の市場マインドが中東問題以降やや低下していた状況でしたが、現在、ショールームの来場は前期並みまで回復しつつあります。これから下期に向けてリフォームの受注をしっかりと伸ばし、さらに拡販を図っていく方針です。

今回の中東情勢の影響について現時点で総括すると、中東情勢により供給不安が発生した、いわゆる激動の第1四半期となりました。しかしながら、このような不透明な状況の中でも、最低限の影響にとどめられたのではないかと判断しています。

また、一部の同業他社と同様に、ナフサ由来の樹脂原材料の調達難が発生していました。一部のケミカル剤では、一時的には通常月の3分の1しか供給されない状況でしたが、経済産業省およびサプライヤーと連携することで比較的早期に代替ルートを確立できたことが功を奏したと考えています。

この問題が発生した当初から、当社は供給優先の方針を掲げて「顧客第一主義」を徹底し、受注を極力ストップしないように運営していく方針を立ててきました。

このような方針のもとで、最小限の被害に抑えた状態で運営を続けることができたのは、非常に厳しい状況の中でも成果として評価できる点だと考えています。

しかしながら、当社の商品が間に合ったとしても、建築現場での工期遅れ、いわゆる遅延が一部発生していました。特にマンションの現場では、接着剤やパイプなどの建設資材が入手できず、当社の納入が後ろ倒しになるケースもありました。そのため、売上面でのズレが発生したことも事実です。

現時点では正常化しつつありますが、一度ずれたものを調整している段階であり、第2四半期は調整局面にあると判断しています。

ただし、リフォームや新築戸建においては、施工日起点での受注管理が徹底できています。限られた資材や材料でFRP浴槽や洗い場などを作りましたが、このようなものを最大限に活用し、販売につなげることができたと考えています。

ただ一方で、サプライヤーからの値上げ要請については、正直、我々の想像を超えるものでした。これから相場がどのように変化するかによって一部値戻しがある可能性もありますが、大きな期待はできないと考えています。むしろ現在の水準が常態化すると見込んでいます。

その対策として、当社もコストプッシュ型の値上げを余儀なくされています。具体的には、原材料高騰によるコスト増を価格に転嫁するため、今年9月より調整金方式を採用し、一部値上げを実施します。

そして、来年4月からは、その調整費とほぼ同等の部分を定価の価格改定として値上げを行います。この2段階で価格転嫁を進めていきたいと考えています。

この政策は、失った収益力を回復させることを目的としています。当社はマーケットを冷やすことなく、円滑に進めるために、調整費の金額や値上げの方法を慎重に検討し、早期に実施する運びとなりました。

このような施策に加え、販売面でもリフォームに対する意識がやや低下している傾向が見られるため、当社の販促活動を一層強化し、業界全体でリフォームのマインドを高めていくことに注力したいと考えています。

また、当社は中東問題が発生する以前からリフォームに注力しており、その中でシステムバスも好調に推移していました。インクジェットを用いた高級タイプの壁パネルは非常にリアルな柄で好評を得ています。

その対応範囲はこれまで最上位グレードに限られていましたが、今年8月からはベースグレードの「グランスパ」シリーズまで展開します。8月の発売を機に、下期に向けてシステムバスの販売を強化していきます。

下期に向け、調整費により収益力の回復を図り、売上面では各種施策の効果を活用することで、年間での増収および営業利益の増益をしっかりと達成する予測を立てました。

最後に付け加えますが、配当方針については変更がないことをご報告します。

私からの総括報告は以上となります。

質疑応答:第1四半期における粗利上昇の要因について

司会者:「中東情勢の緊迫化に伴い、御社にとっても原材料価格の上昇などで影響があったかと思いますが、その中でなぜ粗利率が上昇しているのでしょうか? その要因を教えてください」というご質問です。

白坂佳道氏(以下、白坂):取締役副社長執行役員の白坂です。

第1四半期の状況として、資材関係の価格は上昇していますが、全体への影響はまだそれほど大きくはありません。むしろ今後影響が出てくると考えています。

粗利率の上昇については、新築戸建およびリフォームの売上が伸びており、比較的粗利率が高いジャンルでの売上が伸びていることが要因としてあります。これに加え、資材高騰の影響が第1四半期はまだ大きくなかったことの要因もあり、これら2つの要因によって粗利が上昇するという結果になりました。

質疑応答:下期予想上方修正の根拠について

司会者:「業績予想は中東起因で下方修正となりましたが、中身を見ると、下期予想は逆に当初予想から上方修正となっています。第1四半期や上期予想の数字を見ると、ここから回復することは想定しにくいと考えましたが、あらためてこの予想の意味と、利益率が上昇する蓋然性をご説明ください」というご質問です。

小森:まず、新築マンションにおいて現場の工期が若干遅れている影響で、売上が下期に偏重しています。その結果、下期における増収要因の1つになっています。

また、上期が厳しい要素として、システムバスが同業他社も含めて供給不足となり、一時的に積極的な受注ができなかったことや、リフォームの分野で一時的な停滞があった影響があります。

このような状況は現在改善されつつあり、第2四半期は調整局面と位置付けていますが、今年9月以降には正常化すると予想しています。実際、ショールームの来場データを見ても、月を追うごとにリフォームのお客さまが戻ってきていることから、元に戻ると考えています。

加えて、今年4月にこの件が発生する前まではリフォームが順調に推移していたことも踏まえ、収益力の向上を見込んだ計画となっています。

質疑応答:ROE8パーセント目標と修正の背景について

司会者:「下方修正に伴い、ROE目標が引き下げとなりました。御社にとってROE8パーセントは象徴的なKPIだと認識しておりましたが、政策保有株の売却など、別の手立てでROEを上げていくことは検討されないのでしょうか?」というご質問です。

白坂:確かに当社にとってROE8パーセントは非常に重要なKPIの指標だと考えています。

今回、通期予想を下方修正する際に、当然ながら営業利益の水準も若干下がりますが、営業利益ベースでは増益のレベルを予測しています。ただし、現在の実力値の中でROEを上げるためには、特別利益を上げる必要があります。

実力値に基づくと、現時点での予測はROE7.4パーセントとなっていますが、一方で、前期も政策保有株の売却を戦略的に随時進めてきました。今期についても、同様に政策保有株の売却を進めていく予定であり、前期と同程度の売却になる見込みです。

また、前期は特別利益の一部として固定資産の売却益が含まれていました。今期はそれがないため、特別利益の水準が前期よりも下がる結果となっています。

そのため、今期の予測数値においては、KPIであるROE8パーセントを下回ることになります。しかしながら、来年度以降は本業での利益を確保することで、ROE8パーセントの水準を目指していく方針です。

小森:私からもコメントいたします。ご指摘のとおり、確かにROE8パーセントについては私自身も非常にこだわっています。

今回は7.4パーセントとなっていますが、白坂も申し上げたように、当社としてはしっかりと実力値でこの水準を達成したいと考え、計画を策定していました。しかし、残念ながら中東情勢などの影響により、このような結果となりました。

おっしゃるとおり、さまざまな施策として持ち合い株式の売却などを進めることも、重要な取り組みの1つです。しかし、株価の観点や当社の重要なサプライヤーの保有分など、さまざまな事情や要因がある中で、短い時間内に不用意な判断はできなかった側面もあります。

当社は引き続きROE8パーセントに強くこだわっていますが、今回はこのような修正をせざるを得なかったことについて、どうかご理解いただければ幸いです。

質疑応答:販売価格改定施策と駆け込み需要の見通しについて

司会者:「販売価格改定前の駆け込み需要はあったのでしょうか?」というご質問です。

小森:現在は価格改定前ですので、「現時点ではなにも起こっていない」というのが現在の回答です。

今年7月にこの施策を表明しましたが、今回の取り組みでは、資材価格の調整費として、例えばシステムキッチンやシステムバスにおいては3万円ほどをユーザーにご負担いただく予定です。現時点では駆け込み需要は発生しておらず、今後大きな駆け込みもないと判断しています。

また、このような状況を避けるため、来年4月以降に同程度の定価改定を実施する旨を併せて公表しています。そのため、今回の取り組みによる大きな駆け込みはないと考えています。

質疑応答:リフォーム市場のマインド低下とその回復見通しについて

司会者:「リフォーム市場のマインド低下について、要因を詳しく教えてください。マインド回復には何が必要で、いつ頃回復しそうでしょうか? 足元でショールーム来場者数が回復傾向とのことですが、市場のマインド低下が緩和したのか、御社の施策が奏功しているのか、第2四半期のショールーム来場者数の前年同期比での見通しについても併せてお聞かせください」というご質問です。

小森:マインド低下の理由として、「もうシステムバスがありません」と、一時的に同業他社が受注を停止したことや、連日の報道で建設資材の不足が取り沙汰されたことが挙げられます。

このような報道が出ると、どうしても「リフォームは別に今じゃなくて、少し後でもいいよね」となり、マインドが低下したのではないかと考えています。

一方で、新築に関しては計画的に進められているため、大きなマインド低下は起きていないと思います。しかし、リフォームに関しては即座に対応する必要がない場合、「少し後でやろうか」と調整が可能なため、結果的にマインドが低下した可能性があります。

このマインド低下に対しては、「商品供給は正常に戻っています」「今は大丈夫ですよ」ということをしっかりとお客さまへ周知することで回復できると考えています。

そのため、当社だけでなく業界全体がさまざまな施策を取り入れています。例えば、SNS活用などにより、「ショールームに来場してください」とキャンペーンも積極的に展開しています。

その結果、おそらく当社を含め各社ともに、今年7月中旬以降からは売上が前年同等程度まで回復してきていると思います。

当社の場合、正直なところ6月まではマインド低下が影響し、新規案件を検討するお客さまの数が前期より減少していましたが、月を追うごとに回復しつつあります。今年8月から9月に数値が前期と同等以上に上がってくれば、マインドが回復してきていると言えると思います。

そもそも、この中東問題が発生する前、今年の4月上旬頃までは来場者数が大幅に増加しており、業界全体として非常に良い状態でした。これは、膨大な需要が存在することの証であると認識しています。

中東情勢が落ち着けば、再び需要が回復すると見込んでおり、現在はその兆候が見え始めていることをご報告します。

質疑応答:中東情勢によるコスト上昇要因について

司会者:「中東情勢によるコスト上昇要因は、期初計画と修正計画の営業利益ベースのウォーターフォールチャートから比較するに40億円程度となると思いますが、この規模感の認識は正しいでしょうか? また、どのような項目のコスト、資材ではどのような製品が値上がりしてしまったのでしょうか? また、熊本地震による福岡工場・鞍手工場への影響はなかったのでしょうか?」というご質問です。

小森:まず、熊本地震による福岡工場や鞍手工場への影響はありませんでした。揺れが大きかったと聞いていますが、製造現場、生産現場、物流倉庫に関しても影響はありませんでした。この点をまずお伝えします。

次に、約40億円がいわゆるコスト上昇要因となっています。具体的には、当初のコストアップを30億円と見込んでいましたが、その見通しを66億円に変更しています。この差額の36億円が、直近の中東情勢の影響によるコストアップ要因と認識していただければと思います。

また、どのような資材でこのような上昇が生じたのかというと、今回は石油由来の樹脂系資材におけるコスト上昇が非常に大きな要因です。

例えば、システムバスでは浴槽が該当します。FRPやアクリル系の人造大理石浴槽など、「人大」とつくものは主に樹脂で製造されており、これらに影響が及んでいます。同様に、キッチンの天板についても影響がありました。

このほか、木部や扉などでも接着剤をはじめ、さまざまな樹脂由来の材料が使用されており、それらについてもサプライヤーからの値上げが相次ぎました。

したがって、ほとんどの部材において値上げ要請があったと言っても過言ではありません。その結果、約36億円の影響があるとご認識いただければと思います。

シェアランキング

編集部のオススメ記事

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MONEY VOICEの最新情報をお届けします。