2026年12月期 第2四半期決算概要
田中勉氏:取締役専務執行役員経営統括本部長の田中です。2026年12月期第2四半期決算内容についてご説明します。
第2四半期業績においては、環境エネルギー部門の公共分野における水処理設備向け監視制御システムに加え、サービス部門において、太陽光発電所や、データセンター、蓄電所向けの受変電設備が堅調に推移しました。
その結果、2026年第2四半期の連結業績は、売上高は171億400万円で前期比18.6パーセント増、営業利益は16億8,000万円で前期比25.5パーセント増、経常利益は20億2,800万円で前期比32.7パーセント増、当期純利益は14億5,800万円で前期比49.3パーセント増となり、半期決算においては、受注高、売上高、各段階利益ともに過去最高となりました。
2026年12月期 第2四半期決算概要・営業利益の増減要因
続きまして、前期に対する営業利益の増減要因をグラフで表しています。
電力部門・情報部門・その他部門で減少があったものの、環境エネルギー部門においては、公共分野における水処理設備向け監視制御システムの売上が増加したことや、現地工事が順調に進捗したことにより利益率が改善しています。
各部門の概況については、次ページよりご説明します。
セグメント別業績 電力部門
電力部門においては、総合制御所向けシステム(OT)や、遠隔監視システムなどのスマート保安システムは堅調に推移しましたが、配電機器分野が前期に対し低調となり、売上高、営業利益ともに減少となりました。
セグメント別業績 環境エネルギー部門
環境エネルギー部門においては、公共分野において、水処理設備向け監視制御システムの売上が増加したことや、現地工事が順調に進捗したことなどにより営業利益が改善しています。
セグメント別業績 情報部門
情報部門においては、ヘルスケア分野において、介護認定支援システム等の開発案件の売上は増加しましたが、開発期間が長期化したことで、開発コストが増加し、営業利益は前期から減少しています。
セグメント別業績 サービス部門
サービス部門においては、太陽光発電所向けなど再生可能エネルギー設備や、データセンター、蓄電所向け等の大型案件が堅調に推移し、売上高、営業利益ともに増加しました。
セグメント別業績 その他部門
その他の事業においては、オフィス向け液晶複合膜フィルムの販売が堅調に推移し、売上高は増加しましたが、電力会社向けの電子制御機器製品や、発電・変電所向け工事が下期にずれこんだことで、営業利益については減少となりました。
以上が、セグメント別の業績の状況となります。
セグメント別売上高・営業利益(構成比率)
参考として、セグメント別の売上高及び営業利益について、構成比率を掲載しています。
売上高については、中核事業である電力部門、環境エネルギー部門で約7割、営業利益については、今回、環境エネルギー部門が大きく改善したことにより、中核事業である電力部門、環境エネルギー部門で約9割を占める結果となりました。
連結貸借対照表の概要
次に財務状況の概要については、主に、「ひびきの研究開発センター」建設に関わる固定資産の増加や、大型プロジェクト案件の増加により、前受金や仕入債務の金額も大きくなったことで、総資産は前期に対し83億3,300万円増加し、362億6,600万円となりました。
連結キャッシュフロー計算書の概要
連結キャッシュ・フローの概要については、営業活動によるキャッシュフローは、営業利益が増加したことや大型プロジェクトの入金により、前期より増加しました。
財務活動によるキャッシュフローにおいては、「ひびきの研究開発センター」に係る設備投資により、支払いが増加しています。
これにより、現金及び現金同等物の残高は、14億8,100万円増加し、83億6,900万円となっています。
2026年12月期 業績予想
続きまして、2026年12月期の業績予想についてご説明します。
通期業績予想については、下期の大型案件の進捗や、売上計上時期などについて、注視が必要な状況ではあるものの、引き続き、中核事業である電⼒部⾨、環境エネルギー部⾨が堅調に推移すると見込んでいます。
また、第2四半期時点において、投資有価証券の売却等による営業外収益により、利益が前回発表予想を上回る実績となったことなど、第2四半期までの状況を鑑みまして、今回、経常利益、当期利益について、上方修正を行いました。
これに伴い、年間の配当予想についても、増配を決定しました。
配当金について
次に、配当金についてご説明します。
当社は、「株主さまへの利益還元を経営上の重要課題の1つとして認識し、継続的な安定配当を基本にしつつ、業績に応じた経営の成果を迅速に株主さまに還元する」を配当方針としています。
2026年度の配当金については、中間配当、期末配当ともに2.5円増額の30円に修正し、年間配当としては、昨年に対し10円増配となります。
よくあるご質問①
当社によく寄せられるご質問と当社からの回答について、ご紹介します。
質問:上期営業利益実績16.8億円は、通期予想30億円に対し、進捗率56パーセントとなっています。通期営業利益予想を据え置いた要因について教えてください。
回答:当社では、第1四半期と第4四半期に売上高及び利益が偏重する季節変動性があります。第1四半期は、環境エネルギー部門を中心に、中核事業が堅調に推移したため、上期の営業利益の通期予想に対する進捗も堅調となりましたが、第4四半期に売上高及び利益計画が偏重しているため、通期の予想は据え置きとしました。
よくあるご質問②
質問:環境エネルギー部門の利益率が前年比で大きく増加していますが、主な要因について教えてください。
回答:公共分野において、昨年上期までは、部材調達遅延や現地工事の進捗遅れといった外的要因により、案件進捗の停滞が発生していました。
昨年の下期以降より状況が改善し、工事進捗が順調に進んだことや、案件ごとの採算性についても改善したことで、利益が増加しています。
よくあるご質問③
質問:情報部門の利益悪化について、要因を教えてください。
回答:ヘルスケア分野の介護認定支援システムの開発において、短納期での対応を行う中で、追加の改修・対応作業が必要となり、追加コストが発生したことが、主な要因となっています。
今回のコスト増加については、特定案件における一過性のものとなっており、下期に収束する見込みとなっています。
よくあるご質問④
質問:中東情勢における御社事業への影響について教えてください。
回答:現時点においては、当社事業への大きな影響は発生していません。
しかしながら、現在の情勢が長期化した場合には、部材の高騰や調達期間の長期化、エネルギー価格の上昇による電力会社の経営への影響など、間接的なものを含め、影響を及ぼす可能性がありますので、状況については注視していきます。
サステナビリティ経営(気候変動)成⾧投資:ひびきの研究開発センター建設計画(2026年11月稼働予定)
ここからは、参考資料となります。
現在、将来に向けた成長投資として、北九州市の学術研究都市に「ひびきの研究開発センター」を建設中であり、2026年11月から稼働予定となっています。
この「ひびきの研究開発センター」では、当社の成長分野であるDX・GXに関する、最先端の製品及び技術開発を推進します。
正興グループの開発技術者を集約し、グループの技術力・シナジーを生み出す環境を整備するとともに、産学官の連携を積極的に推進します。
また、新製品・新技術の開発に向けた実証設備の整備についても予定しており、次世代蓄電池であるレドックスフロー電池を活用した電力需給制御システムなどを導入します。
北九州市とは立地協定を締結しており、将来的には、停電時などに周辺施設へ電力を供給できる地域EMSの推進を計画しています。
このほかにも、さまざまな企業との協業や連携を計画中であり、他社との共創による新事業・サービスの創出を加速させ、次の成長に向けた取り組みとして注力していきます。
九州電力と開発・量産化を協業(全固体リチウム電池24Vモジュール)
こちらは、「ひびきの研究開発センター」で行う他社との協業第1弾となります。
当社は九州電力さまと協働し、超流体化無機全固体リチウム電池の24Vモジュールの開発・量産化に取り組むことを決定し、準備を進めています。
開発・量産化には、現在建設中のひびきの研究開発センターの活用を予定しています。
本電池モジュールについては、重機などの大型電動機器や定置用蓄電池向けに提供することで、これまでよりも、エネルギー効率や安全性、持続時間、作業効率を向上させることが可能となります。
株主優待制度の変更(拡充)
次に株主優待の拡充についてご紹介します。
当社では、株主のみなさまの日頃からのご支援に感謝し、当社株式の保有株式数に応じて、クオカードを贈呈する株主優待制度を設けています。
2026年2月には、2026年12月末を基準日として、より多くの株主さまに長期保有していただくことを目的に、株主優待制度の一部変更を決定しています。
具体的には、3年以上継続保有いただいている株主さまに対しまして、毎年贈呈するクオカードの金額を増額することで、長期保有へのインセンティブを高めていきます。
これにより、株主のみなさまに中長期的な視点で当社の成長をご支援いただき、持続的な企業価値の向上と、株主価値の向上を実感いただけるよう、努めていきます。
健康経営への取り組み
次に、当社の健康経営への取り組みについてご説明します。
当社グループでは、社員の健康を重要な経営資源の1つと捉え、家族を含めた自発的な健康維持増進活動への積極的な支援と組織的な健康経営を推進しています。
継続的な取り組みの推進により、当社は、2018年より、大規模法人部門の上位500社が認定される健康経営優良法人ホワイト500に認定されています。
また、働きやすい職場環境、子育てサポートについても、さまざまな子育て支援制度で、働きやすい職場環境作りを推進しています。
まちにわプロジェクト
次に、まちにわプロジェクトの取り組みについてご紹介します。
まちにわプロジェクトとは、企業、地域、学校、自治体が協力して、花とみどりのある持続可能なまちづくりを推進する取り組みとなっています。
正興グループでは、福岡市の「花による共創のまちづくり」を目指す取り組みである、「一人一花運動」に賛同し、2021年の当社創立100周年の際に、福岡の本社に隣接する公共緑地において、花時計と花壇を取り入れた緑地整備を行いました。
2022年より、地域、学校、自治体などの地域のみなさまと、「まちにわプロジェクト」を通じて、花や緑のある持続可能なまちづくりの推進活動を行っており、例年、季節ごとに年4回、ワークショップなどの活動を行っています。
トピックスは以上となります。
会社概要
続いて、会社概要になります。
当社は1921年に創業し、今年で創業105年となる電機メーカーで、東証プライム市場と福岡証券取引所に上場しています。
2025年の売上高は313億円で、グループ会社は8社、連結従業員数は971名となっています。
福岡に本社を置き、古賀事業所・東京支社をはじめ、全国に17ヶ所の営業拠点を設置し、北海道から沖縄まで、全国に営業展開を行っています。
また、海外では中国の大連、北京をはじめ、マレーシアやフィリピンなど、7ヶ所に拠点があり、アジア各国へ事業展開を行っています。
会社概要【沿革】
当社のこれまでの沿革についてご説明します。
当社は1921年に商事会社「正興商会」として創業し、1928年に配電盤・開閉器の生産を開始、製造メーカーとして「モノづくり」をスタートしました。
1960年に、電機メーカーとして発展するという意思のもと、社名を現在の「正興電機製作所」へ変更し、当社のマザー工場である古賀工場を建設しました。
1961年に日立製作所さまとの技術提携を行い、その後、制御システム(OT)の開発をスタートし、1975年に初めて九州電力さまへ納入を行っています。
1985年には情報システム(IT事業)に参入し、ソフトウェア開発の受託をスタートしました。
1989年からマレーシアをはじめ海外進出を行っています。
2010年には、IoT技術を活用した操作支援システムを開発し、九州電力さまへ納入を行いました。
また、近年ではAI技術の取り組みも進めており、2021年には、AI・ARソリューションを展開するベンチャー企業(HMS社)への出資を行っています。
2023年には新たな海外拠点として、ベトナムに駐在員事務所を開設し、現在の海外拠点は7拠点となっています。
さらに、現在、北九州市に「ひびきの研究開発センター」を建設中で、2026年11月からの稼働を予定しています。
事業内容
当社はプロダクト(モノづくり)、IT(情報技術)、OT(制御技術)やAI・IoTなどの最新のデジタル技術により、みなさまの生活に欠かせない、「電力の安定供給」や「安全な水の確保」、道路設備や交通・物流など、社会のインフラを支える製品・サービスを提供しています。
現在、社会課題として、労働人口の減少や技術者不足に伴う、合理化や省力化といったニーズが高まっています。
一方で、デジタル化の進展や電力需要の増加、再生可能エネルギーの普及が加速しています。
当社は、こうした社会環境の変化に対応すべく、グループ総合力によるトータルソリューションにて、事業を通じた社会課題解決に取り組んでいます。
会社概要【正興グループ事業セグメント】
事業セグメントですが、当社は、電力部門、環境エネルギー部門、情報部門、サービスとその他の5つの部門にて、事業を推進しています。
電力部門では、電力の発電・送電・配電に関する設備や運用・維持管理を行う製品・システムを製作しており、工場やビル、一般家庭へ、電力を安定的に供給することに貢献しています。
環境エネルギー部門では、浄水場や下水処理場、高速道路などの社会インフラ向けに監視・制御システムなどを提供する公共分野と、再生可能エネルギー関連設備や、工場、データセンター向けに受変電設備などを提供するエネルギーソリューション分野を主な事業としています。
情報部門は、自社のデータセンターを活用したクラウドサービスを提供しており、港湾分野のコンテナ台帳システムは、国内シェアナンバー1となっています。
サービス分野では、環境・再エネ・デジタル商材の販売やエンジニアリングサービスを展開しており、直近では蓄電所関連などの大型設備の受注が増加しています。
その他では、基板やスイッチなどの電子機器製品の製作や、電力会社向けメンテナンス工事などの事業を展開しています。
事業内容【電力部門】
主な3つの事業セグメントの内容についてその特徴をご説明します。
電力部門では、電力を安定的に届けるために必要な発電所、変電所、配電設備向けの製品を、電力会社向けに製作しています。
さらに、これらの設備の運用・維持管理や電力全体の流れを監視・制御するシステムの開発やメンテナンスを行っており、電力の品質確保と安定供給を支えています。
また、近年、業務の効率化・省人化・自動化へのニーズが高まる中、当社はAI・IoT技術を活用したスマート保安ソリューションを開発・展開しています。
現在はこれらのスマート保安ソリューションをはじめ、当社の製品・システムを全国の電力会社へ展開することで、さらなる事業拡大に取り組んでいます。
事業内容【環境エネルギー部門(公共分野)】
環境エネルギー部門についてご説明します。
この部門は、大きく「公共分野」と「エネルギーソリューション分野」に分かれており、どちらも人々の生活や社会インフラを支える重要な役割を担っています。
公共分野では、水処理監視制御システムと高速道路向け監視制御システムを提供しています。
水処理監視制御システムでは、浄水場や下水処理場にある機械設備を動かす電気設備や、施設全体の運転状態を監視・制御するシステムを納入しており、安全な飲み水の確保など、地域社会の衛生や暮らしを守っています。
高速道路向け監視制御システムでは、高速道路の照明設備やパーキングエリア、トンネルなど、日常的に利用される交通インフラに向けて、受配電設備や自家発電装置を納入しています。
この分野の特徴としては、製品やシステムの設計・製作から現場での設置工事までを一括で提供でき、さらに、保守・メンテナンスまで一貫して対応できる点を強みとしており、全国に事業を展開しています。
事業内容【環境エネルギー部門(エネルギーソリューション分野)】
エネルギーソリューション分野についてご説明します。
当社では、メガソーラーや水力発電所、一般産業向けに、再生可能エネルギーで発電した電気を安定的に供給するために欠かせない、電源設備などを設計・製作しています。
さらに、パワーエレクトロニクス技術を活用し、電力を効率的に制御・供給できる独自の再エネ蓄電システムの構築にも取り組んでいます。
近年では、AIデータセンターや半導体工場といった、大電力を必要とする施設の建設計画が全国で進んでいることから、
今後も引き続き、電力需要の増加が見込まれるとともに、需給調整機能を担う蓄電所設備へのニーズも高まるものと想定しています。
AIデータセンターや蓄電所設備については、今後の社会インフラにおいて、重要な役割を果たす存在になると考えており、当社としても、これらを大きな成長分野と位置付け、積極的に事業展開を進めています。
事業内容【情報部門】
次に、情報部門について、ご説明します。
情報部門においては、自社のデータセンターを活用した港湾向けやヘルスケア(健康管理)などのクラウドサービスを展開しています。
港湾ソリューションでは、港湾関連事業者向けに業務サポートサービスを提供しており、コンテナ台帳管理サービスは国内トップシェアとなっています。
また、港湾業務のDX化に向け、国土交通省が推進する「荷役自動AIターミナル」やペーパーレス化など、サイバーポート事業にも参画しています。
これらは、港湾物流の効率化・高度化を進める事業であり、今後の事業拡大が期待される分野となります。
ヘルスケアソリューションにおいては、企業の健康管理ソリューションとして、従業員の健康状態の見える化、産業医の保健業務のDX化など、企業の健康経営をサポートするシステムや、介護認定支援システムを展開しており、この分野においても、今後の拡大事業として注力しています。