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データアプリ Research Memo(1):2027年3月期は事業基盤強化の先行投資で営業・経常利益は横ばい予想

■要約

データ・アプリケーションは、企業内外のデータ連携に関するソフトウェア製品の開発・販売及びコンサルティングを展開するソリューションカンパニーである。EDI※1やEAI※2といったデータ交換・連携用プラットフォームを中心に展開し、EDIミドルウェア※3市場でのマーケットリーダーとなっている。

※1 EDIはElectronic Data Interchangeの略。受発注・見積・出荷・入荷・決済など商取引に関する電子データを企業間で交換する仕組み。
※2 EAIはEnterprise Application Integrationの略。企業内の複数のコンピュータにあるデータや業務プロセスを効率的に統合する仕組み。
※3 ミドルウェア(middleware)はコンピュータを制御する要素の1つで、コンピュータの基本的な制御を行うOS(Operating System)と、具体的な処理を行うアプリケーション(application software)との中間(ミドル)に位置し、それぞれの機能を補完するソフトウェアのこと。代表的なミドルウェアとしてデータベース管理、データ交換・連携、Webサーバ、トランザクションモニターなどがあり、いずれも企業のシステム開発作業削減や業務コスト低減を実現する。

1. サブスクリプション型ビジネスモデルへの戦略的シフトを加速
同社は事業セグメント区分について、従来はソフトウェア関連事業の単一セグメントとしていたが、M&Aによってグループ4社体制となったことに伴い、2026年3月期よりソフトウェア事業、システムインテグレーション事業、AI関連事業とした。主力のソフトウェア事業は同社が、エンタープライズ・データ連携プラットフォーム「ACMS※」シリーズ最上位モデルの「ACMS Apex」を主力として、2025年11月にクラウド型データ連携プラットフォーム「ACMS Cloud」の販売も開始するなどサブスクリプション型ビジネスモデルへの戦略的シフトを加速させている。システムインテグレーション事業は子会社のデジタルトランスコミュニケーションズ(株)(以下、DTC)がEDI・EAIを基軸としたビジネスインフラソリューションやシステムインテグレーションを、AI関連事業は(株)WEELが生成AIを活用したシステム受託開発・コンサルティング及びAIメディア運営を、(株)メロンが時系列解析技術やそれを組み合わせた大規模言語モデルに強みを有し同技術を用いた、データ活用・分析に関連するAI開発やソフトウェア開発を展開している。

※ 「ACMS(Advanced Communication Management System)」は同社の登録商標である。

2. 2026年3月期は人件費増加等で減益となったが、EBITDAは増加
2026年3月期の連結業績は売上高が前期比65.8%増の4,322百万円、営業利益が同15.9%減の276百万円、経常利益が同9.9%減の324百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同41.8%減の156百万円だった。M&A効果によって売上高が大幅に増加したが、同時に大幅な人員増に伴って人件費(売上原価の労務費を含む)が増加したほか、のれん償却費が増加したため各利益は減益となった。ただし、のれん償却等の影響を除くEBITDAは同9.2%増の481百万円(営業利益276百万円+償却費183百万円+株式報酬費用21百万円)(各数値は百万円未満を切り捨てて表示)だった。

3. 2027年3月期は先行投資で営業・経常利益は横ばい予想
2027年3月期の連結業績は売上高が前期比15.7%増の5,000百万円、営業利益が同1.2%増の280百万円、経常利益が同0.3%増の325百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同14.3%増の178百万円、EBITDAが同0.1%増の481百万円を見込んでいる。売上面はソフトウェア事業のパッケージ売上が減少するものの、各事業とも拡販によって増収を見込んでいる。営業利益、経常利益、EBITDAについては、事業基盤強化に向けた積極的な人材採用や広告宣伝を中心とする先行投資によって費用が増加するため横ばい予想としている。当期を事業基盤強化に向けた先行投資の期間と位置付け、2028年3月期より利益再成長を目指す。ソフトウェア事業におけるサブスクリプション売上の順調な積み上げに加え、グループシナジー創出や子会社の収益性改善効果などが寄与すれば、好業績が期待できると弊社では見ている。

4. グループシナジー創出と次世代データプラットフォーム構築を目指す。株主還元も強化
同社は2025年5月に新中期経営計画(2026年3月期〜2028年3月期)を策定し、最終年度となる2028年3月期の業績目標を売上高60億円、EBITDA10億円としている。基本戦略としてグループシナジーの創出、AIも活用した次世代データプラットフォームの構築を目指す。財務方針については2026年4月16日付で変更を発表した。変更後の株主還元は、現中期経営計画期間中においては総還元性向100%(フルペイアウト)を基本方針として、DOE3.5〜5.0%水準を目途に配当下限額を年間25円とするほか、自己株式取得も積極的に検討する。株主還元を一段と強化する形だ。ROEについては方針変更はなく2028年3月期に15%以上の達成を目指す。事業戦略としては、DIGITAL WORKの実現と同社グループの企業成長を両立すべく、事業戦略の3本の柱として「事業領域の拡大・開拓」「収益安定性の向上」「人的資本経営」の推進を掲げている。

■Key Points
・EDIミドルウェア市場でのマーケットリーダー
・サブスクリプション型ビジネスモデルへの戦略的シフトを加速
・2026年3月期は人件費増加等で減益となったが、サブスクリプション売上は拡大基調
・2027年3月期は事業基盤強化に向けた積極的な先行投資で営業・経常利益は横ばい予想
・グループシナジー創出と次世代データプラットフォーム構築を目指す。株主還元も強化

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)

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