■要約
インターネットインフィニティーは、リアルとWebの両輪で新たなヘルスケアサービスを展開するヘルスケアソリューション企業である。ヘルスケアソリューション事業では、高齢者の健康寿命を延ばすための短時間リハビリ型通所介護サービス(デイサービス)「レコードブック」の運営を行うレコードブック事業、福祉用具のレンタル・販売及び住宅リフォームなどを手掛けるアクティブライフ事業、ケアマネジャー専用ポータルサイト「ケアマネジメント・オンライン」を通じて構築したケアマネジャーネットワークを活用したシルバーマーケティング支援・メディカルソリューション、仕事と介護の両立支援、システムソリューションを行うDXソリューション事業を展開している。また、在宅サービス事業では、在宅高齢者の各種介護保険サービスを提供している。
1. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期は、売上高5,892百万円(前期比14.2%増)、営業利益536百万円(同33.8%増)、経常利益589百万円(同43.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益319百万円(同25.4%増)となった。事業全体はおおむね計画どおりに推移し、売上高及び各利益段階で前期を上回った。既存事業の安定成長に加え、セントワークス(株)の子会社化によるDXソリューション事業の強化が奏功した。一方、将来計画の見直しにより、(株)正光技建関連ののれん減損損失を特別損失として計上しているが、これは事業再編を進める過程での一時的な費用であり、本業の収益拡大基調に大きな変化はない。今後は、セントワークスの介護事業者向けソフトウェアを活用し、中規模介護事業者向けDXソリューションの展開を加速する方針である。介護業界では高齢化の進展や人材不足を背景に業務効率化ニーズが高まっており、既存の介護サービス事業とのシナジー創出も期待される。総じて当期は、短期的な費用負担を伴いながらも、介護DX市場の成長を取り込むための事業基盤整備が進展した1年であったと弊社では見ている。
2. 2027年3月期の業績見通し
2027年3月期の連結業績は、売上高6,100百万円(前期比3.5%増)、営業利益670百万円(前期比25.0%増)、経常利益680百万円(前期比15.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益431百万円(前期比34.8%増)を見込んでいる。既存事業の安定成長に加え、DXソリューション事業の拡大によって売上高・利益ともに過去最高を更新する計画である。高齢化の進展を背景に、介護予防サービス、福祉用具貸与、在宅介護サービスなどの既存事業は堅調な需要が見込まれており、利用者数の増加や既存拠点の稼働率向上によって安定的な収益成長が期待される。特にレコードブックは積極的な出店継続に加え、人材確保面で相対的な優位性を有しており、中長期的な成長ドライバーとしての役割を担う見通しである。一方、今後の成長加速を担うのがDXソリューション事業である。セントワークスの買収後はPMI(Post Merger Integration:M&A後の統合プロセス)が順調に進展しており、中規模介護事業者向けシステムを起点としたDXソリューションの展開を本格化させる方針である。介護業界では人材不足が深刻化しており、生産性向上に向けたDX需要は今後も拡大が見込まれる。同社は介護事業の運営ノウハウを有する点を強みとして、単なるシステム提供にとどまらないコンサルティング機能を含めた差別化を図る考えである。既存事業の安定成長とDX領域への投資を両立させた、中長期的な企業価値向上が期待できると弊社では考える。
3. 中期的な経営方針
同社は中期的な経営方針として、リハビリ型デイサービス「レコードブック」を中心とする介護予防事業と、介護事業者向けDXソリューション事業を成長の両輪として事業拡大を目指している。事業環境は追い風が続いている。高齢化の進展に伴い要支援者や軽度要介護者が増加する一方、介護・医療人材不足は深刻化しており、介護予防サービスへの需要拡大と介護現場の生産性向上に向けたDXニーズの高まりが見込まれている。同社はこうした社会課題を事業機会と捉え、介護予防と介護DXの両分野で成長を図る方針である。主力のレコードブックは全国242店舗まで拡大しており、高齢者の健康寿命延伸を支援しているほか、約11万人のケアマネジャーネットワークを活用したシルバーマーケティング支援や仕事と介護の両立支援サービスも展開している。今後は既存店舗の稼働率向上やフランチャイズ展開を通じて収益基盤を強化するとともに、福祉用具貸与や在宅サービスなどストック型収益の積み上げを進める考えである。さらに、2025年に子会社化したセントワークスを起点として、介護事業者向けDXソリューション事業の拡大を推進する。介護業界向けシステム導入を足掛かりに、業務効率化や生産性向上を支援するサービスを展開し、介護業界が抱える人材不足の課題解決に取り組む方針である。既存事業の安定成長とDX事業の拡大を両立させることで、中長期的な企業価値向上を目指す。これらにより、最終年度である2030年3月期に売上高8,143百万円、営業利益1,343百万円、親会社株主に帰属する当期純利益790百万円、ROE20.5%、売上高営業利益率16.5%、EPS148円の達成を目指す。
■Key Points
・リアルとWebの両輪で新たなヘルスケアサービスを展開するヘルスケアソリューション企業
・M&Aにより売上高が大きく伸長、営業利益も過去最高水準を達成
・セントワークスを中核としたDXソリューションによる飛躍的成長に期待
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)