■インターネットインフィニティーの業績動向
セグメント別の業績は以下のとおりである。
(1) ヘルスケアソリューション事業
ヘルスケアソリューション事業の売上高は4,232百万円(前期比19.1%増)、営業利益は686百万円(同30.6%増)となった。レコードブック事業の堅調な成長に加え、セントワークスの連結化によるDXソリューション事業の拡大が増収増益を牽引した。
a) レコードブック事業
レコードブック事業の売上高は前期比2.2%増の1,888百万円、営業利益は同21.7%増の465百万円となった。当期は短時間リハビリ型通所介護サービス「レコードブック」の店舗網拡大が継続し、直営店が1店舗、フランチャイズ店舗が8店舗増加した一方で、直営店2店舗をフランチャイズ加盟店へ譲渡した結果、期末店舗数は直営22店舗、フランチャイズ201店舗となった。また、名鉄ライフサポートが運営する「名鉄レコードブック」19店舗を含めたレコードブック・ブランド全体の店舗数は242店舗となり、前期末から6店舗増加した。業績面では、要支援・軽度要介護高齢者の増加や介護予防ニーズの高まりを背景として既存店舗の稼働率が上昇した。直営店舗の平均稼働率は80%を超える水準まで向上しており、利用者数増加が売上成長を支えた。また、フランチャイズ店舗数の増加に伴うロイヤルティ収入の拡大に加え、業務管理システムのリプレイス完了によって移行期間中に発生していた重複コストが解消され、収益性も改善した。一部加盟店では設備レンタル契約満了に伴う契約形態変更が発生し、従来計上していた地代家賃や減価償却費に対応する売上高が減少したものの、既存店舗の稼働率向上や利用者数増加の効果がこれを吸収した。競争環境については近年シニア向けフィットネスサービスが増加しているものの、レコードブックは介護保険サービスであるため、対象年齢や制度面で一般的なシニア向けフィットネスとは明確な違いがある。2026年4月には月間利用者数が23,000人を突破しており、2027年3月期は22店舗前後の新規出店を計画していることから、引き続き同社の成長を牽引する事業として期待される。
b) アクティブライフ事業
アクティブライフ事業の売上高は前期比7.7%減の1,257百万円、営業利益は同9.9%増の78百万円となった。フルケア及びカンケイ舎が展開する福祉用具貸与事業は堅調に推移しており、高齢化に伴う福祉用具需要の拡大を背景に安定した成長を維持した。一方、正光技建では利益率改善を目的とした構造改革を継続しており、その結果として売上高は減少したものの、費用削減効果が寄与し事業全体では増益を確保した。資材価格高騰などの影響については一定程度受けており、前々期頃から原価上昇が続いているという。
また、同社はアクティブライフ事業における経営資源の集約と収益力強化を目的として、2026年6月にフルケアによる正光技建の吸収合併を実施した。これに伴う事業計画の見直しにより、正光技建関連ののれん減損損失12百万円を計上している。今後は事業統合による重複機能の削減や運営効率の向上を通じて、さらなる収益性改善が期待される。
c) DXソリューション事業
DXソリューション事業の売上高は前期比217.5%増の1,086百万円、営業利益は倍増の142百万円となった。当期からセントワークスを連結対象に加えたことにより、介護事業者向けソフトウェア事業が新たに業績へ寄与し、売上規模は大幅に拡大した。のれん償却費やPMI関連費用などの負担が発生したものの、高い成長率を実現している。仕事と介護の両立支援サービスでは、2025年4月施行の育児・介護休業法改正を追い風として企業からの需要が拡大した。当期は前期比2倍超となる29社へのサービス提供を開始しており、導入企業数・対象会員数ともに拡大している。さらに、メディカルソリューション分野では大型案件の獲得が進み、売上高・利益ともに大きく増加した。今後はセントワークスが保有する介護事業者向けソフトウェアと同社グループの介護サービス事業との連携を通じて、介護業界向けDXソリューションの提供拡大が期待される。
(2) 在宅サービス事業
在宅サービス事業の売上高は1,659百万円(前期比3.3%増)、営業利益は399百万円(同17.9%増)となった。同事業では、カンケイ舎において課題となっていた有資格者の採用強化を目的とした人事制度改革を推進しており、その成果として採用環境が改善した。これにより各サービスの提供回数は回復傾向を示し、事業全体として増収増益を達成した。サービス別では、通所介護事業が引き続き堅調に推移し、サービス提供回数の増加を背景に売上高・利益ともに増加した。
訪問介護事業については、第4四半期に営業日数の影響などから一時的な減収要因があったものの、通期ではサービス提供回数が増加し、前期比で売上高・利益ともに大幅な伸長を示した。一方、居宅介護支援事業ではケアマネジャー数が回復傾向にあるものの、前期に取得していた一部加算が算定できなかったことから売上高は減少した。しかしながら、人員体制の改善が進んでいることから、今後の収益回復余地は残されている。介護業界全体で人材確保が重要な経営課題となるなか、人事制度改革による採用強化とサービス提供能力の向上が業績改善につながっており、売上成長率を上回る利益成長を実現している点は高く評価できる。
2. 財務状況と経営指標
2026年3月期末の資産合計は4,546百万円となり、前期末比218百万円増加した。流動資産は3,081百万円となり、前期末比225百万円減少した。主な要因は現金及び預金が343百万円減少した一方で、売掛金が100百万円増加したことである。現金減少の背景にはM&A関連支出や自己株式取得などの資金流出が含まれると見られる一方、売掛金の増加は事業規模拡大に伴う売上債権の積み上がりを反映している。固定資産は1,465百万円となり、前期末比443百万円増加した。主因はセントワークスの子会社化に伴う無形固定資産の増加であり、有形固定資産も増加した。M&Aを通じた成長投資が資産規模拡大につながった構図である。負債合計は2,758百万円となり、前期末比76百万円増加した。流動負債は2,080百万円と114百万円増加し、未払法人税等や預り金の増加が主な要因となった。一方、固定負債は678百万円と37百万円減少した。長期借入金が105百万円減少した一方で、連結子会社増加に伴い、退職給付に係る負債58百万円を新たに計上している。純資産は1,788百万円となり、前期末比141百万円増加した。利益剰余金が192百万円増加したことが主因であり、自己株式取得による51百万円の減少を吸収した。利益成長により自己資本の積み上げが進んでおり、M&Aや事業再編を実施しながらも財務基盤は維持されている状況である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)