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JVCケンウッド、国内用品の販売増やエンタテインメントの好調等により売上収益は前期比+10.7%の増収

決算ハイライト

宮本昌俊氏:代表取締役副社長執行役員CFOの宮本です。昨日開示した2027年3月期第1四半期の決算説明資料に基づき、ご説明します。

第1四半期の決算について、売上収益は、M&T(モビリティ&テレマティクスサービス)分野における国内用品ビジネスやES(エンタテインメント ソリューションズ)分野におけるエンタテインメント事業が好調に推移したことに加え、円安の進行により、前年同期比で増収となりました。

一方、事業利益は、S&S(セーフティ&セキュリティ)分野の無線システム事業において、米国政府機関の閉鎖が公共安全市場向けの販売に想定以上の大きな影響を及ぼしました。さらに、メモリーなどの部品価格高騰や固定費の増加もあり、前年同期比で減益となりました。

通期業績予想については、第1四半期に好調だった国内用品ビジネスやエンタテインメント事業が引き続き好調に推移すると見込んでいます。

また、無線システム事業は第2四半期以降に回復すると予測しており、メモリーなどの価格高騰に対しては値上げの対応を進めていきます。その結果、業績は徐々に回復することを見込み、通期業績予想は修正していません。

2027年3月期第1四半期決算 全社実績

第1四半期の数値についてご説明します。まず、第1四半期の3ヶ月間の実績です。売上収益は888億円、前年同期比86億円の増収となりました。

事業利益は20億円で前年同期比10億円の減益、営業利益は15億円で前年同期比28億円の減益、税引前四半期利益は18億円で前年同期比31億円の減益、親会社の所有者に帰属する四半期利益は10億円で前年同期比25億円の減益となり、増収減益という結果となりました。

2027年3月期第1四半期決算 分野別の状況

分野別の状況です。S&S分野の売上収益は185億円となりました。前期に部品の供給不足で大きく落ち込んだ無線システム事業の民間市場向けは生産が戻り、増収となりました。一方、米国政府機関の閉鎖影響などにより、公共安全市場向けの売上は大きく減少しました。

円安の影響を含めると売上収益はほぼ前年同期並みですが、為替影響を除くと前年同期比で実質的に減収となりました。これに伴い、事業利益は1億円となり、前年同期の厳しい結果からさらに悪化しています。

M&T分野の売上収益は535億円で、前年同期比69億円の増収となりました。国内用品ビジネスでは、前期第4四半期後半から投入した新製品の販売が第1四半期を通じて寄与し、売上を大きく伸ばしました。

一方で、利益面ではメモリーを含む部品価格の高騰が影響しました。期初から見込んでいたものの、第1四半期に入ってからも日々値上げの話が持ち上がるような状況で、価格への反映が追いつきませんでした。

また、欧州のASK Industries S.p.A.(ASK社)が主に展開している中国市場が低迷し、特に当社が得意とする高級車市場が非常に厳しかったため、減収減益となりました。その結果、M&T分野の事業利益は6億円となり、前年同期比で10億円の減益となりました。

ES分野の売上収益は144億円となりました。メディア事業は若干の減収となったものの、エンタテインメント事業が非常に好調だったため、前年同期比で増収となりました。事業利益は13億円で、前年同期比9億円の増益となり、非常に好調に推移しました。

その他を含めた全社合計では、売上収益が888億円、事業利益が20億円となりました。

2027年3月期第1四半期決算 事業利益の増減要因

スライドのグラフで、事業利益の前年同期比の増減要因を示しています。前年同期の事業利益は31億円でした。これに対し、まず円安が進んだことによる為替影響がありました。特に前年同期は現在と比べてかなり円高であったため、6億円ほど為替による悪化影響があったと見ています。

また、メモリー価格高騰によるコストアップは前年同期比で約14億円あったと見ています。これに対し、基本的には価格反映によって利益を維持する方針で対応していました。

しかし、4月1日時点までの価格上昇には対応できていましたが、当第1四半期中のさらなる価格上昇には価格反映が追いつきませんでした。その結果、価格反映効果は10億円で、4億円のギャップがあったと見ています。

固定費は29億円増加しましたが、そのうち円安による為替換算の影響が21億円ありました。これを除くと8億円の増加となり、人件費や減価償却費などの増加が要因です。一方で、売上増加や利益率の改善などにより24億円のプラスがあり、2027年3月期第1四半期の事業利益は20億円となりました。

全社業績推移

全社の四半期別の業績推移です。第1四半期は、売上収益が888億円、事業利益が20億円となりました。前期の第1四半期は無線システム事業における部品不足の影響で非常に苦戦しましたが、事業利益はそれを下回る20億円という結果となり、正直なところ、想定よりも厳しいスタートであったと見ています。

S&S 売上収益・事業利益推移

S&S分野です。第1四半期の売上収益は185億円、事業利益は1億円となりました。前期の第1四半期も部品不足で非常に苦労しましたが、そこからさらに悪化しています。後ほどご説明しますが、民間市場向けは生産の回復により戻ってきている一方で、公共安全市場向けが非常に苦戦しました。

M&T 売上収益・事業利益推移

M&T分野です。第1四半期の売上収益は535億円、事業利益は6億円となりました。前期の第1四半期は、事業利益が17億円と非常に高い水準でした。これは、米国の関税措置により関税が引き上げられたことを受けて値上げを行った際に、値上げ前の駆け込み需要が発生したことなどによるものです。

そのような点から、前期の第1四半期はやや過大な結果となり、今回の第1四半期は前年同期比で約10億円の減益となりました。ただし、2025年3月期第1四半期とほぼ同水準です。

一方、第1四半期は先ほどお伝えしたとおり、メモリー価格の高騰に対する値上げが追いつかず、約4億円の悪化となりました。しかし、第2四半期には値上げが功を奏し、ある程度回復する見込みです。

その結果、第1四半期と第2四半期を累計した上期では、ほぼ想定どおりの水準まで戻るのではないかと考えています。

ES 売上収益・事業利益推移

ES分野です。第1四半期の売上収益は144億円、事業利益は13億円となり、非常に良い結果を残すことができました。

メディア事業は若干の減収となったものの、エンタテインメント事業は前期の第4四半期に続き、この第1四半期も非常に好調でした。特に、ストリーミングなどの配信事業が好調に推移し、高い利益を上げています。

2027年3月期第1四半期決算 地域別連結売上収益

スライドのグラフで、連結売上収益の前年同期比を地域別に示しています。日本は国内用品ビジネスが非常に好調で、大きく伸びています。

米州は22億円増加していますが、為替影響を除くと数億円のプラスとなります。こちらは、無線システム事業の民間市場向けが前年同期比でプラスになりました。一方、欧州およびアジア・中国は、為替影響を除くと前年同期比で大きく落ち込みました。

2027年3月期第1四半期決算 連結損益サマリー

事業利益以下の段階損益の実績です。事業利益は20億円で、前年同期比10億円の減益となりました。

その他の収益・費用、為替差損益などは、前年同期が13億円のプラスだったのに対し、今回は5億円のマイナスとなりました。前年同期に計上した海外の土地売却益がなくなったことに加え、生産拠点の国内1拠点と海外2拠点で人員削減を行ったことによる構造改革費用を計上したことで、前年同期比で18億円悪化しています。

この結果、営業利益は前年同期比28億円減益の15億円、税引前四半期利益は前年同期比31億円減益の18億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は前年同期比25億円減益の10億円となりました。

2027年3月期第1四半期決算 財政状態サマリー

財政状態、バランスシートのサマリーです。スライド下部の表に記載されている親会社の所有者に帰属する持分、いわゆる自己資本については1,456億円となりました。

配当の支払いがあったものの、利益剰余金や円安が進んだことによる為替換算調整のプラスが影響し、前期末である2026年3月末から18億円増加しました。一番下に記載されている自己資本比率は、41.8パーセントとなっています。

2027年3月期第1四半期決算 キャッシュ・フローサマリー

キャッシュ・フローのサマリーです。利益は前年同期比で減少しましたが、2027年3月期第1四半期における営業活動によるキャッシュ・フローは119億円となり、前年同期比で43億円増加しました。この要因としては、米国関税の還付金が一部入ったことが大きく、その他の流動負債の増加が影響しています。

投資活動によるキャッシュ・フローは、37億円の支出です。前年同期比で固定資産売却収入が減少していますが、投資も減少したため、ほぼ前年同期並みの結果となっています。

財務活動によるキャッシュ・フローは、54億円の支出です。主に借入金の返済を進めたことが要因で、前年同期より支出が増加しています。以上が、第1四半期の実績です。

2027年3月期通期業績予想

今期、2027年3月期の業績予想についてご説明します。第1四半期は、先ほどからお伝えしているとおり、国内用品ビジネスやエンタテインメント事業が好調だった一方で、無線システム事業の公共安全市場向けが非常に厳しい状況でした。通期業績の想定に照らしても、第1四半期は非常に厳しい状況であったと考えています。

第2四半期以降は、好調な国内用品ビジネスやエンタテインメント事業が堅調に推移すると見ており、無線システム事業も第1四半期よりは回復すると予想しています。また、メモリーの価格高騰については価格対応を進めることで、復調が見込まれます。

また、米国関税の還付については、一部は第1四半期中に還付があったものの、6月末のギリギリで入金になったこともあり、第1四半期には収益認識していません。上期には収益認識できる見込みですが、この還付金の収益認識を見据えた業績見通しの見直しは行っておらず、現時点で通期の業績予想は修正を行わないと判断しました。

2027年3月期通期業績予想 分野別の状況

2027年3月期業績予想の分野別の状況です。分野別についても今回は見直しを行っていません。

S&S分野 無線システム事業の状況

トピックスに移ります。足元で非常に苦戦している無線システム事業の現状についてです。まず、第1四半期が厳しかった要因として、政府機関の閉鎖影響が挙げられます。これは前期第4四半期から続いていたもので、5月頃に再開し、政府機関が動き始めたことが6月以降に見えてきましたが、補助金については連邦政府向けが優先されたため、当社の主要顧客である地方自治体への予算執行が非常に遅れている状況です。

地方自治体を含め、補助金の支給時期が不透明であることから、予算の見直しが頻繁に行われています。このため、第1四半期に当社が想定していた案件も先送りや一時凍結が非常に増加しています。

ただし、需要が完全になくなったわけではないと考えています。そのため、受注がいずれ戻ることを見据え、再入札や再予算化に向けた対応を引き続き行っています。

また、無線システム事業は成長牽引事業として人員増強や開発を進めてきたため、固定費が増加しています。この増加分は売上収益の増加でカバーしてきましたが、今回は売上収益が減少したことで利益率の悪化につながっています。

ただし、ナローバンドを含む無線システム市場が縮小しているとは考えておらず、第1四半期の落ち込みは一時的なものと見ています。そのため、成長に向けた投資は引き続き進めていく方針です。

今後の業績挽回に向けた施策としては、営業体制の再構築や重点市場へのリソース集中を進めていきたいと考えています。

今回はマーケットの動きに対する見極めがやや遅れた部分があったと見ており、営業の前線での情報収集を含めた強化が必要と考えています。このため、営業体制の再構築を引き続き進めていく方針です。

また、足元の低迷の要因として挙げた、先送りや凍結された案件をもう一度取り戻すため、受注活動を継続して進めていきます。

さらに、San Luis Aviation, Inc.(以下、SLA社)の連結化により、政府予算が優先的に割当てられている連邦政府へのアプローチを強化していきます。加えて、北米以外の市場におけるデジタル無線規格P25案件の掘り起こしにも取り組み、挽回を図りたいと考えています。

SLA社の子会社化を完了し、ハイブリッド領域へ本格参入

SLA社の子会社化についてです。前期には買収の合意が取れていましたが、同社が政府系のビジネスを展開しているため、アメリカ政府の認可を待っていました。政府閉鎖の影響で認可が大幅に遅れましたが、6月末に認可が下り、7月に正式に子会社化を完了しました。

同社は連邦政府ビジネスにおいて強力なパイプを持っているため、さらなる取り組みを進めたいと考えています。

また、当社の従来チャネルのナローバンド領域におけるシステム案件では、とりわけIP無線対応が必要な案件が増加しており、この分野に対してもアプローチを進めていきます。無線端末ビジネスも含め、SLA社と共同で本格的な参入を目指していく方針です。

M&T分野 OEM事業(国内用品)が好調に推移

M&T分野の国内用品ビジネスについてです。第1四半期では、2027年度から2030年度に向けての受注が非常に好調に進んでおり、現時点で2029年度までは売上目標に対してほぼ100パーセント、2030年度についても約9割を受注で固められています。そのため、「VISION2030」における国内用品ビジネスについては、ほぼ先が見えてきたと言えます。

このように、マーケットの中で優位なポジションを確保できていますので、引き続き売上および利益の確保を図っていきたいと考えています。

メモリー供給不足・価格高騰への対応、調達の状況

足元で非常に利益を圧迫しているメモリー価格についてです。メモリー価格の高騰への対応として、価格反映を進めるとともに、数量確保を図る方針で進めてきました。

数量確保については、特に今年12月までに関しては供給元とほぼ合意が取れており、確保ができています。ただし、国内用品ビジネスが非常に好調で、想定よりも販売台数が増加しているため、その増加分に関しては日々手当を行っている状況です。

価格については、日々値上げの話がある状況です。価格対応がやや遅れ気味ですが、着実に価格反映を行い、カバーしていく方針で進めていきます。

当期の株主還元

株主還元についてです。今回の決算発表にあわせて、30億円を上限とする自己株式取得を発表しました。これにより、期初に発表した1株当たり20円の配当と合わせて、当期の総還元性向は約39パーセントとなる見込みです。

サステナビリティで高評価を獲得

最後に、FTSEでは過去から継続して高いスコアを獲得しており、2026年度は満点である5.0を達成しました。今後も引き続き、サステナビリティに対する取り組みを継続していきます。

ご説明は以上です。

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