■エスプールの業績動向
● 2026年11月期中間期の業績概要の続き
(1) ビジネスソリューション事業
ビジネスソリューション事業の売上収益は前年同期比9.1%増の8,309百万円、営業利益は同6.0%増の1,505百万円となった。売上収益は過去最高を連続更新し、営業利益も2期連続で増益となった。
新規農園を3拠点開設したことに伴う立ち上げロスや減価償却費の増加により、営業利益率は若干低下したものの18%台と高水準を維持しており、金額ベースでも同85百万円の増益を確保した。
a) 障がい者雇用支援サービス
障がい者雇用支援サービスの売上収益は前年同期比11.5%増の4,990百万円と2ケタ増収が続き、営業利益も約16億円となり同63百万円の増益となった。新たに3農園(すべて屋内型)を開設したことによる立ち上げ負担増や売上構成比の変化により営業利益率は若干低下したものの、30%台と高水準を維持した。
売上の内訳を見ると、農園設備販売が同3.3%増の1,299百万円、農園管理収入が同16.0%増の3,253百万円、人材紹介料等が同5.6%増の435百万円といずれも増加した。2026年7月からの障がい者法定雇用率引き上げ(従来の2.5%から2.7%へ)に向けて、新規顧客からの受注だけでなく既存顧客からのリピート受注が増加したことや、新規エリアで開設した農園で障がい者の採用が順調に進んだことにより、販売区画数が同2.6%増の710区画と期初計画(665区画※1)を6.8%上回り、業績の上振れ要因となった。中間期末の契約企業数は前期末比28社増の750社と順調に増加し、運営区画数は前年同期比11.8%増の10,477区画となった。屋内型農園の構成比が上昇※2したことにより、農園設備の販売単価や農園管理料の平均単価は上昇傾向となっている。なお、障がい者雇用者数は同11.8%増の5,239人となり、定着率も92%と高水準を維持している。
※1 期初計画では第1四半期に210~260区画、第2四半期に405~455区画を計画しており、各四半期の平均値を合算した数値。
※2 2026年5月末の62農園のうち屋内型は22園、前年同期は55農園のうち16園。
b) 広域行政BPOサービス
広域行政BPOサービスの売上収益は前年同期比60.5%増の776百万円と大幅増収となり、営業利益は前年同期の約1.5億円の損失から約0.3億円の黒字に転換した。物価高対策等のスポット業務を多く受注したことが増収増益要因となった。売上収益は計画比で約150百万円上振れしたが、その大半はスポット業務の受注によるものである。一方、ストック型の共同BPO業務については、見込顧客先での導入意欲が慎重姿勢にとどまり受注は伸び悩んだ。なお、BPOセンターは1拠点(長崎県対馬市)を新たに開設し、中間期末時点で23拠点となった。対馬市においては、離島における共同BPOモデルの構築に取り組んでいる。
c) 環境経営支援サービス
環境経営支援サービスの売上収益は前年同期比27.9%減の428百万円、営業損失で約130百万円(前年同期は30百万円の黒字)となった。脱炭素をテーマとした自治体向けのコンサルティングサービスは、支援領域の拡大により売上収益が同47.6%増の103百万円と伸長した。一方で、前年同期に大口のカーボンクレジット販売を計上した企業向け売上が反動減により同38.0%減の325百万円と落ち込んだ。また、コンサルタント人員を大幅増員したことに伴う人件費の増加も減益要因となった。
d) その他
通販発送代行サービスの売上収益は前年同期比7.7%減の603百万円、営業損失は約0.1億円(前年同期は0.15億円の損失)と若干縮小した。抜本的な収益改善を図るため、2026年5月に品川センターを閉鎖し、流山センターへの集約化を進めたことに伴う関連費用が損失要因となった。流山センターの月次損益は黒字化しており、収支はおおむね計画どおりに進捗した。
採用支援サービスの売上収益は前年同期比2.4%減の410百万円、営業損失は0.2億円(同0.4億円の黒字)と悪化した。アルバイト等の応募受付代行サービスは、既存案件を中心に一定の売上を維持したものの、応募数の減少等の影響により計画を若干下回った。また、前期からスタートした企業向けの健康診断予約代行サービスは売上収益で0.6億円となったものの、イレギュラー対応の増加等により費用が想定以上に膨らみ、損失計上の要因となった。同サービスについては今後も収益改善が見込みにくいことから、サービスを終了することを決定している。
販売促進支援サービスの売上収益は前年同期比2.4%増の696百万円、営業利益は約0.4億円と若干の減益となった。食品・化粧品メーカーから受注した下期開始の業務に対応すべく、人員の採用と運営体制の強化を推進したことが一時的な減益要因となったものの、計画どおりに進捗している。
(2) 人材ソリューション事業
人材ソリューション事業の売上収益は前年同期比10.0%減の4,423百万円、営業利益は同23.6%減の282百万円と4期連続で減収減益が続いたものの、期初計画比では売上収益で103百万円、営業利益で11百万円上回った。
主力のコールセンター業務は同10.2%減の3,513百万円となった。AIの活用が進み簡易なインバウンド業務の需要が縮小するなか、AIでの代替が困難な営業系のアウトバウンド業務の受託を開始し、一部受注も獲得するなど下期からの反転に向けた体制構築を進めている段階にある。
販売支援業務は同4.1%増の431百万円と3期ぶりに増収に転じた。法人向けタブレット端末等のキッティング業務を受注したことが増収要因となった。携帯ショップ市場の縮小が続くなか、今後も法人向けの受注獲得に注力する方針である。一方、その他業務は同18.2%減の481百万円と減収に転じた。2024年11月期第4四半期から開始した建設業界向け派遣サービス(施工管理士、建設CADオペレータ等)が、運営体制変更の影響により稼働人数が大きく減少したことが主因だ。人的リソースも不足しているため、建設業界向けについては撤退する方針を決定した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)