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神埜雄一氏(以下、神埜):株式会社セプテーニ・ホールディングス代表取締役グループ社長執行役員の神埜です。2026年12月期第2四半期の決算についてご説明します。
本日のアジェンダです。まずエグゼクティブサマリーとして、2026年12月期上期の連結決算概要と、本日短信と併せて適時開示している通期業績予想の修正、中期経営計画の進捗状況の3点についてご説明します。
続いて、第2四半期累計の連結決算概要および第2四半期単体の連結決算概要についてお伝えした後、事業セグメントごとの状況についてお話しします。
最後に、業績予想の上方修正および修正後の業績予想に対する進捗についてご説明します。
2026年12月期 第2四半期決算 エグゼクティブサマリ
エグゼクティブサマリーです。今回のポイントは3点です。
1つ目は、第2四半期累計決算の概略です。新規顧客の獲得に加え、マーケティング・コミュニケーション事業およびダイレクトビジネス事業において、既存顧客との取引がさらに拡大したことにより、収益が前期比プラス9.5パーセントの増収となりました。
さらに、筋肉質な事業基盤の構築が進んだことで、Non-GAAP営業利益が前期比プラス46.5パーセントとなり、大幅な増益を達成しています。
また、親会社の所有者に帰属する中間利益においても、増収増益効果に加えて持分法投資利益などが好調に推移したことで、前期比プラス120.2パーセントと非常に強い伸びを示しています。
2つ目は、通期業績予想の修正についてです。東南アジアにおける事業運営の見直しに伴い、子会社の清算決定による法人税負担の軽減効果を反映した結果、親会社の所有者に帰属する当期利益の通期業績予想を52億5,000万円から60億円に上方修正しました。
最後に、中期経営計画の進捗状況についてです。当社では、ガバナンス強化の全体方針の1つとして、戦略的な事業ポートフォリオマネジメントの実践を掲げています。この方針のもと、2026年度上期に1社の買収と2社の売却を実施しました。
また、今期の業績予想の上方修正に伴い、2026年2月に公表した3ヶ年計画の定量目標について現在見直しを検討しています。
中期経営計画の進捗状況については、次のページ以降で詳しく解説します。
キャピタルアロケーション(FY2026-2028)(再掲)
2026年度から2028年度におけるキャピタルアロケーションについてご説明します。
現在までの事業モメンタムの強さと、事業売却等を含むポートフォリオマネジメントにより、成長投資に向けたキャッシュインの総額が、着実に拡大していると捉えています。
これにより創出された資金を踏まえ、引き続き成長投資と株主還元の両立を目指していきます。
具体的には、「事業の探索」に向けた顧客の企業価値向上に資するケーパビリティの拡張や、「事業の深化」に向けた既存事業の競争力強化、さらにはAI・人的資本・社内環境等の設備に対する社内投資の3点において、成長投資の機会を積極的に模索していきます。
また、株主還元については現行の方針を継続しつつ、3ヶ年での還元総額を維持した上で、株主のみなさまへの還元機会を増やすため、今期より期中配当を導入しました。
成長投資への積極的な資金配分と安定した株主還元を通じ、中長期的な企業価値の向上に努めていきます。
事業ポートフォリオマネジメントの推進
事業ポートフォリオマネジメントの進捗についてご説明します。今期上期の振り返りとして、事業継続基準に基づく厳格なモニタリングを継続する一方、新たな成長に向けた種まきを並行して実施した期間となりました。
アクションとしては、AIとクリエイティブの融合を推進する新会社である株式会社AIクリエイションラボの設立と、D2C領域の強化に向けた株式会社医師たちとつくるの買収を行いました。
一方で、株式会社ビビビットとLION DIGITAL GLOBAL LIMITED(以下、LION DIGITAL GLOBAL社)の2社については、より大きなシナジー効果の発揮が期待されるベストオーナーへの株式譲渡を実行しました。
このような戦略的なポートフォリオの入れ替えにより、足元の連結子会社数は28社とスリム化が進み、コーポレートオペレーションの効率化と筋肉質な組織構造への再編が着実に進められています。
FY2028までの定量目標に向けた進捗
2028年度までの定量目標に向けた進捗についてご説明します。現時点では、トップラインの拡大や生産性の改善、積極的な事業ポートフォリオマネジメントの推進が奏功し、2026年2月に開示した3ヶ年の定量目標を大きく上回るペースで進捗しています。
この状況を踏まえ、3ヶ年の定量目標としては過去最高実績の更新を継続的に目指し、2027年度以降はさらに高い目標設定に向けて、現在見直しを検討しています。
FY2026/2Q累計(1-6月)決算ハイライト
2026年12月期第2四半期累計の上期連結決算概要についてご説明します。まず第2四半期累計の連結決算ハイライトです。今期の上期累計では、いずれの科目においても上期実績として過去最高を更新しました。
収益は約166.5億円で、前期比プラス9.5パーセントの増収、Non-GAAP営業利益は約30.3億円で、前期比プラス46.5パーセントの大幅な増益を達成しました。
これらに加えて、持分法投資利益等の好調な推移が寄与し、親会社の所有者に帰属する中間利益は前期比約2.2倍の約40.9億円と大きく拡大しました。
また、売上高も市場の想定成長率を上回る二桁成長を遂げ、前期比16.6パーセント増の約879億円となりました。
FY2026/2Q累計(1-6月)決算ハイライト(セグメント別)
セグメントごとの決算ハイライトです。マーケティング・コミュニケーション事業では、新規顧客の獲得に加え、既存顧客の拡大が大きく貢献し、増収および大幅な増益となっています。
ダイレクトビジネス事業についても、既存顧客の拡大を中心に増収および大幅な増益となりました。
データ・ソリューション事業は、サービスラインナップの拡充や人員数の適正化により増収増益となり、全体的に強いモメンタムが継続しています。
FY2026/2Q累計(1-6月)連結P/L
第2四半期累計の連結損益計算書(P/L)です。売上高は二桁増収となり、各段階の利益においても前年を大きく上回る結果となりました。
収益は前期比プラス9.5パーセントの約166.5億円となっています。また、筋肉質な事業構造の構築により、Non-GAAP営業利益は約30.3億円となり、前期比プラス46.5パーセントと大幅な増益を達成しました。
親会社の所有者に帰属する中間利益は前期比約2.2倍の約40.9億円となり、非常に強い実績を達成しました。
FY2026/2Q累計(1-6月)連結業績推移
第2四半期累計における連結業績推移です。今期は既存案件の拡大や新規案件の獲得により、四半期単体および上期累計のいずれもトップラインの成長が継続しました。
また、大幅な費用増加を伴うことなくトップラインの拡大が進んだ結果、Non-GAAP営業利益率は前期比プラス4.6ポイント改善しました。
FY2026/2Q(4-6月)連結P/L
4月から6月までの第2四半期単体の連結決算概要についてご説明します。まず第2四半期単体の連結損益計算書です。売上高は前期比プラス20.4パーセントの約404億円となりました。原価や販売管理費の増加を吸収した結果、Non-GAAP営業利益は約6.5億円で、前期比プラス31.5パーセントと大幅な増益を達成しました。
また、子会社の清算決定による法人税負担の軽減効果を反映した結果、親会社の所有者に帰属する四半期利益は14.3億円となり、前期比プラス332.3パーセントと大きく増加しています。
連結業績四半期推移
セグメント別の連結業績四半期推移です。毎年、第2四半期は市場特性の季節性によりトップラインが伸びにくく、新卒採用などによる人件費が増えやすい時期となっています。
しかしながらNon-GAAP営業利益率は前期の7.1パーセントに対し、今期は8.7パーセントと1.6ポイント改善しました。
連結 税引前当期利益 四半期推移(非継続事業組替え後)
税引前当期利益までの分解と持分法投資損益の累計推移です。株式会社電通デジタルを中心とした持分法投資利益は堅調に推移しており、第2四半期累計時点で昨年の通期実績を上回る進捗となっています。
電通グループとの業務提携の進捗
電通グループとの業務提携の進捗についてご説明します。電通グループとのシナジーをよりわかりやすく伝えるために、今期第1四半期からグラフの内訳を変更しました。
濃い紫色のグラフの「セプテーニ商流」は、電通グループとの協業において当社グループが顧客のフロントとして売上を計上している案件の総計を示しています。一方、薄い紫色のグラフの「電通商流」は、主に電通グループを通じて計上している売上を示しています。
このセプテーニ商流と電通商流を合計した数値として、電通協業の進捗を記載しています。
この四半期では、国内の大手顧客だけでなくグローバルブランドの獲得が寄与し、電通協業売上高の実績は前期比プラス56.3パーセントの約139億円となりました。引き続き、好調な進捗を見せています。
連結従業員数推移
連結従業員数推移です。この4月には新卒社員が26名入社しました。一方で、事業ポートフォリオマネジメントの推進に伴う連結除外等による増減の結果約25名減少し、今四半期末の従業員数は1,878名となっています。
引き続き、従業員数の適正水準を維持し、グループ全体の人員配置の適正化や効率化を促進していきます。
Non-GAAP営業利益・生産性推移
連結ベースのNon-GAAP営業利益および生産性の推移を示しています。
先ほどお伝えしたとおり、足元では従業員数が若干減少していますが、これはポートフォリオマネジメントの推進や適切な採用コントロールによるものです。
スライド左側には直近3年間の四半期別のNon-GAAP営業利益の推移、スライド右側には1人当たり営業利益の変化をグラフで示しています。
費用の大幅な増加を伴うことなくトップラインの拡大を実現したことにより、Non-GAAP営業利益の額および率ともに拡大・向上を続けています。
その結果、生産性指標である従業員1人当たりの営業利益は、今期第1四半期で124万円、今回の第2四半期で35万円となり、直近2年の水準を上回りました。
人員の適正配置と効率化が進んだことで、適切なリソース配分により高い利益を生み出せる、筋肉質な組織体制へと着実に進化しています。
マーケティング・コミュニケーション事業 業績概況
セグメント別の概況についてご説明します。まずはマーケティング・コミュニケーション事業です。
売上高は、既存顧客の拡大を中心に約345億円を達成し、前期比プラス24.7パーセントと大きく増収しました。
Non-GAAP営業利益は前期比プラス43.3パーセントの約11億円と、大幅な増益を記録しました。これは、原価や販売管理費を大きく増加させることなく、コスト効率化を重視しながらトップラインの拡大を実現する経営を行った結果であると捉えています。
マーケティング・コミュニケーション事業 四半期業績推移
マーケティング・コミュニケーション事業の四半期業績推移です。従業員1人当たりの生産性が向上し、Non-GAAP営業利益率は前期比で5.2ポイント改善して20.5パーセントとなっています。
今後は各案件の拡大やソリューション販売の強化を進めることで、収益性と生産性を向上させ、営業利益率のさらなる改善を目指します。
マーケティング・コミュニケーション事業 トピックス
トピックスとして、Indeedの認定パートナー制度における2つの受賞についてご報告します。
このたび当社は、Indeedの認定パートナー制度において、2025年度下期のPlatinumカテゴリで「総合売上賞」と「ベストグロース賞」をダブル受賞することができました。
今回の受賞は、同カテゴリ内で最も高い売上実績と、大幅な成長率を同時に達成したことが評価されたものであり、当社の運用力の高さを証明できたと考えています。
ダイレクトビジネス事業 業績概況
ダイレクトビジネス事業についてご説明します。まず業績概況です。既存顧客の拡大により、収益は約18億円となり、前期比プラス11.2パーセントの成長を実現しました。
また、新たな収益モデル構築に向けた先行投資を増やしつつも、Non-GAAP営業利益は前期比プラス8.9パーセントの3億6,000万円で着地しました。
ダイレクトビジネス事業 四半期業績推移
ダイレクトビジネス事業の四半期業績推移です。期初から見込んでいたD2C事業の強化に向けて設立・買収した子会社での先行投資によりNon-GAAP営業利益率は低下していますが、事業規模は着実に拡大しています。
データ・ソリューション事業 業績概況
データ・ソリューション事業についてご説明します。まず業績概況です。開発案件におけるエンジニアの稼働率向上や、研修事業およびソリューションなどのサービスラインナップ拡充の効果により、収益は8億9,000万円で、前期比プラス9.6パーセントとなりました。
データ・ソリューション事業 四半期業績推移
データ・ソリューション事業の四半期業績推移です。四半期単体で過去最高収益を更新することができました。
引き続き、人員数の適正化と稼働率の改善を継続しながら、トップラインの増加および利益率の改善を目指していきます。
データ・ソリューション事業 トピックス
データ・ソリューション事業のトピックスをご紹介します。Anthropic社が提供する「Claude」の4製品を網羅し、導入から設定、実務への定着までを支援する「Claude Code法人導入研修」の提供を開始しました。
当社内でのAI活用を進めつつ、そのノウハウを基に各企業の持続的な成長や組織変革への貢献を目指していきたいと考えています。
2026年12月期通期業績予想の修正(連結)
業績予想の修正と、修正後の業績予想に対する進捗状況についてご説明します。
スライドは、今回の通期業績予想の修正内容を記載したものです。2026年5月26日に公表した、LION DIGITAL GLOBAL社の株式譲渡に伴い、東南アジアの連結子会社の清算を決定しました。
これによる法人税負担の軽減効果を反映し、親会社の所有者に帰属する当期利益の通期予想を60億円に上方修正することを決定しました。
2026年12月期通期業績予想(セグメント別)
セグメント別の通期業績予想についてです。マーケティング・コミュニケーション事業、ダイレクトビジネス事業、そしてデータ・ソリューション事業の3事業ともに、増収増益を見込んでいます。
なお、今回の修正は連結業績予想のみであり、セグメント別の業績予想に変更はありません。
修正後業績予想に対する進捗状況(連結)
修正後の業績予想に対する進捗についてご説明します。下期においては、世界情勢をはじめとしたマクロ環境の不透明化に起因する当社の業績への直接的な影響は見込んでいません。
一方で、広告市場全体への間接的な影響が生じる可能性を考慮し、保守的な前提を設定しています。
事業成長に加え、筋肉質な事業基盤の構築による収益性や生産性の向上を図り、通期業績予想の達成を目指して取り組んでいきます。
業績予想に対する進捗状況(セグメント別)
修正後業績予想に対するセグメントごとの進捗についてご説明します。
8月時点の修正後業績予想に対して、各セグメントともに順調に進捗しています。
株主還元の実施
株主還元の実施についてご説明します。2026年6月30日を基準日とする期中の剰余金配当を9円で実施する旨を、7月の取締役会で決議しました。
今後もキャピタルアロケーションと株主還元方針に沿って、株主還元を実行していきます。
セプテーニグループのストーリー
最後に、セプテーニグループのストーリーについてです。今期、新たにローンチまたは開示した内容をまとめてご紹介します。
4月に当社の創業35年の歴史と挑戦の軌跡をたどるアーカイブサイト「SEPTENI STORY」を公開しました。5月には「VISION 2030」や中期経営計画を軸に制作した2025年度版の統合報告書を公開しています。
さらに5月より、当社グループの事業概要や今後の成長戦略等に対するご理解をより一層深めていただくことを目的に、株式会社シェアードリサーチによる当社のアナリストレポートを公開しています。今後は当社の決算発表に合わせ、四半期ごとに内容の更新が行われる予定です。
当社グループの事業概要や今後の成長戦略などへのご理解をさらに深めていただけるよう、引き続きIR活動を進めていきます。ぜひご覧ください。
以上で、2026年第2四半期の決算についてのご説明を終わります。今期も折り返し地点となりますが、上期においては全事業の成長とポートフォリオ最適化により、過去最高の実績を更新することができました。
この好調な勢いを維持し、上方修正後の業績予想の達成に向けて、グループ一同、引き続き邁進していきます。セプテーニグループへのご支援を今後ともよろしくお願い申し上げます。本日はありがとうございました。
質疑応答:世界情勢の広告市場への影響について
質問者:スライド32ページの通期業績予想の説明部分で言及があった「広告市場全体への間接的な影響」について、これは具体的に何を想定されているのでしょうか?
またマクロ環境について、イラン紛争の影響はないと説明している他社や代理店もありますが、足元のマクロの広告市場の見え方について、特にインターネット広告市場に関してコメントをいただけると幸いです。
神埜:現時点では広告予算の縮小といった大きな影響は見られていませんが、お客さま側の生産・製造状況や為替影響などに起因する市況の変化については、下期以降も予断を許さない状況にあると考えています。
このような間接的な影響の顕在化可能性に関しては、引き続き慎重に見極めながら対応していきたいという主旨です。
また、マクロ環境については、クライアントの業種によってさまざまです。例えば金融業界のお客さまにおいては、金利上昇に伴って広告出稿意欲が非常に高まっています。
一方で、災害などにより生産面で影響を受けているお客さまもいらっしゃいます。これらの状況を総合的に考慮しながら、下期は前期と同様の水準になることを見込んでいます。
第1四半期、第2四半期ともに、前期実績を上回る結果で折り返すことができましたので、引き続き下期も困難に屈せず前進していきたいと考えています。
質疑応答:電通グループとの業務提携の持続性と市況影響について
質問者:電通グループとの業務提携による電通協業売上高が非常に好調に推移していると思われます。こちらの今後の持続性についてうかがえますでしょうか?
またこちらについては、仮にマクロ環境が崩れた場合には市況の影響を受けやすいものなのか、それとも比較的受けにくいタイプの案件なのか、ご解説をお願いします。
神埜:我々はデジタル広告中心に事業展開を行っていますが、広告業界全体を見ると、市況が崩れた際には、デジタルに限らずテレビなどを含めたマス広告も影響を受ける可能性があると思います。
ただし我々のデジタル領域およびマス領域においても、それほど大きな影響を及ぼしていないため、現時点では大きな問題はないと考えています。
電通協業売上高の持続性については、これは広告市場特有の内訳に関する話になります。引き続きマスを中心に広告を出稿しているお客さま、特にメーカーなどのお客さまの中には、デジタルへの広告出稿割合がテレビ等に比べて低いお客さまもいらっしゃいます。
グローバルでは広告市場におけるデジタル比率60パーセント以上に達している一方、日本においては依然としてマーケティング予算におけるデジタル比率が30パーセントから40パーセントにとどまっているお客さまもいます。
このような背景から、一時的な要因に左右されることなく、デジタルシフトは今後も継続的に進むと予想されます。テレビや新聞などの4マス媒体への予算がデジタルへ移行する傾向は、今後も変わらないと考えています。
したがって、電通協業を通じてお取引しているお客さまの予算シェアについても、特に我々が直接営業しているお客さまの多くにおいては、デジタルへの偏重が続くと現時点では見込んでいます。
質疑応答:電通協業におけるグローバルブランドの影響について
質問者:今期第1四半期から第2四半期への変化についてうかがいます。今回「グローバルブランドの獲得」という説明がありましたが、これは第2四半期から始まったものなのでしょうか?
神埜:ご指摘のグローバル顧客について、第1四半期の途中から納品が始まり、第2四半期では四半期を通じてお取引が続いています。特に売上高の増加において、大きく寄与しているお客さまです。
上期累計では、売上高の成長率はプラス16.6パーセント程度ですが、第2四半期単体ではプラス20.4パーセント成長と、さらに高い成長率を記録しています。市場全体の成長率は平均で106パーセントから108パーセント程度と見込んでいます。
したがって、この大型顧客の獲得を起点に今後も、この1、2年で進めてきた広告効果を最大化し収益率を向上させていく取り組みを継続することで、営業利益率のさらなる向上を目指していきたいと考えています。
質疑応答:第2四半期における収益成長率の鈍化要因について
質問者:グローバル顧客がマーケティング・コミュニケーション事業の売上を大きく押し上げていると思います。一方で収益の伸びが前年同期比プラス7パーセントと、第1四半期と比べると少しスローになっています。
前年のハードルは第2四半期のほうが低いため、この要因について教えてください。収益性の高い案件については成長率が鈍化しているのかどうかを確認させてください。
神埜:昨年の話に遡りますが、第2四半期は大型の国内のお客さまの影響があったことで、2024年度から2025年度の第2四半期は売上高が前年同期比で減少しました。一方で、収益率の改善があったため、2024年度の第2四半期と比較すると増収となっていました。
おっしゃるとおり、今期は売上高は高い成長率を示している一方で、収益の成長率は売上高の成長率と比べて低くなっています。
今回獲得したお客さまは、平均よりも若干低い水準の収益率となりますが、前年の大型顧客の逸失分をカバーするため、収益率が多少低くても大型顧客の獲得に取り組んだ結果です。
ただし当社では営業利益率を重視しており、営業利益率を押し下げる取引内容とならないようにマージンフィーの交渉を進めています。したがって、営業利益率は前年の第2四半期と比較してもプラスとなっています。
売上が伸びる中で、販売管理費も同じ比率で増加させると営業利益率が低下してしまうため、営業利益率を確保できるようなリソース配分やマージンフィーの交渉を徹底して行い、営業利益率を意識した営業活動を進めています。
ただし昨年からお伝えしているとおり、広告効果の改善を通じてお客さまの売上が上がることにより、当社がマージンフィーを交渉しやすい体制を整えています。まずはお客さまとの取引を確実に開始し、広告効果を着実に還元しながら、収益性を向上させる取り組みを引き続き強化していきたいと考えています。
質問者:今回獲得されたグローバルブランドのような大手顧客でも、広告効果の向上によって対売上高収益率の収益性をさらに高められる余地があるのでしょうか?
また、その結果として下期に向けて収益率が再び上昇していくのか、第3四半期や第4四半期の時点ではそれほど大きな効果は期待できないのか、このあたりの見通しを含めて教えてください。
神埜:今回の売上高の成長については、このグローバル顧客による影響が一部あるものの、それ以外にも既存の国内のお客さまが大きく増加したことも影響しています。
マージン交渉が可能かどうかは広告効果次第であり、我々がクリエイティブやケイパビリティを提供し、広告効果の改善を図ることで、マージン増加に向けた交渉はしやすくなると考えています。
この点については、今後もお客さまごとに丁寧に対話を進めていきたいと思います。
収益率については、この数年かけて20パーセント弱まで改善を進めてきました。下期はこの水準を維持しつつ、今後半年間、さらには来年にかけて可能であれば20パーセントを超える水準へと向上できるよう、取り組みを進めていく方針です。
収益率の改善に向けては、広告効果改善に基づくお客さまとのマージンフィー交渉だけでなく、当社が提供する、複数のソリューションプロダクトの拡販と、それらの売上シェアの向上にも注力することで実現していきたいと考えています。
質疑応答:対売上高収益率の今後の見通しについて
質問者:対売上高収益率についてうかがいます。引き続き20パーセント弱までの水準を意識しながら、今年、来年と進めていきたいとのお答えでした。対売上高収益率はこの第2四半期が底と見てよいのでしょうか?
それとも、今後グローバル顧客のさらなる拡大の可能性があるため、第2四半期の水準が続きそうなのでしょうか?
神埜:足元の具体的な数字は控えますが、対売上高収益率については、基本的には同水準で推移すると考えています。
ただし、グローバル顧客以外にも、国内の既存顧客との取引拡大や新規顧客の獲得が進んでいます。したがって基本的には対売上高収益率を維持しながら、さらなる向上を目指していきます。
先ほどお話ししたとおり、商品のアロケーションも意識しながら取り組んでいきたいと考えています。
質疑応答:従業員の採用計画と生産性の水準について
質問者:従業員数についてうかがいます。生産性が順調に上がってきていますが、現在のキャパシティは十分なのでしょうか? また現在の生産性の水準は、採用の加速が必要な段階には達していないのでしょうか?
さらに、生産性の絶対値をどこまで向上させられる見込みがあるのか、現在の手応えを教えていただけますでしょうか?
神埜:まず、現状の組織状況について、社内ではAIの活用がかなり進んでいます。一方で部署によっては当社サプライチェーン内で逼迫が見られるところや、まだAIを活用できる余地があるところがあります。
特に、売上高拡大に向けては、組織における直間比率を上げていく必要があり、現在30パーセント前後であると認識しています。
この点に関しては、ここ数年はコスト効率化を重視しており、新卒採用偏重だったところから中途採用を増やす方向へとシフトさせてきました。中途採用については期中でコントロールできるため、需給バランスなどに応じて適正な採用数を維持できています。
直近2年ほどで収益率や利益率が大幅に改善し、売上高も継続的に成長しています。したがって来年以降は新卒採用等を前年比で少し拡大させ、組織体制のリソース拡充を進める計画を立てています。
具体的には、新卒採用は今期の4月で26名でした。来期はそれよりも多く採用する計画を進めています。
生産性については、数年前までは従業員1人当たり営業利益が年間200万円台でしたが、現在は300万円を目標に、収益の生産性よりも営業利益の生産性の向上を重視し、事業活動を進めています。
スライドにも記載があるとおり、2027年度、2028年度の目標を前倒しで進行中です。しかしながらこの生産性の基準をあまりにも高く設定すると、売上高の伸長が遅れる可能性もあるため、基準値の設定については慎重に計算しながら、現状の運営状況や組織状態を考慮して検討を続けていきます。
基本的には生産性をさらに向上させる方向で計画しており、この方針は来年以降も続けていく予定です。
質疑応答:中期経営計画における2028年度までの定量目標の見直しについて
質問者:中期経営計画についてうかがいます。定量目標の見直しを行う場合、もともとの成長率を維持したまま発射台が上がるかたちになるのか、生産性が向上してさらに上を目指せるのかについて教えていただけますでしょうか?
神埜:来期以降の中期経営計画のアップデートについては、生産性の向上も考慮しつつ、基本的には2027年度の目標を2026年度に前倒しで達成することを目指しています。
計画見直しの方向性としては、基本的には上方修正する方向で進めていきたいと考えています。詳細については下期の生産性や採用数などの状況を踏まえて計画していきたいと考えています。
具体的な数字については通期決算に向けて計画の見直しを進めていきたいと考えています。
質疑応答:LION DIGITAL GLOBAL社に関連する法人税軽減効果について
質問者:LION DIGITAL GLOBAL社の株式譲渡に関連する法人税の軽減効果は恒常的に続くものなのか、今期の一過性の要因なのかについて確認させてください。
神埜:法人税の軽減効果に関しては、基本的には一過性であり、今期だけのものと捉えていただければと思います。
質疑応答:消費者のAI活用拡大によるマーケティング活動と広告ビジネスの変化について
質問者:消費者のAI活用拡大に伴う広告主のマーケティング活動や、御社のビジネスの変化についておうかがいします。これまでは検索の変化についてでしたが、今回は購買行動の変化の影響についてお聞かせください。
消費者のAI活用拡大に伴い、Webサイトやモバイルアプリ経由ではなく、AIやAIエージェント経由でサービスの予約や購入を行う比率が高まっていった場合、マーケティング手法も変わると思います。
そのような場合、広告商材が変わるだけで、広告代理店ビジネスへの影響は軽微と想定されているのでしょうか? もしくは比較的大きな変化を予想されているのでしょうか?
現在の消費者の購買行動の変化が、広告主のマーケティング活動、または御社や広告代理店のビジネスにどれほど影響するかについてご意見をお聞かせいただけると幸いです。
神埜:まず、消費者のAI活用が現状のデジタルメディアに与える影響について、ネガティブな記事なども散見されます。特に国内の主要メディアや外資系メディアを含めたメディア動向、特に検索連動広告への影響に関してはみなさまも注目されているところかと思います。
ネガティブな見方がある中でも、実態としては検索連動広告自体の成長率はマイナスにはなっていません。むしろプラスで、市場平均成長程度には伸びている状況です。そして我々はそれを上回る成長を実現できています。
したがって、サーチ、ディスプレイ、SNSなどの既存の広告媒体やメディアでネガティブな変化が起きているかについては、我々が足元の動向を見る限りでは、そのような傾向はそこまで感じられないと考えています。
一方で、AI活用によってメディアや消費者行動の変化は今後さらに大きく進んでいく可能性がありますが、これらの変化が進むスピードとしては徐々に進んでいくものと考えられます。
そのため、新たなメディアの登場や各AI等のプラットフォーマーが提供する広告商材については随時キャッチアップし、広告代理店として消費者と企業をつなぐモデルの研究と開発を引き続き進めていきたいと考えています。