■要約
SBIリーシングサービスは、SBIホールディングス傘下のグループ企業であり、同グループの「金融サービス事業」のうち、航空機・船舶等のオペレーティング・リースファンドの組成・販売を主力事業とする。航空・海運会社等から入札及び個別交渉により案件を獲得・組成し、提携する地域金融機関や税理士・会計士等のパートナーと連携して、法人所得の繰延ニーズや実物資産投資のニーズを持つ投資家への販売を行っている。
1. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期の連結業績は、売上高で前期比53.3%増の64,257百万円、営業利益で同44.6%増の9,730百万円、経常利益で同42.7%増の8,681百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同37.9%増の6,051百万円となり、各利益は2026年1月に上方修正した修正計画を上回って着地した。経常利益は株式上場後4期連続の増益となり、過去最高益を更新した。業績好調の背景としては、リースの借り手となる航空業界・海運業界ともにコロナ禍による業績低迷からの回復を経て順調な事業環境にあったこと、投資家需要が順調であったことが挙げられる。こうした状況の下、同社では有力パートナーとのリレーション強化や年間を通じた安定的な商品供給など営業基盤の強化を図り、JOL(Japanese Operating Lease)(ジョル)商品及びJOLCO(Japanese Operating Lease with Call Option)(ジョルコ)商品ともに過去最高の販売金額となるなど商品販売が好調に推移したうえ、為替が緩やかな円安傾向であったこともあり販売に係る売上原価、販管費等のコストを抑制できたことが主な増益要因として挙げられる。
2. 2027年3月期の業績見通し
2027年3月期の連結業績は、売上高で前期比2.7%増の66,000百万円、営業利益で同6.9%増の10,400百万円、経常利益で同2.5%増の8,900百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同0.8%増の6,100百万円と、増収増益を見込む。同社は業績予想の前提として、組成金額を前期比10.5%増、商品出資金等販売金額を前期比12.7%増と、さらに上積みする計画である。2026年2月に始まったイラン紛争を契機として中東情勢が緊迫化するなど、事業環境はやや不透明さが残るものの、JOLCOを中心に商品販売を拡大する方針である。
3. 中期経営計画等
2027年3月期から2029年3月期までを対象期間とする中期経営計画において、「平均10%+αの安定・継続的な経常利益成長」「インテグリティ重視・安心安全・高度な専門性発揮」「ステークホルダーから選ばれる企業へ」という3つを基本方針としている。各年度の基本方針として「営業基盤の拡大」「多様な商品戦略」「グループ連携の深化」を掲げて、具体的な取り組みを推進している。一連の取り組みは順調に進捗しており、同社の好調な業績につながっている。
4. 株主還元策
配当については、事業基盤の構築を行いながら、安定・継続的な利益成長と財務上の安全性、今後の事業環境等を総合的に勘案したうえで決定する方針であり、連結配当性向30%以上を目途としている。株式上場以来、毎期増配を実施してきており、2026年3月期の1株当たり配当金は230.0円と、前期比60.0円の増配となった。2027年3月期は株式分割の影響を除けば、同水準の配当を維持する計画である。
■Key Points
・2026年3月期は、上場後4期連続増益かつ経常最高益を更新
・2027年3月期は、事業環境に不透明さが残るなかでも増益維持を予想
・中期経営計画では、平均10%+αの安定・継続的な経常利益成長を目指す
・株式上場以来、毎期増配を実施。2026年3月期も60.0円の増配を実施
(執筆:フィスコ客員アナリスト 古川 聖治)