■SBIリーシングサービスの会社概要
3. 事業概要
同社グループはオペレーティング・リース事業に特化している。そのため、決算開示上の「報告セグメント」は同事業の単一セグメントとなるが、事業領域として見ると、ファンド事業、ゼネラルアビエーション事業、プリンシパルインベストメント事業の3つに分けられる。もっとも、主力のファンド事業が売上高の大部分を占め、収益の柱となっている。
(1) ファンド事業
本事業は、日本型オペレーティング・リースファンドの組成・販売を行う事業である。日本型オペレーティング・リース商品には、借り手に購入選択権がない「JOL商品」と、借り手が購入選択権を持つ「JOLCO商品」があり、それぞれリース終了時の条件が異なる。
また、投資家の出資形態として、主に任意組合方式と匿名組合方式の2通りの方式がある。同社は現時点においてJOL商品に任意組合方式、JOLCO商品に匿名組合方式を組み合わせることでファンドを組成している。投資家から見た場合、JOL商品は償却メリットだけでなく、リース料収益とリース満了時のリース物件売却によるキャピタルゲインの獲得を目指す実物資産投資、JOLCO商品は主に法人所得の繰延ニーズに対応する金融商品である。
a) JOL商品
同社はJOL商品について主として任意組合方式を採用している。具体的には、同社の特別目的子会社を業務執行組合員とする任意組合を設立し、投資家からの出資金を原資としてリース物件を購入したうえで、借り手(レッシー)にオペレーティング・リース形式で貸し付ける仕組みである。同社は、投資家による出資完了後の任意組合への売却を前提として一時的に航空機等を取得する。これは貸借対照表に「販売用航空機等」として計上された後、同任意組合へ譲渡される。
同社がリース物件を任意組合に譲渡する際の損益上の会計処理としては、販売用航空機の譲渡金額を売上高に計上するとともに、販売用航空機の購入金額(諸費用を含む)を売上原価に計上する。このほか、売上高に計上されるものとして、同社がリース物件を一時的に所有し、任意組合に売却するまでの間の受取リース料、リース事業組成に係る手数料・期中管理料、リース物件売却時のリマーケティングフィーがある。
b) JOLCO商品
同社はJOLCO商品について匿名組合方式を採用し、匿名組合出資持分の投資家向け販売を行っている。この仕組みでは、同社の特別目的子会社が匿名組合の営業者としてリース物件を取得し、オペレーティング・リース事業を行う。リース開始時には、同社が匿名組合出資持分を一時的に立替出資し、貸借対照表上「商品出資金」として計上する。その後、当該出資持分を譲渡し、「商品出資金」を減額するとともに、組成等に係る手数料を売上高として計上する。
匿名組合方式における典型的な取引(リース事業)フローとしては、まず投資家もしくは同社が案件ごとに設立された特別目的子会社と匿名組合契約を締結し、航空機や船舶といったリース物件価格の約30%(比率は案件により異なる)相当額を出資(同社の場合、立替出資)する。残りの約70%相当額については、同子会社が金融機関からのノンリコースローン(借入れを行わない場合もある)によって調達し、これらを原資としてレッシー等からリース物件を購入して借り手へのリース事業を開始する。その後、同社が立替出資をしている場合は、投資家に匿名組合出資持分を譲渡する。
また、リース開始後、借り手から特別目的子会社へ支払われるリース料は、ノンリコースローンの元本及び利息の返済に充てられる。同子会社は定期的にリース事業の決算を行い、その事業損益を出資割合に応じて投資家へ分配する。リース期間終了後、物件の処分に伴う残余金額を出資割合に応じて投資家へ分配する流れとなっている。
(2) ゼネラルアビエーション事業
ゼネラルアビエーションとは、民間航空のうち、航空会社による定期航空運送路線を除いた航空の総称である。本事業では、小型航空機やヘリコプターなどの償却資産の売買、またそれらを対象にしたリース事業向け投資案件の組成・管理から、投資家への販売までの一連の業務を担っている。主な取り扱いは小型旅客機やドクターヘリであり、同社は各取引を通じて収益を得る。
リース事業案件は、1機当たりの機体価格が大型航空機への投資に比べて少額であり、リース期間も5年程度と短い。そのため投資家にとっては、比較的少額かつ短期間で投資を行える点がメリットとなる。
(3) プリンシパルインベストメント事業
本事業は、同社の連結子会社が自らリース物件となる船舶を保有し、海運会社を借り手としてオペレーティング・リースを行う事業である。同子会社では、本事業で受け取るリース料などを売上高に計上する。なお、必要資金については、金融機関及び同社からの借入金によって調達する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 古川 聖治)