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米中間選挙後は日本も政局?【フィスコ・コラム】

トランプ米大統領の支持率低下に歯止めがかかりません。最大の要因は、物価高や中東情勢を背景としたインフレ圧力。秋の中間選挙で共和党敗北の場合、歩調を合わせている高市首相の政策運営にも影響しそうです。今後の円安は政局流動化につながりかねません。

複数の調査で、トランプ氏の支持率は30%台半ばと第2次政権発足後の最低水準に落ち込みました。関税や原油高に伴う物価上昇への不満に加え、中東情勢の長期化も逆風に。共和党内でも接戦州の議員を中心に政権と距離を置く動きがみられ、中間選挙では下院で民主党が多数を奪還するとの見方が優勢。ただ、上院は共和党が比較的有利で、「ねじれ議会」が現時点の基本シナリオです。

共和党は大敗を免れたとしても、残りの任期が2年余りとなるトランプ氏の求心力低下は避けられそうにありません。その際、対米関係を最優先させてきた高市政権も無関係ではいられないでしょう。つい最近、トランプ政権は過度な円安を止めるために日本との協調介入に踏み切ったばかり。その効果でドル・円は一時155円台まで落ち込み、その後も追加実施への警戒は続いています。

この「円安の防波堤」にも変化が生じるかもしれません。米国が次の協調介入に応じるとの期待が後退すれば、市場は日本単独の対応力を改めて試すでしょう。通常なら、米国のねじれ議会は財政拡大への警戒を和らげ、米金利低下を通じたドル売り材料となります。それでも日米協調という強力な円買い材料が失われれば、ドル・円は7月高値を上抜け、さらに上値を試す展開も考えられます。

円安基調が一段と強まった場合、高市政権にどう作用するでしょうか。輸入物価の上昇を通じて食品やエネルギー価格が押し上げられ、物価高への不満は抑えられなくなります。しかし、積極財政を掲げる政権が円安を止めるため日銀に大幅な利上げを求めるのであれば、自らの政策との矛盾も生じます。「円安に手を打てない内閣」との批判から、2月の総選挙で得た高い支持はさらに削られかねません。

選挙で獲得した議席が多いほど政権基盤は安定するものですが、長続きしないのが政治の世界。実際、自民党内では歴史的大勝利にもかかわらず、内部分裂は必至と党内で囁かれています。財政政策や日銀との距離を巡って路線修正を求める勢力が台頭すれば、巨大与党内の対立が一気に表面化しそうです。米中間選挙をきっかけとした円安が、日本の政局を動かす火種になっても不自然ではないでしょう。
(吉池 威)
※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。

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