マネーボイス メニュー

ダイナムジャパンHD Research Memo(1):2026年3月期は減収減益。2027年3月期は稼働率向上へ

■要約

ダイナムジャパンホールディングスは、店舗数で国内第1位の日本最大級のパチンコ店運営企業である。チェーンストア理論に基づいて練り上げられてきたローコストオペレーションに強みを持つ。ビジョンとして「地域のインフラとしてパチンコを誰もが気軽に楽しめる『日常の娯楽』に改革する」ことを掲げている。顧客第一主義や情報開示、コンプライアンス経営の徹底など質の高い経営を実践し、業界初の株式上場を果たしたパイオニア企業でもある。

1. 2026年3月期決算の状況
2026年3月期決算は、営業収入で前期比2.3%減の123,186百万円、営業利益で同16.6%減の9,154百万円となった。営業収入は、航空機リース事業が同9.1%増と順調に拡大したものの、パチンコ事業が客数増加を目的とした還元増加施策の実施により同3.0%減となり、2期連続の減収となった。貸玉収入は施策の効果により同1.0%増と2期ぶりに増加へ転じたものの、営業収入を回復するまでには至らなかった。利益面では、遊技機関連費用や水道光熱費の減少を主因にパチンコ事業費用が改善したものの、その他の収入の減少やパチンコ事業における減損損失の増加が減益要因となった。期末のグループ店舗数は前期末比4店舗減の423店舗となった。6店舗を閉店し、2店舗をM&Aで取得した。新たに取得した2店舗については、若中年層をターゲットにSNSを活用したプロモーション施策を実施したことで、グループ化前と比較して収益力が大きく改善した。

2. 2027年3月期の事業方針
2027年3月期は、パチンコ事業、航空機リース事業ともに増収増益を目指す。パチンコ事業では引き続き還元増加施策を実施し、客数及び貸玉収入の増加に取り組む。遊技機関連費用及び水道光熱費の増加が見込まれているが、これらを貸玉収入の増加によって補う計画である。パチスロ機に比べ回復の鈍いパチンコ機については、メーカー側の開発方針が射幸性から娯楽性をより重視する方針に変わってきており、こうした機種の投入が2026年末以降始まるものと見られ、店舗での稼働率も上向くものと期待される。また、新たな取り組みとして(株)ネクストプレイズを新設し、クレーンゲーム事業を開始する。閉店店舗及び人材を有効活用し、まずは上期中に3店舗を開設し、下期はこれら店舗の収益状況を踏まえて検討していく。景品の約80%を生活必需品で占めるスーパーマーケット型のクレーンゲーム専門店となる。他社店舗では1店舗当たりの売上でパチンコ店を上回る店舗もあるようで、状況次第では同事業を地域の活性化につながる新たな娯楽施設として拡大していくことも考えられる。航空機リース事業は前期末で13機(エンジン1基含む)を保有しており、2027年3月期は一部売却を予定している。

3. パチンコ事業の見通し
パチンコホール業界では、厳しい市場環境が続くなかで経営体力のない企業の淘汰が進んでおり、店舗数の減少傾向が続いている。同社も将来的に採算改善が厳しいと判断した店舗に関しては、更地撤退や新規事業への転換、リーシングなどを進め、想定される費用について2026年3月期に減損処理を実施した(その他減損処理も含めて3,773百万円)。パチンコを誰もが気軽に楽しめる「日常の娯楽」に改革していくというビジョンに変わりはなく、メーカー側も開発の方向性を娯楽性重視に軌道修正したこともあり、2027年以降はこうした機種が多く市場に投入されることで、客数も回復軌道に転じることが期待される。2027年は創業60周年にあたり、同社にとってもパチンコ事業再生の1年とするため、様々な取り組みを実施していく。娯楽性重視の店舗づくりが顧客から支持されれば、今後も同社の市場シェアは拡大していくものと予想される。

■Key Points
・2026年3月期は減損処理を前倒しで実施し、減収減益
・2027年3月期は客数の回復と新規事業の立ち上げに取り組む
・航空機リース事業は航空機及びエンジンの一部を売却予定、増収増益を見込む
・創業60周年を迎える2027年に、成長軌道への本格復帰を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

シェアランキング

編集部のオススメ記事

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MONEY VOICEの最新情報をお届けします。