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サカタインクス、中間期は増収増益、通期売上高予想を上方修正 価格改定と環境配慮型製品の拡販が寄与

2026年12月期第2四半期決算説明

上野吉昭氏:サカタインクス代表取締役社長執行役員の上野です。本日はご多忙の中、当社の決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。

それでは、2026年12月期第2四半期、中間期の決算についてご説明します。

目次

本日は、はじめに私から決算の要点と成長施策についてご説明します。その後、取締役執行役員の白藤より、業績概況や株主還元などについてご説明します。

決算要点(長期ビジョン 基本方針)

まず、私から中間期決算の要点についてご説明します。今期は、事業拡大・収益力強化のフェーズであるCCC-Ⅱの最終年度です。

今回特にお伝えしたいのは、2つです。ひとつは、厳しい事業環境下でも安定供給と増収増益を実現したことです。もうひとつは、2030年に向けた成長施策が着実に進展しているということです。

決算要点

まず、中間期の業績についてご説明します。

2026年上期は、中東情勢の影響により、原油・ナフサ由来の原材料価格が上昇するなど、期初に想定していた事業環境から大きく変化しました。当社は顧客への安定供給を最優先に、グループ会社間の連携や調達先の拡大など、グローバルネットワークを活用して原材料の確保に努めました。その結果、調達に大きな支障はなく、安定供給を継続しています。

一方、原材料価格や物流費、人件費などのコストは上昇しました。これに対し、適正な価格改定を実施するとともに、環境配慮型製品を中心とした拡販、グループ間の共同購買による原価低減、事業構造改革などを進めました。これらの取り組みにより、米州での拡販による数量増や、日本、欧州での利益改善が業績を牽引し、前年同期比で増収増益となりました。

通期業績予想については、中間期実績が計画を上回って進捗した一方、下期には、上期に仕入れた原材料の製品原価への反映が本格化することや、中東情勢の先行きが依然として不透明であることを踏まえ、売上高は期初予想から上方修正するものの、営業利益は据え置いています。

株主還元については、年間配当100円と自己株式取得を合わせ、総還元性向50パーセント以上という目標の達成を見込んでいます。

今期のトピックスについては次のページよりご説明します。

中東情勢の影響

まずは、中東情勢影響への対応についてご説明します。

当社グループでは、このリスクに対し、各地域における原材料の調達状況、価格動向、物流への影響などを継続的に把握しています。また、当社のグローバルネットワークを活用し、供給先との材料確保に向けた交渉を早期に進めた結果、必要な原材料を確保し、現時点において、顧客への安定供給を継続できています。

引き続き、安定供給を最優先に、状況の変化を迅速に把握し、必要な対策を機動的に講じていきます。

中東情勢の影響

中東情勢におけるセグメントごとの影響についてはスライドに記載のとおりです。

原材料価格を含めた調達コストについては、特にアジアと日本が大きな影響を受け、原材料の安定確保のためにも、仕入れ価格の上昇とほぼ同時に販売価格の改定を実施し、業績への影響を抑制することができました。

また、上期は価格改定効果による利益が先行している部分もありましたが、下期は、これから遅れて価格が上昇してくる原材料もあり、製品原価負担が増加することが見込まれるため、利益が上期よりも圧縮されると想定しています。

ただし、中東情勢の今後の推移によっては、これらの見込みが大きく変わる可能性があるということをご承知おきください。

原材料・供給リスクへの対応を、環境配慮型製品の成長機会へ

ここまでは、中東情勢に伴う原材料・供給リスクへの対応をご説明しました。

一方、このような事業環境の変化は、調達リスクへの対応だけでなく、石化由来原料への依存を低減し、環境配慮型製品を拡大していく必要性をあらためて示しています。今後も安定供給と収益安定性を確保しながら、環境対応に関する技術を磨き、製品群と提案領域を広げることで、事業環境の変化を新たな成長機会につなげていきます。

その具体的な取り組みのひとつが、新たに注力しているコーティング剤事業です。

コーティング剤事業領域の拡大

現在、パッケージ業界では、欧州のPPWRをはじめとした環境規制の強化を背景に、サーキュラーエコノミーに対応した新たなパッケージへの要求が高まっています。

日本においても、循環型社会の形成に向け、リサイクル可能な包材などの拡大が見込まれています。

こうした変化に対し、当社は、食品包装に求められる安全性や品質を材料面から支えるとともに、機能性コーティング剤の提案を強化しています。

国内では、東京工場に、食品に直接接触するコーティング剤の製造設備を導入し、食品包装材料として適した衛生的な生産環境と品質・安全管理体制の構築を進めています。アメリカでは、INX C&A が持つ技術や顧客基盤を活用し、インキとコーティング剤を組み合わせた一体提案を強化しています。

将来的には、日本とアメリカで蓄積した知見を横展開し、グローバルで同水準の品質と提案を提供できる体制を構築していきます。

新規事業の創出

続いて、新規事業の創出についてご説明します。

これまで、スライド記載の4分野を注力領域として取り組んできました。今後は特に「エレクトロニクスケミカル」と「バイオケミカル」を成長戦略の軸として重点的に取り組みます。

具体的には、AIの進化に伴う半導体・電子デバイス市場の拡大や、環境対応材料へのニーズを踏まえ、自社技術だけではなく、外部企業の知見や機能を積極的に取り込み、研究開発から市場投入までのスピードを高めていきます。

その具体的な事例を次のページで紹介します。

新規事業の創出 – エレクトロニクス領域強化戦略と進捗

当社は、半導体をはじめとする電子デバイス全般の開発、製造、評価を行うコネクテックジャパンとの資本業務提携を7月31日に発表しました。

当社の材料設計・分散技術と、コネクテックジャパンの実装・評価・プロセス開発力を組み合わせ、材料開発から実装評価までを一体的につなぎ、評価と改善のサイクルを速めるとともに、電子デバイスを支える実装基板や電子部材領域における新たな材料や用途の開発を進めています。

今後、このほかにもエレクトロニクス向けの材料の展開を加速させ、エレクトロニクスケミカル分野を将来の収益基盤へ育成していきます。

それでは、次のページから、取締役執行役員の白藤より、ご説明します。

第2四半期(中間期)連結業績

白藤貴幸氏:白藤です。私からは、中間期の連結業績や通期予想などについてご説明します。

まず、上期における当社グループの業績ですが、売上高は1,420億円、営業利益は90億円、経常利益は99億円、親会社株主に帰属する中間純利益は66億円の増収増益となり、今期予想の達成に向け着実に進捗しています。次のスライドで増減要因をご説明します。

2026年12月期 第2四半期(中間期)前年同期比 要因別増減

売上高については、環境に配慮したパッケージ用インキを中心に、メタルインキやコーティング剤などの販売数量が着実に伸び、また、原材料価格上昇に対して適正な価格改定を進めました。これにより、売上高は前年同期比156億円の増収となりました。

営業利益については、中東情勢の影響に伴う原材料価格の上昇や、米州を中心として人件費や物流費のほか、ERPシステムの導入・更新などの将来に向けた投資による経費の増加がありました。

一方、販売数量の増加に加え、価格改定効果、原材料の共同購買や生産体制の見直し、不採算品目の積極的な削減などによる事業構造改革などの効果により、前年同期比13.8億円の増益となりました。

セグメント別 実績(売上高・営業利益)

セグメント別の実績はスライドに記載のとおりです。

詳細は、セグメント別ページでご説明します。

連結貸借対照表

連結貸借対照表については、スライドに記載のとおりです。

キャッシュ・フロー計算書

キャッシュ・フロー計算書については、スライドに記載のとおりです。

通期連結業績予想

次に通期予想についてご説明します。

当社が主力とするパッケージインキは、食品や日用品をターゲットとするエッセンシャルなマーケットであるため、今後も緩やかな成長が続き、環境配慮型製品を軸とした拡販が進むものと想定しています。しかし、中東情勢の先行きが不透明であり、今後の見通しが難しい状況にあるため、下期は原材料価格の上昇が本格化し、利益が圧迫されると見込んでいます。

そのため、通期業績予想については、売上高を2,865億円に上方修正するものの、各段階利益については据え置いています。

セグメント別 予想

セグメント別の予想については、スライドに記載のとおりとなります。

上期の業績や現段階での事業見通しを踏まえ、各セグメントの通期予想を変更したものの、営業利益の合計額は期初予想の170億円から変更はありません。

印刷インキ・機材(日本)

ここからは、各セグメントの中間期実績と通期の見通しについてご説明します。

はじめに日本セグメントですが、販売面では、事業構造改革に伴う不採算品目の削減が進展した一方で、パッケージ用インキは安定した需要や拡販により、回復してきています。

利益面については、一昨年から進めていた過去のコスト上昇に対する価格改定効果に加えて、不採算品目の削減に伴う事業構造改革の効果、さらに中東情勢影響による原材料価格の上昇に応じて適正に販売価格へ反映させたことにより、前年同期比で大幅な増加となりました。

通期予想については、販売は堅調に推移すると見込むものの、原材料価格の上昇が下期に本格化すると見込んでおり、下期の利益水準は低下する見込みです。これにより通期営業利益予想は、32億円を想定しています。

印刷インキ・機材(日本)

また、日本市場における取り組みとして、2つのトピックスをご紹介します。

日本市場では、環境対応や食品安全への要求の高まりを成長機会と捉え、供給体制の強化と次世代技術への対応を進めています。

食品包装分野では、先ほどご説明したDFC対応設備を東京工場に導入し、高機能コーティング剤の供給体制を強化します。

また、サステナブルな包材のニーズを背景に、フィルム用水性フレキソ印刷やEBオフセット印刷への関心が高まっています。

当社は、既存の環境配慮型グラビアインキの拡販に加え、水性フレキソインキやEBオフセットインキの提案・評価を進め、次世代のフィルムパッケージ印刷市場の開拓に取り組んでいます。

印刷インキ(アジア)

次に、アジアセグメントについてご説明します。

販売面では、主力市場であるインド、インドネシア、ベトナムを中心に販売が回復しました。また、ベトナムで生産設備の増強を進めているメタルインキについても、拡販が進みました。一方、タイやマレーシアなど一部地域では販売が伸び悩むなど、地域ごとに強弱はあったものの、セグメント全体では前年同期比で増収となりました。

利益面では、コストの上昇に対し、各国で迅速に価格改定を進めたことで、その影響を概ね吸収することができました。また、アジア統括会社主導による共同購買や生産、在庫最適化の効果も着実に表れています。

通期予想については、販売数量はさらに伸びていくと見込むものの、原材料価格が引き続き上昇し、競争環境もさらに厳しさを増すことで、販売価格への下押し圧力が強まると見込んでいます。

このような事業環境を踏まえ、営業利益予想は期初の74億円から66億円へ見直していますが、前年実績に近い水準の利益を確保できる見通しです。

印刷インキ(米州)

次に、米州セグメントについてご説明します。

売上高については、インキの販売が堅調に推移したほか、コーティング剤についてもINX C&Aとのシナジーが進み、クロスセル拡大による販売増加が寄与しました。

一方、利益面では、中東情勢の影響による原材料価格上昇に対し価格改定を進め、影響を抑制することができました。しかし、依然としてインフレによる人件費や物流費の上昇には、価格改定やコスト低減を進めているものの、すべてをカバーできるまでには至っていません。加えて、ERPシステム更新に伴う一時費用やブラジル新工場の稼働に伴う減価償却費負担の増加もあり、前年同期比では減益となりました。

通期予想については、インキおよびコーティング剤の拡販継続を見込む一方、コスト上昇や新工場関連費用の影響を織り込み、営業利益予想については期初予想を見直し、47億円としています。

中計で掲げた利益水準に近い収益力を維持しながら、中長期的な成長基盤の強化を進めていきます。

印刷インキ(欧州)

続いて、欧州セグメントについてご説明します。

販売面では、環境規制強化を背景とした環境配慮型パッケージ用インキの拡販に加え、メタルインキにおける大手顧客でのシェア拡大や、東欧、アフリカ向けの販売が伸長しています。

利益面では、販売数量が好調に伸びていることが大きく貢献しています。また、コストが上昇したものの、価格改定の実施に加え、事業構造改革による収益改善効果が寄与し、前年同期比で大幅に増益となりました。

通期予想については、コスト上昇が継続することで下期の利益は低下すると見込んでいますが、環境配慮型製品の拡販や価格改定の継続により、営業利益は7億円を見込み、中計目標を上回る利益水準を達成する見通しです。

機能性材料

最後に、機能性材料セグメントについてご説明します。

主力のインクジェットインキについては、中東情勢影響を受け、需要が減少したことや顧客での在庫調整などにより、販売数量は前年並みとなったものの価格改定により売上が伸びました。一方で、顔料分散液はサッカーワールドカップ開催によるテレビ需要拡大を背景に販売は堅調でした。

利益面では、原材料価格の上昇に対して、適正な価格改定を進めたことで、営業利益はほぼ前年並みとなりました。

通期予想については、顔料分散液の販売拡大やインクジェットインキの新規採用案件の進展を見込む一方、一部案件の立ち上がり時期が後ろにずれることや原材料価格の上昇を織り込んだため、期初予想を見直し、26億円を見込んでいます。

次に、投資実績や予定についてご説明します。

投資実績および予定額(非連結含む)

当社は2024年から2026年までの3年間で、累計250億円規模の投資を計画しています。

今年度は米州およびアジアを中心に、生産能力の増強や供給体制の最適化を進めるとともに、ERP導入による経営基盤強化にも取り組んでいます。また、戦略的投資については、新規事業創出に向けた資本業務提携やポーランドへの生産拠点の進出を決定しています。

これらの投資を着実に実行することで、将来の事業拡大と収益力向上につなげていきます。

株主還元

株主還元について、あらためてご説明します。

2026年度の中間配当については、昨年上期の45円から5円を増配し、50円、期末配当も50円とし、年間配当100円を予定しています。

また、本年3月には10億円の自己株式取得を実施しています。これらの施策により、総還元性向は50パーセント以上となり、中計で掲げる株主還元目標の達成を見込んでいます。

今後も成長投資とのバランスを図りながら、資本効率向上と株主価値の最大化に取り組んでいきます。

持株会社体制への移行

最後に、2027年1月に予定している持株会社体制への移行についてご説明します。

持株会社体制への移行により、各国・各地域に分散している経営資源をグローバル視点で最適配分し、成長が期待できる事業や地域へ重点的に投資していきます。

また、経営と事業運営の役割を明確化することで、意思決定の迅速化とガバナンスの強化を図るとともに、環境配慮型製品やコーティング剤事業の拡大、新規事業の育成をさらに加速し、長期ビジョンの実現を目指していきます。

以上で、2026年12月期第2四半期決算説明を終了します。ありがとうございました。

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