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ジェイテックコーポレーション、X線ミラー等のオプティカル事業で売上・受注残が過去最高 半導体関連加工・研磨装置も大型受注

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津村尚史氏:みなさま、本日はお集まりいただき、誠にありがとうございます。株式会社ジェイテックコーポレーション代表取締役社長の津村尚史です。

これより2026年6月期の決算についてご報告します。本日は、まず当社の事業、次に2026年6月期の業績、さらに2027年3月期の業績見通し、最後に2022年春に策定しました「Innovation2030」の現状についてご報告します。

ビジネスセグメント

当社の事業についてご説明します。現在、当社は産学連携で実用化に成功したX線ナノ集光ミラーを中心とするオプティカル事業、事業化に最も力を入れている次世代加工・研磨装置を中心とする機器開発事業、設備投資により開発・販売を進めている各種自動細胞培養装置を中心とするライフサイエンス事業、そして2021年に子会社化した電子科学の事業、この4つの事業を展開しています。

2026/6期 決算(連結):ハイライト

2026年6月期の業績についてご報告します。今年度の決算は、前年度と比べて増収減益となりました。また、売上総利益率は前年と比較して改善しましたが、営業利益率は若干悪化し、当期純利益およびROEはほぼ横ばいとなりました。

2026/6期 決算(連結):損益状況

損益状況についてです。売上高は昨年と比べて微増しました。売上総利益率は改善したものの、研究開発費および社内のシステム開発費の増加により、営業利益率や経常利益率は若干悪化しました。当期純利益は前年とほぼ横ばいです。

2026/6期 決算(連結):損益状況 事業セグメント別

事業セグメントごとの損益状況についてです。オプティカル事業の売上高は前期比15.6パーセント増加し、過去最高を達成しました。利益率も改善されています。ライフサイエンス・機器開発事業においては、前期比28.9パーセントの増収となりました。

ただし、その中の機器開発事業は、次世代の加工・研磨装置の研究開発費がかさみ、売上高に転嫁できなかったため、セグメント全体としては赤字幅が拡大しました。

一方、ライフサイエンス事業は企業や研究機関からの開発委託を受注し、黒字に転じています。

電子科学では収益の柱である昇温脱離分析装置「ESCO-TDS1200Ⅱ IR」の売上が伸びず、大幅に売上目標を達成できませんでした。

2026/6期 決算(連結):四半期ごとの業績推移

四半期ごとの業績推移についてです。昨年同様に第4四半期に売上が集中しました。これは主にオプティカル事業が例年どおり第4四半期に売上が集中したことが要因ですが、ライフサイエンス・機器開発事業および電子科学では、大型案件が下期に集中する見込みだったものの、売上までに至らず、結果として目標未達となりました。

2026/6期 決算(連結):事業セグメント別

事業セグメント別の業績推移を見ると、オプティカル事業では例年と同様に第4四半期に売上が集中しました。ライフサイエンス・機器開発事業および電子科学については、大型案件が下期に集中することを見込んでいましたが、機器開発事業では大型受注の遅れがあり、特に電子科学では収益の柱である昇温脱離分析装置の導入計画の遅れや中止が散見され、売上が大幅に目標を下回りました。

2026/6期 決算(連結):地域別

地域別の売上については、昨年同様、オプティカル事業のアジア向け、特に中国案件が伸びたことにより、日本を含むアジア市場の拡大が売上を牽引しました。今後もこの市場の拡大が見込まれます。

2026/6期 決算(連結):顧客属性別

顧客属性別の売上内訳を見ると、オプティカル事業の売上比率が高く、昨年度よりも大学や公的研究機関との取引、いわゆるBtoGの売上割合がさらに増加しました。

2026/6期 決算(連結):投資・キャッシュフロー

投資およびキャッシュフローについては、オプティカル事業におけるX線ミラーの生産性向上を目的とした設備投資や、半導体分野への展開を目指す研究開発費が増加しました。

キャッシュフローについては、次世代加工装置などの期末棚卸資産が増加したため、フリーキャッシュフローはマイナスとなりました。

2026/6期 決算(連結):財務の状況

財務状況については特筆すべき点はありませんが、負債は確実に減少しています。

2027/3期 業績(連結)見通し

今年度の業績の見通しについてです。当社は現在の進行期から決算月を6月から3月に変更します。つまり、今期は9ヶ月決算となります。これは、先ほどもご説明したとおり、当社の収益の柱であるオプティカル事業において、海外取引が全体の8割以上を占め、受注が春先に集中するためです。その結果、例年売上が翌年4月から6月の第4四半期に集中し、期ずれの要因となっていました。

この課題を解消するため、特定の時期に作業が集中しないようにすることで、生産量や負荷を分散し、製造工程を平準化することを目指しました。これにより、期末に売上が偏らないようにすることが目的です。

今回、9ヶ月決算となる2027年度3月期の業績については、オプティカル事業の豊富な受注残や機器開発事業の大型受注が寄与し、売上高を19億6,200万円と見込んでいます。これは前年と比べて0.3パーセント増ですが、12ヶ月に換算すると約26億円強となり、実質的には33.8パーセント増となります。また、各種利益も実質的に増益を見込んでいます。

2027/3期 業績(連結)見通し:前期末受注残高

2026年6月末時点での受注残高ですが、オプティカル事業は中国を中心に国内および欧米からの確実な受注を背景に、過去最高となる26億7,100万円を記録しました。

ライフサイエンス・機器開発事業では、着実な開発委託の受注や、AIサーバー向けの水晶発振器製造に関連するプラズマCVM加工装置やダイヤモンドウェハのPAP装置の受注により、受注残高が大幅に増加しました。電子科学では、今年度、主力製品である「ESCO-TDS1200Ⅱ IR」の受注・納品が順調に進んでいます。

2027/3期 業績(連結)見通し:セグメント別見通しのサマリー、計画のポイント

2027年3月期のセグメントごとの業績の見通しについてです。オプティカル事業では、アジア市場では中国を中心に受注が旺盛であり、日本や欧米の複数の先端的放射光施設のアップグレードにより、受注が増加しています。さらに、半導体向け高精度光学部品の受注も見込んでいます。

機器開発事業では、半導体事業の多様な加工ニーズに応えるため、4つの独自の超精密表面加工技術をもとに商品化を進めています。AI市場の成長によるデータセンターや情報通信の需要の増加、次世代パワー半導体の需要拡大を背景に、事業化が先行しています。

プラズマCVM加工装置は水晶デバイス用のウェハを対象に、厚みを均一にする加工装置の実用化に成功し、量産の自動化システムを展開しています。昨年度末には複数の大型受注も獲得しました。

ダイヤモンドウェハをターゲットとするPAP加工装置は、特にグローバルな引き合いが盛況です。また、PAPの前処理装置として開発したレーザー加工装置についても受注を獲得しました。

ECMPやCARE装置への参入も進めています。特にCARE装置では新たに補助金を獲得し、GaNウェハを対象とした新しい加工装置の開発に着手しています。

ライフサイエンス事業では、働き方改革に寄与する自動細胞培養装置のラインナップ拡大や、カスタムメイドの大型自動細胞培養システムの積極的な仕様展開を進めるとともに、一部海外市場への参入を図っています。

また、研究機関や企業との共同開発により開発に成功した骨髄液幹細胞分離装置は、患者の骨髄液由来の幹細胞を活用した脳梗塞や認知症治療を推進しています。さらに、長年にわたり産業技術総合研究所と研究開発を進めてきた独自の培養技術「CELLFLOAT」を用いた軟骨の再生医療についても、東京大学などと連携し、現在、医師主導治験を進めています。

ライフサイエンス事業においては、これらの研究開発の実績をもとに、企業や研究機関からの開発委託を複数受けています。

電子科学では、引き続き高度な半導体デバイスや各種デバイス、液晶関連の開発に対応する主力製品である昇温脱離分析装置「ESCO-TDS1200Ⅱ IR」の販売、その装置に関連するサービス提供、さらに装置を用いた受託分析事業を拡大していきます。

今期からAI半導体向けに高精度温度制御機能を搭載した新製品「ESCO-TDS1200Ⅱ IR BGM」を、アメリカで開催された半導体の国際学会で発表し、これを契機としてアメリカ市場において分析装置の販売を開始しました。

さらに、鉄鋼用の水素検出専用装置「ESCO-TDS600 IR H2」の販売と受託分析を開始し、連結売上高として合計19億6,200万円を目指しています。

Innovation2030の実現に向けて

2022年の春に策定しました「Innovation2030」の現状についてご報告します。

当社は、これまでのニッチトップ戦略で培った独自の技術を、半導体のような大きな市場や、成長が見込まれる再生医療分野に展開するため、2022年の春に中長期成長戦略「Innovation2030」を発表しました。

Innovation2030の売上目標

当社の中長期の目標は、国内外の市場でリーディングカンパニーとして特に高い収益性・効率性を実現することです。これを目指すために「Innovation2030」は策定されました。具体的には、4つの事業セグメントをもとに各セグメントの成長を図り、売上目標150億円、売上経常利益率25パーセント以上を目指します。

策定してから4年が経過した現在の進捗状況についてです。まず、M&Aに関しては、5年前に子会社化した電子科学が当社とのシナジー効果により収益を確実に拡大させているほか、さらに複数社のM&Aを計画中です。

オプティカル事業の既存事業では、放射光施設の需要が世界規模で着実に増加しており、次世代ミラーとして期待される新商品も順調に受注し、売上を伸ばしています。

新規事業として取り組んでいる半導体分野では、各種露光・検査装置やレーザーの窓材などの光学部品も積極的に受注活動を進めています。

レーザー核融合についてですが、2023年にアメリカのローレンス・リバモア国立研究所が世界で初めてレーザー核融合の点火に成功して以来、当社が以前から技術提携しており、同じくレーザー核融合方式で注目されているEX-Fusion社との技術提携を強化しています。

ライフサイエンス事業では、独自の培養技術「CELLFLOAT」が高く評価されており、本技術を活用して研究開発を進める研究者も増加しているため、当社の認知度も向上しています。自動細胞培養装置については、現在の市場シェアを維持することで、バイオ産業の成長とともに市場が拡大し、売上の拡大が見込まれます。また、再生医療や医療機器の開発も順調に進捗しています。

最も力を入れている機器開発事業では、プラズマCVM、PAP、ECMP、CAREの4つの独自加工技術により、さまざまな次世代ウェハに対応し、適用範囲を拡大しています。多くの半導体デバイスメーカーからの依頼を受けて各種ウェハのテスト加工を積極的に実施し、着実に収益を上げています。

オプティカル事業 独自の新規光学部品により放射光施設市場からより大きな半導体装置市場へ

「Innovation2030」を実現するため、Phase 01からPhase 03に分けて計画を立てています。

Phase 01では、成長のための土台を作る期間として、2030年度の売上目標達成に向けて研究開発に注力してきました。Phase 02では、各事業においてその研究成果をもとにニーズを顕在化し、実際の売上として実現する段階であり、今年度はそのPhase 02の2年目となります。Phase 03では、各事業の収益を確実なものにし、さらなる飛躍を目指す期間と位置づけています。

オプティカル事業についてですが、当社のX線ミラーは、国内外の放射光施設やX線自由電子レーザー施設で、世界トップクラスの表面形状精度として高く評価されており、現在も海外の競合企業に対して加工精度面で優位性を保持しています。

新製品として、二次元集光ミラーや形状可変ミラー、技術提携先のエスサーフェステクノロジーズ社と共同開発したチャンネルカット結晶などを新たに開発し、販売に成功しました。これにより、本業界でトップ企業としての技術的優位性を維持するとともに、実績を積み上げてきました。

今後は、オプティカル事業の継続的で着実な収益拡大を目指し、このX線ミラーを実現しているナノ加工・計測技術をもとに、現在の大学研究機関向けであるBtoGから、市場規模が格段に大きい半導体関連産業などのBtoBへの展開を図っています。

例えば、露光装置や検査装置、レーザー窓材を用いた光学部品などについて複数のメーカーと共同開発を進めており、それらの分野でもトップ企業を目指しています。そのためにサポイン事業などの補助事業で研究成果を上げ、現在は半導体関連の国家プロジェクトにも参加しています。こちらの技術成果をもとに、2027年度には半導体分野で大きく売上に寄与することを目指しています。

レーザー核融合に関しては、もう少し長いスパンで考えており、2030年度までに大きな飛躍を遂げることは想定していません。しかし、化石燃料に依存しない次世代の究極のエネルギーの実現を目指して、レーザー核融合発電の実用化に向けた取り組みを進めています。

その一環として、先ほどお話しした国内有数のレーザー核融合ベンチャー企業であるEX-Fusion社との関係強化を図っています。現在、オプティカル事業においては、レーザー照射の制御装置内に組み込まれるミラーに、当社の形状可変ミラーの製造技術を適用する取り組みを進めています。

機器開発事業 独自の加工・研磨技術を半導体加工用装置市場へ

機器開発事業においては、すでにお話ししたとおり、4つの独自の表面精密加工技術を活用し、主に半導体デバイスメーカーを対象に事業展開を進めています。特に事業化が進んでいるプラズマCVM加工技術を用いた水晶振動子ウェハ加工装置では、第1弾として水晶デバイス用ウェハを対象に厚みを均一にする加工装置の実用化に成功し、単体の加工装置から量産自動化システムへ展開を進めています。

現在、AIサーバーの需要拡大に伴い、水晶振動子を用いた水晶発振器の需要も増加しており、すでに国内外のメーカーに複数台の量産システムを納入しています。また、昨年度末にはさらに複数台の大型受注を獲得しました。

今後は、潜在市場の掘り起こしをさらに進めます。具体的には、加工対象を高速LSI、パワーデバイス、MEMSといった幅広い分野で用いられるSOIウェハなど、シリコン系ウェハへ適用範囲を広げ、用途開発を推進していきます。

事業化が進んでいるPAP、すなわちプラズマ援用研磨加工技術を用いた表面加工装置についてですが、ダイヤモンドコーティング素材の精密加工やヒートシンクなどの用途で実績を上げています。すでに単体の評価装置として納入され、一部では量産にも使用されるようになりました。

現在、PAPは中国やヨーロッパ、アメリカといった地域でグローバルに引き合いが活発で、各社がダイヤモンドウェハの高速高精度加工システムへの適用を進めています。すでに評価装置を中心に、PAPを累計6台納品しました。

一方、従来の半導体用シリコンウェハの現場ではCMP加工装置が用いられていますが、当社のECMPはイオン伝導性物質を活用した電気化学機械研磨技術を用いた加工装置です。主に、パワー半導体に用いられるSiC基板などの加工において、通常のCMPと比べ加工速度に優れています。

多くの半導体デバイスメーカーから引き合いを受けており、まずは評価用加工装置の納入を目指しています。

また、CARE、すなわち触媒作用を利用した加工装置は、パワー半導体に用いられるGaNやSiC基板だけでなく、スマートフォンに使われるSAWフィルター向けのLN/LT基板も対象とし、幅広いテスト加工を実施しています。さらに、新たにGaN向けのCARE装置の開発において補助金を獲得し、開発に着手しました。

Phase 02の段階では、プラズマCVM加工装置に続き、すべての加工装置を本格的な大型量産システムへと展開する予定です。

ライフサイエンス事業 独自の細胞培養及び分離技術により高齢化社会や人口減少に積極的に対応

ライフサイエンス事業についてです。各種自動細胞培養装置に関しては、創薬分野で細胞を用いた研究開発が重要視されています。また、研究者の働き方改革に伴う自動化の推進など、企業からのニーズは高いものの、培養装置自体の市場規模はまだ黎明期を脱していないのが現状です。

しかし、当社は長年にわたり自動細胞培養装置を手がけており、その認知度は高いです。現状の市場シェアを維持すれば、バイオ産業の成長とともに自動細胞培養装置市場が拡大し、それに伴い当社の売上も拡大すると考えています。

また、長年にわたり産業技術総合研究所と研究開発を実施し、さらにAMED(日本医療研究開発機構)からの支援を受け、東京大学や横浜市立大学と共同開発を進めてきました。当社独自の培養技術「CELLFLOAT」で製造した弾性軟骨組織による顔面修復のための再生医療事業については、現在、再生医療会社であるジャパン・ティッシュエンジニアリングも加わり、東京大学にて医師主導の治験を推進しています。

AMEDから採択された医療機器事業についてですが、一昨年には神戸医療産業都市推進機構および日本光電工業と共同で進めていた脳梗塞治療のための骨髄液幹細胞分離装置の開発に成功しました。今年度はこの装置によって分画した患者骨髄液由来の幹細胞を用い、脳梗塞や認知症治療を推進していきます。

さらにPhase 03の段階では、再生医療の次のステップとして美容整形やペット分野への展開を計画しています。

M&A シナジー効果のある企業との相乗的な成長を目指す

M&A事業についてです。2021年度に買収した電子科学は、当社との開発・製造だけでなく営業面でもシナジー効果を発揮しつつあり、確実に売上を伸ばしています。2030年度には売上10億円を目指しています。

今後については2027年から2029年頃をめどに、当社とのシナジー効果が期待できる光学部品や自動化装置のメーカーの企業買収を目指しています。

マイルストーン Innovation2030までのマイルストーン

当社の中長期計画「Innovation2030」では、これら4つの事業を収益の柱とし、国内外のマーケットでリーディングカンパニーとして特に高い収益性と効率性の実現を目指します。今年度に見直した中期3ヶ年計画では、高い成長性を維持しつつ、具体的には2031年3月期に売上目標150億円、売上経常利益率25パーセントを掲げています。

ちなみに、現在の資本株式数を考慮すると、自己資本利益率(ROE)は20パーセント、1株当たり利益(EPS)は400円となります。

以上で、2026年6月期の決算に関するご報告を終了します。ありがとうございました。

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