2026年9月期 第3四半期累計 連結業績サマリ
渡辺健太郎氏:株式会社マイクロアド代表取締役社長執行役員の渡辺です。本日は当社の決算説明会をご視聴いただき、誠にありがとうございます。これより2026年9月期第3四半期の決算説明を始めます。どうぞよろしくお願いします。
はじめに、連結の業績サマリーです。売上・各段階利益ともに好調に推移しています。生産性の向上に加え、特に海外事業の大幅な伸びが牽引要因となりました。
純利益は、円安進行に伴う為替差損により3,500万円の損失を計上しています。今後は抑制に向けた対策を実施する予定ですが、足元ではやや円高に振れており、この水準が続けば次回はプラス、あるいは損失が回復する可能性もあると考えています。
2026年9月期 通期業績予想に対する進捗
通期業績予想に対する進捗です。売上高・各段階利益のすべてで上方修正後の想定を上回る進捗となっており、順調に推移しています。
UNIVERSEの顧客属性ごとの推移
「UNIVERSE」の顧客属性ごとの推移です。大きな構成変化はなく、引き続き安定的な成長が期待できる中小顧客にフォーカスしています。
UNIVERSE稼働アカウント数と顧客単価の推移
「UNIVERSE」の稼働アカウント数と顧客単価の推移です。2026年9月期は他社プラットフォームに注力する期と位置づけています。例年、第3四半期は需要が落ち込む時期となるため、第2四半期と比べると自社プラットフォームのアカウント数は減少しましたが、他社プラットフォームは横ばいを維持しました。
他社プラットフォームに関しては注力していることもあり、需要が減る時期でも実質的には成長しているといえる状態です。
将来の成長イメージ
将来の成長イメージです。従前、近い将来(2027年9月期から2028年9月期)の目標として営業利益15億円を掲げていましたが、これがほぼ射程圏内に入ってきました。また、先日、AIファクトリーを含む新たな事業戦略を発表しました。
3ヶ月後の11月の本決算では、この事業戦略と併せて、営業利益15億円のさらに先を見据えた目標を開示する計画としており、現在そのための準備を進めています。
今までの生産性向上施策とリソースの最適化
スライドは、以前からお話ししているバリューチェーンにおける付加価値のスマイルカーブに関する内容です。グラフ中央の付加価値が低い部分にあたる広告運用・レポーティング業務について、これまで自動化・AI化を進めてきました。
AI時代における事業戦略
当社は、低付加価値領域におけるAI化を2025年9月期から推進しており、収益性は順調に向上しています。
AI時代の事業戦略の中核「AIファクトリー構想」に関して
先日発表した「AIファクトリー構想」についてご説明します。AIファクトリー構想とは、当社が既存事業で運用する自社のオンプレミスデータセンターを基盤とし、1,000台以上のサーバーを土台に独自のAI環境を構築するものです。
スライド左側の「データ経済圏の拡大」、右側の「AI活用によるさらなる生産性向上」においては、外部のクラウドデータセンターのコストやAIのトークン単価などの上昇に苦慮する企業が最近増えています。
当社は、既存のインフラを自前で運用しているため、すでにコスト優位性を確保しています。それをさらにAI化することで、将来的なコストの高騰にも柔軟に対応できる体制を構築していきます。
AIファクトリー構想の実現に向けて資金調達を実施
AIファクトリー構想の実現に向け、新株予約権付社債(CB)を発行し、22億円の資金調達を実施しました。引受先はArena Holdingsです。Arena Holdingsは、誰もが知る大手AI企業やテクノロジー企業への投資実績が非常に多い会社です。
内容としては、CBの発行総額が22億円、転換価額が614円、償還期限が3年後の2029年8月となっています。資金用途については後ほど詳しくご説明します。
また、ArenaグループのDXJ合同会社との業務提携を発表しました。今後はArenaグループが持つさまざまなネットワークを活用し、当社のAIファクトリー構想の拡大を支援いただきたいと考えています。
▼AIファクトリー構想の実現に向け、DXJと戦略的業務提携を締結〜AIエージェント基盤の構築と、データ経済圏の拡大を加速〜
https://note.com/microad_ir/n/n8076ef422e71
資金使途① 「AIファクトリーの構築」
資金使途の1つ目は、AIファクトリーの構築です。当社はすでにインフラ資産を保有し、自社で運用しています。同規模の企業で、自前の大きなインフラ資産を自社運用している企業は比較的少なく、当社の強みの1つとなっています。そのインフラをAI化していくことが、AIファクトリーの構築です。
AIファクトリーの構築に必要な要素は、大きく3つです。1つ目はハードウェアです。例えばサーバーにおいては、AIサーバーと通常のサーバーでは内容や価格がまったく異なりますが、これを自社で調達して整えていきます。
2つ目は、その上にオープンモデルのLLM(大規模言語モデル)を載せて、自社でAIを運用できる環境を構築していきます。
3つ目は、それに伴う人材の確保として、すでに自社で運用しているインフラチームを拡張していきます。
これら3つの要素に対して、総額3億6,000万円を投資していきます。
資金使途② 「データ経済圏の拡大に資するM&A及び戦略的投資」
資金使途の2つ目は、データ経済圏の拡大を目的としたM&Aおよび戦略的投資です。調達した資金の残り約18億円は、先ほど説明したAIファクトリーを基盤にしたM&Aを主に展開していく予定です。
これは単なるロールアップではなく、AIファクトリーを活用することで既存のコストを大幅に削減し、さらに成長戦略としてAIファクトリーによるさまざまなAI化を進めます。これまでコスト面で実現が難しかった分野についても、自前のAIファクトリーを活用してAIを運用し、成長を加速させることが可能な企業を複数検討しています。
したがって、M&AはAIファクトリーと密接に関連して進めていく形を想定しています。AIファクトリーがあることで、より優れたM&Aを実現できることから、この2つを両輪とした投資戦略を考えています。
2026年9月期 第3四半期 連結業績まとめ
第3四半期の業績まとめです。生産性向上により、業績は引き続き順調に推移しています。次の成長戦略として、AIファクトリーを中心とした事業戦略のための資金調達も実施しています。その先の具体的な内容については、11月の本決算で開示したいと考えています。
UNIVERSEのデータ経済圏拡大~他社広告プラットフォーム~
ここからは、サービスごとの業績ハイライトをお伝えします。「UNIVERSE」においては、データ経済圏を拡大し、他社広告プラットフォームを強化しています。
これまでは「UNIVERSE」のデータを自社広告プラットフォームのみで使用していましたが、2026年9月期からは「Facebook」「Instagram」「TikTok」といった他社の大規模広告プラットフォームにも「UNIVERSE」のデータを提供できるよう拡張しました。
2026年9月期におけるサービス区分の変更に関して
2026年9月期より、サービス区分を変更しました。スライドのとおり、これまでコンサルティングの「その他」に含まれていた他社プラットフォームを、データプロダクトの「UNIVERSE」に属する「他社プラットフォーム」へと変更しています。
データプロダクトの売上・粗利推移
データプロダクトの売上は前年同期比19パーセント増、粗利は13パーセント増と好調に推移しています。
UNIVERSE~自社プラットフォーム~の売上・粗利推移
「UNIVERSE」の自社プラットフォームの売上は前年同期比5パーセント増、粗利は3パーセント増となりました。当初は前年同期比で若干のマイナスを計画していましたが、他社プラットフォームに注力する中で売上・粗利ともに伸ばしています。
データプロダクト「UNIVERSE」の業種特化製品
業種特化製品は大きな変化はなく、スライドのとおりです。
UNIVERSEにおける業種毎のシェア
業種ごとのシェアではECがやや伸びていますが、これは季節性の影響もあるため、大きな変更はありません。
UNIVERSE~自社プラットフォーム~のKPI – 稼働アカウント
自社プラットフォームにおけるKPIの稼働アカウント数は、前年同期比12パーセント増と安定的に成長しています。
UNIVERSE~他社プラットフォーム~の売上・粗利推移
2026年9月期で注力している他社プラットフォームは、売上が前年同期比58パーセント増、粗利が56パーセント増と、しっかり成果が現れ大きく成長しています。
UNIVERSE~他社プラットフォーム~のKPI – 稼働アカウント
稼働アカウント数も前年同期比38パーセント増加し、着実に拡大しています。
コンサルティングの売上・粗利推移
続いてコンサルティングです。国内メディア向け事業、海外コンサルティングサービスともに順調に拡大し、売上は前年同期比63パーセント増、粗利は64パーセント増と、大幅な増収増益となりました。
コンサルティング-メディア向け
国内メディア向け事業は、売上が前年同期比25パーセント増、粗利が12パーセント増と安定した成長を遂げています。
コンサルティング-海外
海外コンサルティングサービスが大きく牽引しており、引き続き「IP mixer」のコラボ商品が好調です。また、クロスボーダーマーケティング需要の増加により、インバウンドだけでなくアウトバウンドで、日本の広告主の海外広告配信などの支援が大きく伸びています。
海外コンサルティングサービス全体の売上は前年同期比101パーセント増、粗利は107パーセント増と倍増し、非常に大きく成長しています。詳細については最後に簡単に説明します。
オルタナティブデータ事業の進捗
オルタナティブデータ事業の進捗です。第3四半期は安定的に利益を出しており、約1,000万円の超過利益を計上しています。累計では4,350万円の超過利益となっています。
現時点での利回りは11.8パーセントですが、これは第3四半期累計での数値であり、年間ではもう少し上回る可能性があると考えています。安定的にリターンを出せる状況にあります。
地方拠点の新設とサービス強化
事業アップデートです。地方拠点として京都支社を新たに開設しました。これにより、東京を含めた全国8拠点体制となっています。
「UNIVERSE」の技術提供により、北海道新聞社に対して「UNIVERSE」をOEM提供する新たな取り組みを開始しました。全国に支社を展開しているからこそ可能な取り組みであり、今回の事例に限らず、今後もさまざまなエリアで独自の展開を進めていきます。
IPmixerの新たなコラボ商品
海外では、IP mixer社の新たなコラボ企画として、VTuber「儒烏風亭らでん」とロンドン・ナショナル・ギャラリーの二者で商品化しました。この商品は日本を含む10ヶ国以上の国・地域で販売しており、大変好評をいただいています。売上にも大きく貢献しているコラボレーションです。
▼子会社のIP mixer、「ロンドン ナショナル・ギャラリー」とホロライブ所属「儒烏風亭らでん」のコラボ企画をプロデュース
https://note.com/microad_ir/n/n51b49a225ad9
海外事業におけるクロスボーダーマーケティングが大きく拡大
海外事業におけるクロスボーダーマーケティングが大きく伸びています。訪日外国人向けのインバウンド事業と、日本企業の海外進出および現地でのマーケティング支援サービスの両軸が着実に成長しています。
スライドに記載のとおり、サービスラインナップも非常に充実しています。多くの自社サービスを展開できるようになり、幅広いお客さまに対して支援が可能となっています。クロスボーダーマーケティングのみを切り出すと、2026年9月期第3四半期の累計で前年同期比2.5倍の増収と大きな成長を見せており、今後も期待される分野となっています。
以上で2026年9月期第3四半期の決算説明を終了します。ご清聴ありがとうございました。