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unerry、通期売上高は前期比31%増で過去最高を更新 全サービス2桁成長、営業利益は36%増

サマリー

内山英俊氏(以下、内山):株式会社unerry2026年6月期通期決算説明会を開催します。本日はお集まりいただき、誠にありがとうございます。本説明会は、私、代表取締役社長CEOの内山と、執行役員CFOの倉岡がご説明します。

では、これより決算説明を開始します。まず、サマリーについて私からご説明します。売上高は48億7,900万円で、前期比31パーセントの成長を達成しました。営業利益は4億2,400万円で前期比36パーセントの成長、営業利益率は9パーセントとなっています。

詳細は、後ほど倉岡からご説明しますが、売上高は全サービスが2桁成長を遂げ、その中でも特に「行動変容」が大きく伸びました。一方で、当初の予想に対しては若干の未達となっています。

利益率に関しては、外部リソースの活用により直接的な粗利率は低下したものの、販管費の改善により営業利益率が向上しました。

連結の業績予想について、売上高は80億円、営業利益は5億5,600万円を想定しています。今回、株式取得をしたブログウォッチャー社を連結しています。

unerry単体では、売上高65億円で前期比33パーセント成長、営業利益6億5,000万円で前期比53パーセントの成長を見込んでいます。

倉岡は今年7月に執行役員CFOに着任しており、戦略から数字に至るまで非常に信頼のおけるCFOです。本日は倉岡から通期の実績についてご説明します。

業績サマリー

倉岡なぎさ氏(以下、倉岡):ここからは私、倉岡がご説明します。まずは、2026年6月期通期実績についてのご説明です。業績サマリーについて、売上高は48億7,900万円と過去最高を更新しました。

前期比でプラス31パーセントと規模を拡大しながら、成長率も維持している状態です。売上総利益率は低下しましたが、販管費レバレッジが機能し、営業利益は前期比でプラス36パーセントと、売上高を上回る伸びを継続しています。

各事業のハイライト

各事業のハイライトをご紹介します。今期の取り組みサマリーについては、詳細はスライドにてご確認いただければと思いますが、売上高の前年比は、全事業において2桁成長を達成しました。

特に、リテールメディア事業においては前年比89パーセントの大幅な成長を遂げ、新規・クロスセルともに大きく伸長しています。業界最大手の小売企業との連携や、交通広告やサイネージでの利用拡大により、大型案件を獲得した結果です。

業績推移:5年間の成長トラックレコード

業績推移についてです。2026年度通期の詳細に入る前に、この5年間の成長トラックレコードを振り返ります。売上高は5年間で年平均成長率(CAGR)プラス44パーセントと、毎年着実に積み上げることで持続的な成長を実現してきました。

営業利益は、黒字化以降4年間で年平均成長率(CAGR)プラス55パーセントを達成し、2023年6月期の上場直後の営業利益率2パーセントから、足元では9パーセントまで高めており、成長と収益性の改善を両立しています。

売上高:リカーリング売上高

ここから、詳細にご説明します。リカーリング売上高の詳細です。リカーリング顧客数は、スライド左側の顧客数のグラフのとおり、前年比で36社増加し、176社となっています。増加社数としては過去最大を記録しています。

NRR(ネットレベニューリテンションレート)は120パーセント、リカーリング売上高比率は91パーセントと、引き続き堅調に推移しています。

売上高:獲得年次別(積み上がり)

獲得年次別積み上がりの詳細についてです。毎年の新規顧客がリカーリング顧客に転換し、翌期以降の売上高基盤として積み上がる構造は継続しています。

前期以前に獲得した顧客からの売上高は42億9,200万円となり、前期の売上高合計が37億2,600万円だったことから、新規や今期にリカーリングとして新しく加わった顧客を除いても、既存顧客のみで昨年度の売上高を上回る構造ができています。

この点は、非常にポジティブであると考えています。

売上高:サービス別

サービス別売上高の詳細です。全サービスが前期比で2桁成長を実現しており、特定のサービスではなく、複数の収益源がそれぞれ拡大している状況です。

「行動変容」が特に伸びており、スライド右下の表のとおり、前期比でプラス39パーセントの成長を記録しています。店舗集客に加え、メーカー広告や販促用途の広がりが最も顕著でした。

「分析・可視化」も、スライド右下の表のとおり、前期比でプラス27パーセント成長しており、データ提供を軸に拡大を進めてきました。

売上総利益

売上総利益は18億2,700万円で、前期比プラス25パーセントとなり、売上高同様に拡大しています。ただし、売上総利益率は案件やサービス構成の変化により37パーセントへ低下しました。

スライド右下に内訳を記載していますが、直接粗利率の低下がマイナス3ポイントの影響を与えた一方で、間接原価率はスケールメリットを一定程度享受し、プラス1ポイント改善しています。結果として、前期比でマイナス2ポイントの影響となりました。

特に直接粗利率の低下については、次のスライドで詳細をご説明します。

直接粗利:サービス別(売上高 ‒ 直接原価)

スライドは、直接粗利のサービス別および合計の粗利率の動きを示したグラフです。

直接粗利率の全体平均はオレンジ色のグラフで表されており、2023年6月期には48パーセントに低下しました。2024年6月期は51パーセント、2025年6月期は50パーセントと推移していますが、2023年6月期と同水準に戻るかたちとなっています。

「One to One」については、紺色のグラフで表されており、開発型の大型案件の構成比が上昇したことにより、2024年6月期は40パーセント、2025年6月期は47パーセントとなっています。前期は若干高めに推移していましたが、開発案件の影響もあり、2024年6月期並みの40パーセントに落ち着いている状態です。

「分析・可視化」については、2024年6月期の89パーセントから徐々に低下している状態にありますが、これは外部リソース活用の増加が主な要因です。

ただし、直接粗利額自体は全サービスで増加しており、合計で23億1,900万円を記録し、前期比プラス24パーセントの成長を達成しています。

販売費及び一般管理費

販売費および一般管理費についてです。

販管費は前期比でプラス21パーセントとなり、売上高の伸びであるプラス31パーセントを下回りました。その結果、販管費率は29パーセントに低下しています。このレバレッジについては、年度の推移で見ていただいても、徐々に下がってきているとご理解いただければと思います。

従業員数は前期比16パーセント増の106名です。今回からスライド右下のグラフに、ブログウォッチャー社を含むグループ全体の人数も記載していますので、ご参考までにご確認ください。

営業利益の増減要因

通期実績に関する最後のまとめとして、営業利益の増減要因についてご説明します。

スライド左側が2025年6月期、右側が2026年6月期の通期実績を比較したグラフです。増収率が31パーセントであるのに対し、間接原価や販管費の増加を20パーセント前後に抑えたため、営業利益は4億2,400万円となり、前期比プラス36パーセントと増収率を上回る増益を達成しました。

営業利益を重視する方針に特に変更はありません。ただし、来期以降については、のれんの償却費などが損益に影響するため、事業の利益創出力を示す補完指標として、スライド最下段に調整後EBITDAを今期から開示していますので、こちらも併せてご確認ください。

以上が、通期実績に関するご説明です。

3つの重点テーマ

2027年6月期の経営方針と業績予想についてご説明します。

業績予想の具体的な数字に触れる前に、3つの重点テーマについてご説明したいと考えています。今回の経営方針では、足元の増収増益を確保していくことはもちろんですが、次の成長ステージを見据えた3つの重点テーマに経営資源を集中していきたいと考えています。

3つの重点テーマは、スライドに記載のとおり「顧客基盤の強化」「ブログウォッチャーとの合併検討」「AI・ワールドモデル」という3本柱で考えています。

各項目の下段には「本章でご説明」や「Key Topicsでご説明」と括弧書きで記載していますが、これには意図があります。特に「顧客基盤の強化」については、業績予想に一定織り込んでいる部分があるため、このあと私からご説明します。

一方で、本日併せて開示しているブログウォッチャー社との合併検討については、まさに合併検討を開始する段階であり、今回の業績予想には織り込んでいません。中長期の成長を見据えた内容については、このあと内山がKey Topics内でご説明します。

ワールドモデルは、特定の顧客とのPoCのような取り組みについて、今期の売上高として一定程度織り込んでいる部分はありますが、大きな収益としては織り込んでいません。そのため、どちらかといえば中長期の新たな柱として、今期は検証を進めるフェーズとなっています。こちらも、Key Topics内でご説明します。

顧客基盤の強化については、次のスライドで詳細をご説明します。

顧客基盤の強化

当社の顧客基盤は、スライド左下のグラフにあるように、リカーリング顧客数として着実に増加しています。これまで、顧客基盤を把握する主な指標として、NRR、年間顧客単価、コホートといったデータを開示してきました。

しかし、顧客基盤が拡大・成長する中で、当社としては顧客ポートフォリオに応じた顧客基盤の強化に、今年は特に注力していきたいと考えています。

当社は、顧客価値の拡大を非常に得意とする領域としており、顧客の課題に深く入り込み、ソリューション提供に積極的に取り組んできました。また、インフラ企業への進化を以前から標榜しています。

そのため、大型顧客を増やすことだけをゴールとせず、安定収益基盤としての成長も含め、顧客の属性に応じた営業活動や展開に取り組んでいきたいと考えています。

2027年6月期 業績予想

業績予想の具体的な数字についてです。連結では、売上高が80億円、営業利益が5億5,600万円を見込んでいます。

unerry単体に関しては、前期比33パーセント増収、営業利益は53パーセント増益とし、いずれも増収増益の継続を目指しています。なお、ブログウォッチャー社の損益およびのれん償却費は、第2四半期から連結業績に反映される見込みです。

営業利益や売上高の明細については、unerryとブログウォッチャー社との比較が可能なかたちで開示しています。各社の営業利益に関しては、スライド下に米印で記載しているとおり、連結消去後の管理上の数値となっている点についてもご認識いただければと思います。

2027年6月期 利益予想の構成

利益予想の構成について、スライドのウォーターフォールチャートを用いて、少し詳細にご説明します。

unerry単体の営業利益は6億5,000万円と増益となる一方、ブログウォッチャー社の損益やのれん償却費を反映させた結果、連結営業利益としては5億5,600万円を予想しています。

調整後EBITDAは6億6,900万円で、のれん償却、減価償却費、株式報酬費用を戻し入れることにより、利益創出力の拡大が継続していることを示しています。補完指標としてご確認いただければと思います。

中長期成長目標の位置づけ

中長期成長目標の位置づけについてお話しします。我々としては、2028年6月期のunerry単体での売上高100億円を、挑戦的な中長期目標として引き続き目指していきたいと考えています。

ただし、ブログウォッチャー社との合併についての検討結果も踏まえ、これから我々グループ全体としての絵姿については、本日示すことが難しい状況です。そのため、グループとしての中長期的な成長の方向性については、2027年6月期下期を目処に提示したいと考えています。

では、ここからKey Topicsに移ります。内山よりご説明します。

今後の成長をご理解いただくための2つのテーマ

内山:トピックスは2点ご用意しています。今回、ブログウォッチャー社との合併検討を発表しましたが、なぜ今合併を検討するに至ったのか、そしてAI時代においてunerryのリアル世界データがどのような価値を持つのか、この2点についてご説明します。

Q1. なぜ今、合併を検討するに至ったのか?|これまでの経緯

1点目の「なぜ今、合併を検討するに至ったのか?」について、これまでの経緯を簡単にご説明します。

5月にグループインした後、5月から7月にかけて、両社合同でPMIを実施しました。事業・顧客の面、データ・プロダクトの面、そして組織・人材の面という、大きく3つの領域で、価値の創出機会を慎重に確認してきました。

社内では、さらに細かくプロジェクトが分かれています。その結果、両社の強みをより活かせるという確信が得られたため、今回、合併の検討を開始するというニュースを本日発表しました。来年1月の合併実施を目指して、各種の取り組みを進めていきます。

顧客・市場、データ・プロダクト、そして組織・人材について簡潔にご説明します。

顧客・市場について、unerryは顧客の課題を深く理解し、提案する力を持っています。一方で、ブログウォッチャー社は観光、不動産、自治体など幅広い顧客接点を有しています。

このため、幅広い顧客層との関係を深める、この2つの強みを掛け合わせることで、革新的な連携が可能であることが3ヶ月の取り組みを通じて、明らかになりました。

データ・プロダクトについて、unerryが高度な分析能力と顧客ごとにカスタマイズする対応力を持つ一方、ブログウォッチャー社は非常に高いデータの密度やプロダクト化、標準化の強みを持っています。このように、両社の強みが補完し合う点も明確になっています。

組織・人材について、unerryはデータの活用、エンジニアリング、課題解決力に強みがあります。一方で、ブログウォッチャー社は営業力や型化、拡販に優れた力を持つ会社です。つまり、unerryは「深く」、ブログウォッチャー社は「広く」という特徴を持っており、この2つの掛け算によって次の成長が可能だと確信を得ました。

Q1. なぜ今、合併を検討するに至ったのか?|価値創出機会

昨今、「AIによって、unerryにはどのような影響があるのですか?」「そこにおける立ち位置はどうなのですか?」という質問を多数いただいています。その答えは、ワールドモデルという事業において、今後しっかりと結果を出していくことです。

大きな背景についてご理解いただきたいのですが、AI、いわゆる生成AIには、大きく分けて3種類のデータがあります。

オープンデータに関しては、インターネット上に存在するデータであり、生成AIはインターネット上のさまざまなデータを学習します。ただし、こうしたデータを取得しても、企業間での差別化にはつながらないという特徴があります。

特に顧客企業においては、その傾向が顕著です。そのため、顧客企業は何を行うかというと、生成AIを自社に導入し、自社データを取り込んで活用するという方法を取ります。

オープンデータと自社データを活用することで、多様な自社分析が可能になります。これが、現在のみなさまがよく利用されている生成AIの状態だと思います。

しかし、課題としては、自社の内側しか見えないという点があります。例えば、小売企業の場合、自社の顧客でない領域については「うちのお店に来てくれていない顧客についての情報はないし、競合に行っている人の情報はもっとない」というような状況です。

Q2. AI時代において、unerryのリアル世界データはどのような価値を持つのか?

そこで登場するのがunerryです。リアルな世界のデータを非常に多く集めている企業であるため、オープンデータ、自社データ、そしてリアル世界データ、この3つが合わさることで、実世界で成果を出すAIが本当に実現できるのではないかと思います。

ちなみに、Gartner社の調査によると、AIに適したデータが用意できないために2026年までに断念されるAIプロジェクトが世界全体で60パーセントにも上るとされています。つまり、AIプロジェクトが進むほど、より適切なデータの必要性が確実なものとなっています。

そのため、私たちはこの3つ目の輪を提供します。

Q2. AI時代において、unerryのリアル世界データはどのような価値を持つのか?|業界毎のユースケース例

リアルな世界のデータをご提供することで、具体的に何が可能になるのかご説明します。例えば、小売業やチェーンストアでは出店計画や商圏分析にデータを活用することができます。また、消費財メーカーでは需要予測や商品の配荷の最適化に活用可能です。

「リテールメディア」と呼ばれる、コンビニエンスストアに設置された複数のデジタルサイネージなどのような形態に対して、配信の最適化や、「本当にその広告を見て何人来店したり、何人買ったんですか?」というところまでの分析が可能な仕組みです。

モビリティ分野では、需要予測や交通の配置の最適化、不動産分野では資産評価、金融分野ではオルタナティブデータ、つまり民間データを活用した株価予測といった取り組みも進めています。

いずれにしても、顧客企業が自社データのみでは学習できない領域に対して、我々が提供する解決策がワールドモデルという事業です。

unerryの新ビジネスモデル:ワールドモデル

ワールドモデルについて、2月にも発表しましたとおり、unerryの新しいビジネスとして未来を切り拓いていく事業です。

シンプルに申し上げると、人流のビッグデータと呼ばれるものが核になっています。最新の数字では、これまで8億5,000万IDとお伝えしていたID数が10億IDを超える規模となりました。

この人流のビッグデータを基盤として、購買データ、テレビの視聴データ、Webのアクセスデータ、ソーシャルメディア、アプリ、さまざまなデジタルサイネージ、そしてアンケートまでが紐づけられています。

これは、年間何兆件ものデータとなります。データをそのまま顧客企業に提供すると、多量のデータがAIのトークンを消費し、現実的な分析時間では処理が難しくなります。そのため、このデータをAIが活用できる形式に加工する仕組みを構築しています。

これを、オントロジーを構築するという専門用語で表現します。具体的には、AIが利用可能なデータとなるよう整備する仕組みです。

ID統合やデータ整合、意味づけ、予測、AI最適化など、さまざまな加工を繰り返し行うことで、顧客企業が所有するAIと連携できるデータを提供します。これが新しい事業の柱となります。

さらに、この先にあるAIの活用例として、需要予測やCRM、サプライチェーン最適化、交通最適化など先ほど示したユースケースがあります。

しかし、「どのようにデータを利用すればよいかわからない」といった課題が顧客に存在します。そのため、AI導入に関連するコンサルティングも、このワールドモデルのビジネスに含まれる内容となります。

コンサルティングとデータ、この2つを組み合わせることで、さまざまな顧客企業に当社の仕組みを導入していくことが新しい事業となります。

AIが進化し、市場が拡大すればするほど、当社のデータの必要性がますます高まり、このワールドモデルというビジネスも拡大していくものと想定しています。

次なる成長ステージに向けた方向性

このリアルな世界を理解する唯一の企業として、リアルな状況をしっかりとAIに取り込むことで、さまざまな企業の意思決定を変えるデータ企業を目指したいと考えています。

新しい期では、経営統合とAIの活用をさらに加速し、次の成長ステージを切り開いていきたいと考えています。

質疑応答:今期の売上総利益率低下の要因と改善策について

倉岡:「今期は粗利率が低下していますが、主な要因をどのように分析していますか? また、来期に向けてどの程度改善余地があると考えていますか?」というご質問です。

今期の売上総利益率の低下については、相対的に粗利率の低い「行動変容」の構成比が上昇した影響も一部ございました。ただし、先ほどご説明したとおり、主に「One to One」と「分析・可視化」における直接粗利率の低下が大きな要因です。

この2つについては背景が異なりますので、分けてご説明します。

「One to One」について、当期は前期とは性質の異なる開発型の大型案件が進捗しており、案件特性による粗利率の違いが影響しました。

当期の粗利率は40パーセントで、一昨年と同水準で着地しています。今後も案件特性を踏まえながら、規律を持った案件獲得および管理に努めていきたいと考えています。

「分析・可視化」については、事業拡大に伴い案件が徐々に大型化・高度化しています。これに対し、社内の提供体制の整備が十分に追いついておらず、外部リソースの活用が増加したことが主因です。

こちらは弊社としても課題と認識しており、今後、提供体制の強化や提供プロセスの標準化を進めることで、収益性の改善に取り組んでいきます。

補足として、これらの改善効果については、2027年6月期の業績予想には大きく織り込んでいません。改善のリードタイムを考慮し、現在の収益性を前提とした現実的な水準で策定していますので、併せてご認識いただければと思います。

質疑応答:来期業績予想の実現ポイントとサービス成長の展望について

倉岡:「来期は大幅な増収を見込んでいますが、業績予想を達成する上で特に重要となるポイントは何でしょうか?」というご質問です。

来期の業績予想の実現における最大のポイントは、unerryの成長、特に「分析・可視化」の拡大を計画どおりに実現できるかが非常に重要であると考えています。

「分析・可視化」については、データ活用ニーズの拡大を背景に需要が引き続き強い状態にあり、成長機会自体は十分にあると認識しています。一方で、今期の粗利率低下の要因を踏まえると、来期は案件の大型化に対応した提供体制の整備が重要なテーマとなります。

そのため、体制整備と成長実現を両立していくことが最大の実行ポイントになると考えています。

質疑応答:成長ドライバーと現状のパイプラインについて

倉岡:「2027年6月期のunerry単体売上高65億円は、前期比33パーセント増と高い成長を見込んでいます。どの領域を主な成長ドライバーと想定しているのでしょうか?

また、現時点の案件パイプラインから見た計画達成の確度を教えてください」というご質問です。

内山:どの領域が成長ドライバーとして最も重要かと申し上げると、売上高の額という観点では、リテールDX事業における「分析・可視化」と、スマートシティ事業における「分析・可視化」が大きな成長を見込める分野だと考えています。

一方で、成長率という観点では、今回リテールメディア事業が非常に高い成長率を実現しました。このモメンタムは非常に強く、リテールメディア事業のさらなる成長が見込まれます。

また、額の観点や利益貢献という観点では、やはりリテールDX事業とスマートシティ事業における「分析・可視化」が重要だと思います。一方で成長率については、リテールメディア事業が大きく期待できる分野であると考えています。

現状のパイプラインについては私も確認していますが、その達成の確度という点では、先ほど申し上げた「分析・可視化」は強いモメンタムがあります。また、リテールメディア事業に関しては、現在市場が盛り上がっており、その受け皿としてパイプラインが積み上がっている状況です。

質疑応答:ブログウォッチャー社とunerryの違い、および営業モデルの展望について

倉岡:「ブログウォッチャー社について、子会社として運営するだけではなく、2027年1月をめどに合併を検討されています。合併によって、データ量の拡大以外に、顧客単価やクロスセル、商品開発など、収益面でどのような変化を期待しているでしょうか?」というご質問です。

内山:unerryとブログウォッチャー社の大きな違いを申し上げると、unerryは「深く、丁寧に」で強みを持ち、ブログウォッチャー社は「幅広い顧客に」および「仕組み化されたもの」において非常に優れた会社です。

データ量の拡大についてはご指摘のとおり重要です。それに加え、幅広い顧客への提案、そしてその一部の顧客との関係を深めることで客単価を向上させていく新しい営業モデルが、ブログウォッチャー社とunerryの協力によって実現可能だと考えています。

また、データ・プロダクトの分野においても、型化を推進し、より多くの顧客にプロダクトとして届けることができます。これは、ブログウォッチャー社が非常に得意とする分野です。このように、型化された商品とカスタマイズされた商品の2つをお届けできる、幅広いプロダクトラインナップが実現すると想定しています。

質疑応答:2027年6月期のブログウォッチャー社の業績予想と収益性改善について

倉岡:「ブログウォッチャー社の今期業績への寄与について質問します。ブログウォッチャー社の営業損失は4,600万円のマイナスとなっています。

開示資料では、2025年3月期は営業利益が1億2,500万円ということで、2026年3月期に大きく悪化をしたのか、もしくは今期に悪化をしているのかなど、詳細を教えてください」というご質問です。

2027年6月期の業績予想として、ブログウォッチャー社について、第2四半期以降の9ヶ月間で売上高15億円、営業損失4,600万円を見込んでいます。

ブログウォッチャー社自体はご認識のとおり、営業黒字の時期もあり、恒常的な赤字体質と考えているわけではございません。

一方で、5月1日の開示のタイミングでもご説明したかもしれませんが、旧親会社グループが大きな企業であったため、スケールメリットを含むグループとしてのメリットを享受していた部分が一定程度ありました。

また、旧親会社グループから独立後の運営体制整備に伴い、管理機能やシステム運用を補完するための業務委託などに一定の費用負担が現在生じています。そのため、この赤字が中長期的に続くとは考えていません。

現在のブログウォッチャー社の顧客基盤と売上高規模を維持・拡大しつつ、運営体制とコスト構造の最適化を進め、早期の収益性改善を目指していきます。

ただし、本編のご説明でお伝えしたとおり、現在の業績予想にはunerryとの合併による効果は織り込んでいません。この件については合併の検討と並行して進め、具体化した段階で、お示ししたいと考えています。

質疑応答:AIによる意思決定支援の提供価値と事業影響について

倉岡:「今回、リアルを理解するAI、意思決定を変えるデータ企業という方向性を示されました。従来の人流分析や広告販促支援と比べて、AIによる意思決定支援では、顧客に提供する価値や課金方法がどのように変わり、いつ頃から売上高成長や利益率向上への寄与が見えてくると考えていますか?」というご質問です。

内山:従来の分析や広告販促支援は、unerryが保有しているデータに基づいてプロダクトやサービスを構築してきたものでした。「分析・可視化」や「行動変容」サービスを展開し、それらを顧客に購入していただくことがこれまでのビジネスモデルでした。

課金形態としては、分析であれば月額課金、広告であれば店舗数に応じた料金を頂戴している形態でした。しかし、AI時代においては、サービスを買うという概念が次第に薄れていくのではないかと考えています。

例えば、世の中のSaaS企業では、SaaS自体が直接購入される機会が減りつつあり、AIがデータやソフトウェアを直接生成するような時代となっています。

unerryのサービスはまだ売れ続けていますが、これからはサービスを販売するのではなく、unerryが保有しているデータをAIにも提供するというかたちのビジネスへと移行していきます。

「データ連携サービス」については、例えばデータカタログを数多く用意し、「このデータだったら1ヶ月いくら」「このデータだったら1ユーザーいくら」などの課金体系を設け、顧客企業が保有するAIに接続していただくというビジネスモデルのを検討しています。

また、もう1つの「AI導入サービス」はコンサルテーションです。昨今では、FDEという新しいエンジニア職種が誕生しており、顧客企業に入り込んで業務改善やビジネス構築を行い、成功報酬に近いかたちでコンサルテーションを提供するという取り組みが、アメリカを起点に行われています。

今後は、顧客企業に入り込み、事業インパクトを与える、つまり売上高向上やコスト削減といった成果を目指す専任チームを設け、「AI導入サービス」を展開したいと考えています。データの連携による課金とコンサルテーションによる課金、この2つへと移行していくということです。

いつ頃から売上高・利益に貢献するかという点については、倉岡が申し上げたとおり、今期はPoCから始め、今期にめどを立てて、来期以降の収益化につながると考えています。

質疑応答:顧客ごとの課題解決と成長戦略について

倉岡:「顧客ポートフォリオに応じてアプローチを強化するとのことですが、具体的にはどのような取り組みを進めていくのでしょうか?」というご質問です。

これまでも当社は、顧客ごとに課題に深く入り込み、価値を拡大することで成長を実現してきました。

その結果、継続利用顧客においては、利用範囲が経年で拡大し、大型顧客以外においても、平均で1年半から2年前後の期間で単価が3倍近くに広がるなど、継続的に成長する傾向が見られています。

今後は、こうした成功事例をしっかりと標準化し、顧客特性に応じた最適なアプローチを実施することで、さらに多くの顧客へ安定的なサービスを提供し、成長の再現性を一段と強化していきたいと考えています。

内山氏からのご挨拶

内山:unerryは、どの街に行っても、どの店に行っても、自然とunerryのデータが活用され、みなさまの生活の質が向上し、買い物が楽しくなる「unerry, everywhere」を推進しています。

これにより、今後もさらに大きく成長していきたいと考えていますので、引き続き応援をよろしくお願い申し上げます。

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