業績ハイライト
佐野健一氏(以下、佐野):みなさま、こんにちは。株式会社ビジョン代表取締役会長CEOの佐野です。本日はお忙しい中、ありがとうございます。それでは、2026年12月期第2四半期(中間期)の決算説明を行います。
まず、売上高と営業利益についてです。売上高は、前年同期の186億円から2.4パーセント増加し、191億円となりました。営業利益は、前年同期の29億円から5.1パーセント増の30億円となっています。
セグメントのグローバルWiFi事業については、売上高が前年同期比で5パーセント減少し、利益は2.1パーセント増となりました。
情報通信サービス事業については、売上高が前年同期比7.2パーセント増、利益は前年同期比9.3パーセント増となっています。
グランピング・ツーリズム事業に関しては、売上高が前年同期比43.8パーセント増となり、セグメント利益が小さいものの、前年同期比で73.2パーセント増となりました。
後ほど説明しますが、第1四半期、第2四半期を通じ、さまざまな外的要因に対応しながら事業ポートフォリオを一部変更しました。これにより、今後のリスクに備える体制を整えるとともに、将来に向けて着実に成長するための取り組みを現在進行形で行っています。
事業環境の評価とトレンド
事業環境の評価とトレンドについてご説明します。まず、グローバルWiFi事業に関しては、先ほど触れた中東情勢や円安、スライドには記載していないもののサーチャージなどの影響を考慮すると、コンシューマー分野における海外渡航のトレンドが低下している状況です。
また、ビジネス分野についても、上昇傾向にありましたが、足元ではトランジットにおけるさまざまな問題や渡航控えの影響を受けています。
現時点で状況が完全に安定しているわけではありません。そのため、今後の対応を見据えつつ、ニューヨーク拠点では少数ながら売上が順調に伸びているものの、コスト負担が高いことから運営方法を見直す決定をしました。これに関連して、後ほどご説明するグランピング・ツーリズム事業の一環として、フィリピンにインバウンドのセンターを設置しました。
フィリピンについては、みなさまもご存じのとおり、世界のBPOのエリアと呼ばれており、アメリカ企業の多くがBPO業務のために進出しています。
ニューヨークから高コストで営業するよりも、セブを拠点とした低コストかつ効率的な体制を整備し、数多くのアクションを実行できるよう検討しています。ニューヨーク拠点にも従業員は数名いますので、そこと連携しながら後方支援の役割を担いつつ、プロセスを見直した新たな取り組みを開始しています。現在、これを本格的に進めているところです。
また、今後「World eSIM」とも連動して進めていく予定であり、最終的に成果が具体化し、みなさまに報告できる段階になった際には、その効果と強みをお伝えしたいと考えています。
先ほどご説明した法人に関してですが、現在個人の海外渡航のトレンドが低下している状況にあるため、第3四半期は今まで以上に法人へリソースを集中していくことを考えています。
「無制限プラン」に関しては、法人のお客さまは非常にアクティブにご利用いただいている方々が多いため、その領域を伸ばしつつ、AIを活用して電波を改善する新サービスを展開していきます。
従来はアナログ的に行っていた作業を、当社が開発した仕組みによって、自動化することに成功しました。これからはそれを運用していくフェーズに入ります。
企業が、いつでも良い品質の回線を利用できる環境は、ローミングやeSIMだけでは実現が難しい領域です。この点で大きな優位性を発揮できるよう、営業活動をしっかり進めていきたいと考えています。
また、「World eSIM」は上半期だけで30万件を突破しており、日本から海外のみならず、インバウンド需要にも対応しています。Other to otherで、空港拠点が不要なため展開のしやすさといった利点があることから、これらを積極的に活用していきます。
近年、世間でもeSIMとWi-Fiの違いなど、さまざまな点に気づき始めている状況です。法人についてはeSIMへの移行が限定的です。一方で、個人では一部でeSIMを利用しているという方々もいらっしゃいます。そのため、これらの需要をしっかりと取り込み、囲い込んでいきたいと考えています。
情報通信サービス事業については、OAが順調に推移しています。先ほどのセグメントでもお話ししたとおり、情報通信はこれまでの中でかなり伸ばしてきた分野だと考えています。ストック収益にウエイトを置いているため、トップラインや利益を瞬発的に伸ばすことは難しいですが、一部強い商品もあり、これまでの積み重ねが徐々にボディブローのように効いてきています。
5月には株式会社アイウィッシュ賃貸保証をM&Aしました。こちらは第3四半期以降、ストックとして加算されます。さらに、事業シナジーの最大化を目的としており、その効果が第3四半期に現れるよう取り組んでいきます。今回のM&Aは5月に実施したため、6月末の決算にはまだわずかしか反映されていませんが、今後もしっかりと伸長させていきたいと考えています。
グランピング・ツーリズム事業については、既存のグランピング施設2ヶ所に加え、淡路島の施設が来年初旬に稼働する予定です。この施設がグランピングとしては最後の展開となります。
直近、注力しているツーリズムについては、分母が小さいため売上高や利益の伸び率が高く見えますが、実際に伸びていることは確かです。ただし、この分野においても、イスラエルや中東のトランジットを利用する国々も獲得していましたので、一部では旅行計画が先送りになるケースが見られます。現在の受注状況としては、イスラエルよりも他エリア、とりわけメキシコでの受注が多い状況です。
当社は世界中の旅行会社と提携し、日本へのインバウンド需要を取り込んでいきたいと考えています。日本への旅行を販売するには、ただ商品を提示するだけでは実現しません。そのため、当社で旅行プランを企画・催行し、旅行が無事に完了して帰国するまでのサポートを一貫して提供する体制を確立しています。この取り組みは、旅行会社から非常に高い人気を得ています。
また、差別化した競争力を築くためには、営業体制の充実が重要です。これに向け、第3四半期に向けた改善策として、攻めの戦略を展開しています。その一環として、6月1日にセブ拠点をオープンし、全世界に向けた営業活動を開始しました。
この状況下においては、アウトバウンドの個人向けよりも法人向けにポートフォリオを寄せています。また、情報通信サービス事業においては基盤がしっかり整備されているため、今後もその成長を持続させていきます。一方で、ツーリズム分野ではインバウンド領域がようやく軌道にのってきたところであり、この部分をさらに底上げし、力強く成長させていきたいと考えています。ともあれ、上半期は非常に厳しい戦いを強いられた局面でした。
連結損益計算書
こちらのスライドは、先ほどご報告した内容です。EBITDAは36億円、親会社株主に帰属する中間純利益は20億3,800万円となっています。
株式会社フリープラスと株式会社アイウィッシュ賃貸保証のM&Aについては、まだ数ヶ月分しか反映されていません。今後、第3四半期、第4四半期でしっかりと加算されると考えています。現在は小規模な事業ですので、これから育て上げていくフェーズにあります。
セグメント別売上高および利益
こちらのスライドは、先ほどご説明したセグメント利益についてですので、割愛します。
営業利益の増減要因
営業利益の増減要因についてです。前提条件として為替レートを1ドル155円と想定していましたが、一時期160円を超える局面が続いていました。
為替については現在も予測が難しい状況ですが、想定レート内に収まることを期待しつつ、原価の低減に努めています。なお、グローバルWiFi事業を始めた頃の為替レートは1ドル90円程度であり、コロナ禍直前では1ドル110円程度でした。そこで、1ドルが160円になっても収益を伸ばせる体制作りや体質改善、そして世界中のキャリアと交渉を進めてきました。
ただし、これも無限に対応できるわけではないので、旅行需要がしっかりと回復することを期待しながらも、当社としてはそれ以外の部分でも積極的に成長を推進していかなければならないと考えています。外部要因だけに依存せず、内部で着実に成長を促す取り組みを進めていきます。その結果、売上はわずかではありますが増加し、原価も低減しています。
人件費については一部減少しており、その要因としてAIの活用により従業員を大幅に増やさずに対応できている点が挙げられます。営業社員は増加させていますが、全体としてはそれほど積極的に人員を増やす必要がなくなりました。
また、空港でのインバウンド需要の増加に対応するため、この7年から8年で自動販売機やスマートピックアップ、グローバルWiFiステーションなどの自動化を進めてきました。このような取り組みにより、派遣社員の人数が減少したことも影響しています。
さらに、コンシューマー向け広告費も減少しています。法人向けでは、メタ広告の活用など属人的な手法が高い効果を上げる一方で、それ以外の広告はなかなかヒットしづらい状況ですのでコントロールしながら進めています。その結果、セグメント利益は29億300万円から30億5,100万円に増加しました。
全社ストック収益
全社ストック収益について説明します。グローバルWiFiや情報通信サービス、代理店ビジネスにおけるメーカーキャリア側のストック推移です。半期で26.1億円まで上昇しており、昨年の21.6億円から伸びています。
今年の予想は56.7億円です。この予想に対しては今後、第3四半期、第4四半期と繁忙期に入ってきますので、燃料サーチャージの動向はまだ不透明ですが、法人に関しては今後もしばらくは増加を続けると予想しています。このストック収益をしっかりと実現していきたいと思います。
グローバルWiFi事業
グローバルWiFi事業についてです。今回からグラフを刷新し、時系列で示しています。ここ3ヶ月ほどインバウンドが減少している状況下において、当社はアウトバウンドのシェア率が高いことから、若干ながらコンシューマー市場の減少の影響を受けやすい傾向にあります。
また、日本はパスポートの保有率が先進国中で最も低いことも影響しています。一方で、法人事業については成長が続いており、成長スピードはコンシューマー市場の潮流によって変動する可能性があるものの、法人事業は依然として有望です。
特に、国際化がどの企業にとっても非常に重要な局面を迎えていると思われます。余談ですが、日本では飲食業の展開が難しいとされる中、例えば1軒のラーメン店が成功すると、次は海外へ出店する企業が増えてきている状況です。そのような意味では、日本がかつてのようにグローバルに展開し始めていると言え、我々がサポートしていくことの重要性が増していると考えています。
この時系列のグラフでは売上が下がっている部分もありますが、法人に関しては後のスライドにもあるとおりしっかり上昇しているため、そこに一層注力していきたいと考えています。
グローバルWiFi事業
法人比率を示したスライドです。2019年までは個人に半分以上依存していたところから、この第2四半期では法人比率が79.6パーセントに引き上げられています。個人が減少していることも相まって比率が上昇しているという側面もありますが、この事業を開始した際に、事業の根幹は法人であると判断し、この業界に最後発で参入しました。
その後、3年で競合他社に追いつき、さらに大きく引き離すに至っています。この流れは現在も変わっていません。いずれは、世界中の法人を取り込んでいくことを目指しています。しかし、まずは日本の法人を確実に獲得し、その後世界市場へ進出することで、みなさまを応援できる立場をしっかりと築き上げていきたいと考えています。
グローバルWiFi事業
スライド右側は、グローバルWiFiのストック収益の推移を示しています。「グローバルWiFi for Biz」の登録社数は、2025年度通期で1万3,434社だったものが、現在の第2四半期末時点で1万4,060社となり、約600社増加しています。
法人一括請求の登録社数も前期末比ですでに4,000社増加しており、若干のタイムラグはありますが、今後通信料や通信容量が積み上がっていくと考えています。また、前年同期と比較すると、ストック収益は12.8億円から14.8億円へと増加しており、着実に積み上がっています。
グローバルWiFi事業
「World eSIM」についてです。現在の渡航全体のトレンドとしては、円安基調により遠方への渡航費が非常に高騰しているため、韓国への渡航が激増しています。韓国への渡航者は圧倒的にソウルを目的地とする場合が多く、ソウル市内への渡航が増加しています。このような状況では、「World eSIM」をご利用いただくお客さまが多くいらっしゃいます。
韓国への渡航者は同国への再訪率(リピート率)が高く、他国へ目的地が広がりにくい傾向があります。そのため当社ではさらなる成長に向け、韓国以外の国々への渡航や周遊の促進に力を入れています。
韓国市場ではリードを取る戦略として、グローバルWiFiの際も同様でしたが、面を広げてその中から法人の方々に対して「グローバルWiFi for Biz」のクロスセルを行っています。また、他国への渡航時には「グローバルWiFi」をご利用いただいています。その意味では、リピート分母が一番小さいのは韓国です。データでは、韓国へ行く方は主に韓国のみを訪れ、他国に行く傾向が少ないことが示されています。
そのため、この事業では安売りをしすぎないようにします。グローバルWiFiのようにただ安く提供するだけでは質が低下してしまい、業界全体の品質を損ねる可能性がある状況を避けたいと考えています。価格が安い分、チープな回線を提供するのではなく、高品質な回線を提供することが、これまでの方針であり、これからも目指していきたいと考えています。
利用件数としては、昨年が47.5万件、今年は中間時点で30万件という状況で、これから繁忙期に入り、件数が増加する見込みです。注目すべき点は第三国の利用状況です。現時点では具体的な公表はしていませんが、今後、この利用者が第三国でどれだけ使用しているのか、またどの程度リピートしているのかを検討していきます。現在のリピート率は44.8パーセントまで上昇しています。
スライドにあるとおり、法人利用率は18.8パーセントにとどまっています。この18.8パーセントの人数は、Wi-Fiをあまり知らない人々による利用が多いのではないかと考えています。ここはWi-Fiサービスのリードとして捉えられますが、大きな組織になると社長などのトップ役員にWi-Fiを直接渡しづらい場合があり、秘書が役員分のみ「World eSIM」をセットして、「そのままでいいですよ」というかたちで使用するケースもあります。そのため、社内の役職によって一部で併用していただいている状況です。ただし、eSIMの品質や利用可能なエリアなどを考慮すると、法人率はやや低い状況です。
グローバルWiFi事業
先ほど触れたグローバルWiFiのAIについてです。スライドには「A社」「B社」「C社」と記載されていますが、電波の通信速度が低下しているとわかった場合、お客さまが通信していない間に、他のキャリアに自動的にスイッチすることが可能です。
eSIMの場合、例えばアメリカでは1つの通信会社に限定されているため、その通信会社の電波が届かないエリアでは利用できなくなります。この点はローミングでも同様です。一方、我々のサービスでは、他の通信キャリアに切り替えることが可能なため、その地域で電波が届く通信会社に接続することで、安定した通信を提供できます。
この仕組みは、世界中にクラウド化したシステムを展開した上でAIを搭載し、従来はお客さまが「ちょっと電波が悪いな」と感じたらロケットボタンを押し、「おっ、早くなった」という感じで操作していたものが、自動的にスイッチングするように進化したものです。
我々は現在、地球上のどこでどのキャリアと接続しているか、またどれくらいの電波強度が出ているかをほぼリアルタイムで確認しています。その結果、お客さまが利用するたびにそのデータに基づいて基盤が改善され、その上で最適なキャリアに切り替わる仕組みとなっています。ARPUはあまり高くありませんが、ARPUの向上に影響を与えるのではないかと考えています。
情報通信サービス事業
情報通信サービス事業についてです。先ほどお話ししたように、経理BPOに先行投資しながら、税理士法人とタイアップを組んで進めています。今後も着実に伸ばしていく考えです。
当社の強みはデータドリブンにあります。適切な許諾のもとで、顧客データを活用し成果の最大化を実現したいと考えています。利益についても、ストック収益が着実に積み上がっており、継続的に伸ばせるよう取り組んでいます。
情報通信サービス事業
こちらのスライドはポートフォリオについて説明しています。携帯電話の比率がわずかに下がり、OA機器の比率がやや上昇するなど、さまざまな動きが見られます。また、季節性の影響も受けています。
現在では、例えば「⑤エコソリューション」が利用されやすくなっており、気温が非常に高いため、エアコンの入れ替え需要が生じるといったことがあります。このように、季節性のある商品が適宜ギャップを埋めてくれることで、人員の円滑な流動化が可能となり、将来的にハイパフォーマンスの仕組みが完成し、新しいセールスモデルが構築される可能性があります。これについては、未来においてさまざまなチャレンジを試みたいと考えています。
情報通信サービス事業
情報通信サービス事業のストック収益は、順調に積み上がっています。
情報通信サービス事業
記帳代行・賃貸保証について、スライド右側にクロスセルの商材を記載しています。これらはすべて入口の商材であり、同時にクロスセルの商材でもあります。この点が、当社のビジネスモデルの強みとなっています。
記帳代行では、スライドに記載されたすべてのデータが整っているため、これを基にお客さまの課題解決に向けた提案やソリューションを提供していきます。
今回M&Aした賃貸保証からのクロスセルに関しては、以前M&Aした会社が内装工事や原状回復などを手がけており、得意としています。
情報通信分野では、新電力やLEDの販売を行っており、エアコンや光回線も提供しています。ここで相互シナジーを生み出しています。特に賃貸保証に関しては、ビルのオーナーが多いことから、高圧電力の導入が1つの好機になると考えています。これまで低圧電力を中心に行ってきましたが、高圧電力を取引する手段が限られている中で、良いきっかけになればと思っています。
また、ビルのオーナーさまと会いやすくなることが、ゲートキーパーを突破する上で当社にとって大きな契機でした。それを突破することで、スライドに記載のある電力・LED、エアコンといった店舗などで必要不可欠なものをワンストップで提供できるようになります。これにより、ビル管理会社の業務が大幅に効率化される仕組みを構築していきたいと考えています。
グランピング・ツーリズム事業
最後に、グランピング・ツーリズム事業についてお話しします。グランピングは安定的に高稼働率を実現しています。
前々回、「楽天トラベルゴールドアワード2024」のホテル・旅館部門で唯一、グランピング施設として当社が選ばれました。これは、時代に適したADR(平均客室単価)と稼働率を達成し、当社の得意とするマーケティングを駆使して高稼働率をしっかりと実現できた結果だと思います。ホテルや旅館に遜色のない、またはそれ以上に楽しい体験をお客さまに提供することで、その満足感が結果として表れていると考えています。
ここで重要になるのはツーリズム事業です。第1四半期では、中東情勢等に伴うキャンセルなどが見られましたが、第2四半期には大きく伸ばすことができました。グラフの「濃い青色」はグランピングとツーリズム事業の合計を示し、その中で「青色」がツーリズム事業単体に該当します。第2四半期では、ツーリズム事業単体での売上高が5億7,000万円となり、グランピング・ツーリズム事業全体としての利益も7,600万円に達して、過去最高を更新しました。
先ほどご説明したとおり、世界中の旅行会社が日本旅行を販売したいという意向を持っていますが、現在販売しているものが適切であるか、他社と比較して検討したい、もしくはまだ販売していないのでこれから始めたいという需要も見られます。
そのような旅行会社のお客さまに対して、「World eSIM」をすべてセット化し、いわゆるクロスセルではなくビルトイン型でサービスを提供しています。将来的には第三国でも成長が見込める取り組みにつなげていきたいと考えています。
インバウンドについては、直近の3ヶ月ほどは減少していますが、それでも依然としてかなり高い水準にあります。特に中国の減少が大きな影響を及ぼしていますが、それ以外の国々については、概ね増加傾向にあります。ただし、日本の夏の暑さの影響により、夏季は若干減少する傾向があります。しかし、夏は良いコンテンツがたくさんあるため、それを世界に発信し、日本の夏も楽しめるというイメージを広めていきたいです。今後、これに向けた努力を重ねたいと考えています。
グランピング・ツーリズム事業
セブでは、先ほどお伝えしたように、24時間多言語対応を進めており、原価の低減も相まって高利益率を目指したDMCの実現に取り組んでいます。また、規模を少し縮小しているニューヨーク拠点については、セブからの後方支援を活用し、旅行会社向けに「World eSIM」の展開を推進する取り組みに力を入れています。
まだ進行中の事項が多いため、みなさまにお伝えできる情報には限りがありますが、あらゆるチャネルを駆使しながら、世界で最も使われるeSIMやグローバルWiFiの成長をセブを起点に目指していこうと考えています。
中期的な成長イメージ
成長戦略についてです。グランピング・ツーリズム事業が順調に伸びてきていることから、今後はこの分野のウエイトをさらに大きく伸ばしていくフェーズに入っていくと考えています。特に、ツーリズム分野の大きな成長が見込める一方で、グランピングはやや小規模になりますが引き続き注力していきます。
また、情報通信サービス事業では経理BPOなどを展開しながら、まだまだ高い拡張性があると考えています。さらに、グローバルWiFi事業については、世界戦略のもと今後の成長が期待される分野です。現在は困難な時期に直面していますが、この局面をしっかり乗り切り、さらなる成長を目指して全力を尽くしていきます。
今後のM&A方針&キャッシュアロケーション
キャッシュアロケーションはすでに実行済みで30.9億円、現時点でM&Aで13.8億円、自己株式の取得で17億円を使用している状況です。
配当方針
今年の上期の配当は22円に決定しています。下期も努力を重ねていきます。
IR Topics
また、統合報告書をアップデートしていますので、お時間のある際にお読みいただければ幸いです。以上をもちまして、2026年12月期第2四半期(中間期)の決算説明を終わります。ありがとうございました。
質疑応答:期初計画に対する進捗について
質問者:期初計画に対する進捗についてお尋ねします。ご説明のとおり、外部環境がかなり厳しい中、上期の営業利益は前期比プラス5パーセントとなっています。これは、期初計画の16パーセント増益に比べると進捗が鈍いように見受けられます。御社は下期が繁忙期ということもありますが、このまま外部環境が変わらない場合でも、通期営業利益75億円の目標達成は可能でしょうか?
佐野:現時点では、数字は変更していません。諦めたわけではないため、変更していない状況です。今後、状況が悪化し、改善されない場合、あるいは投資が先行するなどさまざまな要因で変更が必要になった場合は、もちろん開示しなければなりませんので、その際は適切なかたちで対処したいと考えています。現在の状況下では、決して簡単な数字ではありませんが、目標をさらに上回る取り組みを進めており、覚悟を決めて努力を続けていきます。
質疑応答:キャッシュアロケーション方針と今後のM&A計画について
質問者:キャッシュアロケーションについてお尋ねします。今期はM&Aに14億円、自社株買いに17億円ほどを費やされたとのことですが、今後のM&Aについて、現在検討されているものがあれば教えてください。
佐野:こちらは進行中の案件となりますので、正確な回答は差し控えます。我々の事業にシナジーがある分野については、積極的に取り組んでいこうと考えています。キャッシュアロケーションについては、あくまで3期の目安として設定しているもので、それ以上に会社が成長できるものであれば、積極的に取り組んでいく方針です。
もちろんロングリストも含め、リストはたくさんありますので、しっかりと対話を行いながら、我々のグループに加わってくださる企業を増やしていければと考えています。
質疑応答:M&Aの優先領域について
質問者:M&Aを検討される方向性としては、どのような領域が優先されるのでしょうか?
佐野:M&Aのプライオリティとしては、既存事業とのシナジーがあることを大前提としています。新しい事業ポートフォリオを作りたいというよりも、既存事業の成長に貢献してくれる会社であることが重要となります。
そのため、顧客へのリテンションが効き、満足度を向上させ、解約率を下げるなどの相乗効果が高いところが対象です。したがって、近隣のシナジーがある領域に力を入れたいと考えています。具体的には、情報通信サービス事業の中でロールアップを行うか、あるいはアドオンできるものを検討するという方向性です。
もう1つは、インバウンド事業の成長に寄与できるところを検討するという方向性です。世界中で展開しているWi-Fi業者やeSIM業者などもターゲットリストに含まれています。しかし、これらは競合となる場合もあり、簡単ではありませんが、インバウンドを伸ばすことができる領域については、成長に向けて積極的にM&Aを進めたいと考えています。
質疑応答:進捗率表示の意図と季節性の変化について
司会者:「従前、お客さまの決算期末の分散やストック比率の上昇により、業績の進捗率にあまり意味はないとのご説明だったかと思いますが、説明会資料では進捗率が目立つように記載されるようになっています。これは、今後御社を拝見する上で、進捗率に目を向けてほしいというメッセージだと理解してよろしいでしょうか?」というご質問です。
佐野:今回から、スライドにある進捗率を表す円グラフのような図が数値の右側に新設されましたが、これはわかりやすいようにするためにつけています。コロナ禍前と後では季節性要因やその他の要素が大きく変化しています。そのため、比較材料として進捗率を見やすくすると良いのではと考えました。
本来であれば、中間時点で50パーセントを超える成果を出すことで、それ以降、さらにアドオンしやすい状況を作れます。しかし、この状況下では傷口を最小限にしつつ、成果を最大化する取り組みが重要だと考えています。その結果、みなさまにも見やすい資料を提供するという意図で進捗率を表記しました。
以前は第1四半期と第3四半期が繁忙期、第2四半期と第4四半期が閑散期というサイクルがありましたが、卒業旅行の減少や法人利用の増加により、繁忙期と閑散期が逆転するなど、変化が生じています。そのような変化が起きているため、進捗も含めてチェックしていただき、ご評価いただければと思います。我々としては、見やすく、わかりやすい資料作りを目指しています。
質疑応答:投資フェーズの変遷と事業再構築の取り組みについて
司会者:「今回の説明会資料では、将来の飛躍に向けた成長のために何に投資され、その金額がいくらかを把握するのが難しく感じます。米国の拠点縮小の話もあったため、大きく2つの観点から状況を整理していただけますか?
1つ目は、第1四半期までご開示があった米国ニューヨーク、経理BPO、多言語オペレーションへの投資額がいくらであり、ご想定に対してどのような状況にあるのでしょうか? また、経理BPOの売上はご想定に対してどの程度進捗しているのでしょうか?
2つ目は、事業を取り巻く環境を踏まえられ、今、どこへいかほど戦略的な先行投資をお考えでしょうか?」というご質問です。
佐野:今回から資料がアップデートされました。昨年まで投資対象として挙げていたeSIMについてですが、今回外した理由は、すでに利益を生み出すフェーズに移行したためです。引き続き投資は続けていますが、収益フェーズに変わったことから、これを投資項目から外しました。
ニューヨーク事業については、具体的な開示は行っていません。売上高は前年比で約2倍になっていますが、全体売上の占める割合が小さく、従業員数は現状3人程度であるため、業績に与えるリスクは軽微であると考えています。そのため、今回の説明においてはニューヨーク事業の開示よりも、フィリピンでの取り組みにウエイトを置いた内容としました。
また、中東情勢を含めて、我々が厳しい環境下にあることはご理解いただけると思いますが、事業の再構築を進めているところです。
経理BPOに関しては、最初にスタートとして1,000社導入し、その後、人数を増やすなど、AI-OCRへの投資を積極的に行ってきました。現在は、開示するほどの大きな赤字が発生している状況ではなく、来年4月頃には事業単体で黒字化する見通しが立っています。
ただし、その事業から、いわゆるクロスセルで得られる売上は外数として扱われているため、大きな投資対象ではなくなってきています。また、先ほど述べた事業全体の再構築を進めている中で、今期はそこに大きく投資するのではなく、最も力を入れて投資していくのはフィリピン事業となっています。
フィリピンは日本の人件費の半分以下という状況ですので、大きな投資にはなりませんが、現在の環境ではこの戦い方が最適であると考えています。
本来であれば、もっと積極的に投資したいところでしたが、環境の変化により新たなチャンスを見つけることができました。この変化が、将来的な成長の機会につながると考えています。その結果として、大きな投資は現時点ではなくなった状況です。そして、これからの成長に向けて着々と準備を進めているところです。
また、大きな投資が発生する際にはしっかりと開示しますので、その点についてご理解いただければと思います。
質疑応答:グローバルWiFi事業および韓国における戦略について
司会者:「円安やサーチャージの影響で遠方に行くのが非常に高額になり、その影響で韓国へのアウトバウンドが激増しており、それで『World eSIM』が伸びているとのお話でしたが、このあたりの状況を教えてください。韓国はあくまでリードとしてというようなお話をされていたため、本当はグローバルWiFiを取りたいという意図でしょうか?」というご質問です。
佐野:グローバルWiFiが取れるのであれば取りたいというのが本心です。なぜなら、品質がまったく異なるからです。品質が良くなければリピートにつながりません。ただ安さだけを求めて利用しても、途中で使えない、電波が届かないなどの不都合が起こりやすいのは事実です。
これらの問題の背景には、相手方の通信キャリアでどの帯域が割り当てられているeSIMを使用しているのか、ユーザーが誰も把握していないことがあります。当社はそのような中でも、高品質な通信を世界中のキャリアから提供してもらい、グローバルWiFiに組み込んで、みなさまに提供しています。
ただし、4年間のコロナ禍によりWi-Fiを利用する機会が減少した中で、eSIMがあたかも新しい技術であるかのように誤解されています。しかし、実際にはフィジカルSIMがデジタルに置き換わっただけであり、中身自体が変わったわけではありません。しかし、我々がこの点を言葉で覆すことは非常に難しい状況です。このため、法人部門では「コストよりも品質」という点を重視して取り組んでいます。
また、韓国に関しては、日帰りする方もいるほど人気の高い国であり、東京から博多や大阪に行く感覚に近い状況になっています。その結果、韓国だけで収益を上げるのは非常に難しいことも事実です。したがって、そこでサービスを利用していただき、他の国で利益を出すかたちをとりたいと考えています。
Wi-Fiの時代もそうでしたが、eSIMの初期時代でも、「なぜそんな金額で出せるの?」と思うような採算度外視の低価格で参入される事業者が過去に存在しました。しかし、当社はそのような事業者に追随して赤字価格で販売するようなことは、原則行わないと決めています。これはWi-Fiの時代から同様で、極端な価格設定に依存したモデルは、長期的な事業継続が難しくなるケースが多くみられるためです。
いずれそうなるだろうという考えも含めて、我々のブランドの価値を毀損するようなことはあってはならないという方針で取り組んでいます。
そのため、リードという意味では、第三国で利用していただけるように、多少価格が高くても適正対価としてお支払いいただき、第三国でも品質が良いから使いたいと思っていただける方々には非常に価値があると考えています。
「やはりWi-Fiのほうがいい」「団体4人で行っているのにeSIMを4枚買ってとても割高になった。Wi-Fi1台だったら半額以下で済んだのに」というような状況が発生する中で、ご利用いただいたお客さまの声を基に、何が最適な選択なのかを引き続き模索している状況です。
現在、世界では燃料サーチャージが非常に高騰しており、韓国も例外ではありません。それでもトータルコストを考慮すると、韓国は依然として訪れやすい国の1つだと考えています。韓国で高品質なサービスを提供することで、我々のブランド価値そのものを向上させることになると考えています。そのため、引き続き尽力していきたいと思います。
質疑応答:セブ拠点の活動方針について
司会者:「フィリピンのセブ島の拠点についてお尋ねします。プレゼンテーションでは、日本向けインバウンド旅行需要を現地の旅行会社を介して取る拠点にしたいとのことでした。ただ、資料では『World eSIM』のグローバル展開へ、となっています。どちらなのでしょうか?」というご質問です。
佐野:両方です。インバウンドのツーリズムについてですが、例えばメキシコ人が10人で日本に来られる際には、1人1枚の「World eSIM」がついてくるというかたちになっています。
そのため、本来であればWi-Fiルーターのサービスを提供したいのですが、ここでの本当の狙いは第三国です。Wi-Fiルーターにはタッチポイントが必要であり、返却場所が求められますが、それを必要としない点が強みです。そして、まず日本で1回使用していただき、その後、例えばヨーロッパ、次にアメリカ、さらにフィリピンと、他の地域でも使えるため物理的な制約がありません。
したがって、我々の品質の良さを知っていただくためには、旅行需要を把握し、そのお客さまにサービスをアドオンすることで、LTV(顧客生涯価値)の最大化が可能となります。このため質問の回答としては、「両方」となります。
ここから先は企業秘密に触れるような、今後の積極的な戦略に関わる内容になるため、現時点では詳細はお伝えすることは控えます。この取り組みが確立し、確かな手応えが得られた段階で、さらに幅広い情報をご提供できればと考えています。まずは、インバウンド旅行需要を獲得することと「World eSIM」のグローバル展開はセットであることをご認識いただければと思います。
質疑応答:賃貸保証事業の展開について
司会者:「賃貸保証に関して、展開予定と理解しています。テナントの依頼に応じたクロスセルを目指すのか、それともビルオーナーをターゲットにするのか、もう少し細かく内容を教えてください。現状うまくいっているようでしたら、事例も踏まえて教えてください」というご質問です。
佐野:現在、まだ多くが構想の段階になりますが、ヒアリングを行いながら進めています。ビルオーナーと管理会社は、ある意味一体と考えています。
最終的にビルになにか設備を導入する場合は、オーナーが決定を行います。例えば、エアコンの一括交換や賃貸保証会社の選定、もしくは電気設備の変更など、オーナーがさまざまな事項を決めます。そのため、オーナーに直接アプローチできるという点で賃貸保証を行うということは、入居者の家賃が未払いとなった場合、我々が代わりに支払うということです。
これまでの付帯サービスは、どちらかというとセールス活動により、ビルへ売り込むかたちでした。しかし、賃貸保証はオーナーがほぼ必須と考えるようなサービスとなっています。どのサービスを利用するかという点では、やはりサービス内容が良いかどうかが重視されます。我々は、それら両方にリーチできるような仕組みを構築していこうと考えています。
また、オフィスのテナントを決める際や、個人がマンションに入居する際、不動産会社が仲介を行い、審査を実施します。この審査は不動産会社が行っているわけではありません。むしろ、我々が入居審査を行っているのです。
我々はリース事業において審査を継続的に行ってきており、審査のノウハウを有しています。この審査チームが個人または法人の審査を実施し、保証額を決定した上で入居を判断する仕組みです。
ただし、各ビルオーナーには「このような方を入居させたい」という特定の要望があり、その点についてはオーナーと対話を重ねながら、理想に合うお客さまに入居していただきます。また、掲げるビジョンに基づいて、今まで入居させなかった人を入居させるといったことにも対応していきます。
また、ビルの清掃や管理において人が対面で行う必要があった業務について、当社ではWebカメラやセキュリティカメラを多数販売しているため、これを活用し、ビル管理においてAIも使用しながら24時間監視するサービスを作ることができればと考えています。
ビルのオーナーが求めているものや、まだ気づいていないニーズも多く存在している中、従来とはまったく異なる方法で良質な管理を実現することを目指しています。そのため、賃貸保証だけではないマネタイズのポイントとして、当社はすでにさまざまな商材を多数有しており、ビル管理の分野においても「全部ビジョンさんに頼みたい」とご評価いただけるポジションを獲得したいと考えています。