丸山製作所は、農林業用機械・工業用機械・消防機械の製造・販売を手掛ける企業である。1895年創業の老舗メーカーで、130年の歴史の中で培った「ポンプ」「エンジン」をコア技術とし、農林業・工業・BtoCにおいて多面的に展開を行う。東京証券取引所スタンダード市場に上場している。
1. 2026年9月期第3四半期の業績概要
2026年9月期第3四半期の業績は、売上高で前年同期比10.7%増の32,843百万円、営業利益で同116.7%増の1,760百万円、経常利益で同97.1%増の1,818百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益で同86.6%増の1,072百万円と大幅増収増益となった。農林業用機械では米卸売価格の高騰を背景とした農業用機械全般への需要増加が続いたことに加え、工業用機械では北米において流通在庫の調整が完了したインフラ事業向けの用途が増加したことにより、受注が回復し、農林業用機械・工業用機械の両セグメントともに増収増益となった。
2. 2026年9月期通期の業績見通し
2026年9月期通期の連結業績は、第3四半期決算の発表と同時に上方修正された。売上高で前期比4.2%増の43,000百万円(事前予想は42,000百万円)、営業利益で同66.6%増の1,800百万円(同1,500百万円)、経常利益で同49.1%増の1,750百万円(同1,500百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益で同48.0%増の1,100百万円と増収増益を予想している。農林業用機械では、通期で米卸売価格高騰を背景とした農家の設備投資需要が継続し、工業用機械では、北米での堅調推移を見込んでいる。これら主力2事業によって、同社全体で増収増益を見通している。
3. 中長期の成長戦略
同社は2023年9月期より、5ヶ年の第8次中期経営計画を推進している。最終年度である2027年9月期に売上高48,000百万円、営業利益2,800百万円、ROE7.5%以上、海外売上高比率35%以上を目標に掲げる。前半3年を「種まき」フェーズと位置づけ、2026年9月期から「刈り取り」フェーズへ移行している。重点施策として、1)収益力強化、2)新規事業の確立、3)海外事業の成長、4)既存事業のさらなる成長、5)財務体質・人材育成・リスク管理の強化に取り組んでいる。
4. 株主還元
株主還元については、連結配当性向30%程度を目安に、安定的かつ継続的な配当を行うことを基本方針としている。2025年9月期の配当は記念配当5.0円を含む年間80.0円(配当性向43.4%)を実施し、2026年9月期は年間75.0円(同32.9%)から第3四半期決算と同時に上方修正され、同80.0円(創業130周年記念配の5円を増額)を予想している。また、2021年以来、自己株式取得を継続的に行っており、2025年9月期の総還元性向は96.1%と極めて高い水準だった。今後も自己株式取得を継続する方針である。加えて、株主優待として保有株数に応じてQUOカードを贈呈しているなど、積極的な還元姿勢を維持している。その株主還元も第3四半期決算と同時に、長期かつ複数株式の保有者を対象に拡充され、QUOカードに加えてデジタルギフトも選択できるようになった。配当2.84%と最小単位の株主優待0.35%の合算利回りは3%を上回る。
5. 株価
「刈り取り」フェーズが足もと強化されている状況を見て取れ、2027年9月期の中期経営計画の最終年度に向けて高い利益成長が見込まれることになる。マーケット平均のPER15倍で評価されれば、時価総額は250億円を上回ることになろう(現在141億円)。PBRも0.5倍台だ。総還元利回りにも下値を支えられつつ、キャピタルゲインを狙えることになる。
■Key Points
・2026年9月期中間期は、農林業用、工業用ともに大幅増収増益で黒字回復
・2026年9月期通期でも増収増益見通し、中東情勢を踏まえ予想は据え置き
・「刈り取り」フェーズに移行し、2027年9月期に売上高48,000百万円、営業利益2,800百万円を目指す