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トーカイ Research Memo(8):「成長けん引」と位置付けるシルバー事業でM&AとDXを積極推進

■トーカイの中長期成長戦略

2. 中期経営計画の取り組み状況
(1) 各事業における取り組み状況
a) 健康生活サービス
病院関連事業では、「入院・入居セット」にテレビリースを組み込んだサービスを2026年3月期から、一部地域で開始し、今後拡販に注力することで顧客単価アップを図る。また、2025年7月に新基幹システムが本格稼働したことで、業務効率向上による生産性改善を進めている。

寝具・リネンサプライ事業では、子会社の生産体制を強化することで、拡大する需要を着実に取り込むほか、安定供給のための価格適正化に注力している。

シルバー事業では、DXの推進により営業の生産性向上を図り、営業1人当たりの新規利用者獲得増に取り組むほか、レンタル資材の効率運用を継続することで原価低減を推進する。また、M&Aや新規出店、調剤薬局とのシナジー店舗の出店などにより「地域シェアNo.1」を目指す。DX推進では、2026年3月期に電子署名アプリや新決済システム等を導入したことで、1人当たりの事務処理時間を導入前と比較して約25%削減した。2027年3月期は新たにレンタルの受注業務を効率化する「ワンストップ受注システム」を本格稼働するほか、請求書・領収書・取引帳票類の電子化システムとなる「WEB明細システム」を導入し、利用者の利便性向上と郵送費や用紙コストの削減に取り組む。これら施策の効果により、事務処理時間は前期からさらに半減する見込みであり、ケアマネジャーへの営業機会の増大による新規利用者の獲得増が期待される。

また、同社は2026年6月、リハビリデイサービス事業を展開する出光興産の子会社であるQLCプロデュースの全株式を取得することを発表した。これにより同社のリハビリデイサービス事業は全国206拠点(FC運営の158店舗を含む)、年間売上高は約32億円の規模となり、今後の成長を支える柱の1つとして、事業推進を本格化する。在宅高齢者向けサービスに関する事業基盤の拡充を通じて、長期ビジョンで掲げる健康長寿社会の実現に向けた事業領域の拡大を進めるとともに、新たなサービス開発にもつなげていく考えだ。

給食事業では、価格適正化による収益改善を進めているほか、院内調理からセントラルキッチンを活用した完全調理品への切り替えを通じた収益構造の転換を図っている。

b) 調剤サービス
調剤薬局事業では、AIアシスト機能付き電子薬歴システムを2026年6月より全店舗に導入するほか、医療事務業務センターを2028年3月期中に全体の1/4の店舗に対応できる体制を整備していく。これらの取り組みにより、薬剤師1人・単位時間当たりの処方箋処理枚数を増やし、生産性向上につなげていく。また、医療機関と薬局をつなぐ在宅医療専門の部署を新設し、在宅調剤の取り組みを加速し、門前医療機関以外の処方箋にも幅広く対応することで、技術料単価の底上げを図る。2026年3月期の門前医療機関以外からの処方箋受付枚数の比率は18.9%だが、これを2027年3月期は20%に引き上げる。そのほか、MCI(軽度認知障害)予防や認知症カフェなど地域に根差した活動を通じて、「地域で一番選ばれる薬局」を目指す。

c) 環境サービス
リースキン事業では、トイレ周り商品の拡販に引き続き取り組み、清掃事業では手術支援業務などの高付加価値案件の獲得と、清掃ロボットの活用による生産性向上を推進し、収益拡大を目指す。

(2) キャッシュ・アロケーション
同社は資本効率の向上を図るため、現中期経営計画期間ではバランスを考慮した成長投資と株主還元を積極的に進める。株主還元については3期累計で「総還元性向70%超」とすることを掲げている。2026年3月期は配当金の22億円に加えて、自己株式の取得で63億円を支出しており、同目標値についてはほぼ達成する見込みとなった(2027年3月期の予想配当金は約24億円)。

3期累計のキャッシュ・アロケーションの計画を見ると、キャッシュインは営業キャッシュ・フローの創出で約300億円(ストックビジネスによる安定的な営業キャッシュ・フロー)、手元資金及び有利子負債の活用で約70億円とし、キャッシュアウトとして株主還元に約120億円、既存事業の維持・拡大投資で約150億円(設備投資)、新規事業の開発やシルバー事業など成長けん引分野におけるM&A、事業基盤の拡大・強化に向けた研究開発や他社連携などの新規投資枠として約100億円を想定している。初年度の投資の進捗については、既存事業の維持・拡大投資で40億円(2027年3月期計画58億円)、新規投資で約5億円となっているが、前述したQLCプロデュースの株式取得額約29億円を含めると、新規投資枠に対する足元での進捗は約1/3となった。引き続き、成長けん引事業に位置付けるシルバー事業(介護用品レンタル、リハビリデイサービス)を中心としたM&Aを積極推進するものと予想される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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