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トーカイ Research Memo(6):2027年3月期業績予想は不透明な事業環境を踏まえ保守的に策定

■トーカイの今後の見通し

1. 2027年3月期の業績見通し
2027年3月期の連結業績は、売上高で前期比3.6%増の165,400百万円、営業利益で同4.2%減の8,985百万円、経常利益で同6.5%減の9,437百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同0.8%増の6,117百万円を計画している。薬価及び調剤報酬改定の影響で調剤サービスが減益に転じるほか、中東情勢の緊迫化を受けたエネルギーコストの上昇で2.3億円※のマイナス影響を計画に織り込んだ。同社ではレンタル事業の拡大やサービス提供価格の適正化、DX推進を通じた業務効率化により、これらマイナス影響の吸収に努めるとしている。なお、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に計上した減損損失の影響がなくなるため、増益を確保する見通しだ。

※ イランと米国の紛争が勃発し、2026年3月時点に各事業者へヒアリングした結果に基づき、ガス・重油で前期比約2割強、電気で約1割弱の値上げを想定した。大半はリネンサプライ事業の負担増となるが、リースキン事業もコスト増要因となる。

2. 事業セグメント別の見通し
(1) 健康生活サービス
健康生活サービスの業績は、売上高で前期比5.2%増の86,086百万円、営業利益で同5.0%増の8,972百万円と増収増益が続く見通しである。事業環境認識について、2026年度の診療報酬改定がプラス改定となったものの、医療機関の経営状況は厳しい状況が続き、事業環境に大きな変化はないと同社では見ている。また、医療機関・介護福祉施設向けのリネンサプライや「入院・入居セット」は引き続き介護施設向けを中心に契約件数の拡大を見込んでいる。宿泊施設向けリネンサプライについては稼働率が高水準を維持するなかで、価格改定交渉を継続している状況にある。シルバー事業では、高齢者人口の増加とともに介護サービスの需要拡大が続く一方で、介護用品レンタル業界は人手不足や事業承継問題などを背景に大手資本の集約化が進行し、同社にとってはM&Aでシェアを拡大する好機と見ている。

事業別の業績見通しは、病院関連事業及び寝具・リネンサプライ事業が売上高で前期比2,813百万円の増収、営業利益で同81百万円の増益を見込む。洗濯工場におけるエネルギーコストの増加を増収効果で吸収する方針であり、戦略商品である「入院・入居セット」で7%増収、「ネクサージ」で9%増収を見込んでいる。手術室用リネンで使用される不織布がナフサ由来であり、ディスポーザブル製品の値上げや品不足が危惧されるなか、リユース製品である「ネクサージ」の需要が高まると予想される。ホテルリネンはサービス提供価格の適正化と新規顧客の獲得で前期比1ケタ台の増収を見込む。また、ホテル向けリネンサプライ事業を展開する非連結子会社1社を期初から連結対象に組み入れたことも増収要因となる。

シルバー事業は売上高で同1,267百万円の増収、営業利益で同242百万円の増益を見込む。成長率は5%前後の増収増益となる。介護用品レンタル事業では都心部を中心に5拠点の出店を計画するほかM&Aを積極推進するため、2026年4月よりM&A担当部署を立ち上げた。候補案件も増加傾向にあるもようで、同社では高齢者人口の増加が見込める地域であり、グループ化によるシナジー創出(メンテナンスセンターの共用によるコスト低減等)も含めて収益性を確保できることなどを条件に、今後も積極的に検討する方針だ。また、レンタル資材の効率運用による原価低減活動も継続する。なお、2024年夏に新設した九州メンテナンスセンターは、稼働率が徐々に上がっているが償却負担増もあって、本格的に利益貢献するのは2028年3月期以降となりそうだ。

そのほか給食事業は不採算事業所からの撤退により、前期比81百万円の減収を見込んでいるものの、黒字を維持する見通しだ。クリーニング設備製造事業は省人化ニーズの高まりを背景に、増収増益が続く見込みである。

(2) 調剤サービス
調剤サービスの業績は、売上高で前期比2.0%増の64,119百万円、営業利益で同25.5%減の1,810百万円を見込んでいる。このうち、調剤薬局事業は1,291百万円の増収、783百万円の減益を想定している。売上高の前提となる処方枚数は前期比0.3%増、処方箋単価は1.9%の上昇を見込むものの、薬価改定や調剤報酬改定による技術料売上の減少が減益要因となる。2026年春の調剤報酬改定で調剤管理料が大きく見直されたことによる影響が大きい。処方日数の区分が従来の4区分から2区分に見直され、処方日数8〜28日の点数が大幅に引き下げられた※。同社は今回の改正に対応すべく、かかりつけ機能の強化や在宅調剤の取り組み強化、薬剤師の育成やDXによる生産性向上などに取り組み、マイナス影響の軽減を図る。なお、新規出店で6店舗(シルバー事業との連携店舗を含む)、退店で3店舗を計画している。

※ 従来は、処方日数7日以下が4点、8~14日が28点、15~28日が50点となっていたが、今回の改正により28日以下が一律、10点となった。

ドラッグストア関連事業については前期に2店舗の退店を実施した影響で、売上高は43百万円の減収を見込むものの、営業利益は163百万円の増益となる見通しだ。なお、不採算店舗はまだ若干残っており、今後の収益化が難しいと判断した場合は、退店も視野に検討する方針だ。

(3) 環境サービス
環境サービスの業績は、売上高で前期比1.3%増の15,030百万円、営業利益で同2.5%減の1,201百万円を計画している。内訳を見ると、リースキン事業が価格適正化の推進並びにトイレ周り商品の拡販により99百万円の増収、営業利益は洗濯工場のエネルギーコスト上昇があるものの増収効果でカバーし8百万円の増益となる見通しである。一方、清掃事業は新規顧客の獲得や価格適正化の取り組みなどで75百万円の増収を計画するが、清掃ロボットの導入に伴い一時的に費用が先行することで29百万円の減益となる見通しだ。今後、清掃ロボットの運用を軌道に乗せることで生産性を高め、労務費削減につなげる方針だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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