事業内容
市原創吾氏:2026年9月期第3四半期の決算資料についてご説明します。株式会社AViC代表取締役社長の市原です。
まずは、会社概要です。マーケティング戦略の立案から実行までを一気通貫で行うサービスを提供し、お客さまのインターネット集客を支援しています。
また、直近ではM&Aなどにより「TikTok LIVE」などの新規事業も展開しています。
インベストメント・ハイライト
インベストメント・ハイライトです。クオリティ・グロースを継続しています。インオーガニックを含めた成長軌道は盤石です。
日本のインターネット広告市場の規模
我々が所属する市場は、年率2桁の高い成長を続ける肥沃な市場であり、今後も堅調に拡大すると捉えています。
(再掲)マネジメント・ビューポイント|デジタルマーケティング領域における変化と機会 1/2
昨今、AIの台頭により、我々の領域における変化が注目されています。これらはリスク要因と捉えられがちではありますが、当社としては自社の競争優位性を際立たせる追い風と分析しています。
まず、生成AIツールや「AI Overviews」の台頭の影響についてですが、Alphabet社の決算で検索広告領域の売上高が前年同期比でしっかりと成長しているとおり、AIが既存ビジネスを毀損しているという事実は観測されていません。
また、これらの多様な変化に伴い、広告主が向き合うマーケティング環境の複雑化や高度化が加速していくと分析しています。そのため、このような変化に自社だけで対応していくのは難しいと考えています。
さらに、このような環境下で、広告のメディアバイイングにおける「Paid領域」やその他の各領域において、もう一段階高い品質でサービスを提供することは当然として、それらを横断しながら総合的にマーケティングを行うことが非常に重要であると考えています。
(再掲)マネジメント・ビューポイント|デジタルマーケティング領域における変化と機会 2/2
当社では、環境の変化に対応する中で、表面的なKPIの追求ではなく、お客さまのビジネスを推進するために必要なプロダクトや課題解決のソリューションを提供することに重点を置いています。その上で、お客さまのKPIの設計を追求することを重視しています。
また、お客さまに合わせたマーケティング全体の立案を行い、その上で最適なプロダクトを選定し、サービスを提供しています。これにより、個別施策の実行や局所的な最適化にとどまらず、付加価値の高い提案を行うことで、お客さまから継続的な支持をいただいている点が大きなポイントであると考えています。
現時点で、当社のマーケット自体が縮小しているという事実は観測されていません。むしろ、非常に難しくなってきているこの時代において、プロフェッショナルな戦略パートナーとして当社が選ばれる機会は増加しています。
そのような環境下において、他社から当社へのリプレイスが着実に進んでいます。その証左として、2025年9月期の売上高成長率は前年同期比で38.6パーセント、2026年9月期の売上高成長率については計画値として前年同期比49.5パーセントを見込んでいます。
これらの市場変化を追い風と捉え、持続的な成長を実現していきたいと考えています。
ハイライト
決算の概要です。第3四半期は前年同期比および前四半期比ともに増収増益を達成しました。エンタープライズ顧客との取引拡大に加え、M&Aによって第2四半期からP/L連結を開始したSpica社の貢献により、前年同期比で売上高は59.0パーセント、営業利益は96.6パーセントと、大幅な増収増益で着地しています。
なお、エンタープライズ顧客との取引拡大には、一部顧客のスポット案件や大口顧客による年間マーケティング予算の前倒し執行も寄与しています。
営業利益の絶対額は3億2,000万円となり、過去最高の四半期業績を達成しました。第2四半期に上方修正した通期計画に対して、順調に進捗しています。
当社は人材の育成とテクノロジーの活用を重視し、高生産性を継続しています。グループ連結の社員数は第3四半期時点で111名となり、前年同期比16.8パーセントの増加となりました。
また、人材の育成とテクノロジーの活用に加え、エンタープライズのお客さまの開拓による顧客単価の向上やプロダクトのクロスセル拡大、さらにSpica社のM&Aが業績に寄与しました。その結果、第3四半期累計での社員1人当たりの売上高は2,670万円となり、前年同期比41.2パーセントの成長率を達成し、高生産性を維持しています。
2026年1月末にM&Aを実施したSpica社のPMIは順調に進捗しており、一過性の費用やのれんなど無形固定資産の償却後にも、通期での利益貢献を見込んでいます。このSpica社についても、KPIマネジメントの導入やマーケティング施策などのPMIが順調に進み、基礎的な収益力が向上しています。
なお、第3四半期においては社内計画を上回る推移となりました。のれんなど無形固定資産の計上額は11億8,000万円であり、のれんの償却期間は11年で確定しています。
2026年9月期3Q業績 1/2
第3四半期の業績です。前年同期比では、売上高が59.0パーセント、売上総利益が66.9パーセント、営業利益が96.6パーセント増加しました。また、前四半期比では、売上高が7.2パーセント、売上総利益が4.1パーセント、営業利益が15.9パーセントの成長となっています。
先ほどから申し上げているとおり、エンタープライズ分野におけるお客さまの受注は好調に推移しています。また、Spica社のPMIも順調に進んでいます。
なお、Spica社のM&Aに関連する費用として、第2四半期に約8,000万円を計上しました。前期の第3四半期には、リアレーション社のM&A関連費用として約3,000万円を計上しています。
2026年9月期3Q業績 2/2
計画対比では、売上高および各段階利益ともに順調に進捗していると評価しています。
財務ハイライト 1/3
財務ハイライトです。売上高の推移、営業利益および営業利益率の推移ともに、業容が拡大している中で、いずれも高い水準で推移しています。
財務ハイライト 2/3|YoYでの営業利益の増減分析
前年比での営業利益の増減分析です。
財務ハイライト 3/3|QoQでの営業利益の増減分析
こちらは四半期ごとの営業利益増減分析です。第2四半期にはSpica社のM&Aに関連する一過性費用が約8,000万円計上されています。
業績の進捗|売上高
売上高のヒストリカルデータですが、引き続き右肩上がりの強い成長を示しています。
業績の進捗|売上総利益
売上総利益も同様です。
業績の進捗|営業利益
営業利益も同様です。
重視している経営指標
重視している経営指標については、「事業成長と高生産性の両立を重視した経営手法」の実現により、生産性を継続的に維持・向上できています。
人材の育成とテクノロジーの活用を重視し、増加する需要に対応する供給体制の強化が順調に進捗しています。足元の受注状況を踏まえ、概ね計画水準での着地を見込んでいます。
エンタープライズ顧客向け売上高の推移
エンタープライズ向けの売上高の推移です。当社単独での顧客獲得や、パートナーとの協業などによる顧客開拓が進展しています。前年同期比では54.0パーセント増となっています。
株式会社Spica概要
Spica社についてご説明します。「like me」という名称で「TikTok LIVE」でのライバーマネジメント事業を運営している会社ですが、2026年1月末に100パーセントの株式を取得しました。
ビジネスモデル
所属ライバーから手数料を徴収せず、プラットフォームからのインセンティブ報酬のみによる収益化となっています。
日本のライブ配信プラットフォームの市場規模
こちらの市場は非常に高い成長を遂げています。
ストラクチャーとバリュエーション
スキームとストラクチャー、バリュエーションについてです。買収資金は全額銀行借入で対応しています。また、アーンアウトおよび返金条項が付いています。
EV/EBITDAは約3.1倍となっています。規律ある水準で実行しています。
本件実行後の財務の状況
本件実行後も主要な財務健全性指標は適正水準を維持しています。そのため、本件に伴うエクイティ・ファイナンスは不要です。
また、十分な借入余力も維持しているため、今後のM&Aについてもしっかりと銀行借入により調達が可能です。
本件の狙いと想定シナジー
本件の狙いと想定するシナジーとしては、「like me」およびグループ会社との連携により、動画マーケティングのエコシステムを構築することが挙げられます。
また、データドリブン型の経営管理手法を用いることで、再現性のある成長を実現しながら、KPI管理を進めています。さらに、収益基盤の強化として、BtoBおよびBtoC双方で事業ポートフォリオの多角化を進めています。
定量的なデータに基づく経営の徹底
当社の強みと成長戦略です。「事業成長と高生産性の両立を重視した経営手法」の運用についてお話しします。
我々は、全従業員のデータ、工数、役職ごとのパフォーマンス、従事している業務がどのような成果を上げているのかといった内容や、顧客に合わせたサービス水準の定義など、各種データを全社横断でマネジメントしています。
定量データに基づく経営の意思決定が、高い事業生産性の源泉となっています。
自社開発ツールの活用 1/3
自社開発ツールを活用することで、高い生産性と高品質のサービスを属人化せず、組織として提供可能になっています。「慧眼AI」はその一例です。
事業成長ペースに合わせた組織規模の適切なコントロール
「戦略的な人材の採用と育成」についてですが、新卒採用における育成および即戦力となる中途採用の計画的な実施、さらにテクノロジーの活用を通じて、生産性の維持・向上に取り組むことで、事業成長ペースに合わせて適切に組織を拡大できています。
人材の育成|人材が早期に育成される仕組み
「戦力化人材」の育成においては、属人的・感覚的な手法ではなく、データに基づく科学的なアプローチを採ることで、着実かつ迅速に多能工人材が育つ環境や仕組みを確立しています。
(再掲)エンタープライズ顧客向け売上高の推移
エンタープライズ顧客からの継続的な受注については、当社単独だけではなく、パートナーとの協業も含めて進展しています。
株式会社ADKマーケティング・ソリューションズとの合弁会社の設立
また、株式会社ADKマーケティング・ソリューションズとの合弁会社も順調に進捗しています。
当社の構造的な競争優位性
当社の構造的な競争優位性は、定量的データに基づく経営を基盤とし、供給と需要の両面で構造的な維持・強化が図られていることにあり、結果として高い売上高成長率と事業生産性を実現できています。
顧客属性別事業部粗利率の推移
エンタープライズ顧客とSMB顧客のいずれに対しても、高い事業生産性を確保しつつサービスを提供することが可能です。
スライドのSMB顧客に関する折れ線グラフの一部で右肩下がりとなっているところがありますが、上位のSMB顧客が単価上昇によってエンタープライズ顧客区分に移行したことが要因となっています。
また、直近ではエンタープライズ案件において一時的な外注費用が発生していますが、逓減していくものと捉えています。
他の広告代理店対比での当社の業績
当社は、同業他社を上回る売上高成長率と事業生産性を実現しています。
質疑応答:AI活用による業務効率化と生産性向上について
「『慧眼AI』は、業務効率化や顧客の価値提供の向上にどの程度寄与し始めていますか?」というご質問です。
AIは社内で非常に積極的に活用できており、全従業員がAIを活用しながら、これまでの業務に取り組んでいる状況です。実際にそれによって浮いた時間で新規活動を行っており、より生産性が向上すると考えています。
質疑応答:今期の採用計画と新卒・中途採用の状況について
「人材の採用については、計画どおり進んでいるのでしょうか?」というご質問です。
今期は120名を着地想定としています。新卒が順調に戦力化しており、4月には新卒16名が入社しました。また、引き続き中途採用も進めており、全体としておおむね想定どおりの採用となる見込みです。
質疑応答:今後の営業利益率の見込みについて
「営業利益率は高水準かと思いますが、今後も現状の水準を維持できるのでしょうか?」というご質問です。
これは、維持できると考えています。また、AIの活用などによって、さらなる改善が可能であると考えています。
質疑応答:第3四半期および第4四半期の進捗状況について
「第3四半期決算説明資料のハイライトに、大口顧客による年間予算の前倒し執行が寄与との記載がありますが、これは第4四半期の業績に与える反動減のリスクについてはどの程度見積もればよいですか?」というご質問です。
まず、第3四半期については、Spica社のPMIが非常に順調に進捗していることに加え、大口顧客による前倒しがありました。また、第4四半期も引き続き計画どおりに進捗しています。
今期の業績だけでなく、来期も飛躍的に成長できるように種をまき、新規事業にリソースを割くなど、新たな取り組みを進めています。そのため、第4四半期においてなにか大きなリスクがあるという状況ではありません。
質疑応答:解約率と顧客へのソリューション提供の取り組みについて
「目まぐるしい事業環境の中でクライアントの解約などは起こっていませんか? また、解約を防ぐための具体的なリテンションや顧客満足度、成果を継続するための取り組みは強化されていますか?」というご質問です。
以前と比べて解約率が上がっていることはありません。しっかりと事業成果を出していることが前提にあり、創業以来、我々のチャーンレートは非常に低いと考えています。この目まぐるしいテクノロジーのアップデートの中でも、チャーンレートが上がっているということはありません。
その中で、「それでは、今までどおりでいいのか?」という懸念はあるかもしれませんが、もちろんそのようなことはありません。
現在、当社は顧客に対してコンサルティングサービスを提供していますが、顧客の課題は変化していくため、これまで提供していたサービスだけでなく、新しい顧客の課題に応じたソリューションを次々と提供しています。
一部では、AIによる自動化やインハウス化が進むケースもありますが、それに応じて新たな課題解決のソリューションを提供しています。そのため、プロダクトのラインナップは少しずつ変化していますが、現在、クライアントの解約はほぼ見られていません。
また、リテンション施策や顧客満足度の向上も含め、例えばライブコマースの実施を通じて直接的に販売を支援するソリューションの提供や、クライアントの商品を海外ネットワークで販売するなどしています。
お客さまのマーケティングに対する課題は常に存在するため、そのような課題に対応すべく、当社は手法やアプローチを工夫しながらソリューション提供を行っています。社会にはさまざまな大きな変化も見られますが、それに対して社内でしっかりと対応しています。
質疑応答:市場需要のキャッチアップと社内体制について
「変化が激しいマーケティング領域において、常に最先端の市場需要を捉え続けられている要因を教えてください。また、変化の速いニーズを、組織として再現性高くキャッチアップし、他社と差別化された高付加価値のソリューションに落とし込むための具体的な仕組みや社内の情報提供、育成体制について教えてください」というご質問です。
こちらは、日々アップデートしていくしかないという状況です。現在どのような能力が求められているのか、世の中でどのような人材が必要とされているのかについて、まずは評価制度や求める能力を日々アップデートしています。
その上で、それぞれに求められる能力やスキルについて、しっかりとフィードバックを行いながら育成を続けていくことが重要です。この仕組みが、当社の強みでもあると考えています。
また、当社は幹部も含めて現場に対する感度が非常に高く、現場主義の会社です。私自身も、新しいアップデートや新規事業に関してはすべてハンズオンで携わり、実際の顧客やユーザーの反応を確認しながら進めています。このような姿勢は、当社の社内文化として根づいていると考えています。
質疑応答:M&Aの進捗状況と方針について
「今後のM&A戦略についてパイプラインも含めて教えていただけますか?」というご質問です。
パイプラインについて具体的な数はお答えできませんが、毎週ミーティングを開催し、案件のソーシングを進めています。前期および今期ともに1社ずつM&Aを実施しましたが、毎年何社行うという目標を定めているわけではありません。我々の事業とシナジーが見込める案件について、現在の借入余力も踏まえながら、慎重に検討を重ねています。