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ギークリー Research Memo(1):2027年5月期も過去最高業績見込みのIT業界等に特化した転職エージェント

■要約

ギークリーは、企業が求める人材と求職者が希望する職場・キャリアを結び付ける人材紹介サービスを提供するIT・Web・ゲーム業界に特化した転職エージェントである。創業以来、業界特化で蓄積した知見に加え、自社開発の基幹システム「OLG(オルグ)」を活用した高精度なマッチングが強みである。インバウンドとアウトバウンドを組み合わせた多様な集客基盤に加え、多くの人材紹介会社と異なる効率的な分業体制により、高い生産性とマッチング品質を実現している。DXや生成AIの普及に伴うIT人材需要の拡大を背景に事業規模を着実に拡大し、2026年2月に東京証券取引所(以下、東証)スタンダード市場へ上場した。

1. 2026年5月期の業績概要
2026年5月期の業績は、売上高9,783百万円(前期比36.9%増)、営業利益2,156百万円(同206.4%増)と、大幅な増収・営業増益となった。売上高・営業利益ともに過去最高を記録し、上場時に公表した会社計画を上回った。この飛躍的な業績拡大の主な要因は、DX投資や生成AI関連需要の拡大を背景にIT人材市場が堅調に推移するなか、求職者獲得施策の強化やキャリアアドバイザー(CA)増員による面談数の順調な拡大と、高年収帯求職者の成約増加や成功報酬の値上げによる成約単価の上昇である。面談CA数は前期末の81名から112名へ増加し、第4四半期の面談CA1人当たりの生産性は8,846千円(前年同期7,858千円)へ、第4四半期末月の成約単価は237万円(前年同月200万円)へ伸長した。この結果、営業利益率は前期の9.8%から22.0%へ大幅に改善した。

2. 2027年5月期の業績見通し
2027年5月期の業績は、売上高12,080百万円(前期比23.5%増)、営業利益2,506百万円(同16.2%増)と、2ケタ増収・営業増益を見込んでおり、引き続き過去最高業績を更新する見通しだ。企業によるDX推進の定着やAI技術の発展を背景に、IT人材や高度専門職に対する需要が高水準で推移するとの想定の下、継続的な集客強化と面談CAの増員により、面談数及び成約数の拡大を図る。期末の面談CA数は前期末の112名から140名へ増やす計画である。一方、営業利益の伸びが売上高の伸びを下回るのは、特定媒体における成功報酬料率改定の影響を織り込んでいるためであるが、営業利益率自体は20.7%と20%超の高水準を維持する見通しである。

なお、前期の好業績をけん引した成約単価について、同社は今期計画において一定程度保守的に算定しているとコメントしていることから、弊社では成約単価の上振れ余地を残した予想であると評価している。

3. 成長戦略
同社は現在、中期経営計画を公表していないため、具体的な中期業績目標は提示していない。ただし、事業運営においては売上高成長率20%、営業利益率20%を下限とすることを基本方針に据え、高い成長率と収益性の両立を目指している。当面の施策として、創業以来IT人材領域に特化した人材紹介事業で培った強みを生かし、集客力の強化による求職者基盤の拡大と、ターゲット領域の拡張を通じた事業領域の拡大を推進する。集客面では、プロeスポーツチーム「ZETA DIVISION」とのスポンサー契約継続に見られるような、ITエンジニア層と親和性が高いコンテンツを活用した独自プロモーションを展開し、従来のテレビCMや交通広告ではリーチしにくい層への認知拡大を図る。また、ターゲット領域の拡張では、従来の主戦場である年収400〜800万円の中堅層に加え、より高年収帯のハイレイヤー層やハイクラス層の開拓を進める方針だ。

4. 株主還元策
同社は株主還元について、将来の事業拡大に必要な内部留保を適切に確保しつつ、安定的かつ継続的な配当の実施を重視している。従来は、配当性向15%を目途とした累進配当を基本方針とし、利益成長に応じた段階的な配当の引き上げを目指してきた。2026年5月期は、この方針に基づき年間配当18.0円(配当性向15.0%)を計画していたが、上場記念配当12.0円に加え、業績の上振れに伴う2.0円の普通配当増配を行った結果、1株当たり配当金は32.0円(同24.1%)となった。2027年5月期については、手元流動性の確保が進展したことを踏まえ、配当方針を見直し、配当性向の目途を15%から40%へ引き上げた。これにより、1株当たり配当金57.0円(配当性向40.5%)を予定している。

■Key Points
・2026年5月期は、面談数の増加と成約単価の上昇により大幅な増収増益となり、過去最高業績を更新
・2027年5月期は面談数拡大による増収増益を見込むも、成約単価の保守的な前提により上振れ余地あり
・中期的には、集客強化と領域拡張を通じて、売上高成長率20%、営業利益率20%を下限とする高い成長率と収益性の両立を目指す
・手元資金の充実を踏まえ、配当性向の目途を15%から40%へ引き上げ

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)

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