マネーボイス メニュー

メディアスHD、売上高は過去最高を更新 既存事業の強化とM&Aを推進し2029年6月期経常利益32億円を目指す

目次

芥川浩之氏:代表取締役社長の芥川です。2026年6月期決算説明を開始します。本日は、スライドに記載の目次に沿ってご説明します。

2026年6月期 決算状況

まずは、メディアスホールディングスの概況についてご説明します。2026年6月期決算の状況です。

売上高は前年を上回り、過去最高を更新しました。営業利益および経常利益は、概ね計画どおりとなっています。

売上高は3,023億3,600万円で前期比104.7パーセント、計画達成率99.1パーセントを記録しました。営業利益は17億8,000万円で前期比94.9パーセント、計画達成率101.8パーセント、経常利益は23億600万円で前期比95.2パーセント、計画達成率100.3パーセントとなっています。

親会社株主に帰属する当期純利益は9億4,400万円で前期比68.6パーセント、計画達成率72.6パーセントでした。1株当たり当期純利益は42円45銭となりました。

売上高は計画に達しませんでしたが、営業利益と経常利益は計画どおり達成できました。ただし、親会社株主に帰属する当期純利益は特別損失の計上により、大幅に下回る結果となりました。その詳細については後ほどご説明します。

事業会社

当社グループの事業会社です。グループ会社数は17社となりました。医療機器販売事業、ソリューションサービス、修理・保守、商品の調達、メーカー営業代行、物流、さらにエムジェイシー株式会社が東京を本社として医療材料マスタデータの標準化事業を開始しました。

エムジェイシー社の内容については、後ほどあらためてご説明します。

拠点展開

全国25都道府県・87拠点から医療現場をサポートしています。

医療機器販売事業売上高 顧客セグメント

医療機器販売事業の売上における、顧客セグメントについてです。スライドに記載のとおり、公的医療機関や大学病院が主要顧客であるため、安定した収益の確保が可能となっています。

公的医療機関の割合は48.1パーセント、民間医療機関が40.7パーセント、その他が11.2パーセントです。また、国公立・私立を合わせた大学病院は19.4パーセントを占めています。

経営状況(売上高推移)

経営状況における売上高の推移についてです。成長基調を維持し、売上高は拡大を続けています。2027年6月期の売上高は、3,250億円を見込んでいます。

医療機器の市場環境

医療機器の市場環境についてご説明します。高齢化、技術革新、新規デバイスの需要を背景に、医療機器市場は長期的に拡大を続ける見込みです。

これまで医療機器市場は年率2パーセントから3パーセントの成長を続けており、2040年頃までの拡大が見込まれています。また、循環器領域をはじめとした新しいデバイスの需要拡大も近年の成長要因となっています。

このような環境の中で、当社のトップラインにはまだ十分な成長余地があると考えています。

中期経営計画:2027/6月期~2029/6月期

続いて、中期経営計画とビジョンについてです。

2027年6月期から2029年6月期にかけての中期経営計画です。2025年6月期に発表した中期経営計画を更新します。2029年6月期には、経常利益32億円を目標としています。

この目標を達成するため、収益向上を図る既存事業の強化に加え、M&Aを通じて事業規模を継続的に拡大していきたいと考えています。さらなる成長をめざし、事業効率性向上のために新しいビジネスモデルを創出していきます。

中期経営計画:企業価値向上に向けた戦略

企業価値向上に向けた戦略として、利益体質の強化と選択・集中で持続的成長の基盤を確立したいと考えています。

まず、中長期的な企業価値向上に向けて、「利益体質の強化」と「選択と集中」の2つを基本方針として取り組んでいきます。既存事業における構造改革の推進、営業活動の生産性向上や業務効率化によって収益力を高めます。また、利益体質の強化によって創出した経営資源を成長分野に重点投資していきたいと考えています。

これらの取組みにより、事業効率と資本効率を高め、財務基盤を強化することで、株主還元の充実と市場からの評価向上を図り、持続的な企業価値向上を実現したいと考えています。

M&A及びアライアンス戦略:推進する背景

重点的な取組みとして、M&Aおよびアライアンス戦略があります。市場構造の変化を見据え、M&Aおよびアライアンスを推進していきたいと考えています。

日本の医療機器市場は高齢化の進展を背景に、2040年に向けて拡大が見込まれており、当社の売上高には十分な成長余地があると考えています。一方、償還価格の低下により商品価格は抑制傾向にあり、メーカー各社にとって収益確保が難しい環境にあります。

スライド右下の図に示されているとおり、日本市場は世界有数の市場規模を誇りますが、市場参入コストの高さや成長力の鈍化により、海外メーカーにとってその魅力は相対的に低下しています。

こうした背景を踏まえ、医療機器業界では再編や提携の必要性が高まっており、事業規模や機能の拡大を通じた競争力の強化が求められています。

当社はこれまで培ってきた医療機関とのネットワークやグループ経営のノウハウを活用し、M&Aやアライアンスを通じて事業領域の拡大を図ります。

ソリューション機能の強化や事業効率の向上につながる案件を選別しながら成長投資を実施し、市場成長への取組みと業界再編への対応を両立することで、持続的な利益成長と企業価値の向上を実現していきたいと考えます。

M&A及びアライアンス戦略:推進する背景

当社は、広域展開を支える流通網と安定した経営を確立し、メーカーから選ばれるディーラーをめざす必要があると考えています。

当社がM&Aおよびアライアンスを推進する背景には、医療機器業界を取り巻く環境の変化があります。メーカーは収益性や効率性をより重視しており、代理店に対して経営効率を支えるパートナーとしての役割を期待しています。

メーカーがディーラーに求めるものとして、広域をカバーできる流通網や安定した経営基盤、エリア別のシェアや販売力、コンプライアンス体制、在庫保持および管理能力などが挙げられ、総合的な事業基盤の強化が必要とされています。

M&Aは単なる規模拡大の手段ではなく、メーカーから選ばれるために必要な事業基盤を強化し、広域展開と競争力向上を実現する成長戦略です。M&Aとアライアンスを通じて、全国的なネットワークを構築し、持続的な企業価値の向上につなげたいと考えています。

M&A及びアライアンス戦略:M&Aの実績とPMIの状況

M&Aについては、年間1件以上のペースで実行し、着実に積み上げています。2025年10月には当社グループの株式会社栗原医療器械店が共栄医科器械株式会社と株式取得に関する基本合意を締結し、2026年7月にはオルバヘルスケアホールディングスとの合弁会社であるエムジェイシー社が事業を本格的に開始しました。

ソリューション戦略

続いて、ソリューション戦略についてです。

当社は医療機関の課題解決を支えるソリューション群を提供し、差別化を図っていきます。医師の働き方改革への対応や医療費抑制政策による収入減少、光熱費や人件費の高騰などにより、医療機関の経営課題はますます深刻化しています。

私たちは、より良い医療環境の構築をめざす医療機関に対し、必要な複数のソリューションツールを提供することで医療や介護の現場を多方面からサポートし、医療機関のみなさまからの信頼を獲得したいと考えています。

ソリューション戦略:ラインナップ

当社グループのソリューションツールのラインナップは、こちらのスライドに示したとおりです。「アソースデータベース」は医療材料データベースであり、今後はエムジェイシー社としてさらに強化していきます。

「メッカル分析サービス」は、購買データ分析サービスです。「SPD」は病院の物品管理を請け負うサービスであり、その簡易版として「アソースストア」があります。また、「サージレーン」という手術室運営支援システムも保有しています。

業務効率化

業務効率化についてです。変革を推進し、組織力をさらに高めていきたいと考えています。利益体質強化に向け、グループ全体で業務効率化を進めていきます。

具体的には、グループ全体のコーポレート業務をシェアードサービス化する組織の構造改革、専門分野やグループ内再編、教育・評価制度を見直した人的資本強化の推進、共通購買や倉庫管理システム導入による調達・物流の最適化、管理体制の再構築や資金効率向上のためのCMS導入による経営管理の最適化、データ利活用基盤の整備をはじめとしたデジタル活用による生産性向上などです。

これらの業務効率化により収益力を強化し、企業価値を向上していきたいと考えています。

業務効率化:物流

業務効率化のうち、物流についてです。メーカーや医療機器ディーラーが抱える、物流コスト増加や労働時間削減などの課題解決に貢献していきます。

メーカー引取物流では、受取側(当社グループ)が荷主拠点(メーカー)まで商品を引き取りに行くことで、メーカーの配送負担を軽減します。

共同配送(共同物流)として、同業他社の物流業務を当社グループのメディリスロジに集約することで、物流費の抑制と事業収益化の実現をめざします。

3PL事業(倉庫業務管理)では、物流センターを活用し、メーカーの倉庫業務を受託・遂行することで、物流コストや人的負担の軽減に貢献していきます。

トピックス

トピックスです。先ほどお話しした物流効率化の一環として、当社グループのメディリスロジ社とサンメディックス株式会社が共同で物流の実証実験を開始しています。

この取組みは2026年1月に開始し、同年6月まで継続してきました。共同配送により、物流コスト削減効果を確認するとともに、持続可能な物流モデルとしての有効性を検証できています。

具体的には、CO2排出量削減や輸送・配送効率の向上など、物流と環境の両面で成果を上げています。今後、対象エリアや提携先の拡大を視野に入れた取組みを推進していきます。

もう1つの取組みとして、共栄医科器械株式会社との経営統合に向けた基本合意を締結しています。2025年10月に、当社グループの栗原医療器械店と共栄医科器械株式会社との経営統合に向けた基本合意を締結しました。

これにより、長野エリアでの事業基盤強化とシェア拡大を図るとともに、営業・物流・管理部門でのシナジー創出を推進し、グループ全体として地域医療への貢献と企業価値の向上をめざします。

トピックス

医療材料マスタデータ標準化事業を開始しました。2026年7月より、オルバヘルスケアホールディングスと共同で、エムジェイシー社において医療材料マスタデータ標準化事業を開始しています。

医療業界全体で利用可能なデータ基盤の整備を推進し、商品情報管理の効率化、業務負担の軽減、医療物流や調達業務の最適化を支援します。

さらに、医療DXと安定供給体制の強化に貢献するとともに、労働人口が減少する中で、業界の課題解決と将来のサプライチェーン最適化に向けて取り組んでいきます。

サステナビリティ:健康経営の推進

サステナビリティの一環である、健康経営の取組みについてです。「Medius Health Action 6」を策定し、健康経営を推進していきます。人的資本強化に向けた健康経営を実施すべく、グループ共通方針としてこの指針を策定しました。

当社は、従業員の心身の健康を重要な経営課題と位置づけています。これに基づき、疾病予防、運動習慣、睡眠、メンタルヘルスなど、6つの項目を重点テーマとして設定し、グループ全体で横断的な推進体制を構築しつつ、施策を展開していきます。

2026年度から実行フェーズに移行し、健康管理アプリやデータ活用を通じて健康増進施策を高度化し、従業員の活力向上と持続的な企業価値向上をめざします。

2026年6月期決算概況:サマリー

続いて、2026年6月期連結決算の状況です。売上高は3,023億3,600万円、営業利益は17億8,000万円、経常利益は23億600万円、親会社株主に帰属する当期純利益は9億4,400万円です。

2026年6月期決算概況:売上高

売上高は、症例の増加や新規案件の獲得により順調に推移しています。売上高は3,023億円、前年同期比4.7パーセント増加しました。

主な要因としては、症例の増加、オーソエッジジャパン社やアルセント社といった比較的事業開始から年数の浅い事業会社における新規顧客の獲得が挙げられます。また、中東情勢の悪化などに伴う商品価格値上げ前の購入需要もありました。

消耗品では、循環器・整形外科領域を中心とした症例の増加や、新規顧客獲得の進展が見られました。一方、備品では、前年同期における大型備品販売の影響や案件の先送り、案件失注による販売減少の影響がありました。

2026年6月期決算概況:利益

売上総利益についてです。売上高増加に伴い、売上総利益も増加しました。売上総利益は358億1,000万円、前年同期比4.0パーセント増加しましたが、売上総利益率は11.85パーセントと、前年同期比0.08パーセント減少しています。

主な要因としては、売上原価の高騰や円安が続く状況下であったものの、仕入価格の交渉などを通じて粗利率改善を意識的に進めたことや、リベートの獲得が堅調に進展したことが挙げられます。また、眼科領域において、新築案件に対する高粗利備品の販売を行うことができました。

営業利益は17億8,000万円で、前年同期比5.1パーセントの減少、営業利益率は前年同期比0.06パーセントの減少となりました。

主な要因としては、人員補充や処遇改善などによる人件費の増加に伴い、販売費および一般管理費が前年同期比で増加したことが挙げられます。また、売上総利益は前年同期比で増加したものの、売上総利益率の減少に伴い、営業利益率も前年同期比で減少しています。

2026年6月期決算概況:販売費及び一般管理費

販売費および一般管理費は340億3,000万円で、そのうち人件費が216億5,000万円でした。販売管理費および一般管理費のうち、人件費は前年同期比4.9パーセント増加しました。

主な要因としては、事業規模の拡大に伴う人材採用による増加や、処遇改善による給与手当の増加が挙げられます。また、業務委託費としては、配送単価の上昇および配送物量の増加により、物流コストが増加しました。

2026年6月期決算概況:営業利益増減分析

営業利益の増減分析についてです。増収効果はあるものの、人的投資および業務委託費の増加により、営業利益は減少しました。

2026年6月期決算概況:営業利益から当期純利益への増減要因

営業利益から当期純利益までの増減要因です。営業利益・経常利益は計画どおり堅調に推移しましたが、特別損失の計上により最終利益が押し下げられています。

営業外収益では、補助金収入や仕入割引などをはじめ、前期に引き続き恒常的な収益を確保できています。一方で営業外費用は、金利の上昇により支払利息が増加しました。

特別利益として投資有価証券売却益が発生した一方、一部の子会社の固定資産およびのれんに関する減損損失が発生しました。減損損失の総額は3億4,800万円を計上しており、その結果、当期純利益は計画を下回り9億4,400万円となりました。

売上高推移(備品・備品以外)

売上高の推移です。先進医療機器に付随する消耗品の販売を中心に、堅調に実績を伸ばしています。

消耗品 2026年6月期 分野別売上高

消耗品の分野別売上高について、内訳はスライドに記載のとおりです。

消耗品 分野別売上高推移抜粋:2022年6月期~2026年6月期

消耗品の分野別売上高推移についてです。カテーテル検査や治療、整形インプラント、内視鏡関連など、専門ディーラー系のカテーテルや整形インプラント等を中心に、各領域で売上が増加しています。

備品 分野別売上高(2026年6月期)

備品の分野別売上高です。放射線装置を中心に、幅広い診療領域で売上が構成されています。内訳はスライドをご覧ください。

備品 分野別売上高推移抜粋:2022年6月期~2026年6月期

備品の分野別売上高の推移です。眼科治療・検査以外の分野は、すべて前期比で減少しました。

介護福祉機器 レンタル売上推移(2022年6月期~2026年6月期)

介護福祉機器のレンタル売上高推移です。全社売上高に占める割合は低いものの、好調に推移しています。

2027年6月期 通期の業績見通し

2027年6月期通期の業績見通しについてです。

2027年6月期は、売上高3,250億円で前期比107.5パーセント、営業利益は20億円で前期比112.3パーセント、経常利益は24億円で前期比104.1パーセント、親会社株主に帰属する当期純利益は14億円で前期比148.3パーセントを見込んでいます。売上高営業利益率は0.6パーセントで、前期と同様の水準です。

売上高と売上総利益については、ソリューション展開の強化やSPD新規受託の増加、検査および手術症例件数の増加、さらに循環器・整形外科領域での新規症例の獲得をめざしています。しかし、医療機関の経営悪化による設備投資抑制の影響から、備品販売の伸長は期待できないと考えています。

また、円安や物価上昇に伴い売上原価の増加が見込まれる一方、営業活動の強化により粗利率については前期並みを維持することをめざしています。

営業利益、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は、主要子会社の事業規模拡大に伴う人材採用の継続や人員数の増加により、人件費が引き続き増加すると見込んでいます。

また、販売量の増加や配送単価の上昇による物流コストの増加に加え、ITセキュリティ強化などによりコスト全体が増加する見込みです。

配当性向と方針

配当性向と方針についてです。当社は、成長投資と株主還元を両立する方針を掲げています。中長期にわたる安定的な成長を維持するために必要な内部留保を確保しつつ、成長に応じた成果の配分を実施することを基本方針としています。

連結ベースでの配当性向は、30パーセント以上を目途に配当を実施していきたいと考えています。2027年6月期の配当予想は20.0円、連結配当性向は31.8パーセントを計画しています。

資本コストや株価を意識した経営:現状分析

資本コストや株価を意識した経営についてご説明します。

現状の分析では、株主資本コストはCAPMベースで約7パーセントです。一方、ROEは2021年6月期をピークに低下傾向にあります。

現状では特別損失の影響もあり、一時的に5パーセントを下回る水準となりましたが、目標としては利益成長により8パーセント以上をめざしていきたいと考えています。

PBRも2022年6月期以降、株価低迷と純資産増加に伴い1倍を下回る水準で推移しています。今後は「利益成長+財務基盤強化」で市場評価の向上をめざします。

資本コストや株価を意識した経営:ROE8%以上をめざして

ROE8パーセントをめざすためには、収益性や資本効率の向上、人材投資の強化を通じて持続的な成長を実現する必要があると考えています。

「粗利成長」「販管費の抑制」「資本効率の向上」「投資、M&Aおよびアライアンス」「経営資源配分の最適化」といった取組みにより、収益性を改善し、ROE8パーセントをめざします。

2026年6月期連結決算に関するご説明は、以上です。ご清聴ありがとうございました。

シェアランキング

編集部のオススメ記事

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MONEY VOICEの最新情報をお届けします。