■株式相場見通し
予想レンジ:上限68500円-下限64500円
今週末の米国株式市場は下落。ダウ平均は前日比517.80ドル高の53277.01ドル、ナスダックは同113.29ポイント高の26180.46で取引を終了した。225ナイト・セッションは日中終値比270円安の66090円。一部小売り企業の良好な決算やサービス業購買担当者景気指数(PMI)などの経済指標を好感。イラン大統領が戦争終了を訴えて中東脅威が緩和したこともポジティブ視された。金利上昇にもかかわらず前日の反動による買戻しが優勢だったもよう。
27日から29日までジャクソンホール会議が開催予定となっており、とりわけ、28日に予定されているウォーシュ連邦準備制度理事会(FRB)議長の基調講演が注目材料となる。足下ではインフレ指標の下振れが目立つほか、景気減速を示す経済指標も多く、目先の追加利上げ懸念は大きく後退している。悪材料につながる公算は小さいとみられるが、ウォーシュFRB議長はフォワード・ガイダンスに消極的な姿勢を貫いており、こうした方針を明確に打ち出すような発言などがあれば、株式市場にとってはネガティブと捉えられる余地があろう。なお、米国に関しては、短期的な利上げの有無よりも、上昇基調が続く長期金利の動向、雇用統計や小売売上高の大幅な下振れが示すような景況感の悪化に焦点が向かいつつあると考えられ、これらは引き続き、株式市場の上値を抑制することになろう。
国内では、中東情勢の短期的な改善期待が遠のき、依然としてインフレ高進懸念は拭えない情勢にあり、日米協調の為替介入実施などからも、日本銀行の9月追加利上げ実施の可能性は高いと考えられる。今後の企業収益に与える影響などは十分に織り込まれていないと考えられるほか、円高進行につながっていく余地もあることから、株式市場へマイナスインパクトを及ぼす余地は引き続き残されていよう。ちなみに、28日には8月東京都区部消費者物価指数(CPI)が発表予定となっている。
26日には米エヌビディアが決算発表を予定している。決算発表後の株価動向が、国内のAI・半導体関連株の行方に大きな影響を及ぼしそうだ。前回は市場予想を上回る好決算を発表したものの、直後の株価は下落している。最近の海外主要半導体株も総じて、好決算発表後は売りが先行する状態となっているため、今回も同様の動きとなる可能性は高いと考えられる。ちなみに、現在の株価水準はほぼ前回決算発表時の株価水準にある。さらに翌日にはマーベル・テクノロジーの決算発表も予定。こちらは、7月29日の直近安値水準から50%以上株価が上昇しており、より決算発表が目先の出尽くし感につながりやすい状況にあるとも想定される。一方、AI・半導体株の動きとは逆行しやすい情報ソフト関連株だが、26日にはSAASの代表格でもあるセールスフォースが決算発表を予定している。
国内は材料難の状況で、海外半導体株の動向を睨みながらの関連株物色が中心的な動きとなろう。長期金利上昇や追加利上げを意識した物色なども強まっていく余地がありそうだ。また、イラン情勢が一段と混とんとする中で、あらためて手控えられるセクター、海運株などのように買われる銘柄の選別が進んでいく可能性もあるとみる。8月中盤からの気温上昇を映した販売回復期待などが小売株の見直し材料となる余地も。
■為替市場見通し
ドル・円は伸び悩みか。足下の原油高でインフレ圧力が意識される中、米連邦準備制度理事会(FRB)の引き締め的な政策方針を見込んだドル買いが続く。ただ、為替介入への警戒感から、一段の上昇は抑制されるだろう。19日には、米財務省が長期債買戻し枠の拡大を発表し、長期金利の低下によりドル売りが強まる場面があった。ただ、翌20日に金利は持ち直しており、米金利高・ドル高の相場は続くとみられる。また、米国とイランの関係改善に対する期待は後退し、ホルムズ海峡の封鎖は長期化する見通し。それを受け原油相場は強含み、インフレ圧力が意識されやすく、引き続きドル買いを支援しよう。直近の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨はタカ派的ではなかったものの、FRBは今後もインフレ撲滅に向けた対応を続けるとの見方から、ドルは下げても買戻しが入りやすい。また、日本の財政運営が不安視され、円売りが主要通貨を押し上げている。特に、ユーロ・円は回復のピッチが速い。ただ、ドル・円は心理的節目の160円が視野に入ると、為替介入への警戒が強まり、上値は重くなりそうだ。
■来週の注目スケジュール
8月24日(月):東京カンテイが中古マンション価格を発表(7月)、メキシコ・GDP(4-6月)など
8月25日(火):景気一致指数(6月)、景気先行CI指数(6月)、消費者物価のコア指標(日本銀行)、全国百貨店売上高(7月)、東京地区百貨店売上高(7月)、米・S&P/コアロジックCS20都市住宅価格指数(6月)、米・FHFA住宅価格指数(6月)、米・新築住宅販売件数(7月)、米・消費者信頼感指数(8月)、独・GDP(4-6月)、独・IFO企業景況感指数(8月)など
8月26日(水):企業向けサービス価格指数(7月)、米・GDP改定値(4-6月)、米・耐久財受注(7月)、米・個人所得(7月)、米・個人消費支出(7月)、米・個人消費支出(PCE)価格コア指数(7月)、豪・消費者物価指数(7月)など
8月27日(木):氷見野良三日銀副総裁が埼玉県金融経済懇談会で講演、同記者会見、工作機械受注(7月)、米・カンザスシティー連銀主催の国際経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」(29日まで)、米・新規失業保険申請件数(先週)、米・卸売在庫(7月)、中・工業企業利益(7月)、欧・ユーロ圏マネーサプライ (7月)、韓・中央銀行が政策金利発表など
8月28日(金):東京CPI(8月)、失業率(7月)、有効求人倍率(7月)、外国為替平衡操作の実施状況(月次ベース、7月30日-8月26日)、米・ミシガン大学消費者マインド指数(8月)、米・雇用者数の年次ベンチマーク改定(暫定推計)、欧・ユーロ圏景況感指数(8月)、欧・ユーロ圏消費者信頼感指数(8月)、独・失業率(失業保険申請率)(8月)など