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中山克成氏(以下、中山):みなさま、こんにちは。ベース株式会社代表取締役社長の中山です。お忙しい中、弊社の決算説明会にご参加いただき、ありがとうございます。さっそくですが、これより会社の上半期の決算説明を行います。
本日のアジェンダですが、まず決算の概要をお話しし、その後、上半期の主なトピックスについてご報告します。次に、今期の業績予想と下半期の重点施策、最後に株主還元について、この4つのテーマでお伝えしていきます。
最後に、参考資料として会社の1年間の情報を記載しています。どうぞよろしくお願いします。
2026年第2四半期 業績サマリー①
決算概要についてご説明します。スライドの表の中央部には、当期の実績が記載されています。
売上は109億6,000万円、前期比マイナス0.5パーセントとなりました。計画比では91.0パーセントの達成率です。
当社が最も重視している営業利益は27億2,000万円、前期比マイナス6.9パーセントです。計画比では84.4パーセントの達成率となりました。以下の項目はスライドに記載のとおりです。
当社では非常に珍しいケースではありますが、三角で記載のとおりマイナスを記録しています。そのため、上半期については前期比で成果が下回り、計画比でも未達成に終わりました。このように非常に厳しい結果となり、大変申し訳なく思っています。
2026年第2四半期 業績サマリー①:上期 業績未達の主要因
業績未達の原因分析です。当社は昨年に中期経営計画「BASE2030」を策定しましたが、今年はその計画の初年度に当たります。この計画にはいくつか大きな変更があり、それについては後ほどみなさまにご報告したいと思います。
「BASE2030」を実行するにあたり、体制を大胆に変更する必要があるという判断に至り、今年の初めから体制変更を実施しました。この変更が、上半期の成績に大きな影響を及ぼした要因であると考えています。
2026年第2四半期 業績サマリー①:BASE2030実行体制への移行 – 組織の大幅刷新
どのような体制変更を行ったかについてご説明します。当社は2016年に新しい役員体制を固め、2017年から「NEXT STAGE」という名称で現在の役員たちが着任しました。この体制は2025年までの約9年間継続されてきました。
スライド左側には2025年時点の体制を示しています。いわゆる「垂直型の体制」でシステム本部を管理していました。この場合、システム本部長4人が個別に数字を管理し、その上に1人の全社統括が配置される構造となっています。
このシステム自体は2017年から同じものでしたが、本部の部門数は増減し、中には10個の部門を管轄したケースや、ピーク時には、本部1つに14個のシステム部門を抱える状況もありました。
そのため、本部は非常に大きな組織となり、それぞれ本部長が1人、本部長代理が1人配置され、さらに上席執行役員および常務計5人が全体を統括する体制でした。この5人のうち、1人が全体の責任者を務め、そのほかに本部単位の担当をそれぞれ受け持つ仕組みでした。
2017年から2025年の間、本部や部の規模や配置において毎年マイナーチェンジは行ってきましたが、大きな枠組みは変わらず運用されてきました。しかし、この体制では、上席執行役員以上の負担が増大している点が課題として挙げられていました。
そして、今年より「BASE2030」という中期事業計画に基づいて、体制を思い切って変更することを計画しています。さらに、たまたま今年が当社の設立30周年にあたることもあり、この中期事業計画に沿って新たな体制へ進んでいこうと考えています。
変更の結果として、スライド右側の図に記載のとおり、2026年の新しい体制が形成されました。この体制では、青色で示される方々がシステム統括本部として上部に集約されています。このうち常務が2名、上席執行役員が3名です。
また、数値責任を負うのは、これまで本部長代理の立場で執行役員として業務を遂行してきた人たちです。第1システム統括部から第6システム統括部という部署を擁し、これまでは本部長のアシスト的な役割を担っていた人たちが、現在では主要プレーヤーとして数字を追う体制へと変わっています。これが、現在の体制です。
では、システム統括本部の5名は何をしているのかというと、「BASE2030」で重要なポイントはAIの導入です。AIの波は非常に強くなってきています。
これまでの体制のように、全社を取り仕切る5名が常に数字を追って身動きが取れない状況では、AIの波に乗り切れないと判断しました。そこで、5名をシステム統括本部から切り離し、全社的な経営に集中させる体制に変更しました。
一方で、これまで執行役員であったメンバーが統括部長として数字を追う役割を担っています。この変更は大きなものであり、これまで本部長が中心であった体制から、統括部長を軸とする体制に移行しました。具体的には6つの統括部があり、それぞれに8つの部がぶら下がる構造となっています。全体として48部門が現在のシステム構造を形成しています。
これら6名の統括部長が垂直型の統括を行う一方、上位のメンバーは横断的な役割を果たしています。金融、法人、ソリューションの3つの分野を横串で推進する体制を取り、上席執行役員3名がこれを担っています。このように横断的な視点で推進することで、全社的な発展を目指しています。
さらに、会社のサイズも少し大きくなり、横断的なマトリックス型構造を導入しました。今年からは戦略室やAI推進室を設置し、全社横断的な取り組みも強化しています。この新体制の導入により、これまで補佐的な立場だった執行役員が、主要な数字を持つリーダーとしての役割を担う状況になり、組織としても大きな変化がありました。
各統括部長が管轄する部門には数百人規模の人員が所属しており、体制の掌握やスムーズな移行には一定の助走期間が必要でした。2017年当時も同様に1年間の移行期間があり、一時的な業績の足踏みや数値の落ち込みが見られました。今回の体制変更も、次の5年、10年を見据えた必要な施策であると考えています。
言い訳になってしまうかもしれませんが、この変更は上半期の数字に一時的な影響をもたらしましたが、助走期間としては想定以上にうまく進んでいると考えています。これにより下半期以降の業績は徐々に回復していく見込みです。
以上の大規模な組織変更についてご報告させていただきました。
2026年第2四半期 業績サマリー①:下期の業績回復施策
下半期の業績回復施策についてです。上半期は統括部長たちが8部門をまとめて数字を作る体制に適応していく期間としていましたが、下半期からは通常の巡航速度に乗せられるのではないかと考えています。そのため、上半期は数字が悪いものの、下半期は回復に向かって進めていきたいと思っています。
現在、8月半ばとなり、下半期にすでに突入していますが、全体として順調に回復に向かって進めています。そのような意味では、私の想定よりも比較的早く物事が進んでいるのが現在の状況です。
スライドには重点施策についていろいろと記載していますが、当社としてはまずは大きな変動があったことをみなさまにお伝えしたいと思います。
2026年第2四半期 業績サマリー②
下半期の見通しについてです。通期の計画は変更せずに、達成に向けて進んでいきたいと考えています。
今回の体制変更は我々が成長し続けるために行われたものです。この変更により、20パーセントの成長をより着実に実現し、規模が大きくなっても耐えられる体制へと移行しました。そのため、今後さらに良い方向に進んでいけるのではないかと思っています。
現在は半期の報告の段階であり、数字がまだ確定していない状況ですが、順調に推移していけると考えています。
貸借対照表(連結)
B/Sについてです。先ほどP/Lについて少し触れましたが、スライドに記載のとおりB/Sも若干の影響が見られます。ただし、当社の財務基盤は非常に安定しており、自己資本比率も80パーセントを超えています。
私も常務取締役の髙野も非常に保守的な考え方を持っています。そのため、B/Sは安定性が際立っており、充実した安定性を保っています。この点に関しては、あまりご心配いただく必要はないと考えています。
売上の構成(単体)
売上全体のポートフォリオですが、システム開発とソリューションの比率はほぼ変わらず、65パーセント対35パーセントとなっています。
「BASE2030」において考えている内容としては、ソリューションをもう少し増やしていくことがあります。ただし、初年度の半期のため大きな変化はなく、実際のところ微調整は多少行っていますが、あくまで誤差の範囲内での調整です。
そのため、大きな方向性への影響やインパクトはないと考えていただき、基本的にはシステム開発とソリューションの割合は3分の2対3分の1程度で推移しています。
売上の比率(連結)
売上比率についてです。地域別の比率は、かっこ良く書いていますが、当社は非常に純粋な会社であり、子会社は1つしかありません。その1つが中国にあるBCHという会社です。
まず、ベースの現在の従業員数は1,356名で、前期より110名が追加された状況です。なお、拠点は現在3拠点となっています。こちらの詳細については後ほど説明します。
次に、中国の子会社について報告します。売上としては全体の3パーセント前後で、利益も非常に小規模です。全体の業績に大きな影響を与える子会社ではないと見ていただいてかまいません。
中国の子会社の状況について報告すると、正直なところ、あまり芳しくありません。理由としては、おそらく多くのみなさまもご存じのとおり、中国においてはAIや製造業といった分野では景気がよい一方で、一般的な企業や中小企業の事業環境は非常に厳しい状況が続いています。当社も中国においては中小企業の分類に入るため、同様に厳しい環境下での事業運営となっています。
実際のところ、世の中に出回る案件の数や量が減少していることは事実であり、それに基づいて当社も事業規模や戦略を調整しています。
スライド中央の数字についてですが、売上は9.2パーセント成長している一方、従業員数は10名減少しています。全体で80名規模の中で10名の減少は、比率的に非常に大きな影響を持つと言えます。
また、中国は社会主義の国であり、政府は基本的に従業員側に立って利益を守る構造となっています。市場の縮小に伴い、当社としてもやむを得ず人員調整(リストラ)を行わざるを得ない状況ですが、この補填や保障にかかる費用が非常に高額です。当社は上場企業であるため、コンプライアンスを厳守しなければなりません。そのため、退職する従業員に対しては適切な保障を行っています。
このようなコストがかかる状況ではありますが、中国における現状を踏まえた戦略への変更が必要だと考えています。その結果、後半は少し厳しい状況が予想されますが、売上や利益への全体的な影響はほぼないと見ています。ただし、中国での事業は苦戦している現状はご報告したいと思います。
苦戦が続く中で、中国事業を継続する意義についても社内や経営陣で議論しています。その結論としては、拠点を保持することが重要であると判断しました。
日中関係や中国経済は周期的なものがあり、現状は厳しいものの、将来的には改善する可能性があると考えています。そのため、現段階では長期的な利益を見据え、拠点を維持しつつ、採算がプラスマイナスゼロのラインで、今後も我慢強く事業を続ける方針です。
規模の大きな事業ではありませんが、このような戦略のもと、中国の拠点を維持し続ける予定です。
営業利益増減要因分析
営業利益の増減分析のスライドです。こちらは他の企業でも使用している図ですが、多少のプラスマイナスはあるものの、ほぼ誤差の範囲内と考えてもよいと思います。
要するに、全体的な数字を見ると受注が落ちていてトップラインが上がっていない状況です。この売上が少し回復すれば、これらの課題はすべて解消可能だと考えていますので、それほど大きく取り上げる必要はないと判断しています。
ありのままに誠実に報告するため、現状をそのままお伝えしています。
AI推進室の新設
今まで暗い内容が中心でしたが、当社が上半期に実施した取り組みについてご説明します。組織変更が将来に向けた一番大きい取り組みではありますが、その他にいくつかトピックスを挙げていきます。
まず、中期経営計画「BASE2030」では、AI時代にどう対応し、生き残りながら成長していくかの観点で計画しています。その一環として、AI推進室を設置し、全社のAIエンパワーメントを目指しています。
こちらが現時点の業績にどれだけ貢献するかについては、後ほど改めて説明しますが、今後の5年、10年の中で非常に重要なセクションになると考えています。そのため、今年は思い切って新設し、そのトップには上席執行役員が兼任する体制を取ることになりました。
豊洲開発センター本格稼働
2つ目のトピックスです。我々の拠点は、これまで秋葉原UDXを本社とし、その近隣に秋葉原開発センターを設置していました。この開発センターは、100名から200名程度の収容力を持つ施設で、これら2拠点で運営していました。しかしながら、社員数が1,300人から1,400人ほどに増加する中で、拠点を増やさなければならない状況となりました。
そのため、豊洲に新たな拠点を2月に開設しました。スライドの写真にもありますように非常にきれいなオフィスで、社員が気持ちよく働ける環境を整えています。
現時点での状況としては、1,300人の社員の大多数が顧客先に常駐して仕事をしています。また、一部はリモートワークを行っていますが、出社や持ち帰りによる社内での開発案件も増加しているため、これに対応するために豊洲の新しい開発センターを開設しました。
この豊洲の開発センターは非常に洗練された施設で、私も訪問しましたが、顔認証によるセキュリティコントロールを導入しており、今の時代にふさわしいオフィスになっていると感じています。
大手SIerの売上拡大
3つ目のトピックスも弊社にとって非常に大きな変化ですが、当社は主要なお客さまに注力し、お客さまとの良好な関係を重視して進めてきました。
これまで「4本柱」と称し、富士通さま、みずほ証券さま、野村総合研究所(NRI)さま、NTTデータさまの4社を中心にビジネスを展開してきました。ただ、現在はそれら4本柱のうち一番大きいところが売上全体に占める割合が30パーセント前後となっています。
そうなると、4本柱といっても、各柱の規模や重要性は均等ではなく、それぞれボリュームに違いがあります。これからの将来を見据え、我々としてはポートフォリオをどのように設計していくかが非常に重要な課題となってきます。
当社全体が成長し、売上も拡大してきています。その結果、顧客との取引の中で、「発注している協力会社の中でベースさんが1位だ」という内容が頻繁に話題に上がる状況です。
このような状況から、ポートフォリオのバランスを考えるべき時期に来たこともあり、「社内で「BASE2030」を作成するにあたり、ポートフォリオの方針について社内で十分に議論を重ねました。
その結果、よりバランスの取れた形で持続可能なポートフォリオを構築したいと考えています。具体的には、柱の本数を4本から8本、9本、10本と増やしていく計画を進めています。ただし、各柱の売上比率を10から20パーセント程度に抑え、リバランスを図りたいと考えています。
このリバランスは上半期でかなり進捗しており、特に4本柱のうち、みずほ証券さまはエンドユーザーさまですが、富士通さま、野村総合研究所(NRI)さま、NTTデータさまの3社を除いたSIerさんからの割合を増やす取り組みを進めています。
実際に、第2四半期時点で、3社を除くSIerさんの割合が44.4パーセントに達している状況です。
ポートフォリオのリバランスが着実に進んでいるという話です。事業推進において毎回リバランスを意識し、リスクをヘッジしながら着実にビジネスを拡張できるよう努めています。このリバランスは、大きな成果の1つと考えています。主要なSIer3社を除いたその他のSIerにおける売上も着実に上昇しており、9.9パーセントが3社以外にシフトしている状況です。
この点がトピックスの3つ目として挙げられる重要な成果だと考えています。
パートナー表彰・認定実績
新しい顧客との関係性についてですが、開拓すること自体はよいものの、その顧客に認められているかどうかが重要です。この例としては、NECソリューションイノベータさまや日立ソリューションズさまといった大手企業から表彰を受けたことがあります。
スライドの下に記載のとおり、各社で呼び方は異なるものの、非常に上位のパートナー、あるいは最上位のパートナーのポジションに位置づけられていることから、非常に光栄であると考えています。
そのため、単に顧客を増やしていくだけではなく、顧客基盤をしっかりと確立できていることが、当社が上半期で達成できた成果の1つだと考えています。
株主数と売買出来高の増加
トピックスの最後です。「BASE2030」を推進することで、上席の5人が集中して全社の推進に取り組める状況が整ってきています。
我々のテーマでは、IR・PR、つまり株主との接点を増やしていくことを目指しています。これまでコーポレート側で、私と髙野、森が中心となってIRを推進してきました。
今年からはシステム側も担当役員をきちんと確定し、リアルタイムで変化する状況に対応します。そして、システム側から新しい、タイムリーな情報を株主のみなさまやPR対象のみなさまにお伝えしていきます。
今年からは上席執行役員の青柳がIR担当となっており、これから露出がどんどん増えていきますが、基本的にはIRを通じて積極的にアピールしていく方針です。
まだ半年しか経過していませんが、その結果として、目に見えてわかるかたちで株主数が初めて1万人を超え、出来高も2倍以上に増加しました。スライドの左側にあるオレンジ色のグラフをご覧いただければわかるように、半年ごとでカウントしていますが、出来高が圧倒的に一気に上昇し、株主数も大幅に増えている状況です。私としてもこれは非常にうれしい成果です。
過去には株主数がわずか2,000から3,000名程度で、何度もハードルすれすれの状況を迎え、そのたびにさまざまな施策を講じてきました。そのような苦い経験から、株主数を増加させる重要性を強く感じてきました。
現在では株主数が1万人を超え、この規模になると東証の株主数に関する基準を十分にクリアすることができます。これは非常に重要なポイントです。また、出来高も2倍以上に増加しており、その背景には当社に関心を持つ方が増えていることも一因と考えています。
今後もIRを着実に推進することで、さらに良い方向へと進んでいけると確信しています。これも当社にとって非常に重要なテーマです。
上半期のトピックスを振り返ると、「AI推進室」「開発センター」「ポートフォリオのリバランス」「お客さまとの関係性」「IR」が挙げられます。数字的には若干厳しい部分もありましたが、着実に成果を積み上げている状況です。
この仕事を見る際には、今期やこの四半期の数字を上げることよりも、5年、10年といった長期的な視点で、当社にとって何が最善か、当社がどのようにしていくべきかに注目していただきたいと考えています。
いずれも長期的な観点で、ベースをいかに良い会社にするかという施策について、上半期には5つほどみなさまにご紹介できたのではないかと思います。
2026年12月期 業績予想
続いて、下半期の重点施策についてお話しします。通期業績予想の変更はありません。また、半年後にこの場でみなさまに良い報告ができるように努力していきたいと思います。
中期経営計画「BASE2030」
中期経営計画についてです。当社は中期経営計画を開示していませんが、社内では進捗状況の把握、中期経営計画に基づく基盤作り、そして先手を打つべき課題に着実に取り組んでいます。
ここで1つみなさまに覚えていただきたいキーワードは「ラストワンマイル」です。現在、AIが進展しており、その変化を見極める段階にあります。当社は多くのお客さまにサービスを提供しており、商流では大手のSIerさまが受注し、その一部が当社に流れてきています。
しかし、当社はお客さま、いわゆるエンドユーザーさまの最前線でビジネスを展開しています。AI時代において、エンドユーザーの近くで活躍するSEの力が一層重要になると考えています。社内ではこれを「ラストワンマイル」と呼んでいます。
AI時代に入るにつれて、「ラストワンマイル」としての当社のポジションの重要性がますます高まると考えています。これが実は当社が「BASE2030」の中で掲げている非常に重要なテーマの1つです。
これに向けて、エンドユーザーさまからいかに高い評価を得られるかに注力しています。
また、スライド下段にあるように、当社は労働集約型から知識集約型へのビジネスモデル転換を推進中です。この点は多くの企業が掲げている取り組みですが、当社も着実に進めていることをご理解いただければと思います。
AI戦略の重点施策
AIが到来する時代について、先ほどもお話ししましたが、大きな波が来ることは間違いありません。私はサーフィンをしたことはありませんが、サーフィンをする人たちを見て思うのは、大きな波が来る時には、すべてを準備した上で、波の状況を注意深く見極め、いつでも行動できるよう備えているということです。
当社はまさしく今、そのような状態にあると考えており、いつでも身動きが取れるような状態で、この大きな波を待っています。
また、AI推進室も着実に取り組みを進めており、AI推進のレベルは非常に高いと自負しています。実際の施策については、スライドに記載されているとおりです。
AI人材育成強化
AI人材育成の強化は、当社にとって最も重要です。現在、専門的人材については、当社の1,300人から1,400人の社員の中で、本格的なプロフェッショナル、つまり真の専門家を育成していこうとしています。2025年にはAI人材が30名ほどでしたが、今年は90名程度、あるいはさらに増やしていく計画です。
世間ではFDE(Forward Deployed Engineer)という言葉が流行していますが、当社もその点でまったく劣っていません。AI人材の強化が着実に進んでいることを、ぜひご理解いただければと思います。
AI関連案件の提案強化
AIの商談件数についてですが、現在、どのお客さまのところにうかがっても、AIに関する話題が多くなってきています。
商談件数は一応社内の統計を確認しましたが、前下期と比べて約7倍に増加しており、相当数の案件の中で「AIはどうなっているか?」との質問がされています。詳細はスライドをご覧ください。また、受注金額も2倍に拡大しています。
加えて、社内では2件から3件ほどの大きなAI取引が成約しました。これ以降、さらにAIを活用してお客さまにサービスを提供していく方針です。
当社はこの分野をそれほど強調していませんが、恐らく最先端を走っているのではないかと考えています。大きな波が来ると予測しており、準備万端でその波をつかむというのが当社の姿勢です。このような方針で取り組んでいます。
基本方針
最後に、株主還元について3点お話しします。
1点目は、基本方針にも「営業利益100億円を達成するまで、配当性向50パーセントを目安に設定」と記載しているとおり、お約束したことは着実に実施する方針であり、この約束はしっかり守ります。
2点目は、会社は生きている組織であり、数字に若干の変動があることもあります。業績が悪い時期も良い時期もありますが、期首にお約束した配当は確実に支払います。
つまり、今年の業績にかかわらず、期首に公表した配当は確実に実施していきます。株主のみなさまに安心していただくためにも、配当はお約束どおり支払う方針です。
3点目は、配当も重要ですが、総還元性向がさらに重要であり、本質的な部分です。利益に対してどの程度株主さまに還元していくかという内容です。配当は50パーセントですので、その残りをどのようにするかが話の焦点となります。
過去のデータはスライドには記載していませんが、実績として、2024年の総還元性向は77.0パーセント、2025年は79.3パーセントでした。
今期の配当計画
2026年の総還元性向の予想は73.9パーセントです。大まかには今年は30周年記念配当が中心で、過去2年間は自社株買いがメインでした。
このように形式としてはさまざまですが、当社は総還元性向を75パーセント前後と考え、実施を進めており、現在までの3年間続いています。
基本方針では配当性向50パーセントをキープすることをお約束していますが、目標としては総還元性向を75パーセント前後と設定し、それに基づいて運営していますので、ぜひご期待いただければと思います。
参考資料
この後のスライドには「会社概要・成長の歩み」「当社の強み・高収益の要因」「成長源泉(ダイバーシティ人材・顧客集中)」「芝生戦略」「IR活動」など、参考資料を追加しています。ぜひお時間があればご覧いただければと思います。
改めて、株主還元について3点お伝えします。1つ目は、配当性向50パーセントを堅持することです。2つ目は、期首に約束した配当金額を確実に守ることです。3つ目は、配当性向50パーセントに加え、総還元性向としては75パーセント前後を目標に毎年進めていることを、みなさまにご報告したいと思います。
報告は以上です。
質疑応答:下期の受注回復の主要因とリスクについて
質問者:7月以降の下期に受注が回復して上期の遅れを取り戻す計画だと理解しました。どこが主要因でその回復が進むのでしょうか? 具体的には、既存の主要顧客のところがあらためて取り返せるのか、それとも主要顧客以外の開拓が鍵となるのか、またはそれ以外の要因があるのか、どこを主要因とお考えでしょうか?
中山:受注は目に見える形で回復していると考えています。主要因はおそらく現在進めているリバランス、つまり新しいポートフォリオの構築がこの中核となっており、特定の1社に依存するのではなく、このターゲット全体をバランスよく推進している点が挙げられます。
したがって、具体的にどの会社が主要因というわけではなく、むしろ営業力や社内での管掌能力が向上したことが鍵となっていると考えています。
言い換えると、社内調整に使っていた力を営業の方やお客さまの方へシフトしていけたこと、各統括部が正常な状態でビジネスを遂行できるようになったことが、最大の要因であると推測しています。
質問者:上期の停滞分を下期で刈り取っていくに当たり、最大の不確実性、リスクはどこにあるとお考えでしょうか?
中山:現在の状況としては、特定の分野に偏って「ここだけで失敗すれば大変だ」という状態ではなく、まんべんなく取れているため、大きなリスク要素はあまり認識していません。
AIについても導入が進んでいますが、明日突然大きく変わるという世界ではありません。そのため、これまで同様に淡々とした取り組みが必要であり、成長スピードが完全に戻るにはもう少し時間がかかるかもしれませんが、巡航速度を上げて、当社の通常のペースで進めるのは十分可能だと思っています。そのため、私はそれほど大きなリスクは感じていません。
そのようなことをはっきり言ってよいかどうかはわかりませんが、概ねそのような状況であり、大きな心配はしていません。私が一番気をつけているのは、6つの統括部が、一般的にやるべきことをきちんと実行しているかどうかですが、現在はその取り組みが始まっている点が安心材料であると考えています。
質疑応答:AIによる事業収益へのインパクトのタイミングについて
質問者:現在、AI分野にかなり力を入れていますが、AIによる開発の生産性向上や顧客向けのAI案件について、収益にインパクトが出てくるのはどのタイミングとお考えですか? 例えば、2027年12月期には「AI関連でこれだけ増収できた」といった具体的な数字が出てきそうでしょうか? どのくらいのタイミングになるとお考えでしょうか?
青柳徹氏(以下、青柳):青柳です。今回の資料23ページ目に少し記載していますが、AI案件の比率は現時点ではまだ数パーセント台であり、数十パーセントには達していません。
しかし、引き合いの状況が当初想定していたスピードを上回る形で進んでいます。そのため、来年の今時期や来年度末の段階では、10パーセント台や20パーセント台の比率も想定できるのではないかと考えています。
質疑応答:AI案件における受注形態の変化と収益性見通しについて
質問者:AIによる開発の自動化が進むと、人月で評価しづらくなるという一般論があると思います。今回、AI関連の案件が増えているというお話の中で、すでに人月ベースではなくバリューベースといった受注方法に変わりつつあるのか、その点について教えてください。
青柳:AI案件が増えているのは事実です。ただし、契約については、まだ人月ベースが主に使われている段階です。
ご質問の意図として、成果物ベースに移行しているのではないかというお話があるかと思いますが、私たちが現在受注している状況では、まだ人月ベースでの契約が中心となっています。
質問者:バリューベースや成果物ベースのかたちになれば、うまく運用することでさらに利益を出せるのではないかと思いますが、その点の見通しはいかがでしょうか?
青柳:私たちも、生産性を向上させることで高収益化が十分可能であると考えています。ただし、現段階ではお客さま、SIerさまやエンドユーザーさまも、いきなり成果物を求めるかたちは取られていないのではないかと思います。
PoCなど、さまざまな方法を試しながら、どの方法が正しく、最も生産性が高いやり方であるのかを見極めつつ進めているのが現状だと考えています。
質疑応答:生成AIを活用した案件の増加状況について
司会者:「生成AI『Claude Code』などの影響について、現況を教えてください」というご質問です。
青柳:生成AIについては、現状としてAIを活用した案件が増え始めている状況です。ただ、その量は大量ではなく、まだ数パーセントの段階にとどまっています。明日にでもすべての案件がAIに置き換わるという状況ではありませんが、少しずつ増加してきているのが現状だと思います。
質疑応答:開発とソリューションの寄与度について
司会者:「下期の回復はシステム開発ですか? それともソリューションが中心ですか? 割合を教えてください」というご質問です。
中山:我々としては、開発とソリューションをそれほど厳密に区別していません。ただ、トータルで見ると、受注した案件が確立し、それを進めていければ、一定の成果が出てくるのではないかと考えています。
もし、どうしてもどちらかを挙げる必要がある場合、寄与度としては開発が約3分の2、ソリューションが約3分の1程度ではないかと思います。
質疑応答:中国と日本におけるAI活用の進展比較について
司会者:「中国でのIT開発の状況をもう少し詳しく教えてください。AIコーディングは米国AI企業よりコストが低く、日本よりAI開発シフトが急速に進んでいる印象ですが、日本とどちらのインパクトが大きいでしょうか?」というご質問です。
中山:非常に良いご質問です。要するに、中国はAIがかなり進んでいるというのが事実であり、さまざまな観点から見ると、中国の技術レベルはアメリカよりも少し下ですが、コスト面では大きなメリットがあります。
日本では中国のAIはほとんど利用されていないのが現状ですが、アメリカでは特にベンチャー企業が中国のAIをかなり活用しています。
先ほどの質問に戻りますが、中国国内でもそのAIを相当に活用しており、我々が知人やメディアから得た情報によると、どの案件もAIをベースに進めているようです。新しい技術を取り入れたり、リスクを積極的に引き受けたりする点では、中国のほうが進んでいるのではないかと思います。
そのため、AIの普及という観点で見ると、中国は日本よりも多少進んでいるのではないかと考えています。
一方で、日本は非常に慎重で、特にセキュリティ面に関して細心の注意を払っています。このような慎重さや日本の商習慣は大切にしていくべきだと思います。どちらが優れているかは一概には言えませんが、日本は日本の商習慣に則って進めています。
先ほど青柳も少し触れたように、AI活用は進めていますが、社内でも「非常に慎重に見極めながら進んでいこう」と話しています。そのため、一気に加速して明日から大きく変わるわけではないと思います。
AIの推進の度合いは国や考え方によって差がありますが、スピードの点では、中国のほうがAIを武器にして進めているペースが比較的速いのではないかと思っています。
質疑応答:AIの影響と現状の受注・発注動向について
司会者:「日本では主要3社の大手SIer向けが減収になっていますが、受注状況はいかがでしょうか? 大手SIerがAIコーディングにシフトしても、御社はトップのパートナーなので他のパートナーが整理されている印象ですが、その認識でよろしいでしょうか?」というご質問です。
中山:お客さまは、ほぼAIを活用して生産性を向上させたり、案件に対応したりしています。そのため、各社がいわゆる我々のようなベンダーへの発注量を調整しています。
各社の方針に若干の違いが見え始めており、それぞれの方針で進めていますが、我々の立場から見ると、現場で対応している限りでは「AIを活用するから下請けを削減する」といった動きは、まだ少ないように感じています。
そのため、目先の動きとしていわゆる下請けや外部委託を明確に減少させる状況は、現時点ではあまり見られないのではないかと思います。
したがって、きちんと我々が仕事を遂行していけば、しばらくはこれまでのペースで仕事を受注できるのではないかと思っています。
ただし、当然、次世代のAIへの変更や変化に備えていく必要があるため、当社では先ほどご説明したとおり、さまざまな施策を進めています。
現時点では、AI関連の受注や拡張も行っていますが、従来のビジネスに大きな影響が出ているかというと、そうではありません。先ほど述べた柱である3社はそれぞれの方針が異なりますが、発注量は一定で、適量が維持されていると考えています。
むしろ当社としては新しい顧客を開拓し、リバランスを調整することによって、受注比率が若干調整されたかたちで影響している部分はあるかもしれません。
現状では、AIだから影響が出ているとは、それほど感じていないのが実情だと考えています。
質疑応答:AIに精通したSEの付加価値とエンドユーザー対応について
司会者:「FDEのような『ラストワンマイル』は需要が高いと思いますが、FDEは大手SIerから外注の案件として来ているのでしょうか? それとも、常駐先の顧客と直接契約できるのでしょうか?」というご質問です。
中山:非常によいご質問です。当社は中期経営計画を開示していませんが、実はエンドユーザーさまも意識し、視野に入れてビジネスを展開しています。
SIerさまからも、いわゆるFDEという言葉を使っているかどうかはわかりませんが、付加価値が高く、AIに精通している人材を、いわゆるSESで現場に派遣している、あるいは提供しているケースが増えており、そのことについては自信を持っています。
成果物に対してどうこうというよりも、一人ひとりの付加価値を高めることで、ストレートに言うと単価の上昇が見え始めており、そのことからも、FDEやAIに精通しているSEの付加価値が高いという点が顕著に表れています。
また、エンドユーザーさまと直接話をするケースも増えてきています。SIerさまの場合とエンドユーザーさまの場合ではビジネスの進め方がまったく異なるため、我々も慎重にリスクを見極めつつ、エンドユーザーさまへの対応にも積極的に取り組んでいこうと考えています。
したがって、これからさらにAIの恩恵を受けていくことになると思います。