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高千穂交易、海外の優れた技術を日本市場に最適化 データセンター向け・サイバーセキュリティ・AI活用を成長領域に

一目でわかる高千穂交易

鶴保直子氏(以下、鶴保):高千穂交易株式会社経営企画室室長の鶴保です。本日は、ご参加いただきありがとうございます。以前、ログミーさんの説明会に登壇したのが2022年8月でしたので、4年ぶりの参加となります。本日は、当社を深く知っていただく機会となれば幸いです。どうぞよろしくお願いします。

では、最初に会社の概要についてご説明します。当社はクラウドサービス、監視カメラなどのセキュリティ機器、および半導体や機構部品を技術サービスとともに提供するエレクトロニクス技術商社です。

当社は1952年に創業し、現在は東証プライム上場企業で、東京の四谷に本社を構えています。四谷駅を出ると当社の大きな看板が見えるかと思いますので、ご覧になったことのある方もいらっしゃるかもしれません。

2026年3月期の連結売上高は295億円、ROEは8.2パーセントです。事業領域は大きくビジネスセキュリティ事業とエレクトロメカニクス事業の2つに分かれており、特にセキュリティ分野では、導入から保守までを一貫して提供できる点が特徴です。

沿革

鶴保:次に沿革についてご説明します。当社の最大の特徴は、「70年以上変わらないDNA」を持つことです。当社は1952年に創業し、土木・建築分野から事業をスタートしました。その後、計算機、エレクトロニクス、セキュリティと、時代の変化に応じて取り扱う商品や分野は大きく変化しましたが、一貫して変わらないのが、海外の優れたテクノロジーを日本市場に最適化して提供するというビジネスモデルです。

現在は単なる物の輸入販売にとどまらず、技術的な付加価値を加え、ソリューションとして提供しています。さらに、クラウドサービスやサイバーセキュリティ、AIなどの領域に挑戦し、技術商社として進化を続けながら、新たな成長ステージに突入しています。

中長期の成長イメージ

鶴保:スライドは、中長期の成長イメージです。当社は、2030年に売上高500億円、営業利益率10パーセント以上、ROE13パーセント以上をターゲットとして設定しています。

現中期経営計画では成長領域への重点投資を通じて、2028年3月期に売上高350億円、営業利益30億円、経常利益28億円、ROE10パーセント以上を目標としています。現中期経営計画期間では着実に成長しているため、本日ご説明する内容を確実に実行し、目標を達成したいと考えています。

今後注力する成長領域

鶴保:今後注力する成長領域として、当社ではデータセンター向けサービス、サイバーセキュリティ分野、AIを活用したソリューションの3つを今後の成長ドライバーと位置付け、中期経営計画の中で重点的に投資を進めていきます。

これらについては後ほど詳しくご説明しますが、本日はこの3つだけでもぜひ覚えていただければと思います。

(参考)セキュリティ関連市場の動向

鶴保:セキュリティ関連市場の動向です。スライドのグラフが示すとおり、監視カメラシステムやデータセンターサービスなど、当社が注力しているセキュリティ関連市場は、今後もさらなる拡大が見込まれる有望な市場です。

事業の概要

鶴保:ここから、事業の概要についてご説明します。現在、当社の事業セグメントはビジネスセキュリティ事業とエレクトロメカニクス事業の2つの分野に分かれています。

ビジネスセキュリティ事業では、入退室管理、監視カメラ、万引き防止システムなどのセキュリティ機器をオフィスや商業施設向けに提供しています。

これらのサービスは、設計・導入から運用・保守まで一貫して対応することで、顧客との長期的な関係を構築しています。このため、顧客のセキュリティ課題を包括的に解決することが可能となり、顧客満足度の向上につながっています。

エレクトロメカニクス事業では、半導体や電子部品、スライドレールなどの機構部品を販売するとともに、設計支援や複合ユニットの企画開発を手がけています。

売上高はビジネスセキュリティ事業のほうが若干多く、営業利益についてもビジネスセキュリティ事業が高い利益率を維持しているため、利益額も多くなっています。

ビジネスセキュリティ事業の収益形態

鶴保:ビジネスセキュリティ事業の収益形態です。ビジネスセキュリティ事業の収益形態は大きく2つに分かれており、スライドの濃い青色の四角が商品販売売上であるスポット売上、水色がサブスクリプション型のストック売上です。

サブスクリプション売上は収益性と安定性が高く、営業利益率の上昇に大きく貢献しています。また、マネージドサービス売上は、機器・クラウドサービス・運用管理が一体となったMSPサービスの売上を指しており、クラウド型無線LANを中心に月額で提供しています。

これにより、お客さまは自社で専門の人材を抱える必要がなく、当社が24時間365日体制でネットワークの安定稼働をサポートしています。情報システム部門の人手不足に悩む企業や、多拠点展開する小売業を中心に導入が進んでいます。

kenmo氏(以下、kenmo):機器・クラウドサービス・運用管理が一体となったMSPサービスですが、具体的にどのようなものなのか、もう少し詳しく教えていただけますか?

鶴保:みなさまのオフィスにある、例えばクラウド型無線LANなどは、通常は機器を販売し、そこにライセンスが付与されています。ただ、保守については個別に契約していただく場合もありました。我々は10年前から、機器とライセンス、保守が一体となった月額課金サービスを提供しています。

これにより、情報システム部門を持たないお客さまでも、なにか問題が発生した際には、保守が付帯しているサブスクリプションサービスを通じて我々が対応するかたちとなっています。

kenmo:「丸ごと請け負ってくれ」という依頼が多いということですね。ビジネスセキュリティ事業の収益性が非常に向上しており、利益率が上がっているとのことでしたが、スライドのどの要因、どの売上が特に寄与しているのか教えていただけますか?

鶴保:まず、マネージドサービスが前中期経営計画において成長した点が挙げられます。このサービスは月額課金で保守も一体化しており、機器販売よりも保守の方が利益率が高いため、大きく貢献しています。

kenmo:スライド左下のグラフでも、サブスクリプション売上に注力されていることがわかりますが、今後特にマネージドサービス売上を伸ばしていくというお考えでしょうか?

鶴保:マネージドサービスも伸ばしていきますが、今後は、クラウド型無線LANに加えて、最近5年ほどで市場に受け入れられてきたクラウドサービスの分野にも注力していきます。クラウド型の新たなサービスが増えてきているため、これらのクラウドライセンス売上が今後大きく寄与してくれると考えています。

ビジネスセキュリティ事業 – ビジネスソリューション

鶴保:ビジネスセキュリティ事業におけるサブセグメントについて詳しくご説明します。ビジネスソリューションでは、入退室管理システム、監視カメラ、ネットワークシステムを主力製品としています。

主な導入先は企業オフィス、データセンター、工場であり、特に外資系企業オフィス向けの入退室システムにおいて当社は高いシェアを持っています。

世界共通のセキュリティポリシーに対応可能なトップメーカー製品を長年取り扱っている点が当社の強みです。当社は、製品の販売にとどまらず、設置場所の提案、工事手順の設計、さらにはプロジェクトマネジメントまでを含めた対応を行っています。

ビジネスセキュリティ事業 – リテールソリューション

鶴保:リテールソリューションについてご説明します。こちらは小売業向けの事業で、主力商品は万引き防止システムです。近年では、RFIDシステムを活用して商品単位での識別や棚卸に利用されています。

また、監視カメラ、顔認証システム、AIを活用した万引き行動検知のシステムなども、今後の成長が期待される製品として提供しています。こちらも、人手不足を背景に、万引きやトラブルを事前に防止する用途での利用が広がっています。

主な顧客はドラッグストア、アパレル、総合スーパーで、万引き防止システムや監視カメラにおいて、ドラッグストア向けでトップクラスのシェアを有しています。

注力分野① データセンターにおけるソリューションの提供

鶴保:先ほどご説明した3つの注力分野についてご説明します。

ビジネスソリューションでは、データセンター向けの入退室管理や監視カメラシステムの受注、売上が非常に好調です。中期経営計画の最終年度である2028年3月期には、2025年3月期の2倍を超える売上高を計画しており、すでにその計画の6割以上を受注済みです。さらなる上積みを目指します。

当社が外資系データセンター向けに強みを持つ理由は、3つあります。

1つ目は、外資系企業がセキュリティポリシーを世界中の拠点で統一することが多い点です。当社は、世界のトップメーカーの製品を豊富に取り扱っており、この点で優位性があります。

2つ目は、日本に進出している主な外資系データセンター十数社のうち、3割を超える会社と取引があることです。現在もさらなる拡大に向けてアプローチを行っています。

3つ目は、過去5年間で実績を積み上げてきたことです。この実績が評価され、サブコンや設計会社との強固なリレーションを構築しています。

kenmo:データセンター向けが非常に伸びていると思いますが、一般的なオフィスよりもセキュリティ要件が非常に高い中で、外資系データセンターに強い理由を今3つご紹介いただきました。その中で特に他社との差別化につながっていると感じる点はどこでしょうか?

鶴保:当社はもともと輸入商社であり、海外のセキュリティシステム、すなわち1つ目に話したトップメーカーを扱っている点が強みです。

このような大型案件は獲得が非常に難しいのですが、日本でこれだけのトップメーカーの実績があることで、外資系データセンターが日本に進出する際、当社が候補としてすぐに挙がりやすい状況です。この点が、他社に対して非常に大きな優位性であると考えています。

また、設計から保守までを一気通貫で対応し、プロジェクトマネジメントも含めて実施できる点が、非常に高い信頼を得ています。

kenmo:2028年3月期のデータセンター向け売上計画について、すでに6割以上を受注済みということですが、この受注済みというのは、契約締結済みなのか、それとも内示や設計段階を含むのでしょうか?

また、売上の計上時期や、残り4割の商談状況について詳しくお聞かせいただけますか?

鶴保:受注済みというのは、契約締結済みで、受注計上を行っているものになります。残りの4割について、データセンターは非常に長期にわたる建設計画が多いため、既存のデータセンターのお客さまからも建設計画をしっかりいただいており、かなり実現可能性が高いと考えています。

kenmo:現在、リードタイムがかなり長くなっていると思います。2028年3月期の受注がすでに入っているとのことですが、他社も同様の状況なのでしょうか?

鶴保:この後ご説明する半導体関連なども同様ですが、全世界で長納期化が進んでいる状況です。ただし、こちらについては、もともと非常に大型のプロジェクトであるため、早い段階で受注をいただけるという状況にあります。

注力分野② サイバーセキュリティ- halcyon(ハルシオン)

鶴保:注力分野の2つ目として、サイバーセキュリティ分野への取り組みを強化しています。昨年6月より、世界初のランサムウェア対策プラットフォーム「halcyon」を、日本で初めてサービス提供を開始しました。

昨年秋頃から、ランサムウェア攻撃によって食品メーカーなどの大企業が被害を受けるケースが増加していると思われます。先月も同様の被害が発生したかと思います。ランサムウェアの攻撃を受けると、事業の停止などにより数億円規模の損害が発生するケースもあります。

「halcyon」は、現在すでに700団体以上の組織、200万台を超えるデバイスを保護しており、2024年にはユニコーン企業の仲間入りをした企業です。

「halcyon」は、ランサムウェアがデータを暗号化する際に使用する暗号キーをキャプチャして、その暗号キーをもとに復号化キーを作成することで、感染後の迅速なデータ復旧を可能とし、データ流出や二重恐喝を防止します。

また、昨今増加しているランサムウェア攻撃への対応として、米国では攻撃グループ「Qilin」を撃退した実績もあります。昨年秋頃から当社への引き合いが非常に増加しており、製造業を中心に複数の受注を獲得しています。直近では1万ライセンスの大型案件を獲得しました。

現在、数千以上のライセンス獲得に向けた商談も進行中で、数年以内に100社、10万ライセンスの導入を目指し、サブスクリプション型ビジネスの拡大を図っているところです。

kenmo:この10万ライセンスというのは、かなりの伸びに見えますが、それだけ引き合いがあるということでしょうか?

鶴保:引き合いは確実に増えています。

kenmo:それは、セキュリティインシデントが足元で非常に増加している影響ですか?

鶴保:おっしゃるとおりです。

kenmo:直近では1万ライセンスの大型案件とありますが、この案件は年間の売上高や営業利益にどの程度寄与するのか、教えていただけますか?

鶴保:もちろん、案件によって単価が異なる部分もあります。おおよその計算となりますが、1万ライセンスを獲得した場合、年間のライセンス費用として約5,000万円を計上できます。また、納入時にはPoCなどの準備作業が必要なため、それらの設定作業を含めて数千万円規模の売上が発生します。

kenmo:10万ライセンスへ増やすにあたり、現状の体制的な課題やボトルネックがあれば教えてください。

鶴保:現時点でもPoCがあり、設定作業を実施する技術者が不足するという課題が一番大きいと考えています。

ネットワークのシステムは代理店やパートナー企業に販売していただくことが多いのですが、設定作業までしっかりと対応していただけるよう、パートナー企業の協力を得て人数を増やし、このボトルネックを解消していきたいと考えています。

注力分野③ AIを活用したソリューション-Verkada

鶴保:AIを活用したソリューション「Verkada」です。これは、カメラ、入退室管理、各種センサといった複数のセキュリティ機器をクラウド上で一元管理できる統合セキュリティプラットフォームです。

特徴として、ハイブリッド型のAIカメラを活用し、人物の顔や服装、車両などの属性を基に膨大な映像データを瞬時に検索できる点が挙げられます。また、専用サーバーを必要とせずにPCやスマートフォンから簡単にアクセス可能で、多拠点を有する企業でも効率的な運用が可能です。

現在、オフィスや製造現場、教育施設など幅広い用途で導入が進んでおり、業務効率化や空間の可視化にも貢献しています。

注力分野④ AIを活用したソリューション- Veesion

鶴保:「Veesion」は、防犯カメラ映像から万引き行動をAIで自動検知し、店員のスマートフォンに通知するシステムです。現在、このシステムはすでに世界55ヶ国、6,000店舗に導入されており、ディープラーニング技術により検知精度が継続的に向上しています。

従来、事後確認が主でしたが、「Veesion」ではリアルタイムでの検知が可能となり、即時対応が可能になります。

(映像流れる)

これが「Veesion」の画面です。手が赤く表示されている部分が万引きと思われる行動を検知された状況を示しています。

これまで、このようなシステムは商品が棚からなくなってから事後に気づかれることが多かったのですが、本システムでは自動検知が可能なため、お客さまから高い評価をいただいています。

kenmo:「Item in pocket」は、赤色で表示されるのですね。

鶴保:おっしゃるとおりです。

kenmo:これは、かなり精度が出るものなのでしょうか?

鶴保:精度に関しては、AIが学習を重ねることで、少しずつ精度が向上しています。

向井沙耶氏(以下、向井):表示されていたパーセンテージは何を意味しているのですか?

鶴保:ポケットに入れた可能性をパーセンテージで表現したものです。

kenmo:カゴに入れる動作と、ポケットに入れる動作は検知が難しい気がするのですが、どのように対応しているのですか?

鶴保:AIにより学習させて対応しています。過去にも同様の製品はありましたが、AIを活用することで非常に優れた製品になっています。

kenmo:自動検知ができると、本当に助かりますね。

エレクトロメカニクス事業の概要

鶴保:エレクトロメカニクス事業の概要です。サブセグメントとして、半導体・電子部品のエレクトロニクスと機構部品のメカニクスの2つがあります。これらも技術サービスをしっかりと付与しながら、ワンストップで提供しています。

エレクトロメカニクス事業 – エレクトロニクス

鶴保:エレクトロニクスについてご説明します。こちらは、海外製の半導体を日本の製造業のお客さま向けに提供しています。

用途別では、産業機器向けと民生機器が最も多く、それぞれ約26パーセントを占めています。産業機器向けには半導体製造装置や通信関連機器が多く、民生機器は家電など一般消費者が使用する電子機器が含まれます。

当社の強みとしては、パワー半導体やシリコンマイクなど特定分野でトップクラスのシェアを持つメーカーを取り扱っていること、および、自社でラボを保有している点です。このラボを活用して、動作検証や外付部品のアドバイスなどの技術サービスを提供しています。

直近では、光関連部材の取り扱いを開始し、商材ラインナップを拡充しています。今後は、M&Aや海外売上の拡大を通じて、売上を大きく伸ばしていくことを目指しています。

エレクトロメカニクス事業 – メカニクス

鶴保:メカニクスについてです。機構部品に分類され、製造業向けに国内製品を取り扱っています。一部は自社開発を行っていることが特徴です。

スライドレールは、ATMや複合機などでシェアNo.1ということで、当社の優位性がある製品となっています。企画開発品も展開しており、これらは利益率が高いため、今後さらに伸ばしていきたいと考えています。

kenmo:エレクトロメカニクス事業は幅広い用途があるとのことですが、2028年3月期に売上高182億円を目指すにあたり、特にどのような商材が成長する計画なのか、お聞かせください。

また、昨今の半導体市況の変動について、どのような対策を講じているのかも教えていただけますか?

鶴保:これから特に大きく伸ばしていきたいと考えているのが、光通信の部材です。新たに取り扱いを開始した製品であり、販売拡大の主力となっています。

半導体市場の変動に関しては、当社にはビジネスセキュリティ事業があり、半導体市場が不調な場合にはこのセグメントがカバーし、バランスを保ちながらこれまで事業を進めてきました。そのため、当社は安定的に事業を成長させられる体制を整えています。

高千穂交易の3つの強み

鶴保:当社の強みは、目利き力、技術力、そして顧客基盤の3つです。

1. 目利き力

鶴保:強みの1つ目は、目利き力です。これまでお客さまの潜在的なニーズを把握し、世界の先端商品を発掘して日本仕様にカスタマイズすることで、日本初となる製品を数多く導入してきました。この目利き力により、競争力のある商材を取り扱うことが、当社の強みだと考えています。

この中で、目利き力がわかりやすく表れているものとして、リモートアクセス製品があります。当社は、リモート勤務が一般的ではなかった2002年にいち早く販売を開始しました。その後、中小企業にもテレワークが広がった新型コロナウイルスの影響下で、主力製品の1つとなっていました。

当時、まだリモートワークが普及していない中で、早い段階で市場を見極めることができたと考えています。

1. 目利き力

鶴保:目利き力を培ってきた背景についてご説明します。

1つ目は、海外拠点です。当社は非常に早い段階でシリコンバレーにも拠点を構え、世界の先端技術が集まるネットワークを構築してきました。

2つ目は、VCとの連携です。2020年にDNX Venturesが運営するファンドへ出資しました。現在話題のAnthropicやHalcyonなどの有力スタートアップに出資しているベンチャーキャピタルで、一部間接的な出資も含まれます。VCとのネットワークを活用し、さまざまな製品を探索してきました。

3つ目は強固な顧客接点です。長年にわたり培った顧客との接点を通じて、顧客のニーズをしっかりと把握しています。

2. 技術力

鶴保:強みの2つ目は、技術力です。エンジニア社員比率は40.8パーセントと高く、技術サービスをしっかり支えています。

ワンストップサービスの提供や提案時の技術サポート、24時間365日のサポート体制、自社開発品ではメカニクスにおいて約20パーセントが開発品となっており、これが非常に大きな強みとなっています。

3. 顧客基盤

鶴保:強みの3つ目は、顧客基盤です。我々は70年間培ってきた実績を大切にしながら、引き続き販売強化を進めていきたいと考えています。

これまでの業績推移

鶴保:業績推移についてです。2023年3月期以降は、エレクトロニクス事業の好調を背景に売上高が増加基調にあります。

また、従来のモノ売りだけでなく、サブスクリプション型やクラウドサービスの拡大により、商社でありながら営業利益率が上昇傾向にあります。さらに、配当性向100パーセントといった株主還元の強化により、ROEも改善しています。

第1四半期連結業績

鶴保:足元の第1四半期の業績についてです。スライドをご覧いただくとわかるとおり、第1四半期は前年から非常に好調に推移しています。

四半期別構成比率

鶴保:私たちの業績は、第2四半期と第4四半期に偏重しています。そのため、第1四半期の進捗率が少し低いと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、第2四半期と第4四半期に偏重している状況を踏まえ、業績向上に向けて現在しっかりと活動を進めています。

kenmo:今後、サブスクリプション売上の増加によって、売上の季節性が平準化する可能性はあるのでしょうか?

鶴保:可能性はあります。ライセンスがしっかり積み上がっていけば、それが増えるほど安定収益が増加し、さらに四半期ごとの収益も安定していくと考えています。

セグメント別業績

鶴保:スライドは、セグメント別です。ビジネスソリューションが好調で、エレクトロメカニクス事業は増収となっている一方で、販管費の増加を補いきれず、減益となっていますが、会社全体として第1四半期は非常に好調に推移しています。

中期経営計画の全体像

鶴保:中期経営計画についてです。簡単にご説明しますが、スライドは全体像を示しています。

中期経営目標(基本方針・数値目標)

鶴保:業績の目標です。2028年3月期に売上高350億円、当期純利益20億円、ROE10パーセント以上を目指し、しっかりと取り組んでいきたいと考えています。

今後注力する成長領域(再掲)

鶴保:スライドに示した注力分野を進めていきたいと考えています。

中期経営目標(セグメント別売上高・営業利益)

鶴保:セグメント別では、ビジネスセキュリティ事業とエレクトロメカニクス事業の双方について、先ほどもバランスが良いとお伝えしましたが、どちらも向上させていきます。

株主還元

鶴保:株主還元についてご説明します。

配当方針に関しては、昨年3月に開示した中期経営計画の配当方針に基づき、資本政策として成長投資と株主還元の両立を掲げ、2026年3月期まで配当性向100パーセントを継続してきました。今年度からは、累進配当制を導入しています。

2026年3月期の年間配当は、配当性向100パーセントの方針に基づき、前期比4円減配の76円となりました。2027年3月期からは累進配当となり、前期と同額の76円を予定しています。

株主優待

鶴保:株主優待についてです。当社の配当は9月末と3月末、株主優待は6月末と12月末に実施しており、100株以上を保有されている株主さまに、「プレミアム優待倶楽部」で交換可能な株主優待ポイントを贈呈しています。

「プレミアム優待倶楽部」では、5,000種類以上の商品を取りそろえており、お好きな商品とポイントを交換いただけます。私からのご説明は以上です。

質疑応答:キャッシュコンバージョンサイクルと事業ポートフォリオの見直しについて

kenmo:「中期経営計画でROIC経営を掲げています。キャッシュコンバージョンサイクルの改善と資本収益性の向上を重点課題とされていますが、商社ビジネスで売上が拡大しても、在庫や売掛金が増えるとキャッシュ創出力が低下してしまいます。

今後3年間でROICをどの程度高めることを目指していくのか、場合によってはROICを下回る事業については撤退縮小を考えていくのか、そのあたりの考えについてお聞かせください」というご質問です。

鶴保:キャッシュコンバージョンサイクルについては、当社は「モノ売り」から「コト売り」への転換を進めており、クラウドサービスによる在庫がないビジネスにシフトしています。

また、月額課金のサービス形態を採用しているため、これを強化することで、ROICをしっかりと向上させていきたいと考えています。

kenmo:場合によっては、撤退や縮小を検討することもあるのでしょうか?

鶴保:本日のご説明には含まれていませんが、中期経営計画では事業ポートフォリオの見直しを掲げています。

具体的には、収益性および成長性が低いビジネス、当社よりも他社が経営したほうが適していると考えられるビジネスについて、しっかりと対応を検討していきたいと思っています。

質疑応答:60億円の投資計画について

kenmo:「中期経営計画では60億円の成長投資を掲げています。ただ60億円をかけて、それが事業規模拡大につながるのはわかるのですが、株主としては、より利益の増加につながるような投資を期待しています。

M&A、新規事業などいろいろあると思いますが、配分と投資回収についてのお考えをお聞かせください」というご質問です。

鶴保:基本的には、60億円のうち、社内のIT関連やDX推進、人的資本の強化など、スライドに記載のある分野にも一定の投資を行う予定です。

また、残りの多く、現在は48億円を計画していますが、こちらはM&Aなど事業成長に向けた投資をしたいと考えています。ご指摘のとおり、売上規模だけでなく、収益性の高いビジネスにも積極的に投資していきたいと考えています。

投資回収の考え方として、当社はROIC経営を掲げており、投資判断は資本コスト(WACC、現時点で6パーセントから7パーセント)を上回るROICを生むかを基準にしています。案件は投資委員会で、投資採算と回収期間を個別に審査した上で実行します。

質疑応答:成長投資と株主還元の両立について

kenmo:「2026年3月期まで配当性向100パーセントで、2027年3月期以降は累進配当を採用する方針です。今後成長投資を行ってもなお資本が積み上がっていく場合、例えば累進配当に加えて、自己株式の取得といったことも考えられるのでしょうか?

どのような基準で余剰資本を株主に還元するのかお聞かせください」というご質問です。

鶴保:今回の中期経営計画では、成長投資と株主還元の両立を掲げています。前回の計画では、稼いだ利益を100パーセント株主還元するという戦略を立てていました。しかし、成長投資がなければその後の成長が見込めないため、しっかりと成長を目指していきたいと考えています。

仮に成長投資を行っても資本が積み上がった場合については、自己株式の取得ではなく配当で還元していくことになると思われます。

質疑応答:2028年3月期におけるビジネスセキュリティ事業及びエレクトロメカニクス事業の計画について

kenmo:「成長投資について、2026年3月期の営業利益の実績を踏まえると、2028年3月期の営業利益30億円という中期経営目標まで、残された利益成長をどの事業で稼いでいくのかが重要と考えています。

事業ごとにどれぐらいの営業利益の増加を見込んでいるのか、またリスクなどがあればお聞かせください」というご質問です。

鶴保:スライドは、中期経営計画の内容を示しています。ビジネスセキュリティ事業では、2028年3月期に168億円、前回の中期経営計画の最終年度から平均年成長率(CAGR)で7パーセント、営業利益率を9.3パーセントまで上昇させる計画です。

エレクトロメカニクス事業では182億円を目指し、売上高のCAGRで約8パーセント、営業利益率を1.5ポイント増加させて7.9パーセントとする計画です。

成長の要素としては、本日ご説明したデータセンター向けのビジネス、サイバーセキュリティのビジネス、クラウド、サブスクリプション型ビジネスの強化を図っていきます。

特に、ビジネスセキュリティ事業は利益率が高いため、利益を確実にビジネスセキュリティ事業で計上します。一方、エレクトロメカニクス事業では、販管費を適切にコントロールしながら営業利益率を向上させ、売上を大幅に拡大させることを目指しています。

kenmo:エレクトロメカニクス事業は外部環境に左右される部分もありますが、場合によっては上振れの可能性もあるのでしょうか?

鶴保:エレクトロメカニクス事業、特に半導体の分野では、現在納期が長期化しており、今年は非常に不透明な状況ですが、前中期経営計画期間では、掲げた数値目標よりも非常に高い結果となりました。

そのため、エレクトロメカニクス事業も市場環境や新しいビジネスの進展状況次第で、上振れの可能性を秘めていると考えます。

質疑応答:注力する事業について

向井:「ビジネスセキュリティ事業とエレクトロメカニクス事業について、今後どちらの分野を拡大していきたいと考えているのでしょうか?」というご質問です。

鶴保:ビジネスセキュリティ事業とエレクトロメカニクス事業の両方に注力していこうと考えています。ビジネスセキュリティ事業ではしっかりと利益を計上し、エレクトロメカニクス事業では事業規模を拡大していきたいと思います。

質疑応答:メカニクスおよびエレクトロメカニクス事業の収益性改善について

向井:「直近の第1四半期では、エレクトロメカニクス事業が増収となる一方で、営業利益が減益となっていますが、今後どのような取り組みで収益性を改善していくのでしょうか?」というご質問です。

鶴保:メカニクスに関しては、利益率の高い自社開発品を強化していきたいと考えています。エレクトロメカニクス事業では、技術力を活かしたソリューション提案や、メカニクスとの組み合わせによって収益性を改善していきたいと考えています。

向井:ビジネスセキュリティ事業のマネージドサービスやサブスクリプションについて、解約率はどのようになっていますか?

鶴保:機器と併用したクラウドサービスとなっているため、機器が設置されていることで解約率は非常に低く、0.5パーセントから0.8パーセント程度です。非常に安定したビジネスです。

向井:解約率が低いのですね。

質疑応答:M&A関連の取り組みについて

向井:「中長期の計画にある新規事業や成長投資60億円の進捗を教えてください」というご質問です。

鶴保:M&A関連について、詳しい内容はお話しできかねますが、前中期経営計画からタスクフォースを立ち上げています。会社として案件の精査や、注力すべき企業の特定について、タスクフォース内でしっかりと議論を行っているものの、まだ実績はありません。

新規事業については、サイバーセキュリティ分野において先程説明した「halcyon」が非常に好調です。

質疑応答:「Verkada」の引き合い状況と売上規模について

kenmo:スライド16ページの「Verkada」について、現在の引き合い状況や売上規模について教えていただけますか?

鶴保:「Verkada」はクラウドベースで、スマートフォンからでもパソコンからでもすぐに利用できます。また、AIを活用して、例えば眼鏡をかけた黄色いシャツを着た人を瞬時に検索できるシステムになっています。

このシステムは非常に好調で、4年前から取り扱いを始めて以来、現在の導入社数は100社を超え、受注数は150社に迫る勢いです。売上も数億円規模に伸び、ライセンス利用の増加によって積み上がりが進んでいます。このように、非常に好調に推移している状況です。

質疑応答:AI保安警備やロボット市場向けのサブスクリプションサービスへの移行について

kenmo:「Verkada」もそうですが、AI保安警備への参画や、御社がロボット市場向けの製品を展開されている点について教えてください。

今後、単なる機器販売から、AI、IoT、クラウド保守を組み合わせた継続課金型のサービスへ移行することで、次のステージに進み、粗利率の大幅な改善が期待できるのではないかと考えています。その点についてのお考えをお聞かせいただけますか?

鶴保:これまでビジネスセキュリティ事業は機器の販売が主でしたので、半導体ほどではありませんが、非常にボラティリティが高い状況にありました。

前中期経営計画において、サブスクリプション型のサービスにより安定収益が上がってきたため、現在は経営的にも非常に安定してきたと考えています。

これからは、現在の「halcyon」や画像認識を基盤としたAIに加え、例えば半導体やメカニクスの領域でも、フィジカルAIなどに取り組んでいるお客さまにしっかりと関わり、成長分野へ参入していきたいと考えています。また、クラウドサービスにも注力していきたいと思っています。

質疑応答:今後のIR活動について

kenmo:「4年ぶりの登壇とのことで、IRをもっとよろしくお願いします」というご意見です。

鶴保:ログミーさんへの登壇は4年ぶりとなりますが、今年は他の個人投資家説明会に3回登壇しており、今日は4回目の登壇です。今後もぜひ積極的に、さまざまなイベントに参加していきたいと考えています。

鶴保氏からのご挨拶

鶴保:本日は、ご視聴いただきありがとうございました。我々は中期経営計画を着実に進捗させていますので、今後とも応援していただければと思います。よろしくお願いします。ありがとうございました。

当日に寄せられたその他の質問と回答

当日に寄せられた質問について、時間の関係で取り上げることができなかったものを、後日企業に回答いただきましたのでご紹介します。

<質問1>

質問:自己資本比率がこの数年徐々に下がっていますが、その原因と現状についての評価を教えてください。

回答:自己資本比率の低下は、財務基盤の悪化によるものではなく、資本効率向上を目的とした積極的な株主還元の実施によるものです。

当社は前中期経営計画(2023年3月期から2025年3月期)において、ROEの3期平均8パーセント達成を目標に掲げ、資本効率の向上を重視する観点から、利益剰余金の積み増しを抑制し、配当性向100パーセントを基本とする株主還元を実施してきました。

また、現中期経営計画(2026年3月期から2028年3月期)では、「成長投資と株主還元の両立」を資本政策の基本方針としています。2026年3月期までは配当性向100パーセントを継続し、2027年3月期からは累進配当制度を導入することで、安定的かつ継続的な株主還元の強化を図っています。

このような積極的な株主還元の実施に伴い、自己資本比率は緩やかに低下していますが、2026年3月期末時点においても68.5パーセントと高い水準を維持しており、財務健全性に問題はないと認識しています。

<質問2>

質問:御社は次期TOPIXの除外銘柄に該当すると思われ、向こう2年間にわたり機械的な売りが出ると思うと買いにくいです。「TOPIX売り」への対応策は何か考えているのでしょうか?

回答:TOPIXの見直しに伴い、インデックス運用資金による機械的な売買が発生する可能性があることは認識しています。一方で、TOPIX組み入れの有無そのものが当社の事業価値や収益力に影響を与えるものではないと考えています。

当社としては、中期経営計画で掲げる成長戦略を着実に実行し、持続的な利益成長と資本効率の向上を通じて企業価値の向上に取り組むことが最も重要であると考えています。また、累進配当の導入など株主還元の充実にも継続的に取り組んでいきます。

加えて、TOPIX見直しによる需給面の影響を緩和するため、機関投資家および個人投資家の双方に対するIR活動をこれまで以上に強化していきます。

国内外の機関投資家との対話機会の拡充に加え、個人投資家向け説明会や情報発信の充実を図ることで、当社の事業内容や成長戦略への理解を深めていただき、新たな投資家層の開拓と株主基盤の拡大につなげていきたいと考えています。

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