会社概要
近藤勲氏:それでは、2026年6月期決算説明会を始めます。株式会社プラッツ常務取締役の近藤です。本日はよろしくお願いします。まずは、会社概要についてご説明します。
株式会社プラッツは1992年7月に設立され、現在35期を迎えています。代表取締役社長は河内谷忠弘です。資本金は5億8,200万円で、第34期にあたる前期の売上高は82億円です。本社所在地は福岡県大野城市仲畑にあり、福岡市博多区との市境に位置し、福岡空港にも近い場所です。
関連会社は4社あります。1つ目はベトナムの生産工場のSHENG BANG METAL、2つ目は中国での販売を目的とした富若慈(上海)、3つ目は奈良に所在し2年前にM&Aしたウレタン加工会社のやまと産業です。4つ目はHaierとの合弁会社の海尔景齢科技で、これも2年前に設立したものです。
拠点数は国内がやまと産業を含めて8拠点、海外が1拠点です。従業員数は単体で111名、連結で150名となっています。現在、当社は東証スタンダード市場に上場しています。
企業理念
企業理念として掲げている創業の精神である「一生懸命」という社是についてです。私たちは常に公正、創造、改革の精神を持ち、お客さまの満足を追求するとともに、自己の幸福と夢の実現、さらには社会に貢献できる企業として成長・発展することを目指しています。
この理念は、創業者であり現会長の福山が考案したもので、毎朝の朝礼で唱和しています。
私たちは「高品質」「高機能」「低価格」をテーマに最高のコストパフォーマンスでお客様の満足を目指す医療・介護ベッドメーカーです
このように、私たちは「高品質」「高機能」「低価格」をテーマに、最高のコストパフォーマンスでお客さまの満足を追求する医療・介護ベッドメーカーとして事業を展開しています。
売上高の推移と主なトピックス
スライドには、売上高の推移を記載しています。当社は1992年に現会長の福山が夫婦2人で創業し、その後社名をプラッツに変更、7期目頃から介護用電動ベッドの発売を開始しました。
さまざまな事柄を経て、2015年に当時の東証マザーズに上場し、それから11年が経ち、現在は東証スタンダードに上場しています。
ビジネスモデル
ビジネスモデルについてです。当社は関連会社や外部メーカーに製造を委託する、いわゆるファブレス経営を行い、ベッドや周辺機器の製造・販売を行っています。加えて、ウレタンの加工会社であるやまと産業をM&Aし、当社グループに取り入れています。
仕入先については、SHENG BANG METALという当社の持分法適用関連会社でベッドのほとんどを製造しています。その他のマットレスや周辺機器については、ベトナムをはじめ、中国、インドネシア、日本を含む各国から仕入れています。
販売先は市場を4つに分けており、最も大きいのが福祉用具流通市場です。これに医療・高齢者施設市場、家具・寝具流通市場、海外市場の4つに分けています。
福祉用具流通市場における立ち位置
福祉用具流通市場における当社の立ち位置をご説明します。当社はベッドの製造販売を行っており、福祉用具流通市場では介護保険制度のもとで福祉用具をレンタルする仕組みがあります。この仕組みを事業とするレンタル卸業者や福祉用具貸与事業所への販売が、当社の立ち位置となります。
原則として、要介護2以上の方が介護保険を適用してベッドをレンタルできる仕組みです。利用者は所得に応じてレンタル料の1割から3割を負担し、残りの7割から9割は介護保険給付でカバーされる状況です。
レンタル卸業者の有名な上場企業としては日本ケアサプライ、福祉用具貸与事業所の上場企業としてはトーカイなどがこのような立ち位置にあります。
医療高齢者施設市場における立ち位置
医療・高齢者施設市場についてご説明します。当社は、医療機器ディーラーにベッドを販売し、そのディーラーが病院や高齢者施設に販売する仕組みとなっています。その結果、これらの施設を利用される方や入院される方にご使用いただくかたちとなります。
病院や高齢者施設へ直接販売することも稀にありますが、各地の医療機器ディーラーを通じて販売を行っています。
国内高齢者人口の推移
中期的な市場環境についてご説明します。まず、国内の高齢者人口の推移です。
ご承知のとおり、総人口は減少していますが、65歳以上の人口は2045年までは増加すると想定されています。それに伴い、高齢化率もさらに高まるとの統計が出ており、2025年10月時点の実績値では高齢化率が29.4パーセントまで上昇しています。
要介護認定者数と介護保険受給者数の推移
要介護認定者数と介護保険受給者数の推移についてです。いずれも年々増加しており、2026年3月時点では要介護認定者数が約760万人、介護保険受給者数が約580万人となっています。
特殊寝台貸与件数と1件当たり単位数の推移
特殊寝台貸与件数と1件当たり単位数の推移についてです。2021年に特殊寝台の貸与件数は100万件を超え、その後も着実に貸与件数が増加し、現在では112万件を上回る数値となっています。
一方、1件当たり単位数についてはレンタル価格と連動しており、介護報酬が年々下がっていることから、レンタルベッドの価格競争が激化している状況です。
医療・介護機能の再編
医療・介護機能の再編についてです。医療サービスにおける病床数は今後減少するとされており、その受け皿として介護分野で対応していく方針が厚生労働省から示されています。
3年前と比較しても病床数は減少している一方で、介護サービスは在宅、施設、居住系のいずれも増加傾向にあります。このような環境の中で、高齢化が進んでも需要が落ちない分野で当社は事業を展開できています。
海外市場の拡大 東アジア地域の高齢者(65歳以上)人口の推計
同様に海外市場でも高齢化が進んでおり、特に中国では日本以上に高齢者の数が増加すると予想されています。そのほかアジア地域でも同様に高齢者人口の増加が見込まれています。
3つの強み
当社の強みについてです。企業理念に掲げている「高品質」「高機能」「低価格」の3つを基盤としています。ユーザーが求める充実の機能を、安心の品質と手の届きやすい価格で提供することが、当社の基本的な考え方です。
01|高品質
1つ目の強みは「高品質」です。主要生産工場であるベトナムのSHENG BANG METALでは、高度な設備への投資や検査体制の厳格化に加え、現地スタッフの教育体制を構築し、高品質な製品作りを実現しています。
同工場はホーチミン近郊のドンナイ省に位置しており、従業員数は現在250名です。2024年の生産台数は約4万2,000台に達しています。また、その他の協力工場では、試作、量産、検品といった各生産プロセスに当社社員が立ち会うことで、安定した生産体制を確立しています。
こうした取り組みが評価され、経済産業省主催の「PSアワード」で優良賞を受賞しました。
02|高機能
2つ目の強みは「高機能」です。医療・介護の現場が求める機能をタイムリーに実現するため、柔軟な製品開発を日々行っています。企画、設計、試作から量産までの一連の業務を、国内と先述のベトナム工場との連携によるワンストップ体制で行い、顧客や専門家からの評価やアドバイスを迅速に製品に反映しています。
大学や研究機関との共同研究、医療機関や販売店など製品ユーザーへの視察を通じて現場理解を深め、ニーズの発見に努めています。
02|高機能
「高機能」に象徴される製品を2つご紹介します。
1つ目は、2024年10月に発売した在宅介護用ベッド「ミオレット3ネクスト」です。この製品は、電動ベッドの主要機能をほぼ網羅し、幅広いご利用者に対応できる汎用性を備えています。また、他機種とのパーツの共通化により、最小限の在庫でラインナップを拡充することが可能です。
2つ目は、2025年3月発売の医療施設用ベッド「アスピーノ」です。患者の起き上がりや離床を検知し、ナースコールで知らせるセンサを内蔵しています。さらに、頭の角度を個別に調整できるハイバックサポート機能により、摂食嚥下リハビリのサポートや誤嚥リスクの低減に活用されています。
03|低価格
3つ目の強みは「低価格」です。「すべての人に必要な製品だから、手の届きやすい価格で提供したい」という創業者の思いを実現するため、さまざまな施策を通じて低コストでの生産を行っています。
人件費が比較的安価なベトナムを主要拠点とすることで、コスト競争力を高めています。スライドにあるとおり、ベトナムの人件費は日本の約14パーセントから33パーセント、中国と比較しても約48パーセントから73パーセントという低い水準にあります。
さらに、国内外の協力工場と連携するファブレス体制により、固定費および変動費の抑制を実現しています。また、製品企画段階で本当に求められる機能に特化することで、生産効率の向上と在庫管理コストの削減を図っています。
03|低価格
「低価格」の強みについては、レンタル価格の比較にも表れています。ベッドメーカー各社のベッド機能・価格帯のポジショニングを示した図が、こちらのスライドです。当社の主力商品「ミオレット3」については、月額レンタル価格が最頻価格で6,000円、平均価格で6,310円と、他社に比べて低水準にあります。
当社は低価格のベーシックモデルに焦点を当てた戦略を採用しています。コストパフォーマンスを重視しながら、基本的な機能や性能を備えた製品を提供することで、幅広いニーズに応え、シェアの拡大を目指します。
当社の強み、取り組み
当社の社会的取り組みについて一部ご紹介します。当社では、ベッドの売上の一部を世界の子どもにワクチンを日本委員会およびジャパンハートに寄付し、その活動を支援しています。ベッドの購入を通じて、世界の子どもたちや地域に希望を届ける取り組みを行っています。
連結業績サマリー
第34期の業績についてご報告します。連結業績のサマリーです。
売上高は82億9,400万円となりました。医療・高齢者施設市場と海外市場では営業活動の強化により増収となりましたが、福祉用具流通市場では微減、また家具・寝具流通市場の減収により、全体では前期比1.5パーセントの減少となっています。
営業利益は2億5,300万円でした。これは製造・仕入れコストを低減したことに加え、為替予約が奏功し、仕入為替レートが前期比で円高寄りに推移したことにより、売上総利益率が改善したことが要因となり、増益となっています。
経常利益は為替差益の計上により2億9,400万円、親会社株主に帰属する当期純利益は2億3,500万円と、いずれも前期比で増益となりました。増収は果たせなかったものの、原価低減による粗利率の改善により、すべての段階利益で増益となった1年でした。
連結業績
連結業績の詳細です。
売上高は前期比で1億2,800万円減少し、82億9,400万円となりましたが、売上原価が2億8,700万円減少したことで、売上総利益は1億5,900万円増の26億7,900万円となりました。売上総利益率は前期の29.9パーセントから32.3パーセントへと2.4ポイント改善しました。
販売管理費は8,900万円増加しましたが、営業利益は前期比38.1パーセント増の2億5,300万円と、7,000万円増加しました。
販売市場別実績
売上について、販売市場別の実績をご説明します。主力である福祉用具流通市場では前期比0.9パーセント減とほぼ横ばいの数字となり、医療・高齢者施設市場は前期比11.8パーセント増加、海外市場は前期比20.3パーセント増加と大きく伸びました。
一方、家具・寝具流通市場については、マットレスの需要一服により前期比23.9パーセント減少し、この減少が顕著となっています。その結果、トータルでは前期比1.5パーセントの減少となりました。
連結貸借対照表
連結貸借対照表についてご説明します。資産合計は前期比2億200万円増の64億5,100万円となりました。有形固定資産や投資有価証券の増加により、固定資産が増加しています。負債合計は長期借入金の減少により8,800万円減少しました。
純資産合計は利益剰余金の積み増しなどにより2億9,000万円増加し、自己資本比率は前期の49.5パーセントから52.5パーセントへ2.9ポイント改善しています。
キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況です。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益や減価償却費、運転資金の改善などにより2億8,600万円となり、前期の2億1,800万円から増加しました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の取得などにより2億5,500万円の支出となりましたが、フリーキャッシュ・フローはプラス3,100万円とプラスに転換しました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済や配当などにより1億8,400万円の支出となり、期末の資金残高は15億7,600万円です。
営業利益の増減要因
営業利益の増減要因についてご説明します。減収の影響はありましたが、仕入為替の円高および原価低減により粗利率が改善し、営業利益は前期比7,000万円の増益となりました。
医療・高齢者施設市場と海外市場の売上増加、粗利益の改善が増益に寄与する一方で、家具・寝具流通市場の減収や国内物流費などの変動費増加が減益の要因となっています。
売上総利益率改善の要因
売上総利益率改善の要因についてです。
当期の売上総利益率は、前期の29.9パーセントから32.3パーセントへと2.4ポイント改善しました。主因は継続的な原価低減と為替予約が奏功し、平均仕入為替レートを1ドル151円39銭から148円22銭へと有利な水準に抑制することができました。
また、周辺機器などの原価低減活動、生産効率の改善、製品仕様の見直し、製品ミックスの改善が寄与しています。なお、次期の2027年6月期計画では為替予約を活用し、為替変動リスクを抑制する方針のもと、1ドル160円を前提とした保守的な計画を採用しています。
株価動向
株価動向についてご説明します。2026年8月24日の終値は824円で、時価総額は30億7,000万円、配当利回りは2.55パーセント、PERは12.12倍、PBRは0.82倍となっています。
配当金・配当性向の推移
配当金と配当性向の推移についてです。当社は、配当性向30パーセントを基本方針として株主還元を実施しています。第34期(2026年6月期)の1株当たり配当金は24円、配当性向は34.5パーセントとなる見込みです。
中期経営方針
ここからは、中期経営計画についてご説明します。当社は「医療・介護・健康をテーマに、『モノ作りの深化』と『サービスの充実』を通じて世界に貢献する」というビジョンを掲げており、このビジョンの実現に向けて4つの戦略を推進します。
戦略1は「国内市場の拡大と新分野へのチャレンジ」、戦略2は「製造機能の強化」、戦略3は「経営基盤の強化とそれに繋がる人材育成」、戦略4は「海外(東・東南アジア)市場の強化」です。
①国内市場の拡大と新分野へのチャレンジ(1/3)
各戦略についてご説明します。1つ目は「国内市場の拡大と新分野へのチャレンジ」です。その主力であるベッド事業についてです。
マーケティング機能の強化、先行開発・設計・製造技術の強化、そして営業力の強化により、在宅介護ベッドでは業界トップシェアを、医療・高齢者施設ベッドでは業界2位のポジション確立を目指します。
当社のベッド出荷台数は、福祉用具流通市場で前期2万8,300台から第40期には5万台へ、医療・高齢者施設市場では1万3,200台から3万台への拡大を計画しています。
①国内市場の拡大と新分野へのチャレンジ(2/3)
その他製品事業についてです。サプライヤーとのコネクションとファブレスの強みを活かし、医療・健康分野の多様な領域で技術を展開していきます。
介護用手すり「よかレール」は、すでに発売済みの製品ですが、さらに販売を強化し、第40期までに5万台の出荷を目指しています。また、連結子会社であるやまと産業とのシナジーを発揮し、マットレスの製品力強化やラインナップの拡充にも取り組んでいきます。
①国内市場の拡大と新分野へのチャレンジ(3/3)
サービス事業についてです。人手不足という介護業界全体の課題を解決するために、製品の販売やレンタルにとらわれない多様なサービスを展開していきます。
配送設置サービスや、当社製品に限らない管理・メンテナンスサービスなど、サービス内容を継続的に拡充していきます。
②製造機能の強化
2つ目は「製造機能の強化」です。
生産拠点の開拓、研究開発への投資、開発購買機能の強化を軸に製造機能を高め、第40期までに業界トップの技術力を目指します。主力であるSHENG BANG METALに加え、Haierグループとの合弁会社、やまと産業、その他の製造拠点と連携し、仕入れコストの削減と製品力の強化を進めていきます。
③経営基盤の強化とそれに繋がる人材育成
3つ目は「経営基盤の強化とそれに繋がる人材育成」です。
教育体系の確立と継続的な運用の徹底、年齢や性別に関わらない能力本位の人材登用、貢献社員の積極的な評価に取り組んでいきます。人材育成を通じてビジョンや戦略の浸透を図り、企業価値の向上および成長・発展につなげていきたいと考えています。
④海外(東・東南アジア)市場の強化
4つ目は「海外(東・東南アジア)市場の強化」です。
中国でのHaier合弁事業や韓国でのパートナー協業を引き続き推進します。また、代理店の開拓、対応商品や規格への適応など、東南アジア市場の基盤整備も進めていきます。東南アジアの病床数は日本を大きく上回る市場規模を有しており、これを大きな成長機会と捉えています。
中期経営計画 定量目標(1/3 経営計画)
これらの戦略を基に、中期経営計画の定量目標を掲げています。国内市場の拡大と新分野への挑戦により、売上高を第35期に93億円、第36期に101億円、第37期に110億円とすることを目指しています。
営業利益は第37期に6億円まで拡大する計画です。また、これらの数値の為替前提は1ドル160円としています。
中期経営計画 定量目標(2/3 市場別売上高)
市場別の売上計画についてです。営業、設計・開発、マーケティング機能を強化することで、各分野の成長性と収益性の向上を図ります。主力の福祉用具流通市場は第37期で59億円、医療・高齢者施設市場は33億円まで拡大する計画です。
参考:主要市場の想定シェア率
スライドは参考として挙げていますが、福祉用具流通市場および医療・高齢者施設市場、それぞれの年間の想定市場規模や台数を記載しています。
これに対し、第34期に当社が出荷した台数を基に算出すると、福祉用具流通市場では約22.6パーセントのシェア、医療・高齢者施設市場では約11パーセントのシェアとなる見込みです。
中期経営計画 定量目標(3/3 株価指標)
株価指標についてご説明します。4つの戦略を推進する中で、1株当たり利益は第35期で68円、第36期で111円、第37期で133円を目指しています。
配当性向30パーセントという配当方針に基づき、それぞれ21円、33円、40円と配当を伸ばしていく計画です。また、株主資本利益率(ROE)は第37期で11.3パーセントを目標としています。
ROE・ROAの推移と計画
ROEとROAの推移および計画についてです。第34期実績のROEは7.3パーセント、ROAは3.6パーセントを起点として、4つの戦略を推進することで収益性を改善し、第37期にはROE11.3パーセント、ROA6.0パーセントを目指します。
当社はROEを中期的な経営判断指標とし、原価低減、生産効率改善、販路拡大によって収益性を段階的に向上させていきます。
連結業績推移(直近5期分)
参考資料です。直近5期分の連結業績推移はスライドのとおりです。
単体業績推移(直近5期分)
直近5期分の単体業績推移はスライドのとおりです。
以上で、ご説明を終わります。ご清聴ありがとうございました。