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大石産業、4事業を展開する日本唯一の総合包装資材メーカー 1947年の設立以来、赤字なしで堅調に推移

Index

山口博章氏(以下、山口):みなさま、こんにちは。大石産業株式会社代表取締役社長の山口博章です。本日はどうぞよろしくお願いします。

本日は、会社概要、事業紹介、足元の状況、株主還元の順にご説明します。

まずは、当社で準備した約3分間の動画をご覧いただき、会社についてご理解いただければと思います。

(動画始まる)

話者:一見、どれも同じように見える包装資材には、「新鮮なまま届けたい」という生産者の想いに寄り添うこと、多様なニーズに応えること、一つひとつの商品に、私たち大石産業の知恵と技術が詰まっています。

今、当たり前にものが届く世の中で、当たり前の少し先を考える。

私たちは、ひらめきと確かな技術で向き合い続けます。夢のある明るい未来に向けて。

現在は4つの製品分野において、環境性能に優れた縁の下の力持ちな製品を幅広く展開する大石産業株式会社。日本国内だけではなく海外にも拠点を広げ、国内外のお客さまへ、たくさんの商品をお届けしています。

当社の主力商品である「パルプモウルド」は、国内トップシェアを誇ります。最適な形状や機能をデザインし、設計から製造まで一貫して手がけています。

青果物や卵の新鮮なおいしさを守る通気性や吸湿性の高さ、工業分野では緩衝性の高さなど、優しく包むための多様な機能があります。保護する力だけではなく、複雑な形状での成型が可能であり、包装作業の省力化や自動化にも貢献します。

さらに、人々が生活の中で使用した古紙から作られ、使用後は再び古紙として活用される地球にやさしい製品であることも大きな魅力です。ポットが自然に還る「花菜ポット」も注目されています。

パッケージ分野、衛生分野、医療分野を支える機能性フィルムを製造しています。透明性、伸縮性、防水性など、求められる多様なニーズに合わせて付加価値を追求した大石産業の機能性フィルムは、日常のさまざまなシーンで活躍しています。

創業から100年。地域の発展に尽力した大石産業は、今、人、そして地球環境に寄り添う製品の開発へ取り組み、社会へ貢献するため日々努力しています。

包装資材総合メーカーである私たちにしかできないソリューションで、今までもこれからも一歩一歩を着実に積み重ね、「当たり前のことを当たり前に繋ぐ」。これまで100年分の想いを込めて、未来へバトンをつなげていきます。

(動画終わる)

大石産業とは?

山口:会社概要をご説明します。大石産業は包装資材に関する4つの事業、パルプモウルド、段ボール、フィルム、重包装袋を展開する、日本唯一の総合包装資材メーカーです。

会社概要

山口:当社は福岡県北九州市に本社を置いています。北九州市は政令指定都市で、古くから工業が盛んな街です。当社は包装資材の総合メーカーとして、消費者の生活や物流に欠かせない高品質な製品を提供しています。

資本金は約4億6,600万円、決算月は3月、従業員数は約600名、株主数は約1万人です。詳しくは公式「YouTube」チャンネルに会社紹介動画(フルバージョン)を掲載していますので、興味のある方は後でご覧ください。

沿革

山口:沿革についてです。スライドは、1925年から2026年までの業績推移を示したグラフです。売上は順調に推移しています。利益については、原材料やエネルギー価格の変動により若干の増減はあるものの、赤字は一切ありません。

また、スライド中央に示されているように、1980年に福岡証券取引所に上場しました。さらに、2022年には東京証券取引所の現在のスタンダード市場に上場し、2025年4月1日に無事、創業100周年を迎えることができました。

当社の強み

山口:当社の強みとして、「総合力」「安定性」「環境対応力」の3つを挙げています。これらによって持続的な成長を実現しています。

1つ目の強みとして、当社は、日本で唯一の総合包装資材メーカーとして4つの事業を展開しており、バランスの取れた事業構成により、安定的な経営が可能です。また、各事業のメリットを活かした複合提案が可能である点も、大きな強みとなっています。

2つ目は、幅広い産業や用途に対応した包装資材を提供している点です。業界横断的な需要により、安定した売上構成を実現しています。また、1つの市場での影響を他の市場で補完し合うかたちで事業が運営されています。

3つ目の環境配慮型包装ソリューションの提供では、昨今の脱プラスチックやリサイクル素材を活用した製品展開を可能とし、お客さまの環境対応ニーズに応えるとともに、新たな提案を行うことで強みを発揮しています。

事業拠点

山口:事業拠点についてです。国内は、北海道から九州・熊本まで営業拠点や生産拠点を幅広く展開しています。海外では、マレーシアに営業・製造拠点を展開しています。

事業内容

山口:事業紹介に移ります。2026年3月期の連結売上高は234億円です。当社の事業は緩衝機能材事業と包装機能材事業に分かれており、それぞれ約半分ずつの割合を占めています。

緩衝機能材事業では、パルプモウルド事業が約68億円で全体の約29パーセント、段ボール事業が約35億円で約15パーセント、成型事業が約11億円で約5パーセントを占めています。

包装機能材事業では、フィルム事業が約45億円で約19パーセント、重包装袋事業が国内外を含めて約68億円で全体の約29パーセントとなっています。

このように、バランスの良い構成になっていることから、安定した経営体制が確保されています。

部門別売上高推移

山口:部門別売上高推移です。スライド左側のグラフは、2026年までの売上高推移を示しており順調に伸びています。スライド右側の表は、部門別伸び率を示しており、パルプモウルド事業では、2021年3月期の47億円から2026年3月期には68億円となり、21億円の増加で、伸び率としては約46パーセントの成長を示しています。

他の事業においてもスライドに記載のとおり、順調な伸び率で発展しています。

kenmo氏(以下、kenmo):こちらのスライドでは特に、パルプモウルド事業が非常に伸びているのがわかります。

用途がそれだけ増えているのか、または価格面で値上げが可能となっているのか、売上高が伸びている要因についてもう少し詳しく教えていただけますか?  

山口:パルプモウルドは古紙を原料とした製品で、環境問題への関心の高まりに伴い、お客さまからの問い合わせが急増し、新たな仕事が少しずつ増えています。当社では各事業部とも大切な事業ですが、特にこのパルプモウルドは主軸事業として注力しています。

kenmo:これまでプラスチック製だった卵のパックなども、最近ではパルプモウルド製品を見かけるようになり、用途が非常に増えていると感じます。

山口:ありがとうございます。

製品紹介

山口:製品紹介です。まずは、緩衝機能材事業のパルプモウルド事業についてです。本日は現物を持参しています。こちらは卵の容器ですが、非常に安定性があり、卵が割れにくい作りになっています。主に高級な卵に多く使用されているパックです。

続いて、ドリンクキャリアです。こちらは、全国展開する某大手ハンバーガー店のすべての店舗に当社が供給している、お持ち帰り用ドリンクトレーです。ドリンクが傾かず、袋に入れても安定して持ち運べるということで、非常に好評をいただいています。

kenmo:パルプモウルドの商品群は、どのくらいの種類があるのですか? 

山口:品種としては200種類から300種類近くあります。さらに、ホール形状などの違いを加えると、1,000種類ほどになると思います。

kenmo:当然、量産品もあれば、それぞれの商品ごとにカスタマイズ品やオーダーメイド品もあると思いますが、オーダーメイド品はどのような製造工程で作られるのですか? 

山口:後ほどもご説明しますが、入れ物に合わせて当社独自で設計を行い、それに適した生産体制を構築するオリジナルの方法もあります。例えば、トマトのトレーなどは既製品とまでは言えませんが、サイズや大きさが統一されているため、量産品として生産されています。

kenmo:ありがとうございます。

山口:続いて、工業品用トレーについてです。こちらはカートリッジなどを収納するためのトレーになります。また、食品容器も取り扱っています。

スライド中央には、先ほどお話ししたトマトやリンゴ、メロンといった青果物を詰めるトレーや鶏卵トレーになります。

スライド右側に記載の段ボール事業では、工業用ケース・農畜産用ケースがあります。

後ほどご説明しますが、成型事業では、イチゴを詰めるための「ゆりかーご」という商品や、食品トレーについても展開しています。

スライド下段に記載の包装機能材事業のフィルム事業では、衛生材料用フィルムや食品用フィルム、電子材料向けフィルムなど、さまざまな用途に対応した製品があります。

重包装袋については、業務用小麦粉や化学薬品や合成樹脂などの用途に使用されるクラフトの大型袋を生産しています。

当社の強みとして、スライド上段中央に記載のトマト関連の商品については、当社のトマトトレーと段ボールケースをセットで販売できる点が挙げられます。

また、後ほどご説明する「ゆりかーご」についても、当社のモウルド包装設計技術とフィルムを組み合わせた、当社独自の製品です。これらが当社の製品内容となります。

こんなところに大石産業

山口:「こんなところに大石産業」ということで、さまざまな場面で大石産業の製品が活躍しています。

産業分野、家庭分野、農業分野、街中など、多岐にわたる場面で大石産業の製品が活躍していることが、スライドの図をご覧いただければおわかりいただけると思います。

各事業のご紹介:パルプモウルド

山口:各事業のご紹介です。まず、パルプモウルド事業についてご説明します。聞き慣れない言葉かもしれませんが、簡単に言うと、パルプ(古紙の新聞・雑誌・段ボール)を原料としたモウルド(成型品)を指し、これをパルプモウルドと言います。

スライド上段は工程を示しています。古紙を原料として投入し、原料を離解します。古紙離解装置については、大型の洗濯機をイメージしていただければと思います。当社ではこれを「パルパー」と呼んでいますが、水を用いて原料(古紙)を離解し、溶解させていきます。

その後、原質の調整を行い、それぞれに適した金型を機械に設置して成型します。成型したものは、先ほどの動画にもありましたように、乾燥させて製品に仕上げます。パルプモウルドは、国内市場でトップシェアを誇っています。

パルプモウルド事業の強みと特徴について3点ご説明します。1つ目は、全国に4拠点、具体的には、青森県八戸市、茨城県北茨城市、福岡県に2拠点を構えており、日本全国に安定した供給が可能となっています。

2つ目に、製品設計から金型の設計・制作、試作から量産までを一貫して当社内で対応できることが大きな強みです。

3つ目に、お客さまとの連携を通じて、特に大手の生協さまとの取り組みとして、卵パックを回収し、再び古紙原料として再生利用することが可能なシステムを構築しています。

各事業のご紹介:パルプモウルド

山口:パルプモウルド事業の成長戦略と取り組みについてです。環境意識の高まりを背景に、紙製パッケージへの転換需要が非常に拡大しており、ビジネスチャンスと捉えています。

スライド右上の写真は「パラミル」という製品です。まだ開発品ですが、パルプモウルドの弱点である耐水性、耐油性、耐熱性を確保するために、当社の独自フィルムを貼り、そのメリットを活かしていく製品です。

この事業に関連し、当社は茨城工場に23億円を投じて大型の設備投資を行いました。これにより供給能力が従来の約1.5倍となり、さまざまな需要に対応した安定供給や新たな取り組みへの対応が期待されています。

スライド右下のグラフは、パルプモウルド事業の売上が2021年以降、確実に順調に拡大していることを示しており、また、今後も拡大していく予定です。

kenmo:「パラミル」は、すでに市場に出ているのでしょうか?  

山口:まだ研究開発中で、そろそろ製品化が予定されています。

kenmo:具体的には、どのような用途での利用を想定されているのでしょうか?  

山口:消費財、特に化粧品や食品といった、これまで当社が足を踏み入れることのなかった分野に対して、パルプモウルドの弱みを強みに変えて展開していく予定です。

kenmo:スライドに記載の「今後の需要増加を見越した大型設備投資」に関してですが、御社としては需要が今後さらに増えていくとお考えでしょうか?  

山口:パルプモウルド事業に関しては、中期計画および長期計画でも、当社として非常に大きく期待しています。

各事業のご紹介:フィルム

山口:フィルム事業についてです。当社は印刷・加工メーカーさまに、原料から成膜したフィルムを提供しています。最終製品としてはスライドに記載のオムツや半導体、食品トレーが挙げられます。食品トレーラミネーション分野では、当社がトップシェアを誇っています。

フィルム事業の強みと特徴について3点ご説明します。1つ目は、ポリスチレンフィルムです。独自性の高い製法により、高品質なフィルムを提供しています。

2つ目は、キャストフィルムです。お客さまの加工に適したものを、より顧客加工性および機能性の向上を図ることで、多様な提案を行っています。

3つ目は、一昨年に大型試作機と新たな多層機を導入した点です。これにより、現在さまざまな取り組みを進めているお客さまとの協業による拡販が期待されています。

各事業のご紹介:フィルム

山口:フィルム事業の成長戦略と取り組みについてです。成長市場として当社が注目している分野に本格的に参入していきます。

具体的には、電子材料(半導体関係)、自動車、ヘルスケアなどの分野です。これまで当社がなかなか進出できなかった市場において、特殊なフィルムの開発を通じて差別化を図り、拡販を進めていきたいと考えています。そのため、一昨年に約8億円の設備投資を行い、準備を進めています。

フィルム事業は、安定収益と高成長の最適バランスを確立させることで事業が成立しています。ポリスチレンフィルムは安定収益の基盤として、そして、現在取り組んでいるキャストフィルムは高成長のドライバーとして、継続的に成長していく事業として育てていきたいと考えています。

したがって、フィルム事業は、パルプモウルド事業とともに当社が大きく期待する事業です。

kenmo:こちらのスライドについてですが、フィルムの新製造ラインが本格的に利益に寄与してくるのは来期なのか再来期なのか、時間軸についてお聞かせいただけますでしょうか?  

山口:設備は一昨年導入し、大手のお客さまとさまざまな取り組みを進めています。今期の終わりから来期にかけて、製品が上市できるようになり、1年から2年先には設備投資した機械がほぼフル生産になることを目標に、現在がんばっています。

kenmo:ポリスチレンフィルムとキャストフィルムについてですが、特にキャストフィルムが伸びるとのことですが、それぞれの利益率や収益構造について、もう少し詳しくお聞かせいただけますか?  

山口:フィルム事業の基盤は、ポリスチレンフィルムの食品用トレーに使うフィルムという位置づけですが、それと同等以上の利益率の製品に付加価値をつけて販売したいと考えています。

その中で、このキャストフィルムを発展させていく方針です。つまり、利益の高い製品にさらに利益をのせていくという事業展開を目指しています。

各事業のご紹介:成型(ゆりかーご)

山口:「ゆりかーご」という製品をご紹介します。「ゆりかーご」は、「ゆりかご」と「カーゴ(運ぶ)」という意味合いを持ち、独自の宙吊り構造により保護性に非常に優れ、内容物である果実を守る容器です。

スライド左側の写真をご覧ください。イチゴが底に触れない宙吊り状態で、フィルムに包まれることで荷傷みを軽減する構造になっています。この特徴により特許製品となっており、高級な果物を包装することで高級感を演出し、多くの贈答用として採用されています。

また、傷みが少ないという特徴を活かし、長距離輸送にも耐えるため、多くの場面で採用されています。

「ゆりかーご」の成長戦略としてスライド右下の写真にもあるように、さまざまな形状の製品を開発したり、積極的に展示会に出展したり、PR活動にも取り組んでいきます。

さらに、他の農産物、例えば桃やイチジク、シャインマスカットなどのブドウ関連商品への展開も視野に入れており、これらも当社としては注目を集めやすい、非常に期待している製品です。

現在の引き合いについてですが、このような製品はシーズンもののため、シーズン中に非常に活躍します。一方で、シーズンオフの時期にどれだけお客さまやファンを増やせるかが重要となります。

そのため、展示会やPR活動を積極的に行っています。イチゴについては特に「使ってみたい」という要望が非常に多く寄せられています。

kenmo:今日は実際に製品をお持ちいただいています。

山口:こちらはギフト用の製品です。中をご覧いただくとわかるように、イチゴが容器の底に直接触れないようになっています。このクッション機能により、イチゴを傷めないようになっています。

向井沙耶氏(以下、向井):どのように宙吊りになっているのか、いまだにわかりません。

山口:フィルムが底のほうに貼られています。ここで包み込むようなかたちになっています。

kenmo:ハンモックのような感じですね。

向井:なるほど、わかりやすいです。

山口:ゆりかごのような感じです。赤ちゃんがぐっすり眠れるように、イチゴもぐっすり眠れるというものです。

向井:ありがとうございます。理解できました。

各事業のご紹介:海外事業(重包装袋)

山口:海外事業についてです。1990年にマレーシアに重包装袋を製造・販売する子会社を設立しました。

これは重包装袋業界で初の海外進出で、約35年の歴史があります。現在、マレーシアを拠点として、東南アジア各地域、インド、中国、台湾、ベトナム、インドネシア、さらにはオーストラリアまで輸出を行い、マレーシア国内でも販売をしています。

大石産業における海外売上高比率は現在約13パーセントです。ただ、スライド右下のグラフにあるように、海外事業には非常に期待を寄せており、将来的にはこの比率を15パーセント、20パーセントと伸ばし、海外比率が増えていくことを期待しています。当社として非常に重要な事業です。

連結業績予想

山口:2027年3月期の連結業績予想についてご説明します。売上高は243億2,300万円で前期比プラス8億3,400万円、3.6パーセントの増収を見込んでいます。一方で、経常利益は6億200万円で前期比マイナス3億8,900万円、39.3パーセントの減益予想です。

売上高については、原材料価格の高騰に対応するための販売価格改定や新規・拡販の効果により増収が見込まれています。しかし、利益面では増収効果はあるものの、将来の成長に向けた戦略的投資を加速させた影響で、減益を見込んでいます。

kenmo:減益の要因について、先行投資によるものと原材料価格やその他費用の高騰が影響していると考えますが、それぞれどの程度影響しているのか教えていただけますでしょうか? 

山口:原材料価格の高騰については、適切な価格修正を実現しています。一方で、中長期戦略に基づく設備投資の減価償却費が発生しており、加えて人的資本、すなわち人的コストもかかっています。これらはどちらも将来を見据えた投資と捉えていますので、一時的に減益が続いています。

第1四半期連結決算概要(通期業績見通し)

山口:第1四半期連結決算の結果についてご報告します。売上高は62億8,400万円で、前期比プラス5.6パーセントとなりました。一方、経常利益は3億400万円で、前期比マイナス3.1パーセントとなっています。

売上高は、国内事業における各製品の販売数量の増加や価格改定の効果により増収となりました。しかし、利益に関しては、人件費の増加や投資に伴う減価償却費の増加が影響し、減益となりました。

kenmo:利益の進捗は良さそうに見えますが、第2四半期以降も引き続き投資が続くのでしょうか?  

山口:そうですね。これは将来の成長に向けた投資と考えていますので、少し厳しい状況が続く見込みです。

中東情勢の影響

山口:中東情勢の影響については、みなさまが非常に注目されている部分だと思います。非常に難しい問題であり、簡単に説明するのは難しいですが、春先の混乱からは少し峠を越えた印象です。しかしながら、先行き不透明な状況が続いていることに変わりはありません。

そのため、原料価格およびエネルギー価格の上昇に対する懸念は引き続き継続するものと考えています。

このような状況に対応するため、当社では短期的な対策と中長期的な戦略を検討しています。短期的な対策としては、価格上昇分を販売価格へ反映することや、原料供給動向やお客さまの需要動向の継続的なモニタリングを強化することが挙げられます。

中長期的な戦略としては、調達ソースの増加、主要原料の多様化、高付加価値製品への注力、製品ポートフォリオの最適化、さらに環境対応製品の開発・拡販強化といった施策を進め、この難局を乗り越えていきたいと考えています。

株主還元

山口:株主還元についてです。当社は1980年の上場以来、一度も減配・無配に至ったことはありません。今後も引き続き安定的な配当を実施していきます。生産性の向上などにより利益体質の強化を図りながら、将来の事業展開に向けて内部留保を確保しつつ、DOE2.0パーセント以上を目安に安定的な配当を継続したいと考えています。

年間配当利回りは今年3月末の段階で約3.7パーセント、2027年3月末予想では1株当たりの配当金を52円と見込んでいます。スライドのグラフにもあるように、DOEを1.5パーセントから、2025年3月期には2.0パーセント以上に引き上げました。このようなかたちで安定した配当を継続して実施していきたいと思います。

株主優待

山口:株主優待については、毎年3月31日現在の株主名簿に記載または記録された株主さまに対し、保有株式数および保有年数に応じたQUOカードを進呈しています。

株主優待制度については、100株以上500株未満の株主さまには1,000円分のQUOカード、500株以上1,000株未満の株主さまには2,000円分のQUOカード、1,000株以上の株主さまには3,000円分のQUOカードを進呈しています。

また、長期保有優遇制度として、保有期間が5年以上10年未満の方には1,000円分のQUOカード、10年以上継続保有されている方には2,000円分のQUOカードを進呈しています。

本日のまとめ

山口:本日のまとめとして、3点ご説明します。1つ目として、当社は包装資材に関する4事業を展開する、日本唯一の総合包装資材メーカーです。2つ目に、幅広い産業・用途において安定した需要があり、非常に経営が安定しています。3つ目に、設立以来赤字がなく、上場以来減配や無配がないことが当社の大きな特徴です。

「未来を包む Inclusion for Future」、地道に着実に成長可能性を追求し、事業を通して社会貢献していく「未来を包む」企業であり続けます。

未来を包む – Inclusion for Future –

山口:最後になりますが、九州で放送中のテレビコマーシャルをお見せします。約30秒ご覧ください。

(動画始まる)

あんなところに、こんなところに、気づけばそばにあるから大石産業

暮らしを支え、豊かな日々を、夢のある未来包む大石産業、大石産業

(動画終わる)

山口:本日はありがとうございました。

質疑応答:総合包装資材メーカーとしての競合優位性について

向井:「日本唯一の総合包装資材メーカーである御社が、競合他社と比較した際に4つの事業を持つことで生まれる最大の強みは何だとお考えですか?」というご質問です。 

山口:やはり、お客さまの要件に合わせたオリジナルな包装提案が可能であることが、当社の強みです。

質疑応答:高シェアを誇る製品の要因について

向井:「国内シェアNo.1のパルプモウルド、さらに食品トレーのポリスチレンフィルムもトップクラスのシェアを誇っていますが、このような高いシェアを獲得できている要因を、価格や品質・技術力、顧客との関係性などのどこにあるとお考えですか?」というご質問です。 

山口:お客さまとの関係性が最も重要です。また、創業100周年を迎える当社の長い歴史が培った技術力も大きな要因であると思います。これら、営業力と技術力が一致していることが、高いシェアを支える要因と考えています。

向井:パルプモウルドの素材は、おしゃれなカフェや卵パックなどでよく見かける印象がありますが、選ばれる理由としてはどのような点が挙げられますか?  

山口:まず、環境に優しい点が挙げられます。また、素材自体が非常に温かみがあり、優しさを感じさせることも、パルプモウルドの魅力の1つだと思います。

質疑応答:先行投資・成長投資が利益に寄与する時期について

kenmo:先行投資・成長投資の部分で、3年間で80億円と当初計画されています。

足元では利益率も下がってきているということで、最終的に80億円の投資によって、年間の営業利益をどのくらい押し上げる効果があるのか、また、投資回収期間なども含めてお聞かせください。

山口:第8次中期経営計画の3ヶ年で総額80億円の投資を計画しており、設備的な投資、人的な投資、また、DXといったものに投資していこうと考えています。

どのように回収していくかは、製品の事業によって回収率と年数が違いますが、6年から7年、早ければ5年ぐらいで回収するようなかたちになっていますので、間違いなく徐々に利益は回復してくると思います。

ただし、引き続き投資もしていきますので、そのあたりはバランス良く取り組んでいきたいと思います。

質疑応答:採用状況について

Kenmo:人材投資というお話がありましたが、けっこう採用に苦労される企業も多い中で御社の足元の採用状況はいかがでしょうか? 

山口:みなさんと一緒だと思います。非常に苦労しています。特に製造のほうは交替制の作業で、最近の若い人たちからはなかなか敬遠されるといいますか、非常にそのあたりは悩ましいところです。

質疑応答:パルプモウルド製品製造の自動化と課題について

kenmo:昨今では、製造ラインがスマートファクトリー化し、人がほとんどいない工場も増えていると思います。一方で、パルプモウルドはカスタマイズやオーダーメイド品が多い中で、自動化が難しい部分もあるのでしょうか?  

山口:確かに、自動化が難しい部分があり、それがパルプモウルドの1つの弱みと言えるかもしれません。ただ、それでもまだまだ自動化を進められる余地があります。

可能な範囲では、省人化よりも省力化、つまり働く人々の負担を少しでも軽減する取り組みを進めており、最終的には省人化につながれば良いと考えています。

質疑応答:パルプモウルド事業の利益率向上について

kenmo:「今後の成長戦略としてパルプモウルド事業を強化されていますが、株主としては売上規模の拡大だけではなく、利益率の高い事業へ育てられるかどうかに注目しています。現在のパルプモウルド事業の営業利益率、また、中期的に目指す営業利益率の目標についてをお聞かせください」というご質問です。

山口:まずは、設備投資に対する投資効果として、どれだけ稼ぐ力を高めていけるかが重要です。パルプモウルド事業については、非常に高額な投資を行っているため、いち早く回収を進めることで利益率を向上させたいと考えています。

質疑応答:競争環境について

kenmo:現在シェアNo.1ということですが、競合の脅威は現在のところあまり大きくないのか、それともかなり競争環境は激しい状況にあるのか、その点についてお聞かせいただけますか? 

山口:どちらかというとニッチな市場ではあるので、競争相手はそれほど多くありません。ただし、油断することなく、当社としては将来に向けた成長事業と位置づけています。

kenmo:ニッチなマーケットで売上高68億円というのも非常にすごいことですが、このニッチなマーケットをさらに広げていくことが重要だという意味ですか?  

山口:おっしゃるとおりです。このようなIR活動もその一環と考えています。特に「パルプモウルド」という言葉はなかなかご理解いただけるまでに時間がかかるため、今後もこのような場を増やし、多くの方にご理解いただいて認知度を高めていきたいと考えています。

質疑応答:マレーシアにおける海外事業の展望について

kenmo:「海外事業はさまざまなリスクがある中で、どの程度の利益率やROICなどのKPIを設けていらっしゃいますでしょうか? また、場合によっては撤退の判断などもあるのでしょうか?」というご質問です。

山口:非常に中国勢の影響を受けるマレーシアですが、撤退はまったく考えていません。まだまだ伸びしろがあると考えています。なぜなら、需要があるだけでなく、30年以上培ってきた当社の技術力が大きな強みであると捉えているからです。そのため、引き続き伸びていく事業だと考えています。

質疑応答:今後の資本政策について

kenmo:「先ほど配当の話がありましたが、今後80億円の成長投資を行った後、さらに資本が積み上がった場合に、例えば自社株買いなど、増配も含めてどのような資本政策で運営されていくのかをお聞かせください」というご質問です。

山口:さまざまなお声をお聞きし、検討を重ねた上で、今後対応していきたいと考えています。現時点では具体的な計画はありません。

質疑応答:原材料価格とコスト上昇に対する価格転嫁について

kenmo:「原材料価格とコスト上昇に対する価格転嫁はしっかりとできていますか?」というご質問です。

山口:時間軸でいうと、やはり2ヶ月から3ヶ月、長くて半年ほどで、ある程度の価格改定は現段階で可能です。お客さまの動向も十分に把握しながら、価格交渉を進め、利益確保を実施していきたいと思います。

山口氏からのご挨拶

山口:みなさま、本日は貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございます。大石産業の包装資材は、みなさまの生活に深く溶け込んでいます。目立たない存在ではありますが、なくてはならないものであり、これが当社の使命と考えています。

今期は戦略的な設備投資により一時的に減益となっていますが、これは次のステージへ上がるために必要な投資と位置づけています。

環境意識の高まりにより、紙製パッケージへの転換需要が増加しています。また、新たな市場である電子材料への本格参入により、今投資しなければ次の成長はありません。私たちは前向きに、常に挑戦を続けていきます。

株主のみなさまへの安定配当は継続して実施します。「未来を包む」という大石産業グループビジョンのもと、地道に着実に企業価値を高めていきます。引き続きご支援賜りますよう、大石産業をどうぞよろしくお願いします。本日は誠にありがとうございました。

当日に寄せられたその他の質問と回答

当日に寄せられた質問について、時間の関係で取り上げることができなかったものを、後日企業に回答いただきましたのでご紹介します。

<質問1>

質問:事業自体の成長性について知りたいです。また余剰資金で何か新しい動きはありますか? 配当性向が高いと思いますが、還元方針を教えてください。

回答:事業の成長性ですが、パルプモウルドは脱プラスチックの流れを受けて、今後も継続的な成長が見込まれます。フィルム事業では電子材料や自動車といった成長市場への参入を進めており、中長期的な成長を目指しています。

余剰資金については、中期経営計画の3ヶ年で80億円の設備投資、人的資本投資、株主還元に活用しています。パルプモウルド事業の生産能力増強と高機能フィルムの開発・製造設備への投資を中心に、成長基盤の強化を進めています。これらの投資効果により、中期的な収益力向上を図っていきます。

株主還元方針は、DOE2.0パーセント以上を目安に安定配当を重視しています。今期は一時的な減益により配当性向が上昇していますが、長期的には設備投資効果による利益成長により配当性向を適正水準に戻しながら、成長投資と安定配当のバランスを取り、企業価値向上に努めていきます。

<質問2>

質問:ROEが下降傾向になっているのが気になります。現状に対する認識と今後の対策について教えてください。

回答:ROE低下は経営の重要課題と認識しています。当社の2026年3月期末時点のROEは約3.8パーセントまで低下し、当社が認識する株主資本コストを下回っています。

原因は、売上高純利益率の低下、成長投資の収益化待ちによる資産効率の停滞です。財務の安全性は確保されていますが、資本効率の観点では改善が必要です。

対策として、収益力の向上、資産効率の改善、資本構成の見直しに取り組みます。現在進行中の設備投資による収益力の向上とともに、資本の有効活用を進めていきます。中期的にはROE8パーセント以上を目指し、資本効率を意識した経営を進めていきます。

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