2026年4-6月期の日本企業の決算は、売上高・各利益とも市場予想を大きく上回る極めて好調な内容となりました。上場企業の純利益は前年同期比60%増を上回り、四半期として過去最高を更新する見込みです。牽引役は生成AI関連投資の世界的拡大を捉えた半導体・電機・精密セクターと、円安を背景とした輸出企業の為替差益で、企業の利益率も過去最高水準に達しました。
これを受けて、期初は経常増益率わずか1%台という保守的だった2026年度の会社計画に対し、アナリスト予想は業種を問わず上方修正が優勢に転じ、2桁増益シナリオも視野に入ってきました。2025年度が10%強の増益となり、2026年度も期初から10%程度の増益が見込まれているということは、日経平均が70,000円を上回っても、予想PERで18倍台となります。国内株価指数はPERで13~15倍のレンジが平均的ということであれば、2026年度は2~3割増益が織り込まれているということになりますが、仮にデフレ脱却や企業の株式市場への向き合い方の変化から、国内の株価指数の上限がPER18倍に切り上がっているとすれば、1割増益を織り込んでいるということになります。無論、非常識な価格ではありません。
この好決算の実態は一様ではない点には注意が必要です。名目賃金は33年ぶりの高い伸びを記録し、実質賃金もようやくプラスに転じましたが、家計の実質消費支出は7か月連続でマイナスとなり、6月には名目ベースでも減少に転じました。つまり企業業績を押し上げているのは主に輸出・AI関連・BtoB取引であり、内需の消費者向けビジネスでは値上げが数量減で相殺されつつあります。決算の好調さは「日本企業全体」というより、価格決定力を持つ一部の大企業への偏りを伴っており、7-9月期以降、この二極化がどこまで是正・拡大するかが焦点となりそうです。ただし、繰り返しになりますが、 日経平均は60,000円台後半が中心レンジとなっても、おかしくありません。
足もとでは中東情勢なども含めて、マーケットは奇妙な小康状態となります。株価指数も大きく上値を追わないながらも、過熱感の乏しい水準となれば、9月末の配当権利落ちに向けた動きが意識されやすい地合いになります。時価総額の上位で配当利回りが高い企業は、ソニーフィナンシャルグループ、大東建託、SUBARU、JFEホールディングス、本田技研工業、積水ハウス、いすゞ自動車、川崎汽船、デンソー、日本郵船、大和ハウス工業、日本たばこ産業、第一生命ホールディングス、ヒューリック、ソフトバンク、武田薬品工業、野村ホールディングス、第一三共、三菱HCキャピタル、日本製鉄などとなります。配当利回りは3%超、高ければ5%超となります。既出の輸出・AI関連・BtoB取引なども絡めて選別すると、日本製鉄は前年同期の赤字から752億円の黒字に転換して通期予想が上方修正され、日本郵船も増収増益に加え、通期利益を上方修正しています。好調な業績が確認され、配当権利取りの動きも期待できる銘柄といえます。
個別株オプション(かぶオプ)を使った面白い戦略も取り得ます。カバードコール(現物+コール売り)。現物株保有に伴う配当金に加えて、コールの売りから得られるプレミアムにより保有資産の更なる利回り向上が狙えます。また、配当上位の銘柄のうち、これから買いたい銘柄であれば、ターゲットバイイング(現物購入資金+プット売り)も有効です。うまく行けばプット売りから得られるプレミアム分だけ対象銘柄をお得に買えることができ、その上で配当を得ることができます。