スカラ
シナジーとしては3点あります。1点目は、AIを活用した店舗オペレーション支援サービスです。テラ社が保有するデータは、AIが学習するうえで最適なデータとなっています。そこに当社がもともと持っているQ&Aの技術や検索の技術を掛け合わせてAIエージェント化し、人に代わってエージェントがある程度業務を支援・実行できるソリューションを共同で作っていきたいと考えています。
2点目は横展開です。窓口業務という切り口で見れば、携帯ショップに限らず、銀行の窓口、自治体の窓口、小売店内のさまざまな窓口があります。こうした窓口業務の改善・最適化につながるという仮説を持っておりますので、そうした業界へ横展開し、新しい市場を開拓できるのではないかと考えています。
3点目は、AI SaaS、AI BPOとのクロスセルによるストック収益です。テラ社の顧客基盤は約2,500店舗ございますので、これらのお客様に対して、当社がもともと保有するAI SaaS、AI BPOを提供し、クロスセルを進められるのではないかと考えています。
まとめとしては、人とAIが一緒に働く次世代のAIオペレーションプラットフォームを、AIエージェントを含めて構築し、新しい市場の創出とストック型収益の拡大を図ることが当社の目的となります。
●DAIBOUCHOU
ありがとうございます。次に、過去のグリットグループホールディングスや日本ペット少額短期保険のように、想定とは異なる結果となるM&Aを避けるための対策はいかがでしょうか。
■スカラ 新田様
ありがとうございます。当社はこれまで30数件のM&Aを行い、さまざまな経験をしてまいりました。DAIBOUCHOUさんのご質問にもあるとおり、シナジーが想定と異なるものも実際にありましたし、当社にノウハウがない事業もあったと考えています。それが赤字を引き起こした過去もございましたので、まずはポリシーをしっかりと定めることから始めました。
資料には「規律」と記載しております。1つ目は対象の規律です。DX、人材、TCGという主力事業のなかで、明確にシナジーが見込める案件に限定することを、M&Aポリシーの第一に置いています。
2つ目は規模の規律です。あくまで原則ですが、現在の当社の規模水準からすると、1案件あたりのM&Aコストは10億円程度を目安とし、財務リスクの許容範囲を明確に定めています。もちろん、会社の規模が拡大するにつれて対象案件の規模感も変動し、今後は上がっていくものと理解していますが、現在地からすると、この程度の規模感がまずはベストであると定めています。
3つ目はストラクチャーの規律です。テラ社の事例で申し上げますと、会社分割で対象事業を切り出したうえで80%を取得し、残りの20%は業績連動のオプションのような形としています。通り一遍のストラクチャーではなく、案件のコンディションに合わせてストラクチャーを組むことをポリシーとして定めています。
4つ目は実行主体の規律です。財務本部でさまざまなデューデリジェンスを行いますが、現場からの事業デューデリジェンスも非常に大きな要素だと考えており、ビジネスデューデリジェンスも明確に実施しています。さらに、買収する前の段階でPMI計画まで雛形として用意し、一気通貫で進めていくフレームワーク化を進めています。
ご質問にありましたペット向けの少額短期保険についてですが、契約は伸びていたものの、マーケティングの先行投資が想定以上に大きく、高額の広告予算を投下し続ける必要がありました。加えて、当社のノウハウを活かしきれない部分もありましたので、前期に売却を決定いたしました。
この2期にわたる取り組みで、もともと24社ほどあった子会社が12社になり、さらに8社となりました。今回のM&Aで2社増えますので、合計10社の事業体でシナジーを活かしながら進めていくことが重要である、と定義した状況です。
●DAIBOUCHOU
ありがとうございます。次に、買収した子会社のPMI体制、すなわち買収後に改善していく体制と、買収後の業績改善状況を教えていただけますでしょうか。
■スカラ 新田様
ありがとうございます。PMIについては先ほど少し触れましたが、買収先の経営陣と現場の方々を尊重し、まずは対象会社の現状のコンディションを前提として、当社がその基盤づくりや下支えを行うというポリシーで進めております。
具体的には、まず事業デューデリジェンスをしっかりと行い、そこから統合計画を策定・確定し、月次モニタリングを実施します。あわせて当社の基盤を提供します。スカラはホールディングス体制を採っており、グループ法務、グループ経理、グループ総務・労務といった機能がありますので、必要なものを必要な範囲で提供しながら、ノウハウも含めてPMIを進めていくことを意識しています。
左下に記載している買収後の進捗ですが、HATO社は7月から連結が開始されており、買い取りネットワークや在庫・イベントの統合を推進しています。テラ社については、9月のクロージングに向けてAIサービスの共同開発やクロスセルの計画を作り込んでおり、連結開始後に速やかに行動を起こせるよう準備を進めています。
補足となりますが、当社のM&A事業部は外販も行っており、これまで培ったM&Aノウハウを上場会社向けのアドバイザリー業務として提供しております。
●DAIBOUCHOU
ありがとうございます。次に、M&Aには資金調達や他人資本の活用も重要ですが、金利上昇局面での資金調達策を教えてください。
株式会社スカラ×著名投資家DAIBOUCHOU氏対談動画文字起こし(6)に続く