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成瀬隆章氏(以下、成瀬):本日はお忙しい中、お時間をいただき誠にありがとうございます。株式会社ウイルプラスホールディングス代表取締役社長の成瀬です。どうぞよろしくお願いします。
本日は、目次の内容をご説明します。なお、会社概要、事業内容および財務・株価データ等はAppendixとして巻末に掲載しています。後ほどご覧いただけると幸いです。
連結業績まとめ 「厳しい新車販売環境が続く」が、下方修正後の業績予想はクリア
2026年6月期の決算内容についてご説明します。まず、2026年6月期連結業績概要です。2026年6月期の連結売上高は968億3,900万円、前年比9.3パーセントの増収を達成しました。一方で、営業利益は14億2,600万円、前年比22.9パーセントの減益となりました。
2026年5月に公表した修正後の業績予想に対しては、売上高は105.1パーセント、営業利益は101.9パーセントとなっています。厳しい市場環境の中ではありましたが、修正後の業績予想を上回って着地し、各種施策の成果が一定程度表れたものと考えています。
業績推移・業績予想
2026年度の業績推移および2027年度の業績予想についてご説明します。ここ数年、新車販売市場の低迷に加え、継続的なM&Aの実施に伴う一時的な費用負担増などにより、営業利益率は低下傾向で推移しました。2026年度は過去最低となる1.5パーセントまで低下しています。
一方で、2027年度は前期から今期にかけて実施した7件のM&A案件が通期で寄与することから、売上高は前年比20.2パーセント増の1,164億1,600万円を見込んでいます。
各案件のPMIの進展による収益性の改善を見込んでいますが、市場環境は引き続き厳しい状況が続くと想定し、営業利益率は1.9パーセントと保守的に見込んでいます。その結果、営業利益は前年比58.1パーセント増の22億5,500万円と、大幅な増益を予想しています。
配当予想は、当社の株主還元方針に基づきDOE4.5パーセントを基準とし、年間配当金は1株当たり53.67円を予定しています。前年比で大幅な増配となる見込みです。
輸入車ディーラー事業 輸入車販売台数(暦年推移)
当社を取り巻く市場環境についてご説明します。まず、輸入車新車販売台数の暦年推移です。直近の販売台数のピークは2018年の30万8,389台でした。一方で、2025年の販売台数は24万1,189台となり、2018年のピークと比較すると21.7パーセント減少しています。
2026年も足元では前年を下回るペースで推移しており、厳しい市場環境が続いています。新車販売台数の低迷が長期化する中、市場金利の上昇も収益環境の悪化要因となっています。
市場環境① -国内マーケット全体の年間推移-
当社会計年度における市場環境についてご説明します。国内乗用車市場は、7月から3月までの9ヶ月間は前年実績を下回って推移しましたが、4月以降は改善傾向が見られ、通期累計では前年比2.7パーセントの減少となりました。
外国メーカー車は、前半は好調に推移しましたが、年明けの1月以降は伸びが鈍化し、通期累計では前年比1.4パーセントの増加にとどまりました。
市場環境② -国内マーケット全体 四半期-
当社の第4四半期(4月から6月)の市場環境についてご説明します。国内乗用車市場は3ヶ月連続で前年を上回り、第4四半期は前年同期比12.4パーセント増と回復基調で推移しました。
一方で、外国メーカー車市場は4月・5月ともに前年実績を下回ったものの、第4四半期累計では前年比1.3パーセント増となりました。第3四半期(1月から3月)の低水準から持ち直しが見られるものの、外国メーカー車市場の回復ペースは依然として緩やかであり、本格的な回復には時間がかかる状況です。
市場環境③ -当社取扱いブランド全体 四半期-
当社取扱いブランドは、市場回復の恩恵を十分に取り込めておらず、引き続き厳しい状況が続いています。第4四半期は前年同期比6.6パーセント減、通期累計では前年比5.3パーセント減となりました。
市場環境④ -当社取扱いブランド別の状況 四半期-
当社取扱いブランド別の登録状況です。第4四半期は、「Volvo」や「Porsche」などの一部ブランドにおいて持ち直しの動きが見られたものの、多くのブランドでは前年実績を下回る状況が続きました。
通期累計では、当社の主力ブランドである「Jeep」「BMW」「MINI」「Jaguar / Land Rover」の減少が全体を押し下げる結果となっています。また、直近7月においても本格的な回復の兆しは確認できておらず、引き続き注視が必要な状況です。
輸入車ディーラー事業 当社主力ブランド(暦年推移)
当社主力ブランドの登録台数の暦年推移です。「Jeep」は2026年も減少傾向が続いており、新車販売台数はピーク時から約半減し、10年前と同水準まで低下しています。一方で、これまで減少傾向が続いていた「Volvo」は2026年に入り持ち直しの動きが見られます。
新車市場全体は低調な状況が続いていますが、当社は複数ブランドを展開しているため、ブランドポートフォリオによるリスク分散が機能しており、特定ブランドの不振を他のブランドで一定程度補完できています。
市場環境⑤ -ブランド別の状況詳細 BYDとHyundaiの推移-
近年成長が著しい「BYD」および「Hyundai」の販売推移です。多くのブランドが販売減少に直面する中で、当社の会計年度累計では「BYD」が前年比54パーセント増、「Hyundai」が前年比80パーセント増と、高い成長を維持しています。
「BYD」は7月に軽EVの「RACCO」を発売しており、価格競争力の高い商品投入により、今後さらなる市場浸透が期待されます。
国内新車市場におけるEV割合
国内新車販売におけるEV販売台数の推移を、国産車と輸入車に分けてスライドに示しています。これまで国産車EVは、主要メーカーの販売低迷により厳しい状況が続いていました。一方で、輸入車EVの販売台数は一貫して増加傾向にあり、2025年時点ではEV販売全体の約4台に3台を輸入車が占めるなど、輸入車優位の市場環境となっていました。
しかし、EV補助金制度が国産車優位な内容に見直されたことで、2026年1月は2023年7月以来、初めて国産車EVの販売台数が輸入車EVを上回りました。2026年はEV市場全体が大きく拡大する中で、国産車EVが市場成長を牽引し、国産車優位の状況となっています。
国内新車市場におけるEV割合
国内EV市場の月次推移です。国産車EVの伸びが特に大きく、1月から7月までの累計販売台数は約3万6,000台となり、前年同期比で約9倍のペースで推移しています。輸入車EVについても、累計販売台数は約2万5,000台となり、前年同期比で約1.5倍となっています。
国内EV市場全体では、国産車と輸入車を合わせて前年同期比約3倍のペースで拡大しており、日本のEV市場は大きな成長局面にあります。当社では「EVマイカー推進プロジェクト」を実施し、社員のEV購入を支援する手厚い補助制度を設けています。これまでに100名を超える社員が当社取扱いEVを購入しています。
社員が日常的にEVを利用することで、実体験をもとにEVの魅力をお客さまにお伝えするとともに、EVに関する不安や懸念事項を適切にサポートしています。こうした取り組みを通じて、EV販売力の強化を図り、競合ディーラーとの差別化につなげています。
現時点ではまだ先行投資の段階ですが、EV市場の拡大は当社にとって大きな成長機会であると認識しています。今後の需要拡大を見据え、販売台数および人材育成の両面から準備を進めていきます。
中古車輸出関連事業 -為替及び国内オークション市場推移-
中古車輸出関連事業の市場環境についてご説明します。マレーシアリンギットは、好調なマレーシア経済を背景に対円で過去最高水準まで上昇しています。7月末には、急速な円安進行を受け、日米による協調為替介入が実施され一時的に円高が進みましたが、その後は再び円安基調に戻っています。
また、国内中古車の成約価格は、中東情勢の悪化に伴い一時的に調整したものの、5月以降は回復し、高水準を維持しています。為替市場および中古車価格の両面で、良好な事業環境が続いています。
一方で、マレーシア向けの中古車輸出は需要が堅調であるものの、いくつかの課題が発生しています。具体的には、海上輸送の混雑による輸送遅延、中東情勢の長期化を背景とした海上輸送コストの上昇ならびに金利上昇に伴う運転資金コストの上昇です。
足元ではコストの上昇により粗利益率の低下が見られるものの、旺盛な需要を背景に適切な価格転嫁を進めることで、収益性の維持・改善に取り組んでいきます。
エグゼクティブサマリー① -26年6月期通期決算-
2026年6月期本決算について、業績数値を中心にご説明します。まず、通期決算のエグゼクティブサマリーについてお話しします。当連結会計年度の売上高は968億3,900万円となり、前年比9.3パーセントの増収となりました。
一方、営業利益は14億2,600万円で、前年比22.9パーセントの減益となりました。期初に公表した通期業績予想に対する営業利益の進捗率は61.3パーセントにとどまり、当初計画を下回る結果となりました。
減益の主な要因としては、主力である輸入車ディーラー事業における新車販売の低迷に加え、中古車の収益性悪化、さらにM&Aによりグループ入りした会社の赤字が利益を押し下げたことが挙げられます。
加えて、中古車輸出関連事業では、主力車種の販売不振に加え、仕入れコストの上昇や海上輸送の混雑に伴う物流コストの増加が収益性悪化の要因となりました。
このように複数のマイナス要因が重なった結果、営業利益は当初計画を大きく下回る結果となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は11億800万円となり、前年比23.2パーセントの減益となっています。
エグゼクティブサマリー② -事業別まとめ-
事業別業績についてご説明します。輸入車ディーラー事業については、厳しい事業環境が続いています。一方で、M&Aは想定を上回るペースで進捗しており、前期から累計で7件を実施しました。M&Aの質・量ともに向上しており、収益性の高いブランドやエリアでの案件を実行できています。また、今後のパイプラインも充実しています。
新車販売は、当社取扱いブランドの販売が低調に推移しており、市場環境は依然として底打ちに至っていない状況です。既存店ベースの販売台数は、前年比8.4パーセント減となりました。
中古車販売は、販売台数は増加したものの、新車販売の低迷を背景に一部ブランドで登録済み未使用車が増加し、収益性が大きく悪化しました。その結果、粗利益率・粗利益額ともに前年を下回っています。
ストック事業は、車輌整備において買収後の統合プロセスであるPMIが着実に進展したことで、既存店および新規店ともに稼働効率が向上し、M&Aによる事業規模拡大を上回る成長を継続しています。
保険事業は、代理店手数料制度の改定により、上半期は手数料収入が減少しましたが、制度改定への対応を着実に進めた結果、契約件数および手数料収入は堅調に推移しました。下半期には前年比で大幅な増加を記録し、成長軌道への回帰が見られました。
中古車輸出関連事業については、市場環境は引き続き堅調に推移したものの、当社主力車種の販売不振に加え、仕入れコストの上昇や海上輸送の混雑、それに伴う物流コストの増加により、収益性が悪化しています。
一方、業販は粗利益率が低下したものの、商品回転率を重視した販売戦略により取扱台数を拡大し、粗利益額を確保しました。事業全体では、粗利益の減少をPMIの徹底による販管費削減で吸収し、一定水準の利益を確保できました。
以上のとおり、輸入車ディーラー事業は市場低迷の影響を受けましたが、M&Aおよびストック事業は着実に拡大しました。また、中古車輸出関連事業はコストコントロールを通じて一定の収益水準を維持することができました。
エグゼクティブサマリー③ -今期予想-
今期の連結売上高は1,164億1,600万円で前年比20.2パーセント増、営業利益は22億5,500万円で前年比58.1パーセント増を予想しています。この業績予想には、期末時点で公表済みのM&A案件および出店計画は織り込んでいますが、新たなM&A案件や追加出店は織り込んでいません。
輸入車ディーラー事業については、前期に実施した4件のM&Aに加え、今期第1四半期からグループに加わる3件のM&Aが業績に寄与する見込みです。
また、M&A実行直後に発生する赤字の改善が進むことで、PMI効果の顕在化およびストック事業を中心とした自立成長による事業拡大を見込んでいます。中古車輸出関連事業では、仕入れコストや物流コストの上昇分を適切に価格へ転嫁し、さらなる収益性向上を目指します。
配当は年間53.67円を予定しており、10年連続の増配となる見込みです。当社は今期より、配当性向30パーセントを基本とし、DOE4.5パーセントを下限とする累進配当方針を採用しています。今期の年間配当は、DOE4.5パーセントに基づく53.67円を予定しています。DOEを採用することで、安定的かつ継続的な株主還元の実現を図ります。
今後も、M&Aによる成長と既存事業の収益力向上を両輪として企業価値の向上を図るとともに、累進配当方針の下、継続的な株主還元に努めていきます。
当社の納車前車輌と受注の状況
車輌在庫および受注の状況についてご説明します。複数のM&Aがあり、商品在庫が増加しやすい局面ではありましたが、適切な在庫量を維持するために目標在庫回転日数を定め、モニタリングを徹底しています。
前期末の商品在庫は、M&Aにより第4四半期から新たにグループに加わった店舗が複数あったものの、第3四半期末比で7億7,000万円減少しました。これは、グループ間での在庫コントロールを実施したことに加え、輸入車ディーラー事業において販売がやや改善したことが主な要因です。
その結果、新車・中古車ともに在庫回転日数が改善し、健全な水準となりました。また、中古車輸出関連事業においても、引き続き適正な在庫水準を維持しています。
このような環境の中、前受金は20億2,900万円となりました。第3四半期末からは減少したものの、依然として高水準を維持しており、前年比で8.6パーセントの増加となっています。
ストック型ビジネスの推移 -車輌整備事業-
当社のストック型ビジネスについてご説明します。当社の車輌整備事業は、上場以来、継続的に成長を遂げています。M&A後のPMIが着実に進展したことで、整備人員の確保や顧客接点の拡充が進み、前年比19.8パーセント増とM&A効果を上回る成長を実現しました。
第4四半期単体では前年同期比30.5パーセント増となり、ストック型事業の成長ドライバーとして順調に拡大しています。
ストック型ビジネスの推移 -損害保険代理店事業-
もう1つのストック型事業である損害保険代理店事業についてご説明します。昨今の業界不祥事を背景に、自動車販売業界における損害保険代理店事業に対する監督・管理が一段と厳格化されています。
こうした環境変化を受け、代理店手数料制度の改定により、上半期は保険契約件数が増加した一方で保険手数料収入は前年を下回る結果となりました。当社では全社一丸となって制度改定への対応を進めた結果、下半期以降は大幅な改善を実現しました。
その結果、保険手数料収入は第4四半期単体で前年同期比25.4パーセント増となり、通期累計でも前年比8.7パーセント増まで回復しました。これにより、再び成長軌道に戻ることができたと考えています。
また、保険総件数も前年比15.9パーセント増と堅調に推移しました。さらに、新規自動車保険の獲得率は39.6パーセントと高い水準を維持しており、今後の継続的な成長に向けた基盤強化も着実に進んでいます。
連結損益計算書 -四半期業績推移-
四半期業績の推移です。第4四半期の売上高は290億1,900万円となり、第3四半期比・前年同期比ともに大幅な増収を達成しました。その結果、四半期ベースの売上高として過去最高を更新しています。
輸入車ディーラー事業においては、第3四半期に3件、第4四半期の期首に1件のM&Aを実施し、合計4件のグループインが売上成長に大きく寄与しました。一方で、連続してM&Aを実施する局面にあり、統合作業などで先行コストが発生したことから、利益を確保しにくい状況が続いていました。
しかし、第4四半期の営業利益率は1.3パーセントとなり、過去最低の0.9パーセントから改善しました。なお、営業利益率が改善したのは5四半期ぶりであり、底打ちの兆しが見え始めています。
売上高・粗利・販管費・営業利益 -四半期推移-
粗利と販管費の四半期推移です。粗利益率は、第3四半期の12.5パーセントから12.9パーセントへ改善しました。売上高の拡大に加え、PMIの効果も寄与し、粗利益額は37億5,500万円と四半期過去最高を大きく更新しています。
販管費はM&Aの実施に伴い増加しましたが、販管費率を前四半期並みの11.6パーセントに抑制できました。この結果、PMIによる収益改善効果がコスト増加を上回り、営業利益率は改善に転じています。
これまで先行して発生していた統合コストに対して、PMIの成果が徐々に表れ始めており、収益性改善の段階へ移行しつつあると考えています。
品目別売上高(輸入車ディーラー事業)-四半期推移-
輸入車ディーラー事業の品目別売上高の状況についてご説明します。新車販売については、第4四半期は4月の環境性能割廃止を見据えた登録見送りの影響もあり、既存店の売上高は前年と同水準まで回復しました。これに加え、グループインした店舗の売上が寄与したことで、新車全体としては堅調に推移しています。
中古車販売は、M&A後のPMIが進んだことで販売面では一定の成果が見られ、売上高が伸長しました。一方で収益性には依然として課題が残っており、売上高の伸びが十分な利益貢献につながっていません。
車輌整備事業は、第4四半期の売上高が前年同期比・前四半期比ともに大きく増加しました。その結果、売上高・粗利益額ともに四半期ベースで過去最高を更新しています。
特に、M&A実施後に進めてきたPMIにより整備入庫が着実に増加しており、当社が重視するストック型収益基盤の強化が進んでいます。PMIの成果は、車輌整備部門を中心に着実に表れ始めており、今後の収益性改善に向けた重要なドライバーになると考えています。
事業別 品目別売上高 -四半期推移(ENG含む)-
中古車輸出関連事業を含めた全体の売上高についてご説明します。中古車輸出関連事業のうち、マレーシア向け中古車輸出は需要期だったものの、当社の主力車種の販売が低調に推移したため、第3四半期と比較して売上高は減少しました。
一方、国内業販は、健全な商品回転率を維持しながら販売を進めた結果、引き続き高水準の売上高を確保しています。その結果、国内業販の売上高は前年同期・前四半期をいずれも上回る水準となりました。
しかし、マレーシア向け中古車輸出の減収の影響を補うには至らず、第4四半期における中古車輸出関連事業全体の売上高は117億8,900万円となり、第3四半期比でやや減収となりました。
事業別 売上高・営業利益 -四半期推移(ENG含む)-
事業別の収益状況についてご説明します。輸入車ディーラー事業の第4四半期の営業利益は、前四半期比で約1.7倍の6億6,400万円となりました。
M&A後のPMIが進展し、粗利改善効果が着実に現れ始めたことに加え、売上高の拡大も寄与し、営業利益が大幅に改善しています。営業利益は前年同期の水準まで回復しており、収益性改善に向けた取り組みの成果が表れつつあります。
中古車輸出関連事業については、利益率の高い輸出販売が低調に推移しましたが、国内業販の販売拡大により粗利益額を確保しています。一方、国内業販の構成比が上昇したことで収益性が低下しています。今後は輸出販売において適正な価格転嫁を進め、利益率の改善を図っていきます。
営業利益増減分析 -前年同期比較-
2枚のスライドで、営業利益の増減分析についてご説明します。まず、通期営業利益の前年比較です。売上高は前年から大きく伸長し、82億2,500万円増加しました。一方で、粗利益の増加額は7億300万円にとどまっています。主な要因として、輸入車ディーラー事業における新車販売の低迷に加え、中古車の粗利益率の悪化が挙げられます。
また、中古車輸出関連事業では、利益率の高い中古車輸出の売上が減少した一方で、利益率の低い業販の売上が増加したため、プロダクトミックスが悪化し、全体の利益率を押し下げました。
このように、粗利益の増加が限定的な中、複数のM&Aの実施に伴い、人件費・減価償却費・施設費などの固定費が増加した結果、営業利益は大幅に減少しました。前期は、既存事業の収益性悪化に加え、M&Aによる先行的な費用増加が重なり、収益を大きく圧迫する結果となりました。
営業利益増減分析 -3Q比較-
第4四半期単体の営業利益における第3四半期比の増減についてご説明します。第4四半期の売上高は、第3四半期比で32億9,500万円増加しました。主な要因は、輸入車ディーラー事業における販売回復により売上高が大きく伸長したことです。これに伴い、粗利益も増加しました。
また、第4四半期期首に双日オートグループジャパンのボルボ正規ディーラー事業がグループに加わったことで、固定費が増加しています。しかし、売上高の拡大と粗利益の積み上げにより固定費増加の影響を吸収し、第4四半期の営業利益は第3四半期比で増益を実現しました。
連結貸借対照表(資産)
バランスシートにおける資産の増減についてご説明します。流動資産は、複数のM&Aに伴い、車両在庫を中心とした商品の増加により大きく増加しました。固定資産についても、M&Aに伴う社有車の増加により増加しています。
一方で、当社はM&Aを進める中でも、不動産取得については慎重な姿勢を維持してきました。その結果、不動産やのれんの増加を一定程度抑制することができ、事業規模の拡大に対して固定資産の増加は比較的限定的なものとなっています。
今後もM&Aを積極的に推進する方針に変わりはありませんが、資産取得のあり方を慎重に見極め、資金需要を主として運転資金に集中させることで、財務健全性を維持しながら持続的な成長を実現していきます。
連結貸借対照表(負債・純資産)
バランスシートの負債と純資産についてご説明します。当期は複数のM&Aを実施しましたが、自己資本比率は26.6パーセントを維持しており、現時点で適正な資本水準と考えています。
また、長期借入金の返済により固定負債が減少しています。さらに固定資産の取得を抑制してきたことで、固定長期適合率も67.6パーセントと健全な水準を維持しています。このように事業規模の拡大を図る一方で、財務の安定性も十分意識した経営を継続しています。
今後は、成長投資をさらに広げるために長期借入の活用も視野に入れつつ、財務バランスを維持しながら資金調達を行う方針です。引き続き健全な財務基盤を活かし、M&Aを積極的に推進することで、中長期的な成長の実現を目指していきます。
通期業績予想
2027年6月期の通期業績予想についてご説明します。この業績予想は、前期末までに開示済みのM&A案件のみを前提として策定しています。売上高は1,164億1,600万円を見込み、前期比20.2パーセントの増収を計画しています。今期もM&Aを通じた事業規模の拡大が継続する見込みです。
また、これまでに実施したM&A案件におけるPMIの成果が徐々に顕在化することで、新規案件に伴うコスト増加分を吸収し、営業利益率の改善が見込まれます。ただし、前期に収益面で計画未達となったことを真摯に受け止め、今期の利益計画については慎重な前提を置いています。その結果、営業利益率は1.9パーセントと保守的な水準を見込んでいます。
配当予想は1株当たり53.67円を予定しています。これは、DOE4.5パーセントを基準とした株主還元方針に基づくものであり、配当性向は38.9パーセントを見込んでいます。
足元の市場環境は依然として不透明な状況が続いています。しかし、このような環境下だからこそ、当社が強みとする事業再生型M&Aによる成長機会はさらに拡大していると考えています。
これまで積み上げてきたM&Aの成果を着実に収益に結びつけることで、今期は売上高・利益ともに成長を実現していきます。今後も持続的な成長と企業価値の向上に向けて取り組んでいきます。
輸入車ディーラー事業 店舗増加
ここからは、前期および今期のこれまでの取り組みについてご説明します。こちらのスライドは、直近2年間のM&A実績をまとめたものです。2025年度のM&A実績は2件でしたが、2026年度から2027年度にかけては合計7件のM&Aを実施し、実行ペースが大きく加速しています。
スライド左側に記載の4件は前期に実行済みで、右側の3件についてもすでにグループ入りを果たしています。これらすべての案件が、今期業績の成長ドライバーになることを期待しています。
案件内容をご覧いただくと、「Porsche」や「Jaguar / Land Rover」といったプレミアムブランドに加え、首都圏エリアでの案件獲得も進展しています。件数が増加しているだけでなく、案件の質も向上していることがわかります。1件当たりの売上規模も拡大しており、当社のM&Aパイプラインは質・量ともに着実に改善しています。
これらの取り組みの結果、この2年強で輸入車ディーラー事業の売上高は250億円以上拡大しました。当社は今後も規律あるM&Aを継続しながら、輸入車ディーラー事業の競争力と収益基盤をさらに強化していきます。
出店関係
2025年7月には、福岡県福岡市において「BYD AUTO 福岡」および「Hyundai Citystore 福岡」を同時オープンしました。
出店関係
2026年8月には、開設準備室として営業していた「BYD AUTO 北九州」を、福岡県北九州市で新たにオープンしました。同店舗は、福岡県内で3店舗目となる「BYD」の正規ディーラーです。2026年7月発売の軽EV「RACCO」を中心に、これまで以上に幅広いお客さまへの販売拡大を目指します。
M&A・新規出店による開設店舗数増加
先ほどご紹介したとおり、当社はM&Aおよび新規出店を通じて、店舗ネットワークを着実に拡大しています。2025年度は新規出店1店舗と事業譲受8店舗により、合計9店舗増加しました。2026年度は新規出店4店舗と事業譲受9店舗により、合計13店舗増加しました。
また、2027年度はすでに実施済みの案件5店舗が増加することを加味し、店舗数は合計で65店舗となる見込みです。今後も継続的にM&Aや新規出店を推進し、事業規模のさらなる拡大と企業価値の向上を目指していきます。
店舗のグリーン化 -進捗状況①-
当社の中長期戦略およびその進捗状況についてご説明します。当社の店舗のグリーン化に関する前期の取り組み実績についてです。新車販売に占める低炭素自動車比率は、2026年度末時点で20.1パーセントとなり、前期末から5.3ポイント上昇しました。国内市場全体の4.5パーセントを大きく上回る水準となっています。
当社が取扱うブランドでは、比較的購入しやすいEVラインナップの拡充が進んでおり、足元の受注残における低炭素自動車比率は20.3パーセント、四半期受注に占める割合は21パーセントとなっています。
また、KPIとして掲げている社有車のEV化も着実に進展しています。社有車に占める低炭素自動車比率は、2024年度末時点の16.4パーセントから28.6パーセントまで上昇しました。PHVからEVへのシフトを進めつつ、高い水準を維持しています。
EV充電器に関しては、M&Aによる店舗数の増加や既存店舗での増設を進めた結果、設置台数は149台まで拡大しました。また、再生可能エネルギーの導入率は、2024年度および2025年度において100パーセントを達成しました。2026年度も引き続き100パーセントを維持する見込みです。
店舗のグリーン化 -進捗状況②-
当社が推進している店舗のグリーン化に関する指標の推移をご説明します。当社では、店舗のグリーン化に向けた目標を設定し、継続的な取り組みを進めてきました。
その結果、各KPIにおいて着実な改善が見られ、環境負荷低減に向けた取り組みが確実に成果を上げていることがわかります。今後も店舗運営における環境負荷の低減を推進し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
中長期株主還元戦略 -配当方針-
当社の中長期的な株主還元戦略についてご説明します。当社は2022年8月に配当方針を見直し、株主還元のさらなる拡充に取り組んできました。当社では、適正資本における自己資本比率の目安を20パーセントから40パーセントとしています。この水準の維持を前提に、継続的な累進配当を実施していく方針です。
2026年度までは、配当性向を段階的に30パーセントへ引き上げることを目標としていきます。2027年度以降は配当性向30パーセントを基本とした累進配当を継続するとともに、DOE(株主資本配当率)4.5パーセントを下限として設定しています。
このため、来期の配当予想については、配当性向30パーセントを基準として算出した金額と、DOE4.5パーセントを基準として算出した金額を比較し、より高い金額を採用する方針です。
この方針に基づき、今期の年間配当金はDOE4.5パーセントを基準に1株当たり53.67円を予定しています。これは配当性向38.9パーセントに相当する水準です。また、2027年度よりDOE基準を導入することで、一時的な業績の変動やM&A実施に伴う利益水準の変動があった場合でも、安定的かつ継続的な増配を目指していきます。
当社グループ方針 まとめ
最後に、当社グループは気候変動問題解決を大きな事業機会と捉え、M&Aを通じて新たなエリアやブランドの獲得による事業拡大を進めています。あわせて、店舗のグリーン化やGHG排出量の削減など、環境負荷の低減に向けた取り組みも着実に推進しています。今後も持続可能な成長の実現を通じて、企業理念の実践と企業価値の向上に努めていきます。
以上で、2026年6月期の本決算説明を終了します。ご清聴ありがとうございました。
質疑応答:2026年度第4四半期および2027年度の営業利益率について
司会者:「第4四半期の営業利益率は、第3四半期の0.9パーセントから1.3パーセントへ改善しましたが、ボトムアウトと言い切れますか? 今期予想の1.9パーセントの達成は保守的でしょうか?」というご質問です。
成瀬:第4四半期の営業利益率については、期首にかなりの数のM&Aを実施した結果、0.9パーセントから1.3パーセントへと改善しています。これからも引き続きM&Aを実施していきますが、それ以上に業績改善が見込まれる状況です。1.9パーセントという今期の予想は、しっかりと達成したいと考えています。
司会者:補足すると、昨年度における既存の輸入車ディーラー事業で、新たにM&Aしたものを除いた部分の営業利益率は、通年および第4四半期ともに2.4パーセントとなっています。このため、M&A後のPMIが進めば、1.9パーセントを超えることも十分に可能と考えています。
質疑応答:M&A案件の質の向上について
司会者:「M&A案件が都心に近づいています。また、『BMW』など、M&Aの質も向上しています。この流れは、小規模ディーラーの収益の悪化が原因かと思いますが、今が良い案件のピークでしょうか? それとも今後、さらに案件の質の向上が期待できますか?」というご質問です。
成瀬:案件の質の向上については、現在ソーシングの部分でもしっかりと手応えを感じています。また、これまで不採算のディーラーを買収して事業再生を行うケースが多かったのですが、最近は収益を出している案件についてもご相談いただいている状況です。
ただし、現状としてはまず、前期・今期と進めているM&Aの足元を固め、一度収益をしっかりと作る期間を設けた上で、次のステップへ進みたいと考えています。現在進行中の案件もありますが、それと同時に足元を固めることを少し優先して進めていきたいと考えています。
質疑応答:中古車輸出関連事業の業販における粗利益率低下への対応および輸出の価格転嫁時期について
司会者:「中古車輸出関連事業の業販の売上高は、前年比35.3パーセントと大きく伸びる一方、粗利益率は悪化しています。商品回転率を重視した粗利益額の確保という方針は理解しますが、これが構造的にマージンを希薄化させる懸念はないのでしょうか? あわせて、輸出における適切な価格転嫁の実現時期についてもご教示ください」というご質問です。
成瀬:まず、輸出の価格転嫁に関するご質問にお答えします。輸出に関しては、これまで現地のお客さまとの関係がやや希薄でしたが、この体制を強化するため、ENG内の経営体制の強化を図っています。現地に滞在する人員を配置し、お客さまとの関係をしっかり築いた上で、輸送コストおよび金利の上昇分の価格転嫁を現地で真摯に営業していきたいと考えています。
また、業販の粗利益率の低下については、輸出用として当社が業販を行っている車種は、特に新型の「アルファード」がメインとなっているため、単価が上昇し、結果として粗利益率の低下が生じています。徐々に改善の傾向にあると思いますが、車種を増やすことで利益率全体の改善を図っていきたいと考えています。
特に、高額な新型車種の場合はどうしても利益率が低くなりがちですので、それを補うべく車種を広げていく方針です。
司会者:補足すると、中古車輸出関連事業については、マレーシア向けの輸出がほとんどを占めています。マレーシア側では、輸入台数が3万5,000台を超えると需要が減少する規制があり、現在はすでに不需要期に入っています。
1月以降の回復に向けて、それまでの間にさまざまな取り組みを進める予定です。特に、現地のお客さまとしっかり話し合いを行い、価格転嫁などを進めながら、1月の輸出回復時期に間に合うよう準備していきたいと考えています。
質疑応答:「Jeep」への依存度低減施策について
司会者:「主力ブランドの『Jeep』は、2021年のピークから約4割減少し、10年前の水準まで後退しています。マルチブランド戦略により下支えを図るとのことですが、『Jeep』への依存度低減について、具体的な数値目標を設定していますか?」というご質問です。
成瀬:これは「Jeep」だけでなく、我々がマルチブランドとしてシェアを持っているブランドのお話になりますが、例えば「Jeep」については、かつて1万5,000台が売れていた時期の店舗数が今もなお残っている状態です。現在、メーカーにも働きかけて店舗数を減らし、1店舗当たりの販売台数を増やす施策を進めています。
こうした取り組みを通じて、各ブランドメーカーと協業しながら、1店舗当たりの収益性を高めるために行動している状況です。これについては、近いうちにさまざまなかたちでお示しできるようになると考えています。
成瀬氏からのご挨拶
成瀬:当社は、ようやく売上高1,100億円を超える規模のスタートラインに立つことができました。これから収益でしっかりとお返ししていくため、現在は収益を確実に出せる姿をお見せするステージに進んでいると考えています。これを実現し、さらに成長のステージを上げていきます。ぜひ今期もご期待いただければと思います。よろしくお願いします。